死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。 作:鬼獣八紅
三人称視点です。
「魔法とは何かか…」
ライズとの取引で聖魔連合が一番欲しかった情報がこの『魔法とは何か』だ。
この情報が手に入れば魔法少女の対策が取りやすくなると考えたためだ。
「その質問に答えるためには先に二つのことについて説明しなければならない」
「二つのこと?」
「我の世界の成り立ちと魂の定義についてだ」
そうしてライズは異世界の成り立ちについての説明を始める。
「天地が存在するより遥か昔、世界には
「…ん?」
「そして
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「東祭さん、レイヴンさんのご厚意でこの場にいるのですよ。少し落ち着いてください」
「いやだって、ライズさんが話してる内容まんまギリシャ神話ですよ!」
ライズが話した内容、それはのレイヴン達の世界ではギリシャ神話、その創造神話の内容と全く同じであった。
「それは本当か東祭さん?」
「えぇ、堕天大聖堂に複数ある神話図鑑のギリシャ神話の項目に載っていたので間違いありません」
「そうなのか、にしたってよく思い出せたな。こういう神話系調べるのが趣味なのか?」
「たまに地上から落ちてくる書物が保管されている古書館で読んだことがあるだけです。地下には…読書ぐらいしか娯楽が無いだけですよ」
「…なんか…すまん」
東祭の哀愁漂う声に、レイヴンはこれ以上の追求をやめた。
「ほう、こちらの世界でもこの神話があるのか。ならば東祭とやら、この神話の続きは言えるか?」
「全部は無理ですけどね。えっと確か続きは…、
「いや十分だ、戦いになった理由などが説明から抜けているが一部を除いてこちらの神話とお同じだ」
東祭の説明したギリシャ神話はライズの世界に伝わる神話の内容概ね同じであった。
「ライズ、東祭さんの説明で何か差異があるのか?」
「先ほど東祭はティーターン十二神と言ったが、こちらの世界の神話ではティーターン十五神となっておる。神々の名は
「こちらの世界の神話には
「ちょっと待て、”ティーターン十二神とは”で検索っと…、東祭さんが言ってた三柱の名前は無いな」
レイヴンがスマホでティーターン十二神について調べたところ、東祭の知識に間違いは無かった。
「では続きは我が話そう。我の世界の神話でも理由は今は関係ないため省略するがオリュンポスの神々とティーターン十二神との間で戦いがありオリュンポスの神々が勝利した。こからが重要なのだが
「なるほど、そもそも別次元に行ってた上に記憶を消したのなら神話に登場しないのも納得だな。で、その世界の成り立ちが魔法とどう関係がある?」
今までの説明は異世界の神話…と言うよりはギリシャ神話の説明であり、魔法との関連性がいまいち見えてこない。
「その説明と魂についての説明を今から行う。先ほど別次元に
「その知性なき人々は怪人と何か違うのか?」
「まったくの別物だ。怪人は自我も実体もあるだろ、知性なき人々には自我は無く、実体すらあやふやで世界と半分同化しているような存在だったそうだ。そこで、これはマズいと
ライズの長い説明を要約すると、脅威に対抗するために神が授けたのが魔法ということだ。
「…魔法とは何なのかはある程度理解した。魔法少女の魔法もその刻まれた物と同じか?」
「恐らくな。サンプルが少ないから確証は持てんが、使用していた武器や防具の仕組みがこちらと同じだったからそう見ていいだろう」
「そうえばお前も変身してたな。あれどういう仕組みだ?」
「先程魂に魔法が刻まれていると話したな。その際に一緒に一人ひとつ武器や防具が配布される。とはいえ後から強化したりある程度のデザインの変更可能だがな。使ってない時は別空間に保管されているという説が有力だが未だに変身の原理は解明されていない。それと最初に武器が貰える場合と貰えない場合があるが、貰えた場合はその武器が自身に適正のある武器のようだ」
どうやら異世界でも変身バンクの仕組みはよくわかっていないようだ。
「あ、それとこれも聞いておかなくちゃな。ライズ、異世界でも女子以外が魔法を使うことは異端か?」
「いやそんなことは全然ないが。我の世界では五歳までに教会で魔力解放の儀式を行い、この儀式を行うことで初めて魔法を行使できるようになる。その際に有力な固有魔法持ちや何か異常が起きれば即座に王国へ報告されるが少なくとも教会が発足してから数千年、地域単位でも女子しか魔法が使えませんなんて報告記録は無いぞ」
「は?じゃあ何でこっちの世界じゃ基本的に女子しか魔法が使えないんだよ」
「知らん、むしろこちらが知りたい」
異世界では男女共に魔法は行使できる。ライズからしてみれは基本的に女子しか魔法が使えないこの世界はかなり異常に思えた。
「はぁ…これに関しちゃごちゃごちゃ言ってもどうしょうも無いな。取り敢えず一番欲しかった情報は入手できた。オウル、ライズが言ったことが確かなら今現在魔法が使えない者の魂にも魔法が刻まれている筈だ。後で確認するぞ」
「てか直ぐにでも行ってきていい?話が難しすぎてあまり理解出来なかったから私がこの場にいてもあんま意味ないし」
「いいぞ。ただし相手の同意は確認しろよ」
「了解」
そうしてオウルは怪人達が住むエリアへと飛んで行った。
「さて、次はお前だな」
そうしてレイヴンたちは次に八世召の尋問へと移った。