殺人鬼に集まられても困るんですけど!   作:男漢

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#78 胎動

 

 

 

 

 

 未来革命機関の拠点内部。

 船の一番下、船底に開閉可能なハッチを付けた補給物資搬入用の部屋。そこには上級兵士の一人が立っており、地上から浮上してくる物資を静かに見つめていた。

 

 そして、きっかり三十秒。

 全ての物資が船内に入ったのを確認してハッチを閉める。それから反重力装置を切る事で、室内に浮かび上がっていた物資達が軽い音を立てて地面に落ちた。

 

 元々部屋にいた上級兵士は、地上から上がってきた二人の上級兵士――――サンパーミュとキーマに声を掛ける。

 

「よう、お疲れさん。今回は物資が随分多いな」

「……ああ」

 

 少しふらふらとした二人の様子に、訝しんだ様子で目を細める。

 

「おい、お前ら大丈夫か? 目の焦点が全然合ってないけど」

「…………ああ」

「変な薬でもやってきたんじゃねーだろーな。ピュアホワイトに粗相して俺にまで被害飛ばさないでくれよ」

 

 その上級兵士にとって、他の上級兵士がどうなっていようと知った事ではなかった。全てにおいて自分の身の安全が優先、それ以外には特に深い興味をいだく事がないタチだった。

 そんな風な考え方をしているから、ここで失敗してしまうのだろう。

 

「よっ、と」

 

 下級兵士の入ったコンテナの鍵を解除し、扉を開ける。

 その瞬間、中から疾風のような速度で両腕が伸びてきた。その手の行く先は上級兵士の頭。

 

「なッ――――」

 

 困惑しながらも、咄嗟に反重力バリア装置を起動してバリアを展開する。

 上級兵士の頭を狙った両手は一瞬だけバリアに阻まれたが、すぐにその圧倒的な膂力でバリアを破壊した。そして両側から両手でプレスするようにぶっ叩き、上級兵士を気絶させる。

 

 耳や鼻や目から血を流し、地面に倒れ込む兵士。

 それをゴミのように蹴り飛ばし、エンジェルはコンテナの中からのそっと歩き出た。

 

 彼女は部屋の中を数度見渡して敵がいないのを確認した後、コンテナの中に隠れている橘の方に振り返る。

 

「俊介と体を変わります。細かい話はそちらに」

「あ、ああ……」

 

 一瞬の硬直。体の主導権の譲渡の合図。

 雰囲気の変わった俊介を前に、橘はほんの少しの安堵の息を吐いた。

 

「あんたの人格、結構オーラあるよな……。正直、ちょっと怖いぜ」

「最初は俺も怖かったですけど、慣れれば良い奴らばっかりですよ」

 

 

 床に転がる三人の上級兵士を無視して、俊介と橘は部屋の扉まで近づく。

 カードキーを使うタイプの電子ロックがあるみたいだが、先ほどの上級兵士の全員からキーをパクっておいた。これで大体の所には入れるだろう。

 

 俊介はカードキーを手に持ちつつ、橘に問いかけた。

 

「今いるこの部屋がどこか分かりますか?」

「分からん。ここは補給物資搬入口っていう明らかに拠点の正体に迫るような部屋だからな、下級兵士の立ち入りは許されてない。見覚えがあるとしたらこの先だ」

「分かりました。進みましょう」

 

 と、その前に。

 カードキーでロックを解除する前に、俊介は首に手を当てて人格を呼び出す。

 

「ヘッズハンター。出て来てくれ」

『…………』

 

 簡潔に名前を呼ぶと、中から即座にヘッズハンターが出てきた。

 しかしその表情は非常に重く暗い物で、あまり調子は良くなさそうである。

 

「右腕を渡す。いざとなったら自己判断で俺の体を奪ってくれ。……大丈夫か?」

 

 普段なら中で休んでてくれと言うが、彼の身体能力と未来予知にも近い危機察知能力はこの場面では必須だ。どこから攻撃されるか分かったものではないのだから。

 

 それに、きっとヘッズハンターにとっても、今回は何があったとしても逃げていい場面じゃない。

 今回の件がどんな風に終わるかは俊介にも分からない。だがヘッズハンターがこの件に関わらなければ、絶対に後悔すると分かっているのだ。

 

「いけそうか? ヘッズハンター」

『……ああ。大丈夫だ、行こう』

 

 濁った瞳を浮かべるヘッズハンターが顔を上げ、低い声でそう返した。

 

 頷いた俊介は更に何人かの人格を呼ぶ。

 

「トールビット、クッキング、ハンガー。三人は先行して偵察に向かってくれ。夜桜さんかピュアホワイトを見つけたら連絡してほしい」

『分かったよ』

 

 トールビットとクッキングにこれからの本気の戦闘は少しキツイだろう。ハンガーは大丈夫だろうが、肝心の縄を持って来ていないので彼女の本領は発揮できない。そもそも今回は首吊りなんて生易しい方法で済ませるつもりはないからだ。

 

「キュウビ、フライヤー、ダークナイトはいざという時の為に外でついてきて欲しい」

『物騒な面々じゃのう』

 

 恐らく広域破壊に関しては絶対に組み合わせてはいけない三人組だ。フライヤーの炎を強くする体質にキュウビの火をぶち当てればお手軽レーザーが発射できる。 

 ダークナイトに関しては今更語るまでもない。

 この三人を出す時はそれこそ本当の最終手段だろう。

 

「そして……マッドパンク」

『……おう』

「一応、ついて来て欲しい。もし機関室とか見つけたら弄って欲しいし。他にも弄れそうな機械があったら頼む」

 

 そう言われた後、マッドパンクはチラリと他の面々の方を見た。

 だが、全員が何事もなさそうに視線を逸らす。マッドパンク自身もまた、視線を逸らした。

 

 

 病院の屋上で、ニンジャはマッドパンクから『妹が未来革命機関にいる』という情報を聞いた。

 ニンジャは少し悩み、この情報を俊介には伝えず、他の殺人鬼達には伝えることにしたのだ。

 

 そうすれば例え俊介に危険な事態があっても、自分達の力でカバーすることが出来る。事前に知っておくと言うのは大事なことだ。

 まあ、殺人鬼達はマッドパンクの妹が相手でも何ら気にせずボコボコにできるから、というのもあるが。

 

 

 

 俊介はマッドパンクやその他のみんなを少しだけ見つめていたが……すぐに扉の方に視線を戻した。

 

「よし、行きます」

「おう……」

 

 左手に持ったカードキーを電子ロックのカードリーダーにかざす。すると緑色のランプが点灯し、プシッという音と共に扉が開いた。

 俊介と橘は身を屈めつつ、すぐに扉の向こう側に身をくぐらせる。

 

 補給物資搬入用の部屋の先は、長い廊下が広がっていた。軍艦の中とは思えない純白の壁と床だ。わざわざ塗り直したのだろうか。

 

「この廊下は何処か分かりますか?」

「分からん……すまん」

「いえ、ならもっと進みましょう」

 

 左右に幾つかある扉を開けると、食料品などの生活必需品が入った段ボール箱が積み上げられていた。おそらくこの船底の辺りは補給物資を搬入し、貯めておくための倉庫なのだ。

 夜桜さんみたいな重要人物をたかが物を貯めるための倉庫に入れておくわけがない。他の兵士の姿も先ほどの上級兵士以外は一人も見かけない。

 

 廊下の突きあたりに上に昇るための階段が見える。

 きっと本番はあの先からだ。

 

 

 俊介は意を決し、背後の橘と共に階段を登る。

 階段の先は再び廊下が広がっていたが、今度は二手に別れている。

 

 右側の廊下からは硝煙の匂い……おそらく銃弾を撃ったあとの匂いが漂ってきていた。

 そしてもう左側からは、なんというか、生臭い……生き物臭い? とにかく表現しづらい臭いが香っている。

 

「どっちに進んでもヤバそうな感じがしますね……橘さん、まだ見覚えはないですか?」

「ない……。だが、硝煙の匂いがする方は俺達の訓練場だと思う。変な臭いの方はよく分からん」

「…………」

 

 首に手を当て、中から人格を呼び出す。

 

「ガスマスク。硝煙の香りがする方を見て来てくれ。あともし敵がいたら、数とかの確認も頼む」

『分かった』

「俺達はこっちの変な臭いがする方に行ってみるから」

 

 特に変な臭いのする道を選ぶ理由があったわけではない。

 しいて言うならば、俊介の勘だ。

 この方向に行けば夜桜さんに近づける気がするという、気持ち悪いセンサーが発動したのだ。

 

 

 左手で鼻を抑えつつ、そちらの方向の道を進む。

 一体何の臭いなんだ。先に進むたびに臭いが酷くなる。

 

 少しの間歩き続け、左右の壁に扉があるのを発見した。

 多少警戒しつつ、右側の扉の前に近づく。どうやらここも電子ロックで施錠されているらしい。

 上級兵士のカードキーをカードリーダーにかざすと、緑色のランプの点灯と共にロック解除の音が鳴った。

 

 警戒を緩めることなく、扉をくぐって部屋の中に入る。

 

 

 

 ――――その瞬間、顔中に息苦しいほどの生臭い臭いと湿気が覆いかぶさった。

 

 

 

「ッ! っぷ、う……ッ!!」

「な、これは……」

 

 背後にいた橘は胃の中からせり上がった吐しゃ物をギリギリで押し留め、壁の方に顔を向けた。部屋の中にあるものを直視し続けたくなかったからだ。

 俊介ですら動揺を隠し切れず、思わず声を漏らす。傍に居たヘッズハンターは更に身から放つ殺意を強めていた。

 

 

 

 ――――部屋の中には、複数人の裸の女性がいた。

 

 しかもその全員が例外なく妊娠しており、全身によく分からない管を繋がれている。その中で特に多く管が繋がれている箇所があった。

 

 それは、()()だった。

 今まさに胎児が入っている胎の中。

 

 外側から、中の胎児にまで届くように長い針が繋がった管が複数刺し込まれている。

 そして女性器にも複数の管が無理やり挿入され、何らかの液体を点滴のようなゆったりとした速度で流し込み続けている。女性器の端は太い管を挿入されすぎて千切れたのか、医療用ホッチキスで無理やり補強された跡があった。

 

「な、なんだよこれ……っあ、だ、大丈夫ですか!?」

 

 ようやく動揺から回復した俊介。

 小走りで女性達の一人に近づき、すぐ傍に立って肩の辺りを揺さぶる。しかし反応はなく、どす黒く焦点の合わさらない瞳が頭の動きに釣られてゆらゆらと揺れるだけだ。

 

『完全に、壊れてやがる……』

 

 ヘッズハンターも女性のすぐ傍に近づき、そう呟く。

 ようやく吐き気を抑えたのだろう。橘もよろよろとおぼつかない足取りで近づいて来た。

 

「うぷ、これ、一体誰がこんな酷いことやったんだよ……」

「分かりませ……あっ」

 

 ここまで時間が経ち、俊介はやっと彼女達が何をさせられているかの答えに行きついた。

 

 榊浦豊が言っていた。

 奴の娘である榊浦美優は『()()()()()()()()』とやらの研究をしていると。

 そしてよく部屋の中を見回すと、書きなぐったようなメモや、何らかの状態で放置されたパソコンがある。恐らくここは、榊浦美優の『デザインベイビー』の研究室なのだ。この女性たちは奴の実験台にされているのだ。

 

「榊浦美優、あの野郎ッ……!!」

 

 俊介は熱い正義感を持つ男ではない。赤の他人が虐げられていようと、無条件で心の底から助けたいと思うようなカッコいい男ではない。

 だが目の前の、余りに倫理観を逸脱した行為にはとてつもない怒りを覚えた。

 

 

 ――――と、その時。

 

 部屋の奥にあったもう一つの扉のノブが、ガチャリと音を立てて回った。

 

 

 俊介と橘が同時に扉に振り向く。

 扉の奥からは。

 淹れたばかりであろう湯気の立つコーヒーカップを持った榊浦美優がのっそりと現れた。

 

「誰かな、私に何か用事……ッ?!」

「てめッ――――榊浦美優ぅッッ!!!」

 

 こめかみに血管を浮かばせた俊介が、ヘッズハンターに両足の主導権を譲ろうとする。

 彼我の距離は約6メートル、俊介が走るよりもヘッズハンターに渡した方が速いと判断したのだ。

 

「なんでここに――――チッ!!」

 

 非常に腹立たしいが、榊浦美優は人類トップレベルに優秀な人物だ。なにせあの浮遊人格統合技術を開発した主要人物なのだから。頭の回転力では万事天才の夜桜に全く引けを取らず、緊急時の判断力もまた人類最速レベルと言っていい。

 敵である俊介の姿を確認し、舌打ちと共にコーヒーカップを投げ捨てるように手から離す。

 

 そして俊介がヘッズハンターに両足を渡し、榊浦美優に襲い掛かるよりも早く。

 彼女が、傍にあった危険を知らせるための非常ボタンを壊れんばかりの勢いで叩いた。

 

 

 

 

 ――――ビィィイイイイイッ!!!

 

 

 

 

 鼓膜を突き破らんほどのアラームが船内に鳴り響く。

 そしてすぐに踵を返して逃げ出した榊浦美優。しかしヘッズハンターの脚力から逃げられる訳もなく、背中にドロップキックを決められて地面に倒れた。

 

 倒れてもなお這って逃げようとする榊浦美優。

 その背中に勢いよく飛び乗り、ヘッズハンターの操る足が後ろ首を踏みつける。

 

「ぐぅッ!!」

『お前……お前、お前ッ!! よくも真昼をッ!!』

「落ち着けヘッズハンター、流石にその力で踏みつけると死ぬぞ!!」

『……ッ、ああ、すまん』

 

 俊介の声を受け、冷静さを取り戻すヘッズハンター。

 普段よりも明らかに気が立っている。何かのはずみで暴発してしまう恐れがあるが、今はそれよりも、こちらに向かって駆けてくる大量の足音に注意を向けねばならない。

 

「橘さん、反重力バリア装置は持ってますか?!」

「ああ! さっきの上級兵士から奪っておいた奴がある!」

「起動させて隠れて置いてください、今から少し乱戦になります!」

 

 もう少し隠密する予定だったが、始まってしまった物は仕方ない。いずれはピュアホワイト相手に暴れるつもりだったのだ。

 俊介は両手足をヘッズハンターに渡し、足音が鳴り響く方向に向けて鋭い視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻。

 船の何処かにある、夜桜の牢屋の中にて。

 

 

 

 

 

 ――――ビィィイイイイイッ!!!

 

 

 

 

 

『うわっ!?』

 

 突如として鳴り響いた警報に、ベッドの上に腰掛けていたバクダンが悲鳴を上げた。そのまま体勢を崩して背中からベッドに倒れ込む。

 しかしすぐに身を起こし、頭を振りながら周囲を見回す。

 

『な、なんだぁ?!』

「日高君が来たんだ……間違いない」

 

 夜桜はMRKの設計図をちびちび書く手を止め、親指と中指で持っていたペンをバキッ!とへし折った。

 椅子を引いて静かに立ち上がり、折れたペンを机の上に放り投げる。そして書きかけのMRKの設計図は復元不可能なレベルに細かく破いた。

 破いた紙の破片を足で更にぐしゃぐしゃに踏みつぶした後、くるりとバクダンの方を向く。

 

「さ。出るよ、バクダン」

『はあ!? 出るって……どうやって?! 流石に手持ちの爆弾じゃ、この牢屋の扉は吹っ飛ばせねーぞ?!』

 

 夜桜は奥歯の中に一つだけ爆弾を仕込んでいる。小さくてもバクダン謹製の爆発物のため威力はそこそこあるが、流石に分厚い鋼鉄製の扉を吹っ飛ばすほどの威力はない。

 そんなバクダンの心配に、夜桜は余裕綽々な笑みを浮かべて返す。

 

「分かってるって。だから……よっと」

 

 手に付けられた手錠も何のその。

 机の上から勢いよく上にジャンプし、天井の隅に足の力だけで貼りついた。それはちょうど、扉から入って来た者の死角に入る位置。

 

『ど、どんな足の力してんだ……』

「しぃーっ。もうすぐ来るから……」

 

 彼女がそう言った瞬間、扉の向こうからドタドタと騒がしい足音が聞こえてきた。

 一人ではない、少なくとも三人以上の足音。

 夜桜は息をひそめ、気配を部屋の雰囲気と同化させる。

 

 

 ピピッ!という音が鳴り牢屋の扉のロックが解除される。

 それと同時に、武装した下級兵士が飛び込んできた。

 

「おい! 今すぐここから移動ッ――――」

「――――ふッ!!」

 

 夜桜は天井から飛び降り、下級兵士の頭に鋭い踵落としを決める。体重と重力の乗った蹴りの衝撃はヘルメットを貫通し、兵士の脳みそを揺らして気絶させた。

 

「何ッ!? くそ、バリッ――――」

「遅いッ!!」

 

 着地すると同時に、後ろにいたもう一人の兵士の懐に潜り込む。

 右足の先を振り上げて顎を弾き、そのまま返す足で後頭部に踵落としを決めた。二連続の蹴りの衝撃には耐えられずこちらも気絶する。

 

「く、クソッ!!」

 

 最後の兵士がバックステップし、持っていたアサルトライフルを構える。照準は夜桜の体だ。

 しかし夜桜は一切臆することなく、先ほど気絶させた兵士の太ももからアーミーナイフを抜き取り、勢いよく投擲した。

 

「いづッ――――あ、がぁ……」

 

 肩にナイフが刺さり動揺した瞬間に、背後に回り込んだ夜桜が両腕で首を絞める。

 ほぼ完璧に決まった締め技に対抗する練度はその兵士にはなく、十数秒もすれば白い泡を吹いて気絶してしまった。

 

 

 ドサリと地面に倒れる最後の兵士を見て、夜桜は奥歯から舌で爆弾を取り出す。

 そして唇の間に挟み、息で勢いよく手錠の鎖に向けて吹き出した。

 

「――――ぷっ!」

 

 爆弾が鎖に当たった瞬間、ドンッ!と小さな爆発を起こす。

 先ほどまで夜桜の手を縛っていた手錠の鎖は千切れ飛び、チャララッと細かな金属片が地面に転がった。

 

 部屋から怯えるように出てきたバクダンが、転がる三人の兵士を視界に入れつつ、震えた声で言う。

 

『紗由莉、お前、そんな強かったっけ……?』

「えへへ。恋する乙女のパワーかな?」

『名前に反してバイオレンスすぎるだろ、そのパワー』

 

 んん~っ、と腕を上にあげて伸びをする夜桜。

 手錠のおかげで暫く自由に手が動かせなかったのだ。これでもまだ少しなまっている方である。

 

 

 今の今まではあの憎きピュアホワイトとかいう鎧がいたせいで行動することが出来なかった。この牢屋から出ることは容易いが、すぐに奴にとっ捕まえられるのが目に見えていたからだ。

 しかし日高が来たのならば話は別。夜桜は『日高君ならピュアホワイトをどうかにする手段を持っているから来たはず』と信じているので、今ここで行動することを決めたのだ。

 

「さてと。まずは日高君と合流……する前に、没収された私の爆弾を見つけておかないとね。じゃないと最低限の自衛もできないし」

『最低限って何だよぉ』

 

 解き放たれた天才少女が、恋する人と再会するために歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 





R-15のラインギリギリの表現をしてしまった気がする。運営様から警告が来たら修正します。
ちなみに今のところ未来革命機関はヘッズハンターの地雷を全て踏み抜いてます。口数少ないのは爆発しそうなのを抑えてるから。


-Tips-
Q.夜桜さん強すぎない?
A.実は一話登場時は戦えない設定だったんですよ。俊介に特別な武器を作って託す的なヒロインって設定でした。
 今は知らん。


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