黒歴史1話「一人でいる時も常に誰かに見られてると思った方がいい」の直後
勝手に演奏シーンを覗き見したことを謝ってから3週間程が経った。その間、愛斗くんとはよく話すようになって、たまに生で弾いてるとこを見させてもらえたりする。かっけぇ。
いや〜、画面越しと生とは音質が天と地の差だね!まあ監視カメラの備え付きマイクだから当たり前なんだけど。
でも生演奏してもらえるのは嬉しいんだけど、前に見た演奏よりはっちゃけてないのがちょっと残念。理由を聞いたら「人前でもアレをやり始めたら、本当に人間として終わる」って言われちゃった。あの自分の世界に入って「俺が弾きたいように弾いてんだ文句あるか!!」って感じのやつ、かっこいいんだけどなぁ……。
うん、それはそうとなんだけどね?なんで久々に来てスタジオ入ったと思ったら数分後にハーレムして出てきたんだあの人???
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さて、休憩入ったし!さっきの愛斗くんたちが気になるし!まだ外のカフェにいるみたいだし!ちょっかいをかけにいこう!野次馬精神大事だね!というかあの集まりよく見たら男女比1:10やん、可哀想。いや見方を変えればハーレムか?とりあえず爆ぜとけ。
「やぁやぁ愛斗くんハーレムはいかがでしたか」
「おぉ、陽向か……」
だらしなくグテっと机に突っ伏してる愛斗くんに声をかけると、体制は変えず首だけを回してこっちに向いてきた。目死んでるしなんか怖いからやめろ?
「ハーレムなんてもんじゃねぇが???なんなら辱められたが?!」
「なにされたん」
「いや、コーチになって、って脅迫まがいのスカウトされたんだよ」
「脅迫?え、何?弱み握られてんの?」
「僕ちゃん渾身のギタープレイをまじまじと見られたの! マジ泣きそう。辛い」
「あぁ、なるほど。でも愛斗くん今日ギターしか弾いてなくない?ギターのコーチ頼まれるだけであんな囲まれるもん?」
「なんで俺が今日ギターしか弾いてないの知ってるの? アレか? 見たのか? 監視カメラは覗き道具じゃないんですよ実は」
「ロストワンの号哭マジでかっこよかったよ!」
「ねぇ、プライバシーって知ってる?陽向といいまりなさんといい俺をどうしたいの???」
いやぁ、もうこの3週間での愛斗くんの扱い方が雑になった。演奏技術も、たまに歌ってる歌も、なにより楽しそうに弾いてるとこは大好きなんだけどね。なんかこう……、いじられキャラ感が、ね?まあ弄ってるのは八割ほどまりなさんなんだけどね。自分は悪くない!(責任転移)
「話戻すけどギター以外のコーチもすんの?愛斗くん全楽器そつなく、っていうか上級者レベルで弾けるもんね」
「そうなんだよなぁ、お前のクソ上司が他の楽器演奏してる映像見せたらしいんだよ」
「え、あのコレクション見せたの?!?!」
「コレクションって言った???正直に言え、お前も共犯者か」
「共犯者ってかその映像撮ったん自分だからね☆」
「おいこら」
あの動画はここ好き!ポイント押さえて、自分用に編集して保管してたんだよね!まあやった事と言えば演奏の邪魔にならない程度に原曲の音源流しながら、愛斗くんの動き回ってるところをいい感じにいじっただけなんだけど。それを見てスカウトしたってことはそこまで下手な編集じゃなかったってことかな?それはそれでなんか嬉しいからヨシ!
「まあまあ、美少女達と仲良くできるんだから役得じゃん」
「黒歴史握られてんのにそんなキャッキャウフフな展開になると思う?ねぇ??」
「……なるようになるって、ガンバ!」
「こっち向いて言えよ。あー、受けちまったしやるけどさぁ……」
「応援してるよ、あとスタジオの時間あと数分しかないから片付けよろしくね!」
「」
休憩もそろそろ終わる頃なので、とぼとぼと歩く愛斗くんとCiCRLEに向かった。
後日談としては、まりなさんが愛斗くんに追っかけ回されて、結果捕まった後にコーヒー奢らせてチャラにしてた。いいのかそれで??ついでに自分からも動画使うときはちゃんと確認取ってくださいと頼んだら、隣にいる愛斗くんに「まず動画撮らないで貰えますかね??!」とキレられた。ごめんね、反省はしてるけど後悔はしてないから許して。