殺人鬼に集まられても困るんですけど!   作:男漢

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#74 好きの理由は子供らしく

 

 

 

 

「――――はっ!」

 

 目が覚めた。

 勢いよく起き上がろうとするが、胸の傷が痛んで顔を歪める。

 

「あ、起きたか。……胸の傷が酷い、まだ寝てな」

 

 傍に金髪の女性――橘が座っていた。

 彼女の顔を見て、少し呼吸を落ち着けた後、ゆっくりと辺りを見回す。

 

 腕に繋がれる点滴。

 点々が大量にある白い石膏ボードの天井。ピッピッと一定の速度で流れる心電図の音。

 窓の外は暗くなっており、ピュアホワイトと戦っていた時から随分時間が経過しているのが分かる。

 

 ここは病院だ。

 

 俊介は橘の方に顔を向け、か細い声で尋ねる。

 

「……どれくらい、寝てた?」

「だいたい……12時間ってとこか。今は夜の9時を少し回ったくらいだよ。意外に早く目覚めて良かった」

「一体、あの後何があった?」

 

 橘は俊介の問いに、静かに答える。

 

「近くにいた俺が、倒れてたあんたの事を病院に運んだんだ。警察にパクられる訳にもいかないだろ」

「そっか」

「つっても、俺だけの力じゃないんだが。あと、白戸って奴に見逃して貰えたのも運が良かった」

 

 俊介に大事な情報源とみなされた橘は、事が終わった後の身の自由と引き換えに協力すると言う口約束を結んだのだ。

 両腕が折れている彼女だが、ずいぶん昔にマッドパンクが手慰みに作った補助アームを使えばそれなりに物を動かしたりは出来る。それで俊介を運んだのだろう。

 

 

 俊介は窓の外の夜空を眺め、静かに呟く。

 

「全部ふりだしだ。榊浦美優も二度と表には出てこない。未来革命機関の情報を持ってる奴の心当たりはもうない……」

 

 今回の失敗はあまりに痛すぎる。

 いくら白戸やピュアホワイトと言ったイレギュラーが出てきたとはいえ、榊浦美優という特大の情報源を逃がした結果は変わらない。

 

 窓から視線を外し、自身の腹を見るように俯く俊介。

 

「……何をやっても上手く行かないんだ。こんなにやったのに……未来革命機関の拠点の場所さえ未だに分からない」

 

 目を細め、弱い言葉を吐いてしまう。

 

 どれほどの手を尽くしても、未来革命機関への道のりが余りに遠すぎる。

 手を目一杯伸ばしても全く届く気配がない。近づこうとすればするほど彼我の距離がどれほど遠いのかを感じる。

 

 本当の悪人集団には、ただ殺人鬼を宿しているだけの自分には太刀打ちできないのか。

 そう思い、心が折れかけた。

 

 

「こんな風にしてる間にも、夜桜さんがどうなってるか分からないのに……俺は、そこに行く事だって出来ない!」

 

 俊介は俯いたまま、涙ぐむ。

 

「なにやってるんだこのグズ! ホント……本当に……このッ!」

「お、おい!」

 

 怒りを込めた叫びと共に、俊介が思い切り自分の腹を叩いた。

 それを見た橘が慌てて立ち上がり、俊介の体をベッドに押さえつける。外付けの補助アームだが、マッドパンク製のそれは怪我人を抑えるのには訳ない出力だ。

 

「傷が開く、大人しくしてろって!」

「いっそ傷が開いて死んじまえばいいんだよ、こんな体! 頭も悪いし運動もできない、人格しか取り柄のないこんな役立たず!!」

「寝言言ってんじゃねえ!! 張っ倒すぞガキ!!」

 

 橘が俊介以上に声を荒げる。

 

「死ぬってのは、本当に何もかも終わっちまう事なんだ!! 俺だって元の世界にやり残した事は大量にある、でも全部終わっちまったんだよ!! どれだけ想ってももう何も出来ねえんだ!!」

「ッ……」

「けど生きてさえいれば、まだやり直せるチャンスはある……! お前はまだここで生きてるだろうが、お前はまだ終わってねえ!!」

 

 

 ふーっ、ふーっと。

 橘と俊介が歯茎をむき出しにするほど歯を食いしばり、お互いの鼻先が触れそうなほど近くで睨み合う。

 

 そして、お互い同時に頭が冷えたようだ。

 全く同時に顔を逸らして元の位置に戻る。

 

 数秒の静寂の後、橘が目を下に向けつつ申し訳なさげな声を出した。

 

「……悪かった。その……」

「いや、今のは俺の方が変なこと言った。ごめん……」

 

 橘の言葉を遮るように、俊介が謝罪の言葉を吐いた。

 

 

 気まずい沈黙。

 心電図の音、虫が窓にコツコツと当たる音だけが静かに響く。

 お互いの息遣いすら聞こえそうだ。

 

 そうして、先に静寂を破ったのは、俊介の方だった。

 

 

「俺、昔から本当に友達がいないんだよ」

「え?」

「上手く仲良くなれなくてさ、自分で気づいてないけど何かがズレてるんだと思う。そんなんだから、話し相手と言ったら家族か中にいる人格くらいで……」

 

 突然話し始めた内容を上手く呑み込めず、困惑の声を出す橘。

 しかし俊介は言葉を止めようとしない。それは橘に対して話しているのか、それとも自分の心を整理するための独り言なのか。

 

 窓の外に広がる夜景に視線を落とし、ぽつぽつと言葉を続ける。

 

「けど別に寂しかった訳じゃない。人格が来てからは特に騒がしかった。傍から見れば一人で遊んでいるように見えても……俺の傍にはずっと誰かがいた」

「俺の世界は家族と人格だけで完結してたんだ」

 

 

 ベッドの上で膝を曲げ、それを抱え込むようにし、膝の間に顔をうずめる俊介。

 孤月が空に浮かんでいる。

 月光は眩しい街の光に負け、地表には届かない。しかし空を見上げれば何物よりも輝いている。

 

 俊介の目端に水が溜まる。

 それを拭きとる事もせず、「でも」と話を続ける。

 

 

「高校入って、風邪なのに無理に学校に来て、案の定倒れた時に一声かけて貰って」

「たったの一声なのに」

「ずっとずっと……本当に長い間、内側に向いてた視線が外側に広がった気がしたんだ。久しぶりに新鮮な空気を吸った気分だった」

 

「自分の世界の外にいる人間を久しぶりに認識できたんだ。その時に見た夜桜さんは本当に、女神みたいに美人でさ……」

 

 

「……あの時の夜桜さんを見て、美人だと思って、一目惚れした感覚がずっと忘れられそうにないから」

 

「俺は……こんなに、夜桜さんの事が好きなんだろうな……」

 

 

 

 そう言い終わって、俊介は目の端に溜まっていた水をやっと指で拭った。

 全てをじっと静かに聞いていた橘。

 

 そして数秒ほどじっくり考えた後……やっと納得が行ったという風に口を開いた。

 

 

「つまりアレだ。何年間もコンビニの店員ぐらいしか女と関わらなかったけど、久しぶりにちゃんと会話した女がめちゃくちゃ美人だったから一目惚れしたって話だろ?」

 

 

 ゲホッ、と思わず俊介が咳き込んだ。

 なんと酷い話の要約の仕方だろう。

 あんまりにあんまりすぎる纏め方に俊介は赤くなった目で橘を睨む。

 

「言い方ッ……! いや超簡単に言えばそうだけど……!!」

「なんだよ、高校生らしい理由じゃねえか。ふふっ……案外子供っぽい所もあるじゃん」

「ホントに美人だったんだよ、本当に……」

 

 口を尖らせながら低い声でそう言う俊介。

 苦笑する橘。元男性と言うが、まるで女性のような仕草で口に手を当てて笑っている。

 

 

 そうして、橘の笑い声が収まる頃。

 静かな病室の中。

 俊介は自身の拳を握り込み、強く、自分に言い聞かせるように低い声で言う。

 

「俺はそんなに頭良くないから、折り合いをつけて諦めるって事が出来ないんだ」

「こんな大怪我して、相手があんなに強いって分かったのに……」

 

「まだ夜桜さんを助けたいって心の底から思ってるんだ」

 

 

 強く握りしめた拳をそのままに、俊介は橘の方を向く。

 

「……まず、俺をどうやってここまで運んだのか聞かせてくれませんか?」

「敬語……おう、分かった。」

 

 橘に対し敬語に戻す俊介。

 彼女は敬語で話さなくてもいいと言おうとしたが、下手に気を使う方が駄目かもしれないと思い、そのまま話を始めた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 12時間ほど前のこと。

 ちょうど俊介と白戸とピュアホワイトの戦闘が終わった時のことだ。

 

 

「クソッ、ピュアホワイトの野郎まで来てたなんて……! 皆化け物かよ……!」

 

 橘は脂汗を大量に流しながら車を走らせていた。

 両腕は折れているので使えない。しかし、俊介から貸し出された補助アームを器用に使って黒塗りの高級車を走らせている。

 

「とにかくあの子を助けないと!」

 

 彼女は、血しぶきを上げながら上空に飛び上がった俊介の姿を遠くから見ていた。故に急いでいたのだ。

 

 

「あの子に未来革命機関を倒して貰わないと、俺の安全が……!」

 

 橘は近くで待機して何かがあった時に助けるという約束を俊介としていた。

 しかしその実、彼女が俊介を助けたのは、打算からの行動であった。

 

 俊介が未来革命機関を倒さなければ、脱走兵の自分はいずれ捕まえられ、何をされるか分からない。その場で殺されるのならばまだマシという目に遭わされる可能性もある。

 

 自分の今後の安全のためには、どうしても俊介に生き残って未来革命機関を倒してもらう必要があったのだ。

 あのバミューダスを簡単に倒した彼ならば倒せるかもしれないという希望もあった。というか、それに賭けるしかなかった。

 

 

 戦闘のあった場所の近くに車を停める橘。

 腕の痛みに耐えながら扉から飛び出て、俊介がいるであろう一番被害の酷い場所へと走っていく。

 

 そして、住宅街の中の一角。

 そこそこの大きさがあったと思われる民家が、完全に更地と化していた。ここで起きた戦闘の激しさを一瞬で感じ取れる惨状だ。

 

 その更地の中央。

 血を流して倒れる俊介と、突然走って来た橘を睨む白戸がいた。

 

 

 とんでもない威圧感を放つ白戸。

 橘は恐怖で足を止めそうになるものの、俊介のすぐ傍に駆け寄る。

 

 

 ――――瞬間。

 

 

 彼女の体が勢いよく蹴り飛ばされ、少し離れた地面に背中から転がった。

 折れた両腕に痛みが走る。

 

 橘を蹴り飛ばしたのは、勿論白戸であった。

 彼は痛みでのたうつ彼女に言い放つ。

 

「申し訳ないですが、優しく拘束する余裕がありません。痛い思いをしたくないのなら今すぐ帰りなさい」

 

 怪我をしている人格犯罪者に駆け寄る女性。

 白戸からすれば、怪人の協力者と見て即座に攻撃するのも何らおかしいことではない。魔法が使えないため、少々手荒な物理的手段に頼るのもまあ致し方なし。

 

 橘は腕の痛みに耐えつつ、俊介に近づき、白戸に訴える。

 

「頼む、見逃してくれ! この子がいないと俺は……!」

「……両腕の折れた女性など、魔法が使えなくとも気絶させる事は容易です。それにこう言うのも何ですが……今すぐ救急車で病院に運ばなければ、その怪人は死にますよ?」

 

 救急車で俊介が運ばれる。

 これはつまり警察である白戸の監視下に完全に置かれるという事であり、逮捕されるのとほぼ同義である。怪我を負った状態で人対の三人の監視下から逃げられる可能性はほぼゼロだ。

 

 橘もここで救急車に俊介が運ばれるとどうなるかは理解していた。

 しかし彼女には、一つ病院の当てがあった。救急車ではなく、彼女自身が確実に送り届けなければならないが。

 

「治す当てはある。一応……」

 

 

 白戸は橘を更に強く睨む。

 そして……数秒後。呆れたように顔を逸らした。

 

「……フン。いいでしょう、そこを退きなさい」

「な、何をする気だ?」

「怪人と未来革命機関が勝手に潰し合うのならば、私もそれが一番楽で効率的です。しかしこのままタダで見逃すわけにもいきません。これは最大限の譲歩と私個人の恩情です」

 

 そう言うと、白戸は倒れ伏す俊介の体を手で仰向けにした。

 炎による焦げと血で赤黒くなったマスクを剥ぎ、ついに見る事のできた怪人の素顔を前に目を細める。

 

 そしてすぐに懐からスマホを取り出し、俊介の素顔の写真を撮った。

 何枚か写真を撮った白戸は大事そうにスマホを懐にしまい直す。服に付いた汚れを手で払いながら、ざくざくと瓦礫を踏み鳴らしつつ俊介の元を去っていく。

 

 橘が白戸の後姿を見ていると、白戸がピタリと足を止めた。

 肩越しに彼女の方を振り返る。

 

「怪人に伝えておきなさい。『正体は看破したも同然、近く人対が揃って出迎えに行く』と」

「……分かった……」

「それともう一つ。これは力不足の私に代わり、ピュアホワイトを撃退した謝礼です」

 

 

「『未来革命機関は海外海軍の全長500メートル超えの異世界技術製軍艦を盗んだ。しかし、私達はそれをまだ見つけられていない』。……どういう意味かは自分で考える事ですね」

 

 黙る橘をその場に、白戸は去って行った。

 

 

 その後。

 橘は折れた腕の痛みに耐えながらも俊介を車の中に運ぶ。

 

 そして、とある人物に紹介された病院へと車を走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 橘の話を聞き終わった後、俊介は目を手で押さえて大きくため息を吐いた。

 

「……やっぱそうだよな、顔見られたかぁ……。いやまあしょうがないな、流石に……」

「俺がどうにか出来たら良かったんだが……」

「こればっかはどうにも出来ませんって。その場で白戸に運ばれて尋問なんて最悪な展開よりはまだマシです」

 

 マズイと言えばマズイ事態ではあるが、夜桜を助けるための行動ができる最低限の自由はまだある。

 そう考えればまだ、何とか希望は見えなくもない。

 

 

 「それより」、と俊介は話題を切り替えた。

 

「全長500メートル超えの軍艦が盗まれて、それを見つけられてないってのは……」

「……これはよ。俺、思うんだが……」

「ええ」

 

 橘が何を言うかは、大体俊介にも分かっていた。

 未来革命機関の拠点が移動しているかもしれないという情報に、明らかにデカすぎる軍艦を盗んだという情報。これらを組み合わせれば、おのずと浮かんでくるのは。

 

「未来革命機関は盗んだ軍艦をそのまま拠点にしてる、って事じゃねえかな?」

 

 橘の言葉に、俊介は肯定の意を込めて頷いた。

 

「ですよね。俺もそう思ってました」

「……でもさ。500メートル超えってデカすぎないか? 俺は兵器には全く詳しくねえけど……それでも500メートルだぞ?」

 

 橘が500メートルという言葉を強調して繰り返す。

 確かに、人が作る建造物としてはかなり巨大な部類に入る。それが軍艦となると、歴史を振り返ってみてもトップの大きさなのではないか。

 

 一体そんな物をどうやって盗んだのかも気になる。

 スマホで少しネットニュースを検索するが、軍艦が盗まれたなんて情報はひとつも出てこない。軍艦丸々盗まれたなんて情報、混乱を避けるために秘匿くらいはするか。

 

 

「そんな大きな軍艦が見つかってないってのは確かに不自然ですね。光学迷彩で姿消してるとか……?」

「それなら漁船か何かがぶつかってめちゃくちゃ事故起こしてそうだけどな。目に見えない500メートルの壁なんて避けれる訳がないしよ」

「うーん……」

 

 俊介は直近の海での事故を調べてみた。何件かヒットはするものの、船から人が落ちたとか船で火災が発生したとか、余り関係なさそうな物ばかりだ。

 MRKの射程距離が半径百キロだし、榊浦美優が授業後に出入りできる距離内でもあるはずだ。この国の何処かにはいるはずだが……。

 

 スマホを近くの机の上に投げ捨てるように置き、大きくため息を吐く俊介。

 

「相変わらず決定的な情報が足りないな……。はぁ~っ、榊浦美優を逃がしたのがホントに……」

「ピュアホワイト相手に命があるだけ儲けもんだって。寧ろ撃退出来た方に驚いてるよ」

「撃退というか自分から帰ったというか。腕一本千切れても余裕で笑ってましたよ」

「え? 腕一本ちぎ……千切ったの? あの化け物の腕を? ホント?」

 

 ピュアホワイトの怪物っぷりを未来革命機関でよく知っている橘。困惑と驚愕の入り混じった表情を俊介に向ける。

 なぜ死んだ後にこんなに怪物と出会うんだろう。本当はこれは第二の生じゃなく、ただ地獄の底を彷徨い歩いているだけなのではないだろうかと。橘は一人でそう考えていた。

 

 

 そして、十数分経ち。

 未来革命機関についての二人の会話が、情報不足によって煮詰まり始めた頃。

 

 

 ――――ガラリ

 

 

 と、音を立てて俊介の病室に唯一ある扉が開いた。

 2人は当然開いた扉の方に顔を向ける。

 

 暗い廊下の中から照明の点いた病室に入ってくる、顔に小じわが目立つ男。

 俊介は彼の顔を見て、言葉が一瞬詰まりながらもその名前を呼んだ。

 

 

「よ、夜桜宗次郎……さん?!」

「やあ日高君。無事そうで本当によかった」

 

 

 つい先日、自分の家が真っ二つに両断された夜桜宗次郎がそこにいた。

 

 

 

 

 






変な所で話を切って申し訳ない。
このまま続くと一万文字超えそうだったので、ちょっと強引に切りました。

次回は立ち直った俊介と橘の2人で病室にばら撒かれた夜桜の私物を漁る回だよ。書いてて作者も意味わかんないよ。


すぐ投稿できるよう頑張ります。
目指せ年内完結(多分無理)。



-Tips-
実は俊介が夜桜に一目惚れした理由は『久しぶりに他人をちゃんと見たらガチで美人だったから』がファイナルアンサーだったりする。その後性格いい所も見て本気で惚れたよ。
キュウビは顔が良いが、第一印象とそもそも素の性格が悪すぎた。



-Tips 2-
マッドパンク製補助アーム
――数年前、マッドパンクが俊介の財布からお金を少しずつ盗んで作った作業用の第三の腕。配線がむき出しなので少し無骨だが、関節の数と動きは人間の腕と同じ。思考連結機能を搭載しているので、頭の中で動く姿をイメージするだけで動かすことのできる優れもの。パワーも強く(使用者の筋力が足りるなら)50キロの物体も持ち上げられる。
 ただ完成と同時に財布からいつの間にか二万円消えている事に気付いた俊介に怒られ、そのまま部屋の奥にしまわれていた。
 これで車を運転するのは、手首をハンドルに括り付けて運転するようなもの。できるっちゃできるけど怖い。
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