記憶を頼りに、先ほど進んできた道を早足で戻る夜桜。
そして、その背後を歩幅を小さくして心底嫌そうに付いていくマオ。彼女は2メートルの体躯を縮こませ、指先を弄びながらぶつぶつと言葉を吐く。
「アニーシャがこんなところにいるわけ……いるわけ……いるわけ、ないだろう? マジで見間違いだろ?」
「……私の記憶を読んでいただければ、すぐにわかると思うんですが」
「読みたくない」
マオが絶望感の籠った言葉を短く吐く。
十メートル先にまで迫った現実を直視したくないらしい。
しかしマオの切実な望みを無視するように、二人は地下施設の最奥にある扉の前へとたどり着いた。
そしてそびえたつ両開きの扉を夜桜が静かに開く。
「…………っ」
全身を包み込む、黒く、鉛のように重い空気が部屋の中から噴き出した。
夜桜ですら心臓をざらついた手で撫でまわされるような不快感が走るその空気。数分ぶりに味わった不快感に思わず冷や汗を流す。
しかし、その空気……正確にはその空気を放つ『存在』にトラウマを持つマオのストレスは、夜桜の不快感とは比べ物にならないほど強かった。
「ぐぉ゛……っ゛!!」
部屋の中を見た瞬間、マオが顔を大きく歪ませる。
鋭い犬歯が露出し、顔には脂汗がびっしょりと浮かんだ。
「あ、あ、あ……『
マオの視線の先にある、カプセルの中で静かに佇む黒い鎧。
異様すぎる圧を放つそれを睨みつつ、マオは確かに『アニーシャ』と叫んだ。
それを聞いた夜桜が顔を青くするマオに視線を向け、言葉を掛ける。
「やっぱり、彼女が……アニーシャさんなんですね?」
「…………あ゛?! か、
「……え?」
「え?」
焦りからか、若干口調が崩れるマオ。
そして会話が噛み合わないことに首をかしげる夜桜。
二人が目を合わせ……頭の上にハテナを浮かばせた。
頭に予想外の疑問が生じたことで、少し落ち着いたのか、息を整えたマオが言葉を吐く。
「アニーシャを『彼女』呼びだと……? ……アニーシャは女なのか?」
「え、ええ、多分……」
「なぜそう思う?」
「この部屋で発見したこの画像を見て、女性だと思ったんです」
夜桜は懐から折りたたんだ紙を取り出し、丁寧に開く。
それは先ほどこの部屋の中で見つけた、鎧の中を透過撮影した写真だった。裏面には筆記体で『Black Knight』と書かれている。
マオはその画像を人差し指と中指で挟むように受け取る。
そして手首を回転させて表面と裏面を何度かひっくり返しながら見た後、眉間にしわを寄せる。
「……ふむ。発見した場所に加えて、この『Black Knight』の文字……まあまず間違いなくアニーシャのことだな」
小さな声でそう呟いたあと、マオは画像を夜桜に返した。
受け取ったそれを再び小さく折りたたみ、懐に入れたところで問いかける。
「女性だと知らなかったんですか?」
「うむ。てっきり男だと思っていた」
「……アニーシャって名前は、どちらかと言うと女性っぽい名前だと思うのですが……」
「儂の世界では、男が女っぽい名前でもそう珍しくはないのだ。人類限定の風習でな」
「風習?」
夜桜が首をかしげて問いかける。
するとマオは腕を組みながら、静かな声で答えた。
「魔除けの風習として、幼い男児に女の名前を付けるという物があるのだ。下らん風習……と思われがちだが、実はサキュバス除けに多少の効果がある」
「へぇ……」
「そして偶に、親を早く亡くし、女の名前から変える機会を失った男達がいてな。そういう奴らが積み重なった結果、男でも女の名前を名乗る者が珍しくなくなったのだ」
古来の日本でも魔除けとして、男児を規定の年齢まで女装させる風習があったと言う。
魔法とか魔族とか、そういうのが実際にいる世界なら同じような風習があってもおかしくはない。実際に効果があるのならなおさらだ。
夜桜が納得するように頷いたその時、マオが続きの言葉を紡ぐ。
「それに、まあ、騎士を目指すのは基本的に男だけだしな。言ってしまえば究極の力仕事な故に。それで、騎士を志望していたアニーシャも男だと思っていたのだ」
「……ピュアホワイトは女性ですよね? あれは騎士じゃないんですか?」
「いや、アイツも騎士だがアレは特例中の特例だ。奴以外はほぼ全て男よ。……というかぶっちゃけ、女の騎士は実力が大したことないから、魔族との戦争で早々に死に絶えたしな」
……なるほど。
女性は滅多に騎士を目指さないし、よしんば騎士になれても実力不足で早々に死ぬ可能性が高い。
だから基本的に騎士という職業は男が成るものらしい。
アニーシャという人も騎士を目指していた(?)らしいから、マオはてっきり男だと思っていたとのことだそうだ。
夜桜は頭の中で思考を纏め、マオの方を向く。
「まあ……アニーシャさんの性別の話はこれくらいにしておきましょうか」
「そうだな。……正直別にアイツが女だろうが男だろうが、『何でこの世界にいるのか?』に比べたらどうでもいいしな」
「ですね」
そう。
アニーシャの性別の判明は本題ではない。
もっと重要なのは『どうして彼女がこの場にいるのか』の方である。
「マオさん。アニーシャさんがどうしてここにいるか、心当たりってありますか?」
「……うぅむ。なくはないが……」
そう言いながら、マオはおっかなびっくりな足取りでカプセル内のアニーシャへと近づいていった。
流石に近づきすぎるのは怖かったのか、彼我の距離が一メートルほどの場所でピタリと足を止める。夜桜もそれに続くように歩き、マオのすぐ横に移動した。
「……儂がここまで近づいても死なない辺り、死の瘴気は完全に消えておるな。まあ瘴気が出ていたら、今頃この地下施設の人間は全員死んでいるが……」
「死の瘴気?」
「ざっくり説明すると……アニーシャが変化した魔物の特性だ。体から『自身に恐怖した者を強制的に殺す』、死の瘴気を放つ」
つよっ。
何その戦略兵器?
「本来ならこの力が儂の手に入るはずだったんだが……まあそれはともかく! 瘴気を放っていないところを見るに、アニーシャはマジで死んでるっぽいな」
「まあ、日高君の中にアニーシャさんがいるなら、亡くなられてるのは当然じゃないですか?」
「むう。まあそうなんだがな」
マオは瞼を開いたり、細めたりしつつ、静かに佇むアニーシャの姿を観察する。
何かの魔法を使って調査しているのだろうか。
魔法を使えない夜桜には一体何をしているのか皆目見当もつかない。
そして一分ほどマオがそうし続けたあと、彼女が再び口を開いた。
「というかこいつ、よく見たら体から
「神気……?」
「読んで字のごとく『神の気配』だ。神を喰らうか、神の血を大量に浴びれば得られる物だが……魔神を殺したときには血の一滴も浴びてなかったよな? えぇっ、コイツ儂が死んだあとに一体何やったんだ……?」
青い肌を更に血色の悪い色に染め、顔を歪ませるマオ。
それを見ていた夜桜が、はっと思い出したようにカプセルに近づき、マオに声を掛ける。
「あっ、それとマオさん」
「ん?」
「カプセルの下の方に、黒い鎧の破片みたいなのが結構落ちてるんですが……これはどう思います?」
「鎧の破片だと? アニーシャの魔力で強化された鎧が壊れるなんて相当の衝撃のはずだが……うぅむ……」
気になったのは、細かく剥がれた鎧の破片。
マオの話によると、アニーシャという人物はマオやピュアホワイトよりも遥かに強いらしい。
そんな人の鎧が壊れるなんて、一体どんな事態があったのだろうかと考えたのだ。
自身の見つけた情報や夜桜から得た情報を元に、顎を指でさすりながら考えを巡らせるマオ。
「謎の神気に、壊れた鎧の破片、そして何よりこの世界に来ている理由……」
そうして30秒ほど闇深い真相への思慮を巡らせていた時、マオの頭にピーンと天啓が降りた。
「……ハッ、そうか、分かったぞ!」
「何が分かったんですか?」
「このバケモン女がこの世界にいる理由がマルっとお見通しと言ったのだ!」
マオがパチン! と指を鳴らし、何もない場所からチェックの鹿撃ち帽とパイプ煙草を生み出す。
それを名探偵ホームズを真似したように被り、咥えつつ、偉そうに胸を大きく張った。……青い肌と大きな角のせいで、どうにもホームズには見えないが。
しかしそんな夜桜の憂慮を一片も気にせず、マオはパイプ煙草をゆらゆら動かしながら器用に喋り始めた。
「儂の死後、アニーシャは性懲りもなく暴れ回ったのだろう。生きとし生けるものを好き勝手に殺戮し続け、世界が破滅の危機に陥ったその時――――! 魔神よりも遥かに高位の、三柱の女神が揃ってご登場したのだッ!」
「まぁ儂は三柱の女神なんて偉ぶった奴らは好きではないが、今回ばかりは大感謝だ! いくら魔神を楽に殺したアニーシャと言えど、あの女神共とやりあってただでは済むまい!」
「しかしアニーシャもそう弱くはない。恐らくは女神の一人をぶち殺し、その血を大量に浴びた所で、他の女神に倒されたのだ。そして死に体となった時、世界の壁を越えて偶々この世界に訪れ、死を遂げた……」
「――――これが全ての真相だッ!」
マオが頭に被った鹿撃ち帽を取り、ぎゅうっと力強く握りしめる。
叫んだ勢いで口からパイプ煙草が落ち、地面で数度バウンドしたあと、元から何もなかったように霧散した。それと同時に手の中の帽子も霧散する。
魔力で作った物体故、マオの任意で消去できるのだろう。
そしてマオの語りを静かに聞いていた夜桜が、申し訳なさげに声を出す。
「……すみません。私、今の話で出てきた大事そうな単語がほとんど分からないです。『
「よかろうよかろう! 家に帰ってから嫌と言うほど説明してやる! 儂は今、め~ちゃくちゃ気分がいいからな!!」
なぜかテンションが最高潮になったマオが、片足を軸にくるくると回りだす。
そして一メートルの距離を保っていたカプセルにずいっと一歩で近づき、べったりと表面に手を着けた。
「調子乗って暴れまくるから三柱の女神が直接出てきてぶっ殺されたんだろぉ!? バーカバーカ、自業自得だざまぁみろ!! ハハハハハ!!!」
マオが青い肌をほんのりと赤く染めるほど上機嫌になり、アニーシャのカプセルを拳で軽く叩く。
それでも興奮が収まらなかったのか、拳でドンドンと叩きながら蹴りをバンバンと入れ始めた。
直接戦ったらまるで勝ち目がないので、相手が死んでいる状態でしか反撃できないのだ。
夜桜が、そんなマオの姿を憐れむような視線でじーっと見ていた時。
――――ピクッ。
佇むアニーシャの指先が、ほんの一ミリだけ動いた。
「――――?!!?」
カプセルを叩くマオの拳や蹴りの衝撃でたまたま動いただけかもしれない。
しかし夜桜の本能は――――カプセルの中にいるアニーシャからの、迸るような敵意を瞬時に感知した。
「マオさん! 今アニーシャさんの手がッ!!」
「え――――」
――――ガッシャアアアアァァアアアアアンンッッッ!!!!!!!!
ガラス製のカプセルが割れる音が響いたと思った――――直後。
握りしめられた黒い小手の拳がマオの顔面を鋭く捉え、何の抵抗もなく後頭部まで貫いた。
夜桜は一瞬も反応できないまま、拳を振りぬいた姿で地面に倒れていくアニーシャを見やる。
そしてようやく指先を動かせるようになったのは、アニーシャが轟音を立てて地面に落ちた時だった。
「――――マオさんッ!!」
真っ先に心配したのは、マオの安否。
彼女は完全に頭部を拳で貫かれていた。本来ならば救助活動をする間もなく即死である。
しかし。
「ぴっ、ぴっ、ぴぎぇっ……」
マオはアニーシャの横で、死にかけの小鳥のような鳴き声を上げ、地面にへたり込んでいた。
2メートルの背丈がある青肌美人の姿は蜃気楼のごとく揺らめいている。そして一秒と経たないうちに、空気中にふっと霧散した。
前世のマオの姿が消えたとき、その場に現れたのは、顔を青くして涙を流しながら失禁する折川結城の姿だった。
恐怖で心の底から怯え切っているが、体の何処にも外傷は見当たらない。
(……そうか、身長差か!)
マオはこの地下施設に来た時、幻を作る魔法で前世の姿に成ってみた……と言っていた。
前世のマオの身長はおよそ2メートル。
対して、折川結城の身長は140センチ前後。その差は60センチもある。
先ほどアニーシャの拳は、身長が2メートルある幻影のマオの顔面を捉えていた。
しかし実際は、本物の体である折川結城の頭上を通り過ぎていただけだったのだ。
夜桜は地面に倒れるアニーシャの体を大きく迂回し、マオの横に膝を突く。
「無事でよかったです……本当に」
「ぴっ、ぴぐっ……」
声を掛けても、小刻みに痙攣し続けるだけで何も返事しないマオ。
夜桜が顔の前で勢いよく手を振っても、彼女の眼は全く反応しない。
(駄目だ……完全にやられてる。これはしばらく安静にさせないと回復しないな……)
夜桜はマオの体をお姫様抱っこし、すぐに脱出することを決めた。
圧倒的強者のマオが無事ならば、もう少し調査しても何とかなるだろう。しかしマオがぶっ壊れてしまったなら話は別である。
(さっきマオさんが新不達をなぎ倒してから5分弱……。まだ気絶しているだろうか? あれほど勢いよく叩きつけられてたら、起きても暫くは動けないと思うけど……)
とにかく……すぐに何某の手段で脱出する必要がある。
夜桜が踵を返し、アニーシャがいる部屋から出ようとした時。
「……ぐー」
うつ伏せに倒れるアニーシャの顔から、低く重い息音が聞こえてきた。
それを耳にした夜桜は思わず足を止めて、彼女の方に振り返る。
「ぐー。ぐごご……ずー、ぐごご……Zzz」
「……ね、寝息……? 死んでるんじゃないの……?」
アニーシャは口から、分かりやすいくらいのいびきを立て始めた。
鎧のせいで肺の動きは見えないが、十中八九寝息だろう。
(な、何者なのこの人……。マオさんにも来てもらったっていうのに、全く謎が解けてない……)
夜桜は冷や汗を額から頬に一筋垂らす。
そしてアニーシャの体を見続けていたとき……ふと視界の端に、先ほどマオに見てもらった、カプセル内にある黒い鎧の破片が目に入った。
(! カプセルが割れたから、中にある鎧の破片が取り出せる! ……でも……不用意に触れて大丈夫なの?)
憂慮。
何もかもが謎に包まれたアニーシャの存在。そんな彼女の鎧から取れた破片。
『死の瘴気』なんて意味の分からない物を放ったりするそうだし、果たしてそんな破片に不用意に触れていい物なのか……。
(……でも、ここで怯えてちゃ何も進まない……!)
夜桜は一瞬の苦悩のあと、自身の服の端を勢いよく破り取った。
そして割れたカプセルに近づき、鎧の破片を服の切れ端で包むように持ちあげる。それを素肌に触れないように、慎重にポケットの中へとしまった。
「……よし」
この場所で出来ることは、きっとこれ以上はない。
マオさんに来てもらったおかげで想定以上の成果が出せた……と思う。
(アニーシャさんの体を持っていくのは……まあ無理だよね。というかさっきの攻撃をされたら私も一撃で死ぬし)
口惜しいが、彼女をここから移動させるのは自分には不可能だ。
彼女の人格を宿しているという日高君さえいれば、また話は別なのかもしれないが。
アニーシャの体を運ぶことは諦め、夜桜は今度こそ部屋から脱出する。
(逃げると決めたら即撤退! 今日の戦果はこれで十分、あとは無事に帰るだけ!)
マオをお姫様抱っこしながら、客用エレベーターの前まで走って移動する。
運のいいことに、マオがなぎ倒した新不や警備員達は未だに気絶していた。
……というかよく見たら、新不以外の警備員は全員腕か足が変な方向を向いている。
これでは起きたとしてもマトモに動けはしないだろう。
新不だけ骨折していないのは……何かの武術で受け身を取ったのだろうか。油断ならない奴だ。
(……新不の骨を折っておくのは簡単だけど、今はその時間すら惜しいし……何より、無抵抗の人にはそういうのをあんまりやりたくない、かな)
夜桜は気絶した彼女から目を逸らし、客用エレベーターに入った。
エレベーターの階層ボタンは二つしかなく、片方は地下施設で、片方は地上に出るためのボタンだ。
迷いなく地上行きのボタンを押したあと、夜桜はエレベーターの上部にあるハッチを開ける。
そしてエレベーターの上に移動し、地上に着くまでマオの体を抱えたまま息を潜めた。
「…………」
そして、暗闇の中で暫く待ったあと。
チーン!とエレベーターが到着する音が鳴り響いた。
ハッチに耳を押し当て、エレベーター内部に物音がないか確かめるが、何も聞こえてこない。
次にハッチを片目分だけ開けて様子を確認するが、人影はない。
(…………行くか)
夜桜はハッチを開け、静かに、それでいて素早くエレベーター内に降りる。
そして開けたままのハッチに遠隔スイッチ式の爆弾を投げ込み、エレベーターから出た瞬間に発破させた。
ドォン!!と轟音を上げ、エレベーターを吊り上げるためのロープと滑車が破壊される。
ギャリギャリと擦れる金属音と火花を上げながら、エレベーターは地上から地下施設へと急速に逆戻りしていった。
(これで、新不が目を覚ましても追っては来れない)
人はむやみやたらに傷つけないが、それ以外の物は容赦なく爆破する女であった。
夜桜はエレベーターが完全に使い物にならなくなったのを確認した後、ゆっくりと振り返る。
客用エレベーターの先は、豪華絢爛さと多少の古臭さを感じさせる旅館だった。
赤いカーペットに、壁や天井にまで施された美しい装飾。天井から吊り下げられる金色のシャンデリア。
幾分綺麗に掃除されてはいるが、客を取っている様子はない。
(……バブル景気が弾けたときに一緒に潰れちゃった旅館、ってところかな)
夜桜は内心でそう予想し、歩みを進める。
警戒しながら旅館内を歩くが、人の気配は何処にもない。
旅館の出入り口から外に出ると、もう朝日が昇り始めていた。
小高い所にある廃旅館からは夜桜の祖父が店を持つ温泉街が見え、温泉宿や土産物の従業員たちが往来を始めている。
温泉街の大通りまで行けば、人の動きに紛れ、タクシーを使って家に帰ることができるだろう。
(よし、もう一息!)
夜桜は腕の中に抱えるマオを強く持ち直し、身を隠しながら温泉街へと降りて行った。
……地下施設からの追っ手は最後まで来ることがなく、夜桜とマオの二人は無事にタクシーへと乗り込む。
未だに壊れた状態から回復する様子のないマオを膝枕しながら、夜桜は自宅への帰路を高速道路に乗って進んでいった。
Q.三柱の女神って誰?
A.過去の話にちょろっと出てきた人達です。
無傷で遊び殺した魔神よりは苦戦させられました(無限に生み出せる剣を一本ぶっ壊された・女神の最強の永遠封印魔法で数秒行動不能になった)が、結局アニーシャに皆殺しにされました。
Q.つまり?
A.マオの予想はまったくの的外れです。悲しいね。