トレーナー君はおしまい!–タキオンの薬で『女の子』になった男トレーナーが担当ウマ娘にお世話される話–   作:カンヌシ

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 大変長らくお待たせ致しました。まだ少し忙しくてスローペースになると思いますが、ぼちぼち投稿を再開します!よろしくです!


サトノダイヤモンド:その6『マッサージ』

 

 

「トパーズちゃん、どう? その水着の着け心地は?」

 

 

 サトノダイヤモンドがトレーナー(サトノの姿)に話しかける。その楽しげな声の裏にはわずかに興奮と恍惚が含まれていた。

 

 

「どうって……な、なんか……胸が苦しい感じがするんだけど……」

 

 

 トレーナーはモジモジと身体を縮こませる。目の前の鏡には右手で左の二の腕を掴み、恥ずかしそうに俯く美少女ウマ娘が映っていた。

 

 

(うぅ……それに肌を露出しすぎてて落ち着かない、せめてもっと落ち着いた水着が着たい……)

 

 

「それはそうだよ、だってここにある水着って全部『勝負服』なんだから。レースで走れるように胸はしっかりと押さえられてるんだよ」

 

「……………え?」

 

 

 トレーナーはポカンとした。確かに水着を模した勝負服は存在している。だがそれは余程に特別な機会がなければ製作されない超貴重な代物なのだ。ウマ娘がぶつかり合う激しいレースに耐えられるよう素材も特殊な物が使われており、1着製作するのに中央トレーナーの給料半年分の大金が必要である。そんなものがホイホイと存在してはならないはずだが……

 

 

「正確には、水着型勝負服と同じ素材、製造過程で作られた水着だよ。私もトパーズちゃんもキタちゃんも、海で遊ぶときはビーチフラッグをしたり、ちょっとした競争をしたりするでしょう? だから安全のために、用意する水着は全部『勝負服仕様』にしてあるの。それも忘れちゃったの?」

 

 

 トレーナーはワナワナと震えて再度衣装室内を見渡した。ダイヤが言ってることが本当なら、視界に映る数十着以上の水着の全てが水着型勝負服と同じ素材、製造過程で作られたと言うことになる。サトノグループならばデザインもプロに発注しているはずである。その制作費は少なく見積もっても恐らく4桁万円に達しているだろう。

 

 そんな普通のレースウマ娘が一生に1着すら着ることのない水着を男性である自分が着てしまっている、トレーナーはその事実に頭がクラクラしていた。

 

 

「私はどれを着ようかな〜♪ コレとコレがお気に入りなんだけど、トパーズちゃんが選んでくれない?」

 

「ふぇっ!? あ、ど、どっちでもダイヤには似合うんじゃないかな……」

 

 

 トレーナーの心ここに在らずと言った返事にダイヤはぷくっと頬を膨らませる。

 

 

「もうっ、ちゃんと考えて言ってよトパーズちゃん! じゃあ、2つとも着るからどっちが良いか教えてね?」

 

 

 そう言ってダイヤはワンピースの裾を捲り上げる。突然脱ぎ出した彼女を見てトレーナーは顔を真っ赤にして慌てて衣装部屋の出口に向かって駆け出した。自分が脱がされるのはまだ耐えられるが、ダイヤの着替えを見るのはトレーナーとしての倫理観が許さなかった。

 

 

「っ! お、俺、外で待ってるから!」

 

「あっ、トパーズちゃん!」

 

 

 ダイヤの制止を聞かずにトレーナーはピューンと外に飛び出したのだった……

 

 

 

 

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「はぁ、はぁ、ふぅ〜〜〜……ダイヤの奴、躊躇なく脱ぎ出すんだもんな。でも姉妹だったらそれが普通なのか。心臓に悪い……」

 

 

 更衣室とは名ばかりの一軒家を出たトレーナーは閉じたドアに寄りかかり、深呼吸をした。そして、ふと視線を下に向けると

 

 そこには形の整った胸部装甲により形成される立派な谷間が……

 

 

「う、あっ、しまった! もっと地味な水着に替えたかったのに、そのまま出てきてしまった……」

 

 

 トレーナーはフリルの付いた白いビキニを着たダイヤと同じ身体を主観視点で眺めて赤くなる。

 

 中◯生とは思えないプロポーションのダイヤの白い肌は色々と目に毒である。担当トレーナーとしてあらぬ感情を抱いてしまっては絶対にいけないのに、自分がその身体になってしまってる以上逃れる術はどこにもなかった。

 

 

「いつまでこの身体でいなきゃいけないんだろう……まさか、一生このままなんて事には……」

 

 

 トレーナーは南国の落ちていきそうな深い色をした空を見上げる。燦々と輝く太陽に反して、その表情は曇っている。今朝からずっとアイデンティティの崩壊を経験していて、彼の精神は疲労困憊だった。

 

 

「っ、しっかりしろ、俺! 何弱気になってるんだ。こんな事態、チームのアイツらに振り回されるのに比べたら全然マシだろうが!」

 

 

 トレーナーはグッと両手を握って気合いを入れ直す。すると、後方でドアが開く音がした。

 

 

「お待たせ、トパーズちゃん!」

 

 

 トレーナーが振り返ると、水着姿のダイヤが笑顔で立っていた。コバルトブルーの布地に流線形の装飾の施されたビキニで、トレーナーが着けている物よりも引き締まった印象を与えている。

 

 

「ねぇ、早く泳ぎに行こうよ! 今日はトパーズちゃんと海で目一杯遊びたいんだから!」

 

 

 ダイヤはトレーナーの手を掴むと、ビーチへ向かって走り出した。グイッとトレーナーが思っていたよりも力強く引っ張られて凄いスピードで駆けて行くので、トレーナーは内心焦った。

 

 

「わわっ、ダイヤ! 俺はそんな速く走れないからっ!」

 

「えー、これくらいで何言ってるの? ウマ娘なのに、トパーズちゃんったら可笑しいっ! ふふふっ!」

 

 

 

 ダッダッダッダッダッダッダッダッ

   ダッダッダッダッダッダッダッダッ

 

 

 2つの足音が重なるように響いている。その小気味良いリズムはトレーナーにとってはいつ聞いても胸の高鳴る『ウマ娘が駆ける』音だった。

 

 いつもと違うのはそれが『自分の足元から発生していて、地を踏み締める感覚がある』ことだった。

 

 

「あ、あれ……俺、走って……」

 

「このままビーチまで行こう、トパーズちゃん!」

 

 

 今まで感じたことのない開放感と共に、トレーナーは駆けていく。それは彼にとってはあまりに不思議な体験だった。体感のスピードは男性だった時の全力疾走なのに、足には駆け足をしてる程度の負担しかかかっていない。

 

 身体の感覚がそもそも違うので、走っている感覚も男性の時と異なるのは当然だが、そこは流石はサトノが用意した勝負服仕様の水着だ。走りに集中出来るように締め付ける箇所はしっかりと締め付けられている。それでも『ある部分』は揺れてしまうのだが……走行の妨げにならないくらいに抑えされていた。

 

 走るほどに、気付かぬうちにトレーナーの目は明るさを取り戻していった。

 

 そんな未知の体験を無心で味わっていると、2人はいつの間にかビーチに辿り着いていた。

 

 

 

 

…………

………

……

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

 ドクンドクンとトレーナーの心臓は高鳴っていた。それは疲れではなく高揚感だった。彼は走る事が1番のストレス解消になるウマ娘も居るのは知っていたが、それを身をもって納得させられたのだった。

 

 

(起きてからウマ娘の身体に振り回されっぱなしだったけど……まさか『走る事』がこんなに楽しいなんて……ニンジンを食べた時よりも、遥かに身体が喜んでいる)

 

 

 トレーナーは心臓の高鳴りを押さえつけるように胸に両手を重ねる。身体が今すぐにでもこの白い砂浜を全力で駆け出したくてウズウズしていた。彼は目を閉じてブンブンと顔を振った。

 

 

(マズい……このままじゃ、本当にウマ娘になってしまう……! 走る快感にまで飲まれてしまったら、俺はどうなってしまうんだ……!?)

 

 

 そんな更なるアイデンティティの危機に直面しているトレーナーに、ダイヤはニコニコ顔で話しかける。

 

 

「ふふっ……トパーズちゃん、すぐにでも走りたいって顔してるね♪」

 

「ふぇっ!? い……いや、そんなこと……」

 

 

 トレーナーはダイヤから顔を逸らした。ウマ娘の欲求に飲まれまいと必死だったが、図星を突かれてドキッとした。

 

 

「でも、ビーチで遊ぶならやらないといけない事があるよね〜♪」

 

「え、準備体操とか……?」

 

「それももちろんやるよ。だけど、その前に……♡」

 

 

 ダイヤはガシッとトレーナーの両肩を掴む。逃すまいという非常に強い意志を感じた。

 

 

「え……?」

 

 

 

 

…………

………

……

 

 

 

 

「ま、待ってくれダイヤ! 『それ』は自分で塗るから!」

 

「ダーメ! というか、背中まで1人で塗れる訳ないでしょ? ほら、大人しくしてて。トパーズちゃんのお肌を守るためだもん。お姉ちゃんが隅から隅までしっかりと塗ってあげるからね……♡」

 

 

 ビーチの一箇所にある大きなパラソルの下で、シートにトレーナーを押さえつけたダイヤが日焼け止めクリームを手にいそいそと準備をしていた。

 

 ちなみにパラソル含めたそれら一式はダイヤが手をパンパンと鳴らした瞬間にどこからか現れたメイドと使用人たちによって一瞬で設営されたのだった。目にも止まらぬ早業であった。

 

 トレーナーはうつ伏せでシートの上に寝かされていた。胸部がむにゅりと変形する感覚にドキドキして、早くここから抜け出そうともがいていた。

 

 

「背中の紐も外すね♪」

 

 

 と、ダイヤの声が聞こえた瞬間、トレーナーの背中から胸の圧迫感が消えて、彼はスースーとした空気の涼しさを感じた。このまま起き上がると、膨らみがむき出しになってしまうので、トレーナーは動くに動けなくなってしまった。

 

 

「あっ、ちょ、ちょっと!」

 

「大人しくしてなさい……ほら、塗り塗り塗り〜♪」

 

「ひゃわう!?」

 

 

 背中にヒンヤリしたクリームが塗られるのを敏感に感じて、トレーナーは思わず声を上げてしまう。ダイヤは慣れた手付きで日焼け止めをトレーナーの背中に塗り広げる。きっと、キタサンブラックにも同じ事をしてあげた経験があるのだろう。

 

 

「背中も、肩も、脇腹も〜♪」

 

 

 ダイヤはトレーナーの背中を中心に指圧するようにクリームを広げていく。まるで整体師の施術を受けているかのような快感にトレーナーは「んぅっ♡」とくぐもった声を上げてしまうのだった。

 

 

「ダイヤ……なんか、んっ、手付きが……はぁっ!」

 

「ふふふ、こうやってマッサージして揉み込むようにすると効果が上がるんだって、キタちゃんから教わったの。後は腰と、太腿もやってあげるね♪」

 

 

 そう言うと、ダイヤは更にクリームを足して臀部をなぞって太腿の外側も内側も丁寧に揉み込んでいく。柔肌の上から皮下の筋肉までほぐされる感覚に、トレーナーの表情は次第にトロンと溶けていく。パラソルの下で気温が良い塩梅に身体を暖めていたのも相まり、彼は気持ち良さに身体の力が抜けていくのを感じた。

 

 朝から気が張り詰めていたトレーナーにとって、初めて緊張が解れる至福の時間だった。

 

 

「あっ……んんっ……はぁ……っ……」

 

「ふふっ……トパーズちゃん、ついでに耳と尻尾にオイルを塗っておくね。紫外線で毛が傷んじゃうから」

 

 

 ダイヤは足先までクリームを塗り終えると、続けて高級感漂うボトルに入ったオイルを手に取り、手のひらに広げるとそっとトレーナーの『ウマ耳』を包み込むように掴む。そして……

 

 

「えい♡」

 

 

 彼女はウマ娘である自分の感覚を元に、自分が気持ち良いと感じる触り方でトレーナーの耳をマッサージする。くにくに、こりこりと時に手のひらで圧迫するように、時に指先で摘むように耳をコネていく。

 

 それはトレーナーの知らない感覚だった。ヒトの男よりも遥かに発達したウマ娘の耳、ピコピコと動かせるくらいに筋肉と神経が通っており、聴覚も鋭い。耳を指で触られた時に聞こえる独特の音とともに、なんとも形容し難い快感の波が彼を襲った。

 

 

「んぁ、んぁあああ! はぁ、んくぅ、あっ、あぁ……はぁっ♡」

 

「コリコリ♪ クリクリ♪ ふふ、気持ち良いでしょう?」

 

 

 トレーナーの腰はあまりの気持ち良さにうねるように動いてしまう。尻尾も無意識にバサッバサッと力なく暴れていた。耳マッサージの快感に四肢も脱力してしまい、身体の自由が効かなくなってしまった。

 

 

「ダイヤっ……これ、ダメっ……これっ、ダメェ♡」

 

「お耳のケアはしっかりしないと後で後悔するよ? 大丈夫、私にぜーんぶ任せて……フゥ」

 

 

 ダイヤはトレーナーのウマ耳にそっと息を吹きかけた。初めてのマッサージに敏感になっている彼の耳は、その刺激ですら快感と受け取ってしまう。無意識に動こうとする耳をダイヤは無理矢理に押さえつけていた。念を押すが、これはただのマッサージである。

 

 

「んんんぅっ! くぅっ、〜〜〜〜っ♡」

 

「トパーズちゃんのお耳、すごく必死に暴れてる……そんなに気持ち良かったの? 次の尻尾のマッサージにトパーズちゃんが耐えられるかどうか、お姉ちゃん心配だよぉ♪」

 

 

 ダイヤの目はとっくに怪しい光で満ちていた。彼女は息も絶え絶えのトレーナーの耳から手を離すと、再びオイルを手に広げ、それを彼の臀部の方へと伸ばしていく。そして今度は……

 

 

「そ〜れ♡」

 

 

 彼女はトレーナーの尻尾を下から掬い上げるように優しく掴むと、スルスルと右手と左手を交互に引き抜くような動きで、付け根から先っぽまで動かしていく。まるでロープを登るかのような動作だったが、オイルはしっかりと塗られていく。

 

 

「んあっ!? あっ、ああっ、あああっ♡」

 

 

 2つめの未知の快感に、トレーナーの脳はパニックを起こしていた。ウマ娘にとって尻尾は耳以上に特別な意味を持つ。『尻尾ハグ』なる特別な関係のウマ娘同士の特別な触れ合いが存在するくらいなのだから、そこから伝わる『気持ち良さ』は特別で、表現する言葉が見つからないほどだった。

 

 尾骶骨の延長であるソレはダイレクトに背骨に繋がっている。いわば中枢神経を通して脳へと通じる一本道を、電流がスプリント走者のように駆け上がっていく。

 

 耳はまだトレーナーの理解の範疇だった。しかし、尻尾はそうではない。この世界の男性には存在しない、ウマ娘だけが持つ特別な器官なのだ。ダイヤはそれを容赦なく刺激していく。ヌルリヌルリと暴れるウナギを掴むかのように、手を尻尾にそって滑らせていく。時折り、その付け根をクリクリと刺激しながら……

 

 

「ここ……こうすると気持ち良いんだよ? 覚えておくと、どこかで役に立つかもね♪」

 

「はぁっ……んぁぅ、くぅ、はぁぁっ♡」

 

 

 トレーナーの、サトノトパーズの顔は蕩け切っていた。この1日で彼はウマ娘特有の快楽をいくつ経験してしまうのだろう。ダイヤはにっこりとした怪しい笑顔で、自分の手で悶えるトレーナーを愛おしそうに見つめるのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、海上を一艘のモータークルーザーがサトノグループのプライベートアイランドを目指して航行していた。船内には3人のウマ娘の影が見えるようだが…………

 

 

 次回へ続く!

 

 

 

 




 尻尾とか耳とか人間に存在しない器官なら大丈夫って矢吹神の聖書にも書いてた!(ガクブル)
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