一般歌手志望ゆかりんとスーパーシンガーIAちゃん   作:アザミマーン

2 / 2
これで(数年前に)書き溜めていた分は終わりです。
続くとしても超不定期更新ですね笑


夢に追いつきたい少女と心に秘めた少女

 

 

 

『この辺ちょっとうろ覚えなんですよね…罠があったような気もするんですけど。…えっ⁈後ろ⁈あ、これ間に合わな、うわあああああああああ!!!!!!????? 

プロの絶叫でワロタ

普段の声とのギャップがすごいw

肝心なとこでドジるの草

 

 前回投稿した動画を見ていた私は、流れるコメントに思わず顔が赤くなった。仕方ないじゃないか、このゲームを最後にプレイしたのはもう4年ほど前の話なのだ。

 しかもストーリーは一度か二度やったきりで、あとはネット対戦モードばかりやっていた。

 攻略サイトを見ながらやっているわけではないので、細かい場所まで覚えていない。私をイメージしたミニキャラが画面の端で慌ただしく動いているのを見て心の中で言い訳する。

 

『うああ…今日は死にまくってますね…1ミッションしか終わらないとは不覚です。でも、今日は時間的にここまでです。次回こそはサクサクと進めたいですね。ではこの辺で、また来週』

おつー

今週も面白かったよw

待ってるぞー! 

追いついてしまった

 

 もうこのゲームの実況を引き受けて2ヶ月ほど経った。最初は4年以上前のゲームのプレイ実況ということであまり再生数が伸びなかったが、公式がSNSで拡散したり、動画サイトの人気ランキングに載ったりして、着々と視聴者が増えている。

 たまに来るマキさんの声を目当てにしている人も稀に見かけるが、コメントを見る限り私の実況に好意的な人が大多数だ。初回では『誰? 』とか『マキマキだけでいいよ』といった声もあったが、回を追うごとに無くなっていった。

 聞いていて落ち着く、解説が分かりやすいといった意見も多く、最近話し方を意識して実況している私としてはとても嬉しい。

 けれど何故か、私が予想外のことが起きたときなどにやってしまう素の絶叫が一番人気であり、それに関しては誠に遺憾だ。私だって好きで驚いてる訳ではないのに。

 

 だからタグにプロの絶叫とかプロの断末魔って付けるのをやめろ。

 

 さて、今回は記念すべき10回目を数えるので、1時間枠を取って生放送を行う。前回動画の冒頭や投コメ、公式での告知はしてあるので周知はされていると思いたいが、実際どのくらい来るのかは分からない。

 一応毎回動画を見返すたびに再生数は増えているのだが、1人が何回も見ることもあると思うので、それで視聴者数を把握することはできない。水増し工作がされていないことを祈るのみだ。

 それともう1つ、今回は顔出し生放送だ。いつもは私のイメージキャラを編集で入れて動かしているので、顔を出すのは初めてだ。

 

 正直、容姿についてはあまり自信はない。

 

 自分の見た目を悪いと感じたことはないが、それはあくまでも主観だ。イアちゃんはいつも可愛いと言ってくれたけど、私としては目の前に可愛さの化身のような存在がいたので苦笑いすることしか出来なかった。

 マキさんにお願いすればスタイリストさんが手配され、別人のように綺麗になることもできたと思う。でも、私はそうしなかった。画面の向こうの人たちとはいえ、私の声を聞いて、実況を楽しんでくれている人たちなのだ。自分を偽りたくなかった。そんなちっぽけなプライドが勝り、私はいつもの簡単な化粧、紫を基調とした私服でカメラの前に座っている。

 

 もうすぐ生放送が始まる。マキさんは来れたら来ると言っていたが、どうやら来れないようだ。やっていることはいつもと同じのはずなのに、視聴者の反応が直接来るとなると、顔を見られるとなるといつもより緊張してしまう。

 だが、私は最近緊張を解く方法を編み出した。それは、心の中でこの言葉を思い浮かべることだ。

 

(イアちゃんは数万人の観客の前で歌うんだよ?)

 

 その背中が果てしなく遠くなったとしても、未だに私の中で彼女はライバルだ。はっきり言ってとても烏滸がましいが、私が勝手に思ってるだけなら誰にも迷惑はかからない。

 高校のときはイアちゃんに向かって公言していたが、流石に今では面と向かって言うことはない。こんな底辺人間が日本最高峰の歌手のライバルを名乗るのは、ちょっと有り得ないだろう。

 でも意識は切り替わった。あとは、いつも通りだ。

 5

 4

 3

 …

「こんにちは、生放送に来ていただき本当に…あ、カメラOFFになってた」

わこつ

初手ドジっ子アピール

ばんわー

ファッ?!

 

「改めまして、こんにちは。時間的にはこんばんはですかね。もう夜の7時ですし。さて、今回は10回記念ということで、ご存知の通り生放送をしています。マキさんも来れたら来ると言っていたのですが、連絡がないところを見るに前の仕事が長引いてるみたいですね」

 

 

 

 考えておいた言葉を話す。どうやら私にこの仕事は向いているのか、これまで一度もセリフを噛んだことはないし、聞きにくいというコメントが来たこともない。

 ただ、いつもは動画にいくつもコメントが付いているのに、今日は「わこつ」などの最初の挨拶がいくつか流れた後にコメントがさっぱりない。地震でもあったのだろうか。

 

「コメントがなくて心配になりますね…人数は増えてると思うのですが。いえ、催促とかではないです。なんかのバグですかね?まぁこんなことで時間取るのもあれですし、さっそくゲームをやっていきましょうか」

 

なんやこの美少女! 

 

顔出し! 神! ゆかりん!
 

 

びっくりしすぎて何もコメント出来なかった

 

超絶美少女ですか…大したものですね

 

 コメントが帰ってきた。どうやら何か事故があったわけではなさそうだ。私の顔を見てびっくりしたというコメントが多い。かわいい、美少女などが多く、嬉しいが少し恥ずかしい。

 

「かわいい、ですか。友達以外から言われるのは初めてですね。ありがとうございます。こうも沢山言われると、少し照れてしまいますね。ですが、私はこれでも一応20歳を超えているので、少女の範囲には収まらないと思うのですが…」

 

こんな子クラスにいたら告白されまくってるで

 

言われたことない⁈うせやろ⁈

 

かわいいから美少女でいいんだよ!
 

 

耳赤いのかわいいね♡

 

 おそらく画面の前の方々は本物の美少女というものを知らないのだろう。イアちゃんと私では天と地ほどの差があるので、一緒に見かける機会があれば私の顔など一瞬で忘れると思うのだが…そう考えたところで、もうイアちゃんと一緒にどこかに行くということもなくなるのかもなと思い、少し落ち込んだ。

ダメだ、今は仕事中なんだ。色々と考えるのはやめにしよう。

 

「お世辞でも嬉しいです。あ、かわいいと言われたことがないっていうのは本当です。ちょっと親友が目を疑うほどの美少女なので…その子と一緒にいると私は目に入らないみたいなんですよね」

 

もしかして有名人?
 

 

ゆかりんほどの美少女がそう言うってことは相当やろうな

 

マキマキと同じ事務所? 

「その辺は秘密で。そろそろ実況に行きましょうか。時間も勿体無いですしね。最後のほうに時間があれば質問にも答えますので。あ、もちろん私やゲームに関しての質問でお願いしますね。とりあえず前回できなかったミッションをさっさとクリアしてしまいましょう」

 

頑張れー! 

 

いいゾーこれ

 

フラグ乙

「今フラグ乙とか言った奴覚えてろよ」

 

ワロタ

 

ひぇっ

 

 いつもの動画は2~30分くらいで今日は倍近い時間があるとはいえ、時間は有限である。今日の放送では新しい脚も紹介したいし、サクサクいこう。

 

 

 

 

 

 

「今回使用する四脚の特徴は旋回力と小回り、あと最大の利点は安定性です。ただ積載量は若干少なめで、比較的重量のある狙撃銃を載せると容量が若干キツくなります。ただ、四脚はその安定感から狙撃の性能が非常に高いので狙撃銃がメインウエポンになります。それで、狙撃銃は遠距離専用なので、近づかれたときの対策としてパルスガトリングを積んでおきます」

 

なるほど

 なん…だと…

 クソザ光学くんさん⁈

 

活躍する場面皆無だと思ってた

「光学系武器はブーストを消費するので高機動型には相性最悪で、でかい図体の割に地上をシャカシャカ動く結構四脚にもあんまり良くないですね。ただ今回は特殊構成でほとんど動かないので大丈夫です」

 動かないって、相手の長距離攻撃とかどうするんで? 

 マトやん

「それはこの『その他』の武装を使います。今まで完全に空気でしたが、このミッションくらいから役に立ってきます」

 

 私が選択したのは球状の小型の武装。肩に付けるタイプのソレは、ともすれば爆弾にも見えるが攻撃系の装備ではない。

 これは…

 

知っているのか、雷電? 

 

いや知らん

 

解散

「知らんのか、雷電…。説明しよう! これは小型浮遊位置偽装装置、デコイという奴です。使用可能数たったの5回、その上何故か肩付け型ミサイルポッドとほぼ同等の積載量を食う重量、さらには一度の使用で1発しか身代わりになってくれないという、普通に考えたらゴミのような性能のこの装備…」

 

控えめに言ってゴミ

 

(出番)ないです

 

これ何のためにあるのか未だに謎

「と、思うでしょう? 今回はそんな皆様のためにこのデコイくんが使える装備であるということを証明して見せましょう!」

 

フラグかな? 

 

おう、見せてみろよ

 

弱そう(小並感)

 

 散々な言われようだが、今回選択するようなミッションでは役に立つのだ。選んだのは中盤の難関。敵のスナイパーが超遠距離から高威力の攻撃をしてくるステージで、なんと低耐久の機体だと2発貰っただけで死ぬ。しかも敵はスナイパーだけではなく、複数の雑魚敵が接近してくる。

 

あーここかー

 

ここ嫌い

「ミッション名は砂煙を切り裂く弾丸、張り切って行きましょう。ここは中盤の最難関と言ってもいいステージです。やったことのある方は苦労したんじゃないでしょうか?」

 

めっちゃ大変だった

 

タンクでゴリ押した記憶しかない

「ここは相手に超遠距離スナイパーがいるステージです。1発1発がとんでもない威力で、前々回の動画で使ってた高機動低耐久の機体だと2発で死にます。この四脚は耐久も中々高いですが、それでも4発も食らえば大破は免れないでしょう。また今回はあんまり動かない構成なので避けません。というか狙撃銃とデコイとパルスガトリング積んだ時点で重量オーバーで碌に動けません」

 

オワタ

 

無理ゲーやん

「しかも敵はスナイパーだけでなく、雑魚敵が複数出てきます。このステージの基本的な戦法は、逆関節二本脚の機動力でスナイパーを躱しつつ雑魚を処理してスナイパーを倒す、タンクで耐久を上げまくって敵の攻撃を受け切って雑魚を倒してスナイパーを倒す、といったものが挙げられます。まぁそれらの方法ではどっちにしてもスナイパーは後回しになります。攻撃が届きませんからね」

 

タンクゴリ押しが安定する

 

いやいや、高機動もいいぞ?
 

 

⇦砂の撃つタイミングは分かりやすいしな、光るから

「ええ、スナイパーは打つ瞬間銃口が光るので、難易度は高めですが高機動型ならそのタイミングでサイドステップとかすれば避けられます。ただ雑魚が邪魔ですけどね」

 

それな、雑魚倒せれば後は動かないマトを倒すだけなんだけど

 

雑魚に蜂の巣にされてすげー痛かったゾ

 

雑魚も割と火力高いから油断できん

 

雑魚に殺されたニキは成仏して

「そうなんですよね、結局その2つの戦法では如何に速く雑魚を倒しきるかが重要になってきます。でもそれ雑魚の行動パターンとかで乱数が入るので私は嫌いなんです」

 

 そうこうしているうちにミッションが始まる。場所は見晴らしのいい砂漠、地平線に見える建物の屋上にスナイパーが陣取っているのがズームアップされた。そしてその周りに雑魚敵が控え、今回のミッションの概要が説明される。

 

「通商部隊を妨害しているスナイパーを倒すミッションです…と、説明が入ったところで始まりましたね。ここは射線を遮るものが少なく危険ですが、このスタート地点はまだ相手の索敵範囲外であり、まだ襲ってはきません。最初はスナイパーも雑魚も同じ位置で待機してますが、そこに見えるサボテンを通り過ぎたくらいから遠距離攻撃と雑魚の特攻が始まります」

 

 私は言いながらも機体を前に進める。サボテンはもう目の前だ。

 

危なくないんか? 

「もちろん危ないですよ。さて、ここから一歩でも前に出れば攻撃が始まります。ただ、今回私が担いでいる狙撃銃は、相手が使っているものと性能がほぼ互角なのです。つまり、相手の攻撃範囲ということは私の攻撃範囲でもあるのです」

 

ってことは、雑魚撃ち放題ってこと?
 

 

いや、そうもいかん

「ええ、さっきも少し言いましたが、今回の四脚は機動力に難ありです。まぁ、四脚は過積載じゃなくても狙撃するときは動けなくなって、狙撃体勢から動くのに多少の時間を要しますが。つまり、先に雑魚を狙うと相手のスナイパーのカモになってしまうんです。かと言って、普通に相手のスナイパーと撃ち合うとスナイパーを倒す頃にはこっちも瀕死になって、丁度その頃にここに辿り着く雑魚にやられます」

 

じゃあどうするんや? 

「それは勿論────こうします」

 

 私は躊躇なく一歩踏み出す。当然このままでは相手の反撃を食らうし、過積載で動きが鈍いので今から動いても間に合わないが…

 

「今です! デコイくん発動!」

 

?! 

 

そのための右肩

 

あっ、これかぁ! 

 

 相手の初撃が来る前に右肩から横方向にデコイを発射する。すると、相手のスナイパーの弾が逸れてデコイを貫いた。

 その瞬間狙撃体制に入り、カウンターで相手のスナイパーに1発入れる。

 

「デコイはその名の通り囮で、相手の弾丸を引き寄せてくれます。まぁデコイくんは1回しか狙撃を耐えられない上に使用回数は5回なのですが…相手の耐久はこっちの狙撃を4発しか耐えられないので、相手と同じ数だけ撃って外さなければ、今回デコイくんは余るくらいです。幸い相手のスナイパーは動かないので、いいマトです」

 

スナイパーに完全勝利したゆかりんUC

 

フラグ未回収

 

止まった相手に私が外すとでも? 

 

 危なげなくスナイパーを撃ち抜き、再びデコイを射出。4回それを繰り返すと相手のスナイパーが沈黙したので、そのまま接近してきた雑魚をパルスガトリングで処理し、無事にミッションをクリアした。

 

「はい、これにてこのミッションはクリアですね。最初フラグ乙とか言ってた人見てますか〜??」

 

ドヤ顔で煽ってて草

 

かわいい

 

ゆかりんのドヤ顔が見られたので満足です

「それでいいんですか…。まぁ初の生放送なので私も気合い入ってますし、出来るだけミスはしないよういつもより丁寧にプレイしてます。なので上手くいったときは存分に褒めてください」

 

この女、図々しい

 

いつもの

 

これは…許せる! 

「では、今日は四脚で他のミッションもやっていきましょう。もちろん普通の四脚もやるので、四脚の強みを見せられたらいいなと思います」

 

 

 

 

 

「よし!」

 

おおーすごい

 

やりますねえ! 

 

 私の撃った弾丸が壁を跳弾して大型機を撃ち抜き、そのまま破壊した。難しいミッションだったが、僚機を呼ばずにクリアできたので嬉しい。

 

「漸くクリアですね。一回失敗してしまいましたが、このミッションで試行回数2回は中々運がいいと思います」

 

敵のスポーン地がランダムなのほんと嫌い

 

こんな使い方もあるんやなぁ

「さて、今日は三つミッションをクリアしたところでゲームは終わりです。残り時間は…15分くらいですか、それでは予告通り質問を」

 

 そこまで言ったところで撮影室のドアが乱暴に開けられた。関係者の中でノックもなしに入ってくるのは1人しかいないだろう。

 

「おや、マキさん。お疲れ様です。遅かったですね、大丈夫でしたか? 何かトラブルが?」

「おーっす、遅れてごめーん! トラブルってほどじゃないんだけど、撮影が長引いちゃって…でもお詫びにケーキ買ってきたよ! 一緒に食べよう!」

 

真打ち登場

 

マキマキー! 

 

いらっしゃいませ!! 

 

2人並ぶと尊さ10倍

 

マキさん好きだ! 結婚してくれ! 

 

 マキさんの登場でコメントが一気に盛り上がる。今日1番の盛り上がりに、売れっ子の底力を垣間見た。私が主体の生放送なのでちょっと羨ましい気持ちもあるが、放送が盛り上がるのは素直に嬉しいので何とも言えない。

 

「マキさんも来ましたし、ケーキ食べながら質問コーナーに行きましょうか。時間もありませんしね」

「じゃあ私から! ずばり、彼氏いる?」

「なんでマキさんからなんですか…まぁいいです。彼氏はいませんね」

 

お前ら、聞いたか?! 

 

のりこめー^ ^

 

イクゾー!! 

「来るな。では次の質問お願いします」

 

何歳? 

「23です」

 

 そのままどんどん質問に答えていく。私に関する質問には素直に答え、私以外が関わってくる質問はお茶を濁していく。

 特に親友…イアちゃんに関しては絶対に情報を出すわけにはいかない。あの子は確かに親友だが、それ以前に今一番売れているシンガーだ。私の一存で情報を出していいわけもないし、どこからイアちゃんの存在がバレるとも限らない。

 バレたらあの子の歌手活動の邪魔になってしまうかもしれないと考えると、絶対に明かせなかった。

 

「うさぎは好きですね。でもこの衣装は今回の生放送用ですよ? 普段から着てませんから。こんなかわいい格好を普段着にするのはちょっと…」

 

似合ってるぞ

 

もっと顔だして

「今回の放送が好評だったら生放送枠を増やす予定だったんだけど…これならもっと増やしていいね! 私も見たいし!」

 

自分の欲望に素直なマキマキ

 

権限強くて草

「まぁあのミニキャラの人気も高いですしね。私も毎回顔を出すとなるとちょっと恥ずかしいので…」

 

は? かわいい

 

今回でがっつりゆかりんのファンになったわ

「ありがとうございます。では、時間も来ますし今回はここまでですね。初生放送でしたが如何でしたか? 今回の放送はいつも通りのYUKARIと」

「途中から乱入したマキでお送りしました! じゃあねー!」

 

マキが締めてて草

 

 

おつかれー

 

次回も楽しみにしてます! 

 

 ぷち、と放送ボタンを切る。水を一口含み、漸く息を吐いた。隣でケーキを食べているマキさんに向き直り頭を下げる。

 

「今日は来てくれてありがとうございます、そちらの撮影も忙しかったのでしょう?」

「いやいや、かわいいゆかりんのためだからねー。結局最後の質問コーナーしか来れなかったけど、私が来たからって視聴者が特別増えたわけでもなさそうだし、上手くやれてたと思うよ?」

 

 仕事の経験が豊富なマキさんからそう言ってもらえてとても心強い。失敗してはいないと思ったが、自分では客観的な評価は下しにくいのだ。それに、最後だけでも来てもらえて助かったのは本当のことだ。

 

「さてゆかりん、今回の放送で無事10回の放送を終えました。固定ファンも付いてきてるみたいだし、毎回の反応も上々だよ」

「それはありがとうございます。何ですか急に、ちょっと気味が悪いですよ?」

 

 マキさんが居住まいを正して真剣な顔で私を褒めた。少し面食らってしまい茶化してしまったが、働きぶりが評価されるのは嬉しい。

 

「酷いな! まぁ、いいや。で、だ。ゆかりん、君には実況者としての才能があると思う。私やゲーム公式のサポートがあったとはいえ、今回の企画が成功しているのはゆかりん自身の力によるものが大きいよ。噛まないし、適度な解説を挟みつつプレイングも上手い。何より声がいい。綺麗な声だし、聞き取りやすい」

「な、何ですかほんとに。遂におかしくなっちゃいましたか?」

「ゆかりん。ウチに来ない? 私は、ゆかりんと一緒に仕事がしたい」

 

 頭が真っ白になった。

 

 意味は理解しているはずなのに、何も考えられなかった。マキさんが何も言わずにこっちを見ている。私は口を無意味に開閉させるだけで何も言えない。一緒に仕事がしたい? つまり、私をスカウトしているということか。何のために? もしかして、私をそこまで買ってくれているのか。

 

「…ゆかりん? 大丈夫?」

「確認したいのですが」

「なに?」

「私をスカウトしているんですか?」

「そうだよ。一緒に仕事がしたいって言ったじゃん。ウチに入社してよ、ゆかりん。ゆかりんが必要だよ。友達としてだけじゃない。私も動画を見てファンになっちゃったんだ。ねえ、お願い?」

 

 上目遣いでマキさんがこちらを伺ってくる。彼女のファンなら必見の表情だと思うが、私はそれどころではなかった。平凡な才能しかないくせに、それらしい努力も疎かで、親友に嫉妬して黒い感情を持ち、夢を追うことすら諦めかけていた。

 そんな私に、期待してくれている人がいるなんて、思いもしなかったのだ。

 

 だからだろうか。

 

「…え? ち、ちょっとゆかりん?! 何で泣いてるの?! そんなに嫌だった?!」

「え」

 

 頬を伝う生暖かいモノに気づかなかった。止めようと思っても、止め方が分からない。頭の奥からどんどん溢れていく。

 

「あ、えぅ、ひぐっ」

「ああ、ごめん! ごめんてゆかりん! 急だったよね?! びっくりさせちゃったかな! この話は無かったことにしようか? うん、それがいいかな!?」

「ひっ、ち、違う、違うんです、嬉しくて。こんなダメな私に、き、期待してくれる人がいる、いるなんて思わな…」

「ええ? …なんかよく分かんないけど、ほら、これハンカチ。使ってよゆかりん」

 

 マキさんを心配させてしまった。私も話の続きをしたい、でも感情の波が引かないのだ。

 それから暫く私は泣き続けていた。その間マキさんは私に水を渡したり目元を吹いたりティッシュを渡したりなど、甲斐甲斐しくお世話してくれた。

 

「…お騒がせしました」

「いいっていいって。驚かせちゃったのは本当だしね。それに、ゆかりんの泣き顔なんてレアなもの見れちゃったしねぇ」

「わ、忘れてください!」

「え〜? 忘れないよ〜」

 

 先程とは打って変わって、ニヤニヤしながらこっちを見てくる意地悪さんを睨んだ。流石に茶化しすぎたと思ったのか、マキさんは咳払いを一つした後にまた真剣な顔になる。

 

「…それで、どうする? ゆかりん。さっきは勢いで押しちゃったけど、別に今すぐに決めて欲しいというわけでもないよ。しっかり考えて、ゆかりん自身が来たいと思ったらでいい」

「ありがとうございます、マキさん。私をそこまで高く買ってくれてすごく嬉しいです。正直に言うと、私がこの話を断る意味は無いです」

「なら…」

「でも!! もう少し待って欲しいんです。私を評価してくれるのは本当に、本当にありがたいことです。しかし、だからこそもう少しの間だけ私のことを見て、決めてくれませんか? 具体的には、このゲームの実況が終わるまで。そこまで見て、まだ私のことを雇いたいって思って頂けたなら、そのときはよろしくお願いします」

「必要ないと思うけどなぁ…。まぁゆかりんがそこまで言うならもう少し待ってみるよ。私としてもゆかりんの魅力を深掘りできるなら悪い話じゃないしね」

 

 我儘を言っている自覚はある。私を評価してくれたマキさんに対して失礼だということも分かっている。でもだからこそ、一時の評価だけで決めて欲しくないのだ。もしこれで私を雇いたくないと考え直したなら、それはそれだ。ただ私の実力が無かったというだけの話。…ぬか喜びになることも無くなる。

 

 マキさんは気にした風もなくケーキを食べるのを再開している。ゲームのストーリーは今丁度半分を超えたくらいだ。手古摺らなければ、あと10回ほどの放送で終わるだろう。私のことを評価してくれる人のために、私のことを見てくれるファンのために、出来ることを全力でやる。私はマキさんの買ってきたケーキを頬張りながら気合いを入れ直して頑張ろうと決めた。

 

 …とりあえず、このケーキを食べ終わってから。

 

 

 

 

 

 

 

『いやー、色好い返事を貰えて良かったよ! 実はこの話もう社長に通ってるんだよね、良さそうな子がいるから連れてきますって! 今回の仕事も実績作りにはぴったりだし、これは世界がゆかりんにウチに来るべきだって言ってるんだよ!』

 

 帰り際、マキさんがそんなことを言っていた。まさか今回の仕事は最初から私を会社に取り込むために仕組んだものかと疑ったが、人手が足りなくなったから外部の人間を呼んだというのは本当のことらしい。自意識過剰で恥ずかしかった。思い出した羞恥で顔が赤くなる。時間が夜で本当に良かったと思う。お陰で周りの人に顔色を見られずに済む。

 

(あ、今日はイアちゃん帰ってくるのかな…)

 

 今をときめく超売れっ子歌手であるイアちゃんは、私とは違ってとんでもなく多忙だ。そのため家にいないことなどザラで、一か月もの間一度も家に帰らないときも普通にある。

 

 今回は特に長く家を空けていて、最後に会ったのはこの実況の仕事を始める前日、つまり二か月前である。全国ツアーと言っていたので仕方がないと思うが、顔を見るどころかろくに電話もできていない状況なので、ぶっちゃけて言えばとても寂しい。マキさんから頂いた仕事も楽しいが、イアちゃんと会えない寂しさを完全に埋めることはできない。

 

 それ程までにイアちゃんに依存してしまっている。一度考えてしまうと余計に会いたくなってきた。しかし、私から会いに行くなどという迷惑行為が出来るはずもなく、いつもただひたすら耐えて待つのだ。

 

 しかし、今回のツアーライブは昨日で終わり、今日は家に帰ってくるはずである。昨日のメールにそう書いてあったので間違いない。ただ、時間は夜遅くなるかもしれないとあったので、そういう場合は夜に家に帰ってもイアちゃんがいないことが多い。

 それでもいい。二か月会えなかったことを考えれば、数時間なんて微々たるものだ、そのくらい幾らでも待てる。現在時刻は午後21時。19時から1時間の生放送をして、その後マキさんとお話ししていたので少し時間を食ってしまった。

 

(今からスーパーで買い物して料理して…イアちゃんが帰ってくるまでに間に合うかな?)

 

 もしかしたら夕飯を食べて帰ってくるかもしれないが、そのときは私の夕飯になるだけだ。余ったら翌日に回せばいい。会えないせいで寂しさが限界突破するかもしれないが、それは私にしか影響がないので大した問題ではない。もし料理がイアちゃんの帰りに間に合わなかったら…手伝って貰うかな。

 

 ついでに安物で悪いがツアー完走を祝うケーキも買っていこうと、私は小走りで帰り道の途中にあるスーパーまで駆けて行った。

 

「あ、ホタテ安い。たくさん買って今日はホタテ尽くしかな」

 

 イアちゃんの好物が安く売ってるのを見て、私は頬を緩めた。

 

 

 

 

 

 

「…んぅ?」

 

 ふと、背後に人の気配を感じて眼が覚めた。寝惚け眼でゆっくり振り返ると、そこには変わらない白の輝きを放つ待ち人が立っていた。

 壁掛け時計を見ると時間は午前2時。完成したホタテ尽くし料理に満足し、イアちゃんのことを座って待っていたらいつのまにか寝ていたようだ。イアちゃんは何故かこちらに両手を伸ばした状態で固まっている。

 起こそうとしてくれたのだろうか。

 

「あ、イアちゃん、おかえりなさい。ごはん、もうたべてきちゃいましたか…?」

「あ、えっと、ただいま、ゆかりちゃん。まだ食べてないよ」

 

 起きたばかりで頭が回らない。鈍った思考を戻すために、とりあえずイアちゃんをからかうことにした。

 

「何ですか、意味深に伸ばされたこの手は。さてはイタズラしようとしてましたね?」

「あ、う、うん、えへへ、バレた?」

「もう…メッ、ですよ。何はともあれ、ツアーお疲れ様でした。一応ご飯を用意していたのですが、もう遅いですし、明日にしますか?」

「ううん、食べるよ。明日は休みだしね。それに、ゆかりちゃんも食べてないんでしょ? ここで座って待っててくれたんだよね?」

「ええ、それくらいでしかIAちゃんを労われませんから。でも、IAちゃんの好きなホタテをたくさん使った料理を用意しましたよ。ほら、このグラタンなんて自信作です」

「すごい…。私の好きなものばっかりだね。ありがとう、ゆかりちゃん!」

 

 イアちゃんがにっこりと笑う。それだけで日頃の疲れなんて吹き飛ぶようだが、イアちゃんの笑顔に少しだけ違和感を感じた。

 

 気のせいかもしれないが、笑顔が固かったような…。

 

「…大丈夫ですか? 疲れていませんか? 何か、悩み事でもあるんですか?」

「ど、どうしたのゆかりちゃん。何か変だったかな、私」

「少し笑顔が固かったような気がして…気のせいだったらいいのですが」

「…やっぱりすごいね、ゆかりちゃんは。何で分かっちゃうのかな?」

「勿論、私はIAちゃんの親友ですから。それで、何か悩み事なら聞きますよ。解決はできないかもしれませんが…」

 

 イアちゃんは私の言葉に明らかに顔を歪ませた。何か言葉を選んで迷っているかのような、複雑な表情だ。親友相手に水臭い話だ、と思う。

 

 それと同時に、もしかしたら私はもう友達として認識されていないのか、とも考えた。有り得ない、なんて口が裂けても言えないことだ。最近はゲーム実況をピンチヒッターで行なっているが、それまではバイトしてるだけで夢を追うことも諦め掛けていたろくでなしだ。よく考えたら私と同居する意味ももう無いし、そろそろ縁を切られてしまうのだろうか。

 

 私がただイアちゃんの優しさに縋って、親友だと思い込もうとしているだけなのか。独り善がりな考えから来る依存と、歪な愛情。

 

 もし否定されたら。

 拒絶されたら。

 出て行けと言われたら。

 

 貴女に否定されてしまったら、私はもう──────生きていくことすら、出来ないかもしれない。

 

 そんな考えが頭の中を巡り、それでも表情には出さないように気をつける。もし顔に出したら、それだけでこの優しい人を心配させてしまうかもしれない。

 拒絶された結果私が絶望しようと、この際それはもういいのだ。これからも輝かしい道を歩き続ける貴女を、傷つけることだけはしたくないのだ。どうしようもない私の、ちっぽけなプライドを守るために自然体を装う。イアちゃんは少し間を取っていたが、俯いて顔を伏せ、ポツリと零した。

 

「…それなら、言わせてもらおうかな」

「ええ、なんでも言ってください」

「何で私の親友さんは、私をIAって呼ぶのかな。私はもう、名前ですら読んで貰えないのかな…?」

「…‼︎」

 

 虚を、突かれた。こんな私を、まだ親友だと思ってくれているのか。

 

「その顔、やっぱり意識してそう呼んでたんだね。いつからかはもう覚えてないけど、最近はずっとそう呼んでた」

 

 イアとIA。イントネーションも同じで、心持ちの問題だ。しかし、分かるはずもないと私が密かに芸名で呼んでいたことは、鋭い親友にはバレていたようだ。

 私はイアちゃんがIAとして売れ始めた頃から、意図的にイアちゃんを名前で呼ばないようにしていた。そうしなければ、羨望と嫉妬で親友の名前すらも塗り潰してしまいそうだったから。私が羨んでいるのはIAであり、イアちゃんではないと自分で思い込みたかったから。

 そうしないと、私はイアちゃんの目を見て話すことすら困難になってしまっていた。

 

「さっきゆかりちゃんが寝ぼけて私のこと名前で呼んでくれたとき、すごく嬉しかった。だから、またIA呼びになったのが悲しかった。普段なら耐えられたんだけどね。一度名前をちゃんと呼ばれたこともあって顔に出ちゃったみたい。…ゆかりちゃん、私のこと嫌いになっちゃった? 私、何かやっちゃったかな、謝るよ、ごめん、だからわたしのこときらいにならないで…」

「違う!」

 

 私は咄嗟に叫んでいた。私はまた詰まらない身勝手でこの子を傷つけたのか。自分で自分を殴りたくなる。でもそんなことをしたらこの子は悲しむ。今はイアちゃんに私の本心をぶつけるべきだ。

 

「私は! イアちゃんを嫌いになったことなんて一度もない!」

「ゆかりちゃん…」

「イアちゃんの笑顔が好き、透き通るような声が好き、センスのある曲が好き、私のことをまだ親友だと言ってくれることも、全部好きだ!」

 

 思っていることを全部吐き出す。普段使ってる丁寧語も今は要らない。少しでも装飾のない言葉で伝えたい。

 

「私はイアちゃんに嫉妬してたんだ。同じ学校を出て努力して、何でイアちゃんばっかり注目されるんだって、歌う才能があるんだって嫉妬してた! そうして勝手にやさぐれて、いつのまにかイアちゃんをIAって呼ばないと目もまともに見れないくらいにおかしくなってた…」

「…」

「嫌われるのは私の方だ…なのに何でイアちゃんが傷つくんだ。私、最低じゃんか…」

 

 必死に涙は堪える。私に泣く権利はない。今泣いていいのはイアちゃんだけで、罵倒する権利があるのもイアちゃんだ。私は頭を垂れて静かにイアちゃんの沙汰を待った。

 一体何分経ったのだろうか。実際には一瞬だったのかも知れないが、私には永遠のように長く感じた。遂にイアちゃんが言葉を紡ぐ。

 

「ゆかりちゃん」

「…」

「私のこと、こんなに好きでいてくれてありがとう」

「…え?」

 

 ふわり、と。イアちゃんが私のことを抱きしめていた。私の顔の真横にあるイアちゃんの表情は見えない。しかし、なんとなく微笑んでいるように感じた。

 

「ゆかりちゃんの気持ち、十分伝わったよ。苦しませてごめんね。泣きたいときもあったよね。泣いていいんだよ、我慢しなくていいんだよ」

「…っ、私は、自分勝手な事情であなたを傷つけたのに、何で何も言わないんですか…」

「私も、学校にいた頃はゆかりちゃんに嫉妬していたもの。何で私はゆかりちゃんみたいに上手に歌えないんだろうって。だからおあいこ。それに、二人して似たようなこと考えたことがあるって、何だか面白いでしょ?」

 

 この子はどこまで心が綺麗なんだろうか。許されるはずないのに。また私は涙が出た。今日はマキさんに泣かされ、イアちゃんにも泣かされた。よく泣く日だ。涙が枯れるなんて表現があるが、私には無いかもしれない。

 

 

 

「まだ、完全に心の整理がついたわけではありません。ごめんなさい、私はまだイアちゃんのことをIAと呼んでしまうと思います」

「…うん」

 

 イアちゃんはゆっくり頷く。最低なことを言ってしまったと思ったが、本心を伝えたからか、イアちゃんは少しだけ機嫌がいい、ように見えるかもしれない。

 

「ですが、私も立ち止まったままではありません。きっとこの癖は自分に自信がないことが原因だと思います。だから、イアちゃんの名前を堂々と呼べるほどの自信を、すぐにつけて見せます。それまで、待っていてくれませんか」

「待つよ、いくらでも。ゆかりちゃんが約束破ったことないもんね」

 

 やはり聖人か…。イアちゃんが光り輝いて見える。確かに約束を破らないことは私の密かな特技と思っているが、今回はどうなるか分からない。ただ、根拠が無いわけではない。なにせ本職からお墨付きを貰っているのだ。私は私自身を信じられないが、私を信じてくれた人なら信じられる。

 

「メールで少し言いましたが、私は今新しいことに挑戦してます。それが上手くいったら、私も少しは自信がつくと思います」

「そういえば書いてあったね。知り合いから貰ったお仕事だっけ。結局何の仕事してるの?」

「それは…今は秘密です。さて、ご飯食べますか。すっかり冷めちゃいましたが、温め直せば良いですしね」

 

 私はお茶目を気取ってウィンクした。教えてもいいが、せっかくならちゃんと就職して、軌道に乗ってから言いたい。正直に言えば、私はまだ歌に未練がある。しかし、そんなことを言ってられる時期は終わったのだ。ここからは何をしてでもイアちゃんに並び立たなければならない。引きずっていた歌への気持ちも、イアちゃんのお陰で覚悟が決まった。目指した夢と少し方向は違うが、わたしはそれでも貴女に追いつきたいんだ。

 

 このとき、私は自分のことでいっぱいいっぱいだった。だからだろうか。

 

「…ぇ? ゆかりちゃんがわたしに、隠し事…?」

 

 イアちゃんの小さな呟きを聞き逃していた。そして、夕飯を温め直そうとイアちゃんのほうを見ていなかったことで気がつかなかった。

 イアちゃんの顔から表情がストンと抜け落ちていたことに。

 

 

 




ちなみに某コアの新作が発売することと本編の内容は全く関係ないです。書いたの前ですしね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。