【完結】聖女(俗物)が10日で駆け抜ける世界救済(現場猫案件) 作:sugar 9
――なら、一緒に行きましょう。あなたが本当にやりたいことを見つけるまで、私をあなたの居場所にしてください。
かつて、セーラにかけられた言葉は、今思えばセーラ自身にとっての救いであったのかもしれない。
聖女の大隊第一席、ミナト・フォン・デア・フォーゲルワイデはそう考える。
女である自分が嫌いだった。戦場に身を置く上で、女であるという事は庇護される立場に立たないかぎり邪魔でしかない。女であるというだけで、常に自分を軽んじられて生きてきた。実力としては申し分ない、という自覚はあった。事実、女性としては初めて、騎士団の部隊長にまで上り詰めるという栄誉に預かることはできた。
だが、剣の強さで上がれるのはそこまでだった。そこから先は、女性だからという理由だけで軽んじられる日々だった。剣などまともに振ったことすらないだろう下卑た笑みを浮かべる上流階級の男共に護衛という名目でありもしない万が一の事態に備えて付き従わなければならない日々が続いた。戦場からは離れ、武勲を上げる機会も減っていき、ただ見目麗しい飾りとして付き従うことを強いられる日々。それは、血反吐を吐く思いで鍛え上げた剣の腕よりも、手入れなど最低限しか行っていないにも関わらず輝きを保つくすんだ金色の髪が、戦場には似つかわしくない雪のような白い肌が評価される日々であった。自身の容姿が優れていることを心の底から憎んだ日々だった。
はっきり言ってしまえば、1秒だって長くそのような場所には居たくなかった。だが、女の身で、それほど高くない身分の家の出でありながら部隊長の身分にまで至った彼女は、彼女と同じく女の身でありながら騎士の道を志す女性たちにとって希望であった。
彼女達を裏切りたくない。その一心で、彼女はいつしか何故騎士に憧れたのかも忘れ、名を上げる事に執着するようになった。慣れない食事や舞踏会に呼ばれることも増え、そういった場での所作にも慣れ始めた頃。
特に何か決定的なきっかけがあるわけではなかった。だが、かつて自分が憧れたものからは乖離しつくした自分の姿から無意識に目を背けながら生きた結果、精神が摩耗しつくしていたのだろう。
最後に剣を振ったのがいつだったか分からなくなった時だろうか、
成りあがるためならば身体を許すことも覚えた時だろうか、
それとも、かつて自身に憧れてくれた少女が、自分に失望の目を向けるのを見てしまった時だろうか。
いずれにせよ、それらがつもり重なった結果、彼女の精神は一度根元から折れた。
そうして彼女は、かつて戦場で生き死にを共にした剣で以て、自身の顔に消えない袈裟斬りの傷跡を刻み付けた。
その傷跡が出来てからは面白いように呼ばれる機会が目減りしていった。
毎日のようにあった護衛の任務は週に1度程度になり、それも使ってやってるのだからありがたく思えと言外に示すようなものばかり。それ以外の時間は、誰でもできるような雑務ばかり。
騎士として、国に命を捧げるという誓いが働き、命を投げ出すまでは至らなかったが、それも結局国など関係なく、ただ死ぬのが怖いだけであることに薄々感づいてからは、もはや仕事すらもまともに行えなくなった。
そして、最後にたどり着いたのが、聖女部隊だった。かつて世界を救ったとされる聖女の生まれ変わり。彼女を庇護し、支えるために女性のみで構成された部隊。目に見えてお飾りの為でしかない部隊の副隊長。それが厄介払いとしてミナトが行き着いた先だった。
「あなたがミナトさんですね。 私はセーラ、セーラ・アーベラインと言います。何かと至らぬ点もあると思いますが、よろしくお願いします」
当初の聖女部隊のために用意された、小さく薄汚れた部屋。かつては物置として使われていたであろう小部屋。そこでミナトは、セーラと出会った。
薄暗い部屋には似つかわしくない、煌びやかに輝く金色の髪。この世には希望があると信じて何一つ疑っていないことが伺える翠色の瞳。
花が咲くような笑顔で、少女、セーラはミナトを出迎えた。
城内の聖堂のそばにある小さな部屋。仮にもかつて世界を救ったとされる聖女の生まれ変わりに用意したというには質素が過ぎるその部屋は、教会ですら彼女が聖女の転生などとは信じていなかっただろうことを如実に示していた。彼女が聖女の生まれ変わりであると信じた一部の者の中に有力な貴族がいなければ、そもそもこうして部隊を設ける事すら許されなかっただろう。
腹芸が未だに不得手なミナトですら、彼女がほぼ期待されていないことなど何も喋らずともわかるのに、目の前にいる自分より頭2つは小さい少女はそんなこと気づいてすらいないと言わんばかりに部屋の掃除に励んでいた。
「最初の仕事はこの部屋の掃除です! 手伝ってください!」
「……はあ」
正直、あの時のミナトに、セーラという存在は眩しすぎた。
彼女は優しかった。当初は数人程度しかなかった、それも厄介払いされるような評価しか受けられなかった女性達を聖女部隊としてまとめ上げ、理不尽な現実に打ち砕かれそうな人々に対して救いを振りまきながら、仕事の大小に問わず成果を上げ続けた。
そして、彼女はあまりにも強すぎた。神話や聖女というものはミナトは国教だから信じている程度でしかないがもし本当にいるとしたら彼女みたいな存在なのだろうという程度には強すぎた。無限に等しい、少なくともミナトは今日にいたるまで底を見たことがない魔力を非常に高い練度で操る彼女は、軍を持ち出してなお痛み分けで撃退するしかない魔物との戦いにおいてすら苦戦らしい苦戦をすることがなかった。
行く先々で、人々を救いながら任務をこなしていき、彼女に賛同した者が次々と彼女の傘下に入っていく。その中には国が様々な事由から排斥した実力者も含まれており、圧倒的な実力を持つ彼女だけにとどまらず、彼女が率いる烏合の衆のはずの聖女部隊も同時に大きくなっていった。
聖女部隊というある種の蔑称で呼ばれていた彼女が率いる軍団は、いつしか聖女の大隊と呼ばれ、国有数の精鋭部隊として、聖女の生まれ変わりという旗印の下、多大な支持を集める事となっていった。
当然、彼女の実力を知ることになった国側にとって、彼女は目の上の瘤となりつつあった。権力にまるで興味がなく、無償の救済をバラ撒き、無遠慮に支持をかき集める彼女によって国内の勢力図は滅茶苦茶になり、権力者の中には彼女を憎む者も少なくなかった。当然、彼女に取り入ろうとする者も少なくなかったが、ミナトも含めて聖女の大隊の中でも統率役に近い立場の者は優秀ではあるが様々な理由から国から排斥された者も少なくなく、気が付けば聖女の大隊は国の指揮系統から独立した部隊となっていった。
邪魔が入ることもあった、それは、魔物によるものだけではなく、彼女の活躍を良く思わない人によるものも多かった。
それでも、彼女は止まらなかった。遍く全てを救うため、害意にも悪意にも屈することなく、ミナト達の先頭に立って正義の道を歩み続けた。
それは、正しく救世主が遍く全てに救いを振りまくおとぎ話の領域であり、そんなおとぎ話の中で正義の味方であるかのように聖女の下で戦う事は、ミナトがいつか憧れた騎士そのものであり、いつしか彼女の心の傷も少しずつ癒えていった。
しかし、そんなある日、ミナトは見てしまった。
魔物との戦い、不慮の事故を装った一部の反聖女派が差し向けた部隊との交戦を経た日の夜の事。
誰もいない野営地の外れで座り込み、何かに疲れたような憔悴した顔で夜空を見上げるセーラの姿を。
そこには、普段の彼女が持つ輝きはどこにもなく、年相応の少女がいるだけだった。
「っミナト、さん?」
彼女は何かに怯えるかのように体を揺らして反応した後、取り繕うかのようにいつも通りの笑顔を浮かべた。
「どうしましたか? 眠れないんですか? ミナトさん」
「い、いえ……」
ミナトは、戸惑いながらも、ここで見なかった振りをしてはならないという強迫観念に似た衝動に任せてセーラの隣に腰かけた。髪色や白い肌くらいしか共通点はないが、共に容姿が優れていたこともあり、並ぶと姉妹のようだと言われることは、ミナトにとって小さな自慢であった。
「……見ましたか?」
「……はい」
普段の底抜けに明るい彼女から発せられたとは思えない沈んだ声色だった。普段と違いすぎるセーラの声に何と言えば良いか分からず、ミナトはただ頷くことしかできなかった。
「そうですか……」
2人の間に何とも言えない空気がしばし流れた後、ゆっくりとセーラがしゃべりだした。
「たまに、思うんです。私は本当に聖女なのかって」
普段ははきはきと喋るセーラにしては珍しい、口から漏れ出したかのような喋り方だった。
「誰かを助けるのは好きです。皆の為に頑張るのもまぁ好きです。けど、私は本当にそれだけで、力が無ければ、魔物の前に立つ勇気なんてきっと出なくて」
「え……」
そこにいたのは、少なくともミナトから見ればどこにでもいる、1人の少女だった。少なくとも、国のために日々戦う気高い聖女然とした普段の彼女からは想像もできない姿だった。
「魔物を倒していたら、私を殺そうとする人が出てきて、私のやってることって、本当に正しいのか分からなくなって……」
ミナトは、ただ唖然と、聖女でも何でもないただの少女のように喋る目の前のセーラを見つめていた。
それが、酷く追い込まれているかのように見えて。ミナトが守らなければならない無辜の民と同じように見えたのだ。目の前の少女は、その気になればミナトなど魔法1つで吹き飛ばせるにもかかわらず。
ミナトは思わず、セーラに横から抱き着いた。ミナトはセーラと比べて二回りほど大きいため、覆いかぶさるような形になる。
「えっ……?」
「む、昔、母にこうされると安心したのを思い出したので……」
「はぁ……」
しばし、2人はそのまま動かなかった。夜だからか音らしい音は無く、2人の呼吸音だけが聞こえる。
「……あ、あの、そろそろ」
「っ、す、すみません」
セーラの声で正気に戻ったのか、ミナトは慌てて離れる。改めてセーラの方を見れば、そこには若干顔を赤くしたセーラの姿があった。
「えっと、ありがとうございます」
「い、いえ、そんな……」
普段の底抜けに明るいセーラの姿とあまりにも乖離があるからだろうか、ミナトは何やら見てはいけないものを見てしまったような気分と同時に、セーラは聖女の生まれ変わりでも何でもない、たまたま聖女の力を持って生まれてしまったただの善良な少女であることを自覚した。
「その、できればこのことは皆さんには内緒でお願いしますね」
「は、はい、承知しました」
だからだろうか、目の前の少女を守りたい、庇護したい。そういった無礼にもほどがある欲求が首をもたげてしまったのは。この瞬間の彼女は自分だけのものなのだという優越感を持ってしまったのは。
これでセーラが本当に聖女を頑張って演じるただの美少女で、(あ゛ー、もうヤダ疲れたしんどいチーズ蒸しパンになりたい)とか思いながらボーっとしてた俗物でなければ、素敵なロマンスの1つでも始まっていたのかもしれないが、現実は残酷である。
―・―・―・―
「……冗談はよせ」
「あいにくだが、私はこんなつまらない冗談を言う趣味は持ち合わせていないよ」
セーラがいる時には基本的に和やかな空気が漂う会議室、そのセーラがいない会議室には、2人の女性しかいないにも関わらず、重苦しい空気が漂っていた。
聖女の大隊を構成する部隊をそれぞれ率いるリーダーによって構成される「円卓」。その第一席を務め、階級の上下はないが実質的なリーダーとして様々な業務をこなすミナト。
そんな彼女と相対している乱雑に首のあたりで切りそろえられた赤髪と薄汚れたコートをまとった女性は、かつて天災の2つ名で知られ、いくつもの禁忌指定術式を構築したことでも知られる正真正銘の天才、テレジア・アルムガルトであった。
彼女自身の魔力量は平均と比べても低く、単体の戦力的には何ら脅威でないにもかかわらず、様々な凶悪な術式を作り出すその頭脳を恐れられて国から追われる身となっていた女性である。
2年前、セーラは邪竜エンデの討伐に成功した。魔物を生み出し続ける無尽蔵の魔力炉である魔晶核を心臓に持つそれは、人間の力でどうにかできるようなものではなく、はるか昔から人類は幾度となく挑んでは敗れていった邪竜である。
それを、セーラは倒してしまった。それも独力で。彼女にとっては、目の前で飢えに苦しむ子供を救う事も、はるか太古より人類の脅威であった邪竜を倒すことも同じことなのだろう。
だが、帰ってきた彼女は、異様な程に弱っていた。テレジアが調べた限りでは、彼女の魔力量は、かつての半分ほどになっており、十二分に絶対的な強者の域には居るものの、かつてのような全てを力で救えてしまうほどの実力はなくなっていたのだ。
邪竜と戦う際に何かされたのではないか、邪竜がもつ負の魔力によって癒えない傷を負ってしまったのではないのか。大隊内からそのような声が上がることは何も不思議ではなかった。
いくら彼女に問いただしても何でもない、大丈夫だの一辺倒だが、そこで頷けるほどミナトは楽観的ではなかった。
今の彼女には万が一があり得る。そんな彼女を表に出すわけにはいかないというのが、実質的な組織のリーダーであるミナトの考えだった。
幸い、魔物を生み出す魔晶核はセーラによって破壊され、今後魔物が生まれることはもうない。魔物は討伐すればするだけ数を減らす一方であり、セーラのような都合の良い救世主の存在はもう求められない。セーラの身を危険にさらす必要はどこにもないのだから。
「邪竜エンデは死んでいない」
だからこそ、テレジアからの報告は、ミナトには信じがたいものであった。
「どういうことだ。邪竜エンデはセーラによって討滅された。」
「そうだね。確かに世界中で魔物の生成は止まり、セーラも出張らなくてよくなった。だからこそ邪竜の顎が残っていることが私は疑問だったんだ」
「あれは邪竜が断末魔として発した負の魔力が残留しているだけだろう」
「私もそう思っていた。だがそれにしては残留した負の魔力の減衰の速度が異様に遅い。何ならあの地自体が負の魔力を発しているとしか思えないくらいだ」
邪竜の顎、セーラとエンデが戦う中で隆起した地面によって構成された岩山である。かつてない戦いにさらされた影響か、今なお邪竜特有の負の魔力が色濃く残る場所であり、生き残った魔物が負の魔力に惹かれて集う今や数少ない危険区域である。
現状唯一、魔物との戦闘が行われている土地であり、ここでの戦闘は聖女の大隊と、一部王国の精鋭部隊のみで行っており、この件はセーラには知らされていない。言うまでもなく、また独断で動きかねないセーラのことを案じてのことである。
「そうして邪竜の顎を掘り返した結果、見つけたのがこれだ」
そうしてテレジアが懐から紙片を取り出し、ミナトに見せる。魔力を込めてかざせば目に映る景色をそのまま転写することができる、簡単に言ってしまえば写真機のような機能を持つ紙片だ。
その紙片には、薄暗い洞窟のような場所の中で紫色に輝く繭のようなものが映っていた。
「これは?」
「邪竜の顎の内部にあったものだ。何かを中心に時間停止魔法が周囲の空間ごとかけられている。負の魔力で構成されていた術式だから恐らくエンデが発動したものだ。反撃でもなければ、とてもセーラに有効とは思えない時間停止魔法をだ。反撃ではなく何かを守るために発動したと考えるのが自然だろう。確かに外からの干渉には弱いが、内部のものを保護する上では悪くない選択肢だからね」
テレジアは畳みかけるかのように喋る。
「勘違いしがちだが、エンデは厳密には竜ではない。エンデの意志は魔晶核の意志であり、あの竜の姿は魔晶核が自身を守るために負の魔力で構成した肉体だ。存在そのものが災害といっても過言ではないエンデが守る物など1つしかない」
「魔晶核、という事か」
「その通り。恐らく魔晶核に損傷を受けたエンデが死を装って一時的に身を隠すために魔晶核を時間停止魔法で覆い、邪竜の顎という隠れ蓑を作り、自身を守るために魔物をそこに呼び寄せているんだろう」
「……なるほど」
ミナトは1つ深く息を吐きだす。
「魔晶核の破壊は可能か?」
「セーラのせいで勘違いしがちだが、そもそもが災害のような扱いを受けていた存在だ。人間の手でどうこうできるような存在ではない」
「それもそうか……エンデが復活するという見込みはあるのか?」
「まぁ、復活するためにあんな殻に閉じこもったのだろうが、言うまでもなくあの中は時間が止まっている。エンデは現状何もできないはずだ。寄せ集めた魔物に時間停止魔法を解除させてそれを依り代にして復活。とかの方が考えやすい」
テレジアからの報告を聞き、ミナトは再び考えるような仕草を見せる。
テレジアは何かを察したかのように問いかける。
「……またセーラに何も言わないつもりかい?」
「どういう意味だ」
どこか棘のある口調で返すミナトに対して、テレジアは諭すように喋る。
「邪竜の顎の存在を報告しないことを決めた時にも思ったが、君はセーラのことを深窓の令嬢か何かだと思っているのか」
「…………」
黙り込んだミナトに対して、テレジアはため息をついた。
「別に君が彼女のことをどう思っていようが私の知ったことではないが、セーラが気づいた時には甚大な被害が生じていた。なんて事態にはしないで欲しいね」
「……わかっている」
「ならいいんだ。また何かあったら報告する」
そう言って、テレジアは会議室を出ていき、室内にはミナトだけが残った。
しばらくミナトは会議室に設けられた窓から見える景色を眺めていた。そこからは、町の景色が一望できる。現在テレジアがいる建物は、働きをいよいよ無視できなくなった国がセーラ達聖女の大隊に対して用意した館である。ちょっとした城程度の大きさがあり、かつての小さな物置から始まった聖女部隊の頃を考えれば想像できないような待遇だった。
何かを欲しがるという事がほとんどないセーラに対して、大隊員が総力であの手この手を駆使して建設した施設である。セーラ本人はこれをプレゼントで渡され、重いとかいう次元じゃなかったため若干引いていたがそんなことはミナト達の知る由はない。
「……平穏な日々1つ保てないのか、私達は」
力なく呟かれたミナトの言葉を聞いている者は、ここにはいない。
時間停止魔法解除までの予測日数 9日
大隊員の方々曰く、†邪竜エンデ†が私との戦いでやられる間際に時間停止魔法で魔晶核を保護し、それを覆い隠して魔物を呼び寄せる邪竜の顎なる小山があり、それを今まで私に隠していたとのことで、この過ちをただすためなら命を捧げることも厭わない所存とのことです。いやそれ私が作ったヤツゥ!!
流石に私のやらかしでハラキリなんてされたらたまったものじゃないので遠慮していただきました。本当にヤンデレの気さえなければ完璧な人達なんですけどね。
何にせよ、本日の目標だった『大隊の皆さんをいい感じに世界がヤバい事に気付かせる』という目標は達成しました。流石に皆さんもあと9日で大爆発起きて世界がヤバいことまでは気づいていなかったっぽいですが、気づいてもらえたのならあとはこっちのもんです。
良くない事態もあります。こちらにも魔力が半分になっている理由を要求してきやがったのです。100%こっちの落ち度なのできやがったとか言っちゃダメですね。ごめんなさい。
流石に、『みんなの言う邪竜の顎に分身として置いといたらバッチリ身も心も闇堕ちしてました! ちなみに元に戻すのダメそうです!』とか言ったら全部崩壊するのでダメですし何かそれっぽい理由を考えないとですね。辛い。
とはいえ、こちらに関しては昨日から考えてきたため私に良い考えがあります。説明が要求されている現状を考えると明日にでも決行しないといけないため後でエインヘリヤルを呼び出すことにしましょう。
さて、正直あとはもう頭の良い方に考えてもらいたいところですが次なる問題はやらかしの後始末です。
正攻法での攻略は無理となるとあと思いつくのは封印とか、周囲の空間ごと別次元に飛ばすこととかですが、時間停止魔法をいったん解除しないとそういった類の干渉を受け付けないため、一旦時間停止魔法を解除しないといけないのが怖すぎます。何しろ本当に爆発しそうな寸前で止めたため、解除して魔法が適用されるまでに大爆発! とかになったらシャレになりません。ほんと誰ですか時間停止魔法とかいうその場しのぎにも程がある魔法使ったの。私ですよクソが。
いずれにせよ、様々な方法を模索するにもどうにかしてエインヘリヤルを吸収して本来の実力を取り戻す必要があるでしょう。
何かこういう書き方すると悪役みたいですね私。人造人間とか吸収してそう。どうでもいいです。
とりあえず書いておく事はこんなところでしょうか。術式の構築に戻ります。