異世界おじさんvs異世界TS娘 作:SEGA機未プレイお兄さん
FF7REBIRTHや゛り゛た゛い゛!!!(買え
新刊記念おまけ
「リフィアさんって、ゲームの攻略とか見る?」
「見るよ。でも、ネットは極力使いたくないかなー。情報回るの早いし、ゲームの楽しみが……」
「あー、そういう感じなんだ」
「でも、攻略本は出たら欠かさず買ってる! アルテ○マニアとか! F○7の解○真書はめっちゃ読み込んでボロボロになったりしたなぁ……! んふふ、でもね、攻略本はね、単にゲームの攻略で使うんじゃなくて、後ろのページにあるスタッフのインタビューが特に面白くて、ゲームじゃ分からない裏設定とかが────」
「(おじさんに負けず劣らずのゲーマー……!!)」
陽介を探して、そろそろ九ヶ月くらいは経つだろうか。
どうも、例の魔法を使う強大なオークと呼ばれる人物が、私の知る陽介の特徴と一致した。
でもさ、私が書いた陽介の似顔絵を見た人が発狂するとか、この世界の人々の美醜観は一体どうなってるのか。
普通に……まあ多少老け顔だと思うけど。でも普通に日本人っぽい顔だし、キリッとしてるときはカッコいいと思うんだよ。
これから向かう街では、つい昨日オークの襲撃に遭ったらしい。となると、恐らく宿を借りて数日は泊まり込むはず。
「……待ってて、陽介」
膨れ上がった思いを胸にして、馬車に乗り込んだ。
それから、丸一日。
陽介を発見した。
だが、その隣には、なんとも仲睦まじそうな一人の女性が歩いていた。
装いからして冒険者のようだが、驚くべきはその美貌。
私もグランバハマル基準だとかなり美形だけど、彼女は私と同等かそれ以上に美麗で。
「…………は?」
血液が急速に冷えていく感覚がして、二年前の時と同じ感情が湧き出る。
私の、
居場所を、
奪うのか。
腰に掛かった喰神剣を掴みかけて……既の所で拳を強く握り締める。
「…………最悪」
ドス黒い気持ちをどうにか鎮めて、路地裏にへたり込む。
あの瞬間だけ、理性が呑まれた。剥き出しの感情のまま、行動に移そうとしていた。
〝陽介は私のものなのに〟って……馬鹿だろ、何考えてんだよ、オマエは。
陽介は友達だろ。あいつにだって友達の一人や二人いるに決まってる。一人占めしようってのが烏滸がましいんだよ。
……いやはや、全くもってその通り。
陽介も、この異世界で不可欠な仲間を見つけられたようだ。
それは、素直に喜ぶべきだろう。
「あー……ちょっと、女の子で居過ぎたなぁ」
この世界では、魂は宿る肉体に引っ張られる。
最高位の変化術師である竜変化術師は、竜という強大な力をその身に宿せる代わりに、数分でも長く変身すると精神が竜に呑み込まれていくらしい。
この世界で肉体を変えられた私も例外ではなく、最初は確かに人間の自我であったはずなのに、次第に吸血行動に忌避感を覚えなくなり、今や血を見ると食べ物という認識が先に来る。
果てには、性自認そのものまで塗り替えられた。
男としての自分もどこかには残っているらしい。
私が思い留まれたのは、間違いなくその自分のおかげだ。
両頬をパチンと叩く。
そもそも、吸血鬼なんて種族なのだ。自己も律せないようでは、人間社会で生きられるとは到底思えない。
食事である血液の確保も死活問題だ。
血に飢えて人を殺した、じゃあ話にもならない。
気を取り直して陽介を尾行する。
まずは、あの女性が、陽介にとって何なのかを確かめなくては気が済まない。
認めるか脅すかを決めるのは、それからでも遅くないはず。
「お前はいつも付いてくるな……いいのか、俺みたいな奴と一緒で」
「だから言ってるじゃないの。貴方は力を求めて、私は古代の魔導具を収集するため。オーク顔は、その顔はさておき実力は本物。それに危険の伴うダンジョン攻略をするなら、二人の方が効率的だもの。利害は一致してるでしょう?」
そう意気込んでいた私は、一瞬で呆気に取られた。
音の精霊越しに聞こえる彼女の声は、かつて幾度となく聞き、親しんだはずのもの。
……そんな、まさか。
「まあ、そうなんだが」
「それに、オーク顔に助けられた借りも返しきれてない。……そう! これは仕方なく! 利害は一致しても、オーク顔とパーティを組むなんてありえないわ。これはあくまで、借りを返すために仕方なくついていってるだけよ!」
「そうだったのか」
「そうよ!」
あれだけドス黒い感情が渦巻いていた心は、真夏のビーチのように凪いで……そして、落雷がピシャリと脳内で響き渡った。
さざなみどころの騒ぎじゃない。大荒れの時化だ。
雷の精霊さんも大はしゃぎしている。
それはひとえに、私の衝撃がゆえ。
それすなわち、
──
「そ、そう。納得してくれればいいのよ……うん……」
え 、すごい。SA○攻略中のデレデレじゃないア○ナを悪化させたようなテンプレツンデレだ。
しかも真意に気づいてもらえず落ち込む所までがパーフェクト。
あ~〜めっっっっちゃ声可愛い……!
え、でもどうしよう。私吸血鬼だしやっぱり正体隠して……いやでも、それを陽介の前でちゃんと隠し通せる気が────
○ ✕ △ □
三日後、私はついに行動に移した。
彼女が普通の人族ではなく、閉塞的な種族で知られるエルフである事に賭けたのだ。
『私の前に自ら姿を見せるとは……吸血鬼族最後の生き残りは、随分と不用心なようだな?』
その賭けは見事に成功した。
こちらの正体を知りながら、嫌悪の感情一つ示さない。
結果的には、陽介の取り合いで喧嘩になったけども。
……うん。疲れた。
この子、私の思ってたエルフじゃないよ。こんなに武闘派なエルフはダン○ちで十分だ。
もっとこう、フ○ーレンとかエ○リアたんとか、そういうのを期待してたんだよ……いやリュ○さんも可愛いと思うけどさ。
でもこんな、バトってたら朝日が見えてくるなんて少年漫画的な展開は期待してなかった……
グースカしてるエルフの寝顔を胡座かいて眺めていると、足音が聞こえてきた。
「朝起きたら大惨事だったと思えば、お前も来てたんだな。こんな所でエルフと……ん? まさかエルフにやられたのか?」
「久しぶり、フォウ。えーっとね、これは女同士の熱い友情を育み合ってて……」
「──何が熱い友情よ!」
うわ、びっくりした。てっきりもう寝てるかと思ったのに。
一応偽名で呼んでおいて良かった。
「お前ら、知り合いだったのか?」
「生憎、こんな激レア種族の友人はいないわ」
プイ、と顔を背けられた。
……ありがちな、ツンデレ対応。陽介を前にしていたからか、私と友達とは呼んでくれなかった。
そうと分かっていながらも、胸に去来するのは、ここ数ヶ月の旅で思い知った寂寥感。
なんだろ、恋しいのかな。
「……あれだけ拳で語り合って握手までしたのに、友達じゃないの?」
「えっ、だ、だってオーク顔のこと……」
「そんなの、関係ないじゃん」
私の素性を知っていても近付いてきてくれて、怖がりもしない。
陽介やアリシアと同じ、私を認めてくれる人を嫌いになんてなれるほど、強くはいられないのだ。
「……私と友達は、嫌?」
「うっ、その……ま、まぁ、エルフと吸血鬼の間には古代からの契りがあるし、協力関係ではあるけれど……で、でも、そこのオーク顔が……」
「じゃあ、友達!?」
「あ、あくまで協力関係、一時的な協力関係だから! 勘違いしないで! 長い付き合いとはいったけど、私達はいずれ決別することに……」
「よろしくね、エルフ!」
「絶対分かってないでしょ……!?」
強引ではあったけど、これで友人第三号、ゲットだ。
この吸血鬼生においては、友人は実に得難いものだ。正体を見せるだけで、街一つを恐怖に陥れられるのだから、本心から話せる友人なんてできる筈がないと思っていたのに、こうも次々に作れていけると、何だか拍子抜けしてしまう。
大喜びする私と、わーわー言い募ろうとするエルフ、そしてなんとも言えない複雑そうな顔をした陽介。
そんな三人で、旅は再開した。
「そうだ。あー……」
次なる街に行こうとした所で、陽介が私の耳に口を寄せた。
距離の近さに思わずドキリとしながら、頭を側まで傾ける。
「エルフがいる前だから聞いておくが、お前のことを何て呼べばいい?」
「うん?」
一瞬思考を巡らせて……偽名の事かと思い至った。
陽介とは、二人の時以外はフォウと呼んで欲しいと言われているからそうしているけども、私は本名を知られた所で特に問題は無い。寧ろ冒険者としての名声もあるので、家名はともかく名前は隠さないようにしている。
エルフにも、フルネームで紹介しちゃってるしね。
「リフィアでいいよ。冒険者として、この名前で知られてるから」
「そうなのか……あえて名前を広めるなんて、俺には無い発想だ」
「フォウも名前で売れた方がいいよ! この世界だと顔のインパクトが強いっぽいし、凄腕の冒険者って肩書もあれば、一定の評価がされると思うし」
「……評価、か」
ふと、考え込む素振り。
何か陽介の癇に障る事を言ってしまっただろうか。
「俺は、見ず知らずの他人に評価されたくなくてな……こんな顔ってのもあるが、自分がしている事に好き勝手点数を付けられるのは、あんまり得意じゃない」
……ああ、分かる。分かってしまう。
学校の体育なんてそうだった。
ゲームばかりで引き篭もりがちだったから、評価は3どころか2の時もある。
勉強も、得意不得意が大きく分かれた。私は暗記科目ばっかり得意で、数学だけは平均より下の点数。勉強こそしたが、テスト中も計算は遅いし、とても見直しをする時間なんて無い。
まあ、テスト系の方がハッキリしていてマシかな。
体育や音楽、美術みたいな実技科目はどれも曖昧な判定基準で、教師の匙加減一つで5にも2にもなるし。
「……だから、二人がくれる称賛の方が、俺は何よりも嬉しいんだ」
この世界で、心の底から信頼できる人を作るのは難しい。
私がそうであるように、陽介もまた、罵詈雑言を浴びせられ、甚振られて……
……そう思うと、怒りと悲しみがごっちゃ混ぜになって、目蓋に溢れ出てきた。
『消えろ、人類の敵め!』
『おい、騎士団を呼べ! 奴が手負いのうちにこの世から消し去るんだ!』
襲われたときの事は、夢にまで見る。
それから、極力誰も信じないように生きてきた。
寂しい生き方だとは思ったし、友達なんて一生できないだろうなって、思っていた。
でも、陽介がいてくれた。
陽介がいたから、寂しくなんてなかった。
「私……ちゃんと、貴方の良い友達で、いられたかな……っ」
陽介にとっての私は、どうだろうか。
良き友達として、少なからずでも支えになれたのなら、私は……
「ああ。最高の友達だと思ってる。知らない場所に一人で放り出されて、心細かった俺に、お前が勇気をくれたんだ。ありがとう……」
……ほんと、こういうところ、ズルいなあ。
「お、おい、どうした。どこか痛むのか? 凄い泣いて……」
「……うるさい黙って」
「!?」
いや嬉し泣きだって、この唐変木め。
最高の友達なら、それくらい分かっても良いんじゃない……?
「……なんだか、私だけ除け者にされてるわね」
「そりゃあ、エルフには関係無いしな……」
あ……ごめん。
つい異世界人トークが盛り上がっちゃった。
でも、ちょっと待ってね……まだ涙が……
「──わわっ!?」
「──うおっ!?」
「じゃ、そんな部外者の私から、敢えて言わせてもらうわよ」
肩に手を回してきて、三人で囲むみたいに顔を寄せ合った。
陽介にまで真っ赤な顔を見られて恥ずかしいのに、エルフはお構いなしに続けた。
「……まあ、二人の事情を深く知らないから、どんな苦労を背負ってきたかは、本当に理解できてる訳じゃない。それでも……こんな事言うのは、本当は柄じゃないけど……これだけはきっと言えるわ」
──二人とも、辛い中、今までよく頑張りました。
後にも先にも、ツンデレなエルフが素直に物事を言うなんて、多分無いんだろうなあと思いながら、緩んでいた涙腺に、じーんと響いてきた。
「……そうか。俺、ちゃんと頑張れていたのか」
そして、後にも先にも。
「……は、はは……俺、頑張ったよ……! 異世界で、頑張れた……俺が、俺なんかが……!! ははっ、あはははっ!!」
「……貴方も貴方で溜め込み過ぎよ、オーク顔」
陽介がこうして泣いているの、見たことなかった気がする。
○ ✕ △ □
……思うに、陽介がエルフを嫌いになりきれなかった理由の原点は、ここにある気がする。
そうじゃなかったら、陽介が罵詈雑言ばっかりのエルフと旅をする事は無かったんじゃないか。
「陽介、お昼にするわよ。そろそろゲームも止めてこっち来なさい」
「ち、ちょっと待て
「……それで5分待って、こっち来れた記憶はあったかしら?」
「…………ありません」
「よろしい。中断できるんだから、そこでもうお終いにして」
「…………はい」
ただ、こう、なんというかね?
連れてきたの、間違いだったかもしれない……
「……もっと優しくしてもいいんじゃない?」
「そしたら陽介もリフィアも付け上がるじゃないの」
「ぶーぶー。ゲーマーの人権侵害でーす」
「まったく、つべこべ言わないの」
「エルフさん完全にお母さんじゃ……」
「たかふみ君も何か言ったかしら?」
「あ、いえ、なんでもないです……」
うん、完全に間違いだったわ。
過去の自分を呪いたい。
そんな三人、時々二人旅は、一年ちょっとくらい続いている。
三人それぞれ、必ず同じ目的地とは限らないから、割とバラけのがね。
私も、今は陽介やエルフと分かれて一月半ほどが経つ。
私は冒険者だが、基本は遺跡専門のトレジャーハンターだ。
実績もそこそこなので、立ち寄るギルドによっては、遺跡調査を頼まれる。
今回も未探検の遺跡の調査をしてきた所だ。
その帰りがけに、前々からずっと気になっていた場所を訪れてみたのだが、聞きしに勝る迫力があった。
封印都市ルバルドラム。
ハ○レンばりの国土錬成陣、もとい都市魔法陣によって大結界を構築して、西の方に住まう強大な魔物を封じているとか。
何百年も維持され続けている大結界によって安全が確約されたこの街は、交易の場として発展しているらしい。
考古学的にも貴重なものも揃っているようなので、掘り出し物探しに寄ってみたのだけど。
「ねぇ。君、さっきから誰かつけ回してるよね?」
その子の肩に手を置くと、ビクゥッと背を仰け反らせた。
「ひ、ひぃっ、仮面の不審者……!?」
「お話、いいかな?」
この子は、街中で偶然見かけただけだった。
でも、その風貌が流石に無視しがたい。あまり流通の無いお手頃魔道具、〝けだものローブ〟を身に着け、包帯でグルグルと巻かれた塊を抱えていていた。見るからに怪しさ満点だ。
あの塊も、何か危険な魔道具かもしれないと思い後をつけてみれば、その先に陽介とエルフの姿が。
二人に害を為す存在であるようなら、ここで排除する腹積もりで、彼女に接触したのだが。
やっぱり、怪しい。
「な、なななな……なんでもないよ……?」
「──〝ブルート・バートリ〟」
指先に生やした血の針を首元に突き付け、諭すように
「何、してたのかな?」
「い、いう、言うからぁ……!!」
被っていたフードを下ろした姿は、何とも冷ややかな印象の美少女。
……いや、見覚えがある。少し前、魔炎竜に対抗できる唯一の武器とかいうのを持っていた子だ。
結局、陽介が丸一日ぐらいかけて倒しちゃったから、存在をすっかり忘れていた。
今は無害と判断して、針を収める。
「それで、どうしてあの二人を?」
「ふ、二人っていうか……そっちの、男の人で」
果物屋を見て回っているらしい陽介を指した。
……へぇ〜。ふぅ〜ん。
「私……あの人に、村を助けて貰ったんだ。でも、でもね……そのせいで、色々あって村を追い出されて、一人で生きるしかなくなって……」
「……えっと。つまり迷惑かけられた側?」
「む、村を助けてくれて人にそんな事言えないよう……!」
ちょっと話がややこしい。
なので詳しく事情を聞いてみると……その、かなり擁護しがたかった。
この子……メイベルは、一族代々の役目である凍神剣の護り手を担っていたが為に、村では引き篭もってばっかりのニート生活を謳歌していたらしい。
しかし、陽介が魔炎竜を封印せず討伐。凍神剣が必要なくなったので、村人から真っ当に働けと言われ、家を薪にされたという。
「……普通に働くって選択肢は無かったんだね」
「は、働くなんて絶対ムリだよぉ! だって、何もしてこなかったんだもん!」
いや強調して言う事じゃないからね?
まぁ、私もバイトした事とかなかったけど、こうして冒険者で生計立てられてるし、メイベルもやればなんとかなるはず。
後は……仕事する意欲さえあればね。うん。
「それで、追い掛けてどうするの?」
「……分かんないけど、会ったら、また何かアドバイスをくれると思って」
事情は理解した。
そういう事なら、早いこと引き合わせよう。
そう、思ったんだけど。
──バギンッ!!!
「……えっ」
なんか結界、壊れてない?
「今の光なんだよ!?」
「知らないよ! てか、結界壊れてるし、どうするのよコレ!?」
「逃げろっ、魔獣共が攻めてくるぞーっ!!」
想像しうる限り、最悪の事態だ。
視線を街中に戻すと、陽介とエルフの姿はとっくに無かった。二人は魔物を迎撃しに行ったんだろう。
そうとなれば私は……
「ま、魔物が来るよ! お姉さんも早く逃げなくちゃ!」
「あー、ごめんね。ちょっと忘れ物してきた」
「それ今!? そ、それより早く逃げようよぉ〜! あんなの来たら、けちょんけちょんにされるって〜!」
「……大丈夫だよ。私もすぐ逃げるから」
喰神剣よし。
呪符よし。
血液は心許ないけど、まあなるようになれ。
最悪、二人から貰えばいいし。
「じゃあ、行ってく────は?」
助けに行こうと思っていた矢先、精霊のざわめきと共に、割れていた結界が再構成されていく。
……ええと、何事?
結局、何だかよくわからないうちに事態は収束した。被害も殆どなかったらしく、街は平和そのもの。
私の忘れ物なんて無かった……
メイベルも私も宿を取って、ここで一泊してから明日の朝出発する予定だ。
本来の目的ももちろん忘れていない。
古物商を訪ねて掘り出し物探しをしていた最中、エルフとも出会った。
どうやら結界が直った後、陽介は一人で宿を引き払い、どこかへと消えてしまったとか。エルフはプンスカと怒ってた。
「……ばかオーク。次会った時は許さないんだから」
「まあまあ……」
「リフィアも気を付けなさいよ? はぁ……貸しを作ってから食事に誘ったのが間違いだったのかしら……」
「あー……多分タカリだと思われてるよそれ」
「──なんで!?」
「ほら、陽介鈍感だから……」
「鈍感どころじゃないわよ。寧ろオークの方がちゃんと理解してくれそうだわ……」
そんなこんなありながら、目的の一つだった吸血鬼について、有意義な情報も得られた。
買い取った古文書によると、十五歳になった女性の吸血鬼は、心の底から好きだと思う相手が出来た場合、ひたすら一途に相手を求めるようになるという。*1
その古文書は、元々吸血鬼の生態について詳細に記されたものだったっぽいが、今では断片程度にしか残されておらず、まともに解読できたのもこの一文だけ。
しかし、心の底から好きな人物かぁ……
…………。
……ま、まだ自分には関係無い話かな。うん。
他にも、形貌変化魔法について、精霊への考察も交えながら記された書物があり、これが大変便利な代物だった。
ザックトーラ・キャトルフ。
読み解いた古代語を唱えた所、貌の精霊から色よいお返事が貰えて、虹彩色の偽装と、犬歯の隠蔽が可能となった。
形貌変化への適性。これは望外の収穫と言える。
これでようやく、この仮面生活とはおさらばだ。
仮面を収納魔法にぶちこんで、素顔で街の空気を目一杯吸い込む。
……あれだ。コロナが収束して、マスク無しで外の空気を吸った時の気分が、こんな感じだった。
はは……そっか。もうそんな前だっけか。
異世界にやって来て五年。それなら、この開放感も納得だなぁ……
「ん〜っ、いい天気……!」
「……あの、少しいいですか?」
「んー?」
空を仰いだ頭をこてんと横に傾けると、アメジスト色の瞳と目があった。
首元に、逆五角形の宝石を嵌め込んだブローチ。
私が持っていた、サリファの形見がそこにあった。
「……アリシア?」
「やっぱり! お久しぶりです、リフィア!」
多分、村を出てから二年前くらい。
封印都市にて、この世界で二人目の友人と、バッタリ出会ってしまった。
「……えっ、うそ、アリシアだ!? うわー、何だか立派になったねー!」
「えへへ……まだ冒険者としては駆け出しなんですけどね。結構、頑張れてますよ」
まさか、もう旅に出てるとは思わなかった。
ほんと、時間の流れは早いなぁ。
見た目も変わらないし、私だけ取り残されていく気がしてならない。
「リフィアの方はどうですか? 探してる人、見つかりましたか?」
「あ、うん。見つけたよ」
「へぇ〜……え? もう見つけたんですか!?」
「一度痕跡を掴んでからはトントンと」
「はぇ〜……」
いつか陽介と引き合わせてあげたいところだけど、エルフのようにはいかなさそうだなぁ。
純粋なグランバハマル人は、陽介の顔が醜く見えてしまうらしいし。
「あれ、ライガとエドガーは?」
「いま宿にいます。二人とも、修得した技をリフィアに見せたがってましたよ。この後時間ってありますか?」
「あるある! 今すぐいこ、今すぐ!」
「良いですよ! 私、頑張りましたから!」
いやぁ。久しぶりに友達と会うと、年甲斐も無くはしゃいじゃうなぁ……
日本にいた頃は全くそんな事無かった。
自身のリア充度に大満足しつつ、二人と合流するために宿に帰った。
それから、感動の再会もありつつ、三人と試合がてら練度を確かめることにした。
三分という制限時間のうちに、なんと私に傷を付けたのだ。
喰神剣こそ使ってないが、チート盛り盛りな私に食らいつくとは予想外だったし、成長を感じられてホロリと来てしまったまである。
『素手で飛ぶ斬撃受け止めるとかどうかしてるぞ……』
とかエドガーに言われたけど、そこは闘気に関する練度の差が大きい。
闘気を掌に集中させれば、吸血鬼の頑強さもあって、受け止めるのも訳ない。
しかし、ライガの浸透する打撃とやらは効いた。
マジカル八極拳とまではいかないが、成長すればさらなる飛躍を見せるだろう。
あと、二人には身技に名前を付けるように言っておいた。
いざ色々な技の使い分けをしようとした時、イメージが分かれていないと、咄嗟に技を繰り出せない事がある。
決して必要というものではないが、あると便利だ。
何より、その方がロマンがある。
二人もロマンに理解を示してくれたようで、次会う時までには決めておくとのこと。
どんな命名をしてくれるか楽しみだ。*2
久々の稽古をつけてやったり、その間の色々な冒険を聞かせたりして、中々に充実した午後を過ごした。
「……んだぁ? リフィアも来ねぇのかよ」
「宿に仲間がいるんだよ。今はその子と旅しててね」
会話の中で、三人から旅のお誘いをもらったが、生憎とメイベルの件があるので断った。
どこぞへと消えてしまった陽介を追っかける為に、明日早朝から馬車で次の街まで旅立つつもりなのだ。
「うう、折角会えたのに……」
「大丈夫だって。きっとすぐ会えるから」
「……約束ですよ。その時までに、もっともっと強くなりますからね」
「うん、期待してる」
次に会うのはいつになるのやら。
意外と、すぐに出会いそうな気もするけど。
「それじゃ、またね」
「はい、またどこかで!」
日も落ちていたので、宿で解散。
部屋に戻ると、明かりが灯っていた。
ベッドの上にはメイベルがぺたんと座っていて、目をゴシゴシ擦っていた。
「……ふあ〜……ねむ…………あ、リフィアおはよ〜……」
「……なに、その、今起きましたみたいな感じは?」
「んー? そうだよー……私夜型だから、お昼から眠くって……」
もう夕方の七時なんだけど。
「……明日出ようと思ってるんだけど」
「え、それなら明日の三時まで……」
「よーし分かった今から行こうかー」
「あちょっ、私いま起きたばっか……!!」
宿を半日で引き払うというお金の無駄遣いをしながら、馬車に乗り込んだ。
まあ、丁度良かったというのもある。
私は吸血鬼という種族柄、陽の光がそんなに好きじゃない。いや前世から無駄にギラギラしやがるので好きじゃなかった。
そして、私は家に引き篭もるのが大好きだ。
休日なんて、早朝四時に寝て午後に起きて、というサイクルが常態化していたのもあるが、元々吸血鬼みたいな生活をしており、基本夜型。
つまり、今の時間から出た方がお互いにとってもメリットが大きかった。
なるべく早く次の街へと向かった方が、陽介の進路を先回りできるしね。
「この馬車、途中の町で降りちゃうから、そこからは徒歩なんだよね」
「えー……もう歩きたくないよー」
「まだ一歩も歩いてないんだけど?」
馬車が疲れるのは分からなくもないけども。
そのやる気の無さは、もうちょっと何とかならないのか。
そう思っていると、私の腰をまじまじと眺められる。
ルバルドラムに居たときから、なんだかチラチラ視線感じてたけど、そんなに
「そういえば、リフィアって不思議な神器を持ってるんだね。もしかして、異世界の血族?」
「──!?」
そして、斜め上からの攻撃を食らった。
それを自然と使ってくる人はそういない。エルフのように、余程歴史に造詣の深い人ぐらいなものだ。
「……
「うん。
お伽噺、『氷の一族』。
異世界ニホンバハマルの騎士階級、つまり武士が、神によってグランバハマルに転生させられ、神から授かった神器〝凍神剣〟を、武士の子孫が受け継ぐようになったという話だ。
「これが、私の凍神剣」
「あの剣って取り外せたんだ……」
包帯の不審物が開帳されると、氷塊の中に細っこい剣が埋まっているという、中々持ちづらそうな武器が出てきた。
陽介の横からチラ見したときは、メイベルが住んでた場所で氷に閉ざされてたはずなのに。
「……この喰神剣、本当に神器なの?」
折りたたまれていた柄やら刀身を展開する。
神器というには、すこしスタイリッシュで近未来感のある武器だと思うけど。
「わ……ちょっと光り出したよ」
「え、ホントだ」
ふと近付けると、お互いが共鳴でもしたかのように、仄かに光を放った。
神の武器、というのはどうも本当らしい。
サリファのお父さんの手紙では、人に扱えない事から吸血鬼専用の魔導具ではないかと書かれていたが……
「リフィアって謎だよね。神器も持ってるし、普通の人じゃない感じするし」
「うーんと……そこは色々あるんだよ」
吸血鬼だから、どうしても隠しておきたい事ができてくる。
日本人の子孫とはいえ、この子も立派なグランバハマル人。吸血鬼は普通に怖いだろう。
「まぁ、リフィアは何だか優しそうだし、どーでもいいかなぁ」
「メイベル、私が初対面で何したか忘れてる?」
ふああ……と眠たげに欠伸までしだした。
そんな不用心だと、こっちが不安になってくるよ。
○ ✕ △ □
「わかってる…………貴方は村を助けてくれたのよ………」
そうして倒れ込んだメイベルを、陽介は引き摺っていった。
その運び方はなんとかならなかったのか。
しかし、その場にツッコむわけにもいかず、陰ながら宿に入っていく様子を見守る。
盗み聞きも悪いような気がするので、宿には泊まりつつ、廊下でメイベルが出て来るのを待っていると、何やら不穏な音が……
──ガキンガキン! ズガガガッ!
コレ間違いなく戦ってるよね?
いや二人共何してんの。オーナーさんに怒られるって。
あまりの騒音だったからか、陽介の隣のドアが勢いよく開かれた。
「……あら?」
「来てたんだ」
エルフだ。私より早くに着いている……しかもちゃっかり隣の部屋を取ってやがった。
正直、ストーキング力を舐めていた。これは脅威度を改めないといけない。
エルフも私の存在は予想外だったのか、挑戦的な笑みを浮かべた。
「行きましょう」
「うん」
開けろ、デトロイト市警だ!! ……と言い掛けたのを呑み込み、無言でドアを蹴破った。
そこに広がっていたのは、正に事が起きる寸前だった。
メイベルの股ぐらに乗り掛かるようにして、陽介が腕を掴み、拘束していた。
「……事案ですか?」
「……私は門前払いだったのに」
「あっ、お前らちょっと手伝ってくれ! 手がつけられん!」
その時、私は見た。
メイベルの左手薬指に嵌められたそれを。
綺麗な色の、どう見ても指輪にしか見えないモノを。
「……イキュラス・キュオラ」
「は?」
「イキュラス・キュオラ、イキュラス・キュオラ、イキュラス・キュオラ……」
目線を逸らせない。
鼓動は速くなっていく。
記憶が、消した傍から蘇る。何回消しても、それは目に焼き付いてくる。
「イキュラス・キュオラ、イキュラス・キュオライキュラス・キュオライキュラス・キュオラぁぁ!!」
鼻血が止まらない。
なぜなぜなぜなぜなぜなぜ。
なぜあんなものを、メイベルが持っている?
「ど、どうしたんだリフィア、そんなに忘却魔法を酷使したら、脳に影響が」
「ちょっとオーク顔は黙ってなさい」
「なっ、ちょ、やめっ────」
天星石の指輪。
陽介が幾つか獲得したという、世界に七つだけの装飾品。
特に効果はない。効果はないが、陽介並の冒険者でなくては獲得できない貴重なものだ。
それを、出会ったばかりのメイベルに……?
「……は、はは」
私は眼中になかったのか。
ただの友達なだけで、深い意味なんてないって。
「リフィアっ!! しっかりしなさい!」
「い、今、氷嚢用意するね……!」
もう、いいやぁ……────
○ ✕ △ □
暗殺されかけた、というおじさんの一言から始まった異世界の記憶は、最悪な展開を迎えていた。
「……お、おじさん」
「なんつー地獄……!!」
2018年6月。
リフィアさんが我が家にやって来て、一週間が経過したこの頃。
魔炎竜の時から、暫くリフィアさんが出てこない記憶が続き、ようやく登場したかと思えばこれだった。
「あ、そうそう、そうだった。何でか知らんが、リフィアが記憶忘却しまくったんだよ。俺も訳分かんないまま、エルフに拘束を壊されて、メイベルに凍結封印。流石にこれはひどくない?」
おじさんが悪い……!
全部おじさんのせいだよ……!
出会って間もない女の子に指輪渡されてて、元々ずっとおじさんが好きだった人がそれ見たら発狂するしかないでしょ!
「うん………」
「そうですねー……」
藤宮も乾いた笑みしか出ていなかった。
リフィアさんが居ない時で本当に良かった。
前にも、リフィアさんが指輪を見たせいで泣きながら記憶を消すという、誰も喜ばないシーンを見せられたばかりだ。あの人のトラウマを刺激し過ぎたら、何が起きるか分かったものじゃない。
「……リフィアさん、結構重いな」
「エルフさんと同レベルだよ、絶対」
「ん? 何の話だ?」
「いや、何でもないよ」
彼女のその気持ちが伝わる日は来るのだろうか。
僕は、見守りつつも、何か手助けをしてあげたい気持ちになった。
……そのはずだった。
「その告白、待ったを掛けさせてもらうわ」
2018年10月。
突然、窓から入ってきた彼女は、とても見覚えのある服装と耳をしていた。
対するリフィアさんの顔は見えない。
だが、物凄く、こう、殺気のような威圧感が……
「……もっと遅くても良かったのに」
「こっちは堪ったもんじゃないわよ。あそこで介入できたのも偶然だったし。まさかここまで関係が進んでるなんて……」
「ふふ、日本まで来れば、私のホームグラウンドだし」
「でも、そんな事を言っていられるのも今のうちね」
エルフさんが余裕をかましている。
もうおじさんに逃げ場が無いからか、それとも何か、別の意味が……?
「えーっと、すみません……窓からお邪魔しちゃいました」
「エルフ〜、アリシア〜、こっち玄関っぽいよぉ〜」
二方向から声。
廊下に続く戸と、背後のベランダ。
「うそ……」
「まさか、この声……!?」
前には、冷ややかな、氷のような瞳と髪色をした美女が顔を覗き込んでいる。
後ろに向けば、神官のような荘厳なローブに身を包んだ、優しい雰囲気の美女が。
知っている姿とはまるで違う。
文字通り、大人びた。歳月はここまで人を変えるのかと、軽く感動すら覚えている。
「あ、クロキ……嶋嵜陽介さんのご家族の方ですか?」
「え、ええ、はい」
「突然お邪魔してしまいすみません……こちら菓子折りです。とっても美味しいのでぜひ」
「あ、あの! 貴方は…………」
菓子折りを受け取りながらも、これだけは聞かねばならなかった。
おじさんと同じアラフォーとは思えない可愛らしさを振りまいた笑顔で、勢い良く、そして深々と頭を下げた。
「
「「「「えっ」」」」
四人の声が被る。
しばらくお世話になるって……マジで?
「私はメイベル、メイベル=レイベールだよ。ところでこの家、ベッドある? 私、朝から動きまくって、もう眠くて眠くて……ふああ────イタッ!? な、なんで叩いたのエルフぅ……!」
「私はエルフよ。この怠け者の寝言は聞かなくていいわ」
「寝言扱い……!?」
沈黙が降りてきた。
うん……メイベルさんが夜型の人間なのは知ってるけど、いきなりそれは、遠慮が無いにも程があるような……
「それと、いきなり来ておいて厚かましいのだけれど……私達三人、日本に来たばかりで宿も無いし、無一文なの。働き口が見つかるまでいいから、泊めて貰えると嬉しいわ」
では、つまり。
現在、三人住むこの空間に、更に三人増えると。
部屋の狭さもあるけど、それ以上に男女比が……と頭を抱えていると、リフィアさんが出てきて、アリシアさんとメイベルさんと顔を合わせる。
感動の再会、という訳ではないらしい。
リフィアさんが笑顔のまま顔を引き攣らせていた。
「あはは……一応、エルフの為だけに喰神剣渡したつもりだったんだけどなぁ」
「そんなに薄情者じゃないわよって言いたい所だけど、二人も勝手に付いてきちゃって」
だから私悪くないからね? 的な視線でチラチラとリフィアさんがこっち見てきてるけど、そもそも日本に渡る手段をエルフさんに用意してたって、俺全く聞いてないよ。
近いうちに来るかもね、とか多少示唆してくれたら、こっちも準備できたのに……
「あ、ひどい! エルフもリフィアも、私達を置いてく気満々だったんですね!」
「え、そうなの? クソチョロ日本ゼニジャブ生活の夢が絶たれる所だった……? エルフずるいよ! 一人でゼニジャブしようとしてたなんて!」
こっちもこっちで、中身そのまま大人になったような発言ばっかしてるし……特にメイベルさん。全然何にも変わってない。
俺、この人家に入れておきたくないんだけど? 日本の芸能界とか絶対チョロくないからな?
「お、おじさーん? 泊めるって言っても場所足りないから、おじさんの部屋を一旦寝室にしちゃってもいい?」
返事が無い。
ちらっと部屋の中を覗いてみると、おじさんは正座したまま真っ白に燃え尽きていた。
……あー、キャパオーバーしちゃったかぁ。
リフィアさんの告白に、エルフさん達の日本電撃訪問というビッグイベントは、情報量があまりに多い。
「リフィアさんはおじさんの面倒見てて。俺、ちょっとおじさんの部屋綺麗してくる」
「あ、うん」
「たかふみ、私も何かする?」
「藤宮は……特に何もしなくていいし、三人と寛いでて」
「いや寛げるか普通!?」
うん、知ってた。
いやでも、藤宮はもてなされる側だし、今は何かしてもらう必要が無いんだよね。
「あら、私はお話してみたいわよ。例えばそうね…………貴女と陽介の関係、とか」
「いやいや、ただ面白い話を聞かせてくれる友達の親戚のおじさんですが?」
「友達の親戚のおじさんとよく話すって……普通ありえないよね?」
メイベルさんのまともな意見が藤宮に突き刺さってる……!!
確かに、世間一般じゃありえないとは思うけど、おじさんが異世界おじさんだからなぁ……
「まさか、ここに来てライバル現る、ですか……!?」
「違いますから! 寧ろ私が好きなのは……」
「……好きなのは?」
「……えっ!? あっ……ぅ〜〜〜っ!?」
リフィアさんとおじさんの恋路を応援し、ようやく念願叶うと思った矢先にやってきた、エルフさん、メイベルさん、アリシアさん。
2LDKに、六人暮らし。
元々シェアしてたとはいえ、少し持て余していた我が家が、一気に手狭になりました。
なんだかんだ、三人ともずっと居座りそうで怖いです。
異世界組同居篇、開幕
もうコイツらだけでホロみたいなプロダクション作れるのでは……? ボブは訝しんだ。