死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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三人称視点です。


第八章 シスターと取り巻く因縁
西側


 

 次の日の朝…。

 

「優真、空間の手間に設置できたよ!」

「よしきた!」

 

 報告会が終わって直ぐに伸ばし始めていたアルの根によって弾丸が設置された。

 アルの報告を聞き、優真は急いで内線用の放送マイクを手に取る。

 

「連絡、連絡!ついさっきワープゲートを西側通路最奥に設置した!昨日連絡した通り三十分後に探索を開始するため探索班に配属されてた班員と幹部は広場に集合するように!」

 

 

 

   ◇◇◇ 三十分後… ◇◇◇

 

 

「よし、全員集合したな。それじゃあアル、分かる範囲で地下の状況説明してくれ」

「了解、えっと地形は昨日探索した東側とあまり変わらないね。けど、地下空間の前に大きな扉があった」

「扉?」

「うん。それで扉の下をくぐって中を見ようとしたんだけど、入った瞬間に根っこを切断された上に切り口を燃やされた」

「つまり中に人がいるって以外あんま分からなかったと。まあ弾丸設置できたからいいか」

 

 そうしてレイヴンは地下の扉前にワープゲートを展開する。

 

「これは…すごいね…」

「あぁ…」

 

 ワープゲート越しに見えた扉はとても重厚でさらに装飾も施されており、神々しさすら感じる。

 

「アル、お前が植物で扉を開けてくれ。開幕早々攻撃されたらたまんないからな」

「わかった」

 

 アルが植物をワープゲート越しに伸ばし目の前にある扉を音を立てて開けていく。

 

「…大丈夫そ『バリアカッター!』っ、植物盾(リーフシールド)!」

「オウル!クソッ、やっぱり攻撃してくるか。こんなんばっかだなほんと!」

 

 開いた扉の内部を確認しようと覗き込んだオウル目掛け攻撃が飛んでくるが間一髪盾でガードする。

 攻撃をしてきたのは扉内部に立っているシスターの恰好をした女性だ。後ろにも似たような恰好の人達が控えている。

 

人数が多いっ、皆さん後方へ!援護を頼みます!」

 

 そうしてオウルを攻撃した女性は仲間であろう後ろにいる人達に指示を出しこちらへ盾を構えて向かってくる。

 

 …ワープゲートを踏み越えて。

 

「さあ、どこからでもかかって『ワープゲート解除!』来な…さ…い」

 

 そして女性が気付いた時には既にワープゲートは閉じられ、一人聖魔連合本部に取り残されてしまった。

 

「あっぶな!あのまま全員こちらに流れ込んできたらヤバかった」

「っ、あなたがボスですか。バリアカッター!」

 

 女性はレイヴン目掛けてオウルに放ったのと同じ魔法を放つがテレポートで回避する。

 

「総員攻撃開始!生け捕りにしろ!」

『ウオォォ!!!』

 

 レイヴンの号令で探索班のメンバーが我先にとシスターへ殺到する。

 

「バリア!」

 

 しかし、シスターが四方に展開したバリアにより攻撃が防がれる。

 

「面倒な…」

「みんなどいて!肉塊粘土·腕(ミートクレイ·アーム)!」

 

 手数がダメなら物量だと言わんばかりにオウルが右腕を変化させバリアごとシスターを押しつぶす。

 

「おいオウル、シスター無事なんだろうな?」

「大丈夫。それに…、まだ倒せてない!」

 

 オウルが言い終えた瞬間、肉塊を突き破って何かがそびえ立っていく。

 

「これは…、教会?」

民を守る教会(バリア・チャーチ)、私の努力の結晶です。このまま反撃と行きましょう。バリアカッター、全方位展開!」

 

 いつの間にか鐘楼に立っていたシスターが教会の周りに回転するバリアを六枚展開し、更にそれらを教会を中心に回転させることで攻略班を攻撃する。

 

「レイヴンさん、このバリア固すぎる!私でも切れない!」

「っち、裂でも無理か。総員撤退!遠距離攻撃持ちは撤退しながら攻撃し続けろ、バリア操作に集中させるな!赤川、ブラッドシールドで撤退の時間稼げ!」

「緊急連絡!本部に敵が侵入した!至急動ける幹部は広場に集合して!」

 

 壊れない武器を振り回す相手の対抗策のどなく、探索班は広場の隅へと避難する。

 

「…ねえ兄さん、何か攻撃弾かれてない?」

「確かに弾かれてるな。確認してみるか、時空弾丸(ディメンションバレット)モードスナイパーライフル」

 

 レイヴンが鐘楼に居るシスターを狙って狙撃する。シスターの体はバリアで遮られておらず、このままなら弾丸が命中する位置に居る。

 

「無駄です」

 

 しかし、弾丸はシスターに命中する前に見えない何かに阻まれた。

 

「ち、やっぱり防がれたか。オウル、弾丸が防がれた時バリア見えたか?」

「いいや見えなかった。多分魔法自体はバリアなんだろうけどそれに+αで何か特殊効果ついてる」

「だよな。どうし『オウル様!敵の侵入ってどう言うことですか?!』ん、菫来てくれたか」

 

 探索班が攻めあぐねていると、先ほどのオウルの連絡を聞き付けて酒井菫が到着した。

 額から汗が垂れておりかなり急いで来たことがうかがえる。

 

「あの教会の上の方に居るのが敵ですか?」

「そうだよ。ワープゲートで西側の探索に行こうとしたら逆にこっちに来ちゃって」

「おまけに魔法の効果であそこにある教会にいるシスターに当たる前に攻撃が防がれちまう。恐らく通るのは光や気体…、そういや菫って毒ガス操作出来たよな?」

「出来ますよ。それと鍛えてから毒の種類や強さもある程度ですが調整できるようになりました」

「なら今から言うガスを作ってくれ。それをワープゲートで飛ばす、これがダメなら魔力切れまで持久戦するぞ!」

 

 レイヴンは教会の上空にワープゲートを展開する。

 

「何をする気ですか?民を守る教会(バリア・チャーチ)の前にはあらゆる攻撃が無力化されます」

「それはあくまで質量を持った攻撃か良くて炎までだろ!なら気体はどうだ、菫!」

「ティアガスボム!」

 

 そしてワープゲートから菫の作り出した気体の塊が現れ教会の上空で破裂する。

 

「いったい何を…ゴッホゴッホ!な、何がおきて…」

「呼吸出来てるってことは空気等の気体は通す、なら催涙ガスの類いは通るよな!」

 

 菫が作り出した毒は催涙ガス、それによりシスターは咳、くしゃみ、鼻水、涙等の症状により顔が酷いことになっている。

 

「あ、教会が…」

 

 魔法を維持する集中力が切れたのか教会が崩れていく。

 

「やっべワープゲート」

 

 鐘楼にいたことにより落下するシスターをレイヴンがワープゲートで救助する。

 

「取り敢えず確保ッと。オウル、治療頼む」

「了解」

「連絡!敵は確保した、しばらく尋問何かで時間が空くため少なくとも午前中の探索を中止する!」

 

 こうして西側の探索は思わぬ理由で延期された。

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