死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。   作:鬼獣八紅

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三人称視点です。


大聖堂

 

 大聖堂祭壇前、そこに民守祈と黒榊兄妹が対面で座わり、他メンバーがそれぞれのリーダーの後ろに並ぶ。

 

「取り敢えず、交渉の場を用意してもらい感謝する」

「こちらこそ、この交渉を有意義な物にしましょう」

 

 ここで、聖魔連合と堕天大聖堂の交渉が行われようとしていた。

 

「始めに自己紹介をしよう。俺はレイヴン、後ろにいるのが妹のオウルと部下のアルだ」

「それではこちらも、私は民守祈、左右にいるのが副官である東祭葵さんと西祭茜さんです」

 

 最初にお互いの自己紹介を行い本格的に交渉を始める。

 

「次に組織の説明だ。こちらは聖魔連合という組織だ。聖魔連合の目的だが、要約すると怪人も魔法少女も争わず平和に生きれる世界を創ることが最終目標だ。とはいえ、構成員の大半が怪人な上魔法少女の所属は二人、しかも元から連合に所属していた者しかいないがな」

 

 レイヴンの説明を聞いた数名のシスターが露骨に顔を歪めた。

 

「皆さん、気持ちは分かりますが押さえてください」

「…分かりました」

 

 そんなシスター達を民守がなだめ、組織の説明を始める。

 

「こちらの組織はこの大聖堂の名前にもなっている堕天大聖堂と言います。ここは地上から何らかの理由で邪魔になった魔法少女や一般人を様々な道具や怪人の材料にすべく保管しておく施設がベースとなりこの大聖堂が建設されたと伝えられています。そして私達の目的はマナ·オペレイドの討伐です、これは代々受け継がれてきた悲願でもあります」

 

 民守たち堕天大聖堂の目的はマナ·オペレイドなるものの討伐。しかしその名は聖魔連合の情報には一切ないものだ。

 

「二つ質問ある。一つ、マナ·オペレイドとは何だ。二つ、代々受け継がれてきた悲願と言っていたがそれはどういうことだ」

「その二つの質問は同時にお答えできます。遠い昔、私達の祖先はとある戦いに敗れここへ閉じ込められました。その戦いの相手がマナ·オペレイドです。そして祖先は晩年、『マナ·オペレイドを討ち取れ。討ち取ったときが、もう一度我々が太陽の元を歩めるときだ』と、遺言を残したと伝えられています」

「…ねえ、野暮な質問かもそのマナ·オペレイドって今も生きてるの?遠い昔とか代々受け継がれてきたとかなら数十年前とかの話じゃないだろうし」 

 

 オウルの疑問は誰もが思ったことだ。数世代にも渡って代替わりするような時間を生きられる生命は少ない。何よりこのような地下空間を生成するだけの個人又は組織があれば何かしらの情報が残るはずだが何も無いのだ。長年地下にいた白夜でさえ都市伝説という形で残っていたのにだ。

 けれど何かしらの理由で死亡していれば情報が無いのもうなずける。

 

「マナ·オペレイドは生きています。神に誓って断言しましょう」

 

 オウルの質問を民守が力強く答える。

 

「根拠は?」

「そうですね…、西祭(にしまつり)さんあれを」

「よろしいのですか?!」

「はい、というよりそれくらいしか根拠がありませんので」

 

 民守の指示で後ろにいた副官の一人があるのもを持ってきて机の上に置く。

 

「これは?」

「祖先の仲間の一人が持っていたとされる魔法、魔道具魔法によって作り出されたとされる魔道具、命の観測者(ライフ·オブザーバー)です」

 

 そうして机の上に置かれた物は一見するとただの砂時計のような物だ。

 

「この砂時計は登録された生命が死亡するまで上の砂が減ることも落ちきることも下が砂で満たされることもありません。そして、これが製作されてから今日この時まで砂は絶えず落ち続けています」

「誰かがひっくり返している可能性は?」

「逆さまにしても不思議なことに上に向かって砂が落ちるのでやるだけ無駄です。このように」

 

 民守が砂時計を逆さまにするが、確かに砂が上へと落ちていく。

 もし本当にこの砂時計が民守の言うような効果なら、数百年は生きている化け物が存在することになる。

 

「次はこちらからの質問です。あなた達はなぜこのような組織を創ったのですか、あなた方ほどの年齢なら両親の保護下である筈では?」

「…両親は死亡してる、魔法少女の攻撃に巻き込まれてな。今の社会システムだと両親のような事象が起きても魔法少女は無罪放免だ。それに怪人含む魔法少女以外の魔法持ちは悪の組織関係者と見なされて何されるか分かったもんじゃない。無論、これで魔法少女に殺されても魔法少女は無罪だ。このような理不尽を無くして平和に生きれるような世界を創る、これが聖魔連合の設立理由だ」

「…すいません、辛いことを思い出させてしまって」

「別にいい、それに俺たちは理想の世界を創る為に今の秩序を乱してる自覚はあるし、それに伴って殺人もしてるから今はもう魔法少女をとやかく言える立場じゃない」

 

 実際、レイヴンは青柳美空から従姉を殺したとして正当性しかない怒りを向けられている。

 

「それで、ほかに質問は?」

「…いろいろありますがかなりの質問数になりそうなので今はこれ以上の質問は控えます」

「分かった、質問があれば随時答えよう。次がこの交渉のメインの内容だ。民守さん、堕天大聖堂は聖魔連合に加わる気はありますか?」

「そうですね…、私として─「民守様、私は断固として反対です!」─ひ、東祭さん?」

 

 突然、民守の後ろにいた東祭が声を上げ反対の意を示した。

 

「民守様、私も連合加入に反対です」

「に、西祭さんまで」

 

 そして西祭までもが反対し、交渉どころではなくなってしまった。

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