First Trunks ~セルに殺されたトランクスの物語~   作:kikoumaster

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第4話 人造人間17号達の終焉

「ここは…どこだ…俺は…」

 

 自分の目の前には夜の星が瞬いてる…

 

 確か…

 

 さっきまでの記憶が曖昧だ…

 

 いや…そうだ!

 

 あいつに会ったんだった…

 

 あのいつも無駄な努力で突っかかってくる単細胞

 

 名前はトランクスだった…そうあいつが久しぶりに俺の前に現れたんだった。

 

 そして話をしていたら…

 

 そこからの記憶がない、と言うより何故俺の身体は動かない?

 

 目と口は動くが手と足、いや身体もまともに動かせない…

 

 何がどうなっているんだ?

 

 

「目が覚めたか17号」

 

「その声はトランクスか?」

 

「ああトランクスだ」

 

「お前、どこにいるんだ?出てこい!」

 やはり顔が動かない…

 

「今、その角度だと見えないんだな~ここだよ17号」

 そういうとトランクスが視界に入ってきた。

 

「貴様!俺に何をしたんだ!」

 

「これだよ17号」

 トランクスの手にあの忌々しいコントローラーが握られていた。

 

「何故、お前がそれを持っているんだ!?それは確か破壊したはずだ!」

 

「これはその18年前に行って貰ってきたんだよ…ドクターゲロの研究所で…」

 

「…何を馬鹿な事を~適当抜かしてるんじゃない!」

 

「タイムマシンで18年前に行ってドクターボミって言うドクターゲロの助手って人から貰ってきたんだよ」

 

「何を…」

 

「17号の頭では理解できないようだな。」

 

「貴様、馬鹿にするのか!」

 

「ああ~そのつもりだ」

 

「まあ普通、今の状況を知るべきだな…」

 

「貴様!恥ずかしく無いのか!!卑怯者!!!」

 

「ああ…確かにな…本当に自分の実力だけでお前達を倒したかったよ…悟飯さんの仇であるお前達を…

 だけど僕のプライドよりも大事な事がある!お前達を止めて世界を平和にする!!

 それこそがどんな事より大切な事…だからお前達はここで終わらせる…」

 

「…くそ…はっ!18号はどうした?まさか…」

 

「ああ…18号はお前の隣にいるよ」

 

「18号!くそ顔が動かない!!」

 

「そう心配するなよ…ほら17号」

 俺は奴の目の前に18号だったモノを胸の上に置く

 

「…18号!?貴様!!このド外道が!!」

 顔には恐怖、苦痛と様々な表情で固まっていた18号だったモノが…

 

 そして顔を見るだけでそれまでのイメージとは異なる表情を見せる17号

 

「お前でもそんな顔するんだな〜同じ人造人間だからか?仲間意識?」

 

「18号と俺は双子の姉弟だ!」

 

「…そうか…それは知らなかったよ」

 

「貴様!!!」

 

「1番に目覚めてうるさかったんで…僕は女性を痛ぶる趣味は無いんでね…早々に息の根を止めたよ」

 

「き、貴様!」

 

「それでもこれまでの罪を償わせるつもりだったから手と足を削って苦しめてからトドメを差したよ」

 そう言うとトランクスは手に持ってた部品を見せる

 

 それはジェネレーター…人造人間にとって心臓ともいうべき大切な部品

 

「爆弾があるのは知ってたからね…無力化してから抜き出したよ…痛かったんだろうな…あんな驚愕なそして悔しそうな18号は初めて見たよ」

 

「…ぐっ…くそっ」

 

「さて次は17号…お前の番だ…18号よりは苦しめてから死んで貰う…何か言いたい事はあるか?」

 

「…俺と勝負をしろ!そんな勝ち方で悔しくないのか?卑怯者!」

 

「…ああ、その手には乗らないよ…僕では倒せない可能性があるからね…今はこの地球を平和にする事だけしか興味がないから…だから苦しんで死ね!」

 指先から小さな気弾を発射するとボワッと火が燃え上がる

 

「感謝しろ…一緒に燃やしてやる…今のお前達は普通の人間と変わらないからな」

 

 くそ

 

 動け

 

 殺してやる

 

 熱い

 

 痛い

 

 …

 

 俺は気絶している17号の顔に水かけると目が覚める

 しかしもう言葉にならない

 

 殺…せ

 

 苦…い

 

 熱…

 

 ぐ…

 

 また水をかける

 

 しかし意識が朦朧としているのか?

 仕方がなくコントローラーのスイッチを押すと…

 

 ぐ…

 

 ぎ…

 

 あ…

 

 痛みでまた意識がはっきりとしたのか?しかし言葉にならない声で呻いている。

 

 …

 

 …

 

 …

 

 

(もう意識がないか?)

 

 気がつけば日が上り初めて辺りが明るくなっていく…

 結局、6時間近く付き合ってしまった

 

 身体が炭化したのかもうこれがアノ人造人間とは誰も思わないだろう。

 

 

 

 僕は出力を抑えて気弾を放つ!

 

 炭化した身体も木片も吹っ飛んで残ったのは17号に残った部品のみ…

 

 僕はそれを拾い上げてようやく全てが終わった事を実感する…

 

 この部品は母さんに渡して何かの役に立つか分からないけど無駄にする事はないだろう。

 

 バシュー!

 

 ドカーン!!

 

 空中に上がり最後にもう一度気弾を放つと辺り一帯を吹き飛ばす…

 

 

 

 

 ようやく

 

 しかしスッキリしないまま長年の問題が解決した日であった。

 

 暫く土煙で吹き荒ぶ地上を見つつ母さんのところへ帰っていくのであった。

 




ストックはここまでで暫く日を置きますのですいません

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