都内にある小さな喫茶店の店内で2人の女性がカウンター席を挟んで雑談をしていた。1人は綺麗にスーツを着こなしている黒髪女性、もう1人はシンプルな服装にオレンジの花を咥えた兎の刺繍がある薄紫のエプロンを着用した紫髪の女性であった。
「…まさかお前が喫茶店を開くとはな。話を聞いた時は何かの冗談だと思ったが…どうやら本当の様だな。」
「あはは…まぁ、昔の私を知ってるなら人なら篠ノ之束が喫茶店を開くって聞いたら何かの冗談か何か企んでると思うのが普通だよね。」
「それもあるが…お前なら世紀の大発明を造り出して世界的に有名になり、その後世界を混乱に陥れると思っていたからな。」
「……私にそんな事をする勇気は無いよ。ちーちゃんも知ってるでしょ?私は以外と臆病なんだよ。と言うより私はちーちゃんが現国の教師になってる事に驚いたよ。」
「そうだろうな、何せ教師になるまで一夏にも言っていなかったからな。束が知らなくて当然だろう。」
「え、ちーちゃんが教師を目指してるのは薄々気付いてたけど保健体育の教師だと思ってたから現国の教師になった事に驚いたんだけど。」
「…他の教師陣にも同じ事を言われたがそんなに保健体育の担当に見えるのか?」
「学生時代剣道で無敗、その上全国大会で6連覇して体力測定ではオリンピック選手も真っ青の記録連発してジャージとホイッスルと出席簿が似合うちーちゃんが何言ってるの?」
「お前は私を何だと思っている?」
「関羽。」
「よし、表に出ろ相手して殺る。」
「ふふ、冗談だよ。それと…はい、お待たせしました。ご注文のタマゴサンドとホットコーヒーになります。」
「やはりお前のその言葉遣いに違和感を覚えるな…まぁ、それは置いといて、では…いただきます。」
「ごゆっくり~。」
「!?(旨い…これを作ったのか?束が?インスタントラーメンですら失敗していたあの束が?家事に関しては私と同レベルで壊滅的だった束が?何だか負けた気分だ…。コーヒーも今まで飲んできた中で1番旨い…成る程、今までの良く解らない物の発明してきた熱意を此方に回したからこれ程の物が作れるのか…うん?)なぁ、束。」
「ん~何?」
「何でお前は…発明を…いや、空を目指すのを辞めたんだ?お前の頭脳と熱意なら「私はね…色々な他の世界を観たんだよ。けど、どの世界も私が知るには未熟過ぎて大人過ぎた…だから私は空を目指すのを諦めた。…それだけの事だよ。」?未熟過ぎて大人過ぎた?それ矛盾してないか?(他の世界?何かの比喩か?それに諦めた…?)」
「そうだね。でも私からすれば気力を失うのには十分だったよ。覚えてない?私が1ヶ月くらい死んだ顔でただ家と学校を往復するだけの生活してたの。」
「…忘れる訳が無いだろう。あの時は本気で心配してお前の妹にも泣き付かれたくらいだからな。」
「あはは…あの時は本当にごめんね。まぁ、色々あって私は喫茶店を開いてちーちゃんにタマゴサンドとコーヒーを振る舞ってあげてるんだよね。どうだった?」
「まぁ、悪くはなかったな。」
「そっか、なら良かった。あ、コーヒーのおかわりどうする?1杯なら無料だけど?」
「いただこう。」
束はちーちゃんと呼ばれた女性がコーヒーを飲み終わり閉店後の店内を考え事をしながら掃除していた。
「はぁ…戦いどころかISすら無いのに何でちーちゃんは気が付くかなぁ…直感?第六感?どっちでも良いや、多分他の世界と諦めたにも引っ掛かってると思うけど何かの比喩だと思ってるだろうなぁ。まぁ、言葉の通り他の…