死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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三人称視点です。


幹部会議

 

「はぁ!環が聖魔連合所属だってことがバレた?!」

 

 環が全日本魔法少女連盟から戻ってきて直ぐに、メンバー全員を集めた会議が開かれた。

 議題は無論、天の声のことである。

 

「これに関しては仕方がないよ、何せ相手は探知系だからね。しかもどういう原理で探知してるのかもわからないから対策は不可能」

 

 天の声は探知系統の魔法を持っていることはほぼ確定だが、それが分かったところで特にどうすることも出来ない。

 

「灰崎さんは黒曜団にいた時に探知系魔法を持っている魔法少女の話を聞いたことあるか?」

「いや無いな。ただ、一度も戦闘に出ていない幹部の情報を魔法少女が知っていたっていう話はわりと聞いたことはある。確かに探知系統の魔法を使えば情報を知られていたことにも納得できる」

 

 灰崎曰く、黒曜団に入った時には既に情報が魔法少女に漏れるということはどの悪の組織にもある程度あったらしい。

 始めはどの組織も裏切りを疑ったが、裏切り者を処分しても情報漏洩がなくならなかったとのこと。

 この事を灰崎は黒曜団の先輩から聞いたらしい。

 

「で、天の声は何か言ってたか?」

「えっと、八世召って人を探すことを条件に私のことは黙っていてくれるって。それと無理やり従わされているようだったよ」

「なるほどな…」

 

 正直、探知系統の魔法を使っても見つけられないんだったら、環に頼んだところで無駄になる可能性の方が高い。

 

「優真様、その天の声と名乗る人物は環様の事を言うつもりが無いのでは?」

「セレネもそう思うか?」

 

 そうなると、セレネの言うとおり始めから言うつもりが無いという可能性が高くなる。

 しかしそうなると、何故環に接触してきたのかという謎が残る。

 

「恐らく、環に頼んだのはダメ元だろうな。それで八世さんを探してくれれば御の字ってことだろう」

「それで、結局探すのか?」

 

 灰崎の質問通り、現段階では八世召を探す理由がこれといって無いのだ。

 天の声が仮に本当に報告したとしても、月に避難すれば良いだけだからだ。

 

「…探しておいた方が良いだろうな」

「兄さん何で?」

「環が言った通りなら、天の声は魔法少女連盟に従ってるのは何かしらの理由があるはずだ。それが仮に八世さんを人質にされてるからなら、探し出して解放すれば天の声は魔法少女連盟に従う義理が無くなる。そしたら相手は探知役がいなくなるからこちらが動きやすくなるって訳だ」

 

 優真の発言に全員が納得する。

 

「八世さんの探索はセレネに頼みたい。国のホームページにハッキングか何かすれば情報出てくるだろ」

「承知しました」

 

 なお、優真は既に環があらかた調べ尽くして情報が見つからなかったことを知らない。

 その為後日セレネがオーバヒート寸前まで稼働し続けることになるが、それはまた別のお話。

 

「あと全員この場に居るからついでに報告会するぞ。まずはセレネと元花が鉱山を見つけたことだな。俺も探索に同行したが、中は身体の一部が結晶化した蟻達の巣だった。そしてその奥から大量の結晶と鉄鉱石などが出てきたが、環ここ作る時に何か混ぜたか?」

「混ぜてないよ!だいたい私の魔法は生命魔法、鉱石とは関係ないでしょ!それに鉱山が有ったなんて今初めてしったし!」

 

 結局、鉱山については何も分からずじまいだ。

 

「次は元花が学校に行くかどうかだが、どうするよ?」

 

 元花を優真と環の学校へ入学させるための編入手続きや戸籍偽装などは済ませてあるが、魔法少女連盟に探索役が居ると分かった今、元花を学校へ行かせるのには不安が残る。 

 

「あの…私は別にかまいませんよ、逃げ足には自信がありますし。それに…皆さんの役に立ちたいので」

 

 しかし、この話題については元花本人から学校へ行くと申し出があった。

 

「本当に良いのか?」

「はい」

「…分かった、それじゃあ元花はこれより聖魔連合の諜報員に任命する、その隠れ蓑として学校に通ってくれ」

「わかりました」

 

 元花の素材となった猫は足音を立てずに素早く移動ができる。諜報員にもってこいの能力だ。

 それに元花は性格上あまり戦闘が得意ではないので諜報員は役に合っていた。

 

「それと灰崎さん、頼んでたの出来てるか?」

「出来てるよ、ついさっき完成した」

 

 灰崎が持ってきたのは猫耳と人耳が付いたカチューシャのようなものだ。

 

「これが頼まれてた元花の猫耳を隠す機械だよ。早速着けてみてくれ」

「わかりました」

 

 元花はカチューシャの猫耳部分を自分の耳にはめるように身につける。

 

「そうしたら脇のボタンを押してくれ」

 

 元花が灰崎に言われてボタンを押す。

 すると、猫耳の部分が透明になり見えなくなる。

 

「これなら、バレずに学校行けるだろ」

「すごいな灰崎さん、ありがとな」

「良いって。その代わり、今後とも資金などの提供を頼むぞ」

「そのくらい任せろ」

 

 灰崎が作ったこのカチューシャ形機械があれば、元花は問題なく学校てへ行ける。

 対価に灰崎は資金を要求したが、優真はもとより資金は大量に渡すつもりだったので問題はない。

 

「そして最後だが、環、お前の武器が出来たぞ」

「本当!」

「ああ、俺が帰ってくる少し前に完成したらしい。灰崎さん持ってきてくれ」

「わかった」

 

 実は優真達が帰る少し前に盾は完成していた。

 優真の武器を作った時間よりはるかに時間がかかった。

 

「持ってきたよ」

 

 灰崎が持ってきた盾は、ゲームの武器区分で言うとこの大盾だ。

 元は純白だった色は血のような赤色になり、中心には桜のマークが描かれている。

 

「すごい!すごいよ灰崎さん!」

「そうだろ、その盾の機能は【吸血】と【怨みの重み】って機能だな。【吸血】はそのままの意味で血を吸うことで自動的に修復する。【怨みの重み】は相手を憎めば憎むほど自身を強化するらしい。【吸血】は血液を使ったからだろうけど【怨みの重み】はそれだけ環が魔法少女を怨んでたんだろうね」

 

 環の魔法少女に対する怨みは相当なものだ。

 過去に行った幹部会議(仮)の時に魔法少女は絶対に殺すと宣言しているくらいだ。

 

「【吸血】に【怨みの重み】か…自分でもびっくりだよ。確かに魔法少女を怨んでるけど武器にまで反映されるとは。けど桜要素どこ行った?」

「多分だけど、桜の木の下には死体が埋まってるって言うから、そこから【吸血】の機能が来たんじゃない?」

「確かにそうかも」

「ねえ環、その武器の名前どうするの?」

 

 環の疑問について優真が答えた後、アルが武器の名前をどうするのかの質問をする。

 

「そうだな…血を吸う盾に桜のマーク、決めた!この盾の名前は血吸い桜(ちすいさくら)よ!」

 

 こうして環の新たな武器である盾は血吸い桜に決まった。

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