殺人鬼に集まられても困るんですけど!   作:男漢

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帰ったら疲れて眠ってしまっていました
なんとか今日中に間に合った


#79 邂逅

 

 

 

 

 研究室のすぐ外にまで兵士達が集まって来た。

 

『クソが……ッ!!』

 

 ヘッズハンターがこめかみに血管を浮かべつつ、俊介の両手足を動かす。

 扉の外に出た瞬間に近くの兵士を数人なぎ倒す。そして左右の壁を縦横無尽に飛び回りながらわらわらと集まって来た下級兵士達を張り倒し続けた。

 

 

 対して、部屋の中では橘が榊浦美優を見張っていた。

 榊浦美優は幹部と言えど研究専門の非戦闘員だ。元々下級兵士としていくらか訓練を積まれていた橘であれば、両腕が折れた状態でも足で押さえつけておくことは可能だった。

 

「すげえ身体能力……やっぱ俺とは根本的に違うな……」

「は、なせッ!」

「おっと……いくら非戦闘員とはいえお前みたいな危険人物逃がす訳ねえだろ。クソ野郎」

 

 橘は榊浦美優に心底侮蔑した視線を向けた。

 先ほどの女性達が人間の尊厳を破壊しつくされた様を見て、足元の女には一切の慈悲を向ける必要がないと悟ったのだ。ここまで他人に無慈悲になれたのは元の世界での人生を含めても初めての経験である。

 

 榊浦美優がもぞもぞと這いつくばって進もうとする。

 流石に少しだけは動かれてしまうが、足で立てないように押さえつけているのであまり問題はない。俊介が戻ってくるまでに一メートルも移動できているかどうかだ。

 

 そう、どうせ逃げられないのだから少しくらい動かれても問題ない。

 ……そんな風に、油断してしまった隙を突かれてしまった。

 

 

「しゃッ!!」

 

 榊浦美優がある程度進んだ所で、突然勢いよく手を伸ばした。

 床にあった小さな穴に指を引っ掛けて素早く手を引くと、床の一部分がカランと外れる。蓋代わりの床が外れた中には女性でも片手で扱えるような小ぶりの拳銃が入っていた。

 

 榊浦美優がその拳銃を手に取るが、橘は大して動揺もしなかった。

 ちゃちな拳銃どころかアサルトライフルの弾すら弾く反重力バリアを展開していたからだ。

 

「ああ? そんな拳銃でバリアを貫けるわけ――――あぶねえッ!!」

 

 しかし、榊浦美優が狙ったのは自身を押さえつける橘ではなかった。

 あろうことか、自分が実験台にしている裸の女性の方を狙ったのだ。橘は咄嗟に銃が向いた方向に体を移動させ、発射された銃弾をバリアで受け止める。

 

 実験台の女性を守る為に重心をずらしてしまった橘。

 榊浦美優はその一瞬の隙を突いて足を振り払い、先ほど自分がコーヒーカップを持って現れた扉の方へと駆けた。

 

「待てこの野郎ッ!! ふざけんなッ!!」

 

 橘もすぐに彼女の後を追いかける。

 扉をくぐった先にはもう一つの小さな部屋があり、簡単な設備が揃ったキッチンや使っていない研究設備や資材らしきものが積まれていた。そして榊浦美優は部屋の一番奥にある、小型の荷物運搬用のエレベーターに走っている。

 

 榊浦美優はエレベーターを上階に移動させるためのボタンを押し、開きっぱなしの狭いエレベーターの中に滑り込んだ。

 ボタンが押されてすぐに扉が上から下に閉まっていく。

 橘は足を挟んで扉が閉まるのを止めようとするが、ほんの数センチの所で間に合わなかった。

 

「チッ、クソッ!!」

 

 舌打ちと共に閉まった扉を足で蹴り飛ばす。

 しかしいくら悪態を吐いても仕方ない。すぐに先ほどの部屋に戻り、ちょうど下級兵士を倒し終えて両手足の主導権を取り戻した俊介に言う。

 

「本当にすまん! 榊浦美優に逃げられた……!」

「え?! な、何があったんですか!?」

「奴が銃であの女性達を撃とうとしたのを思わずかばっちまったんだ、完全に俺の失態だ。そんで荷物運搬用のエレベーターで上の階に……」

 

 申し訳なさそうに先ほどのエレベーターの方を見る橘。俊介も一応確認する。

 荷物運搬用のエレベーターなので本来人間が乗るような想定はされていない。一人が身を縮めて乗るのが限界、二人一緒に乗るなんてまず不可能な大きさだ。

 

「アレに乗って追いかけるか?」

「あんな狭い所でピュアホワイトに攻撃されたら不味いです。階段から確実に昇りましょう」

「本当にすまない……」

「いえ。あの女を甘く見てた俺の方も悪いんです、せめて足か腕を折っておけばよかった」

 

 次に榊浦美優に会ったら絶対に骨を折ろうと決めた俊介だった。

 

 

「……ところで」

 

 俊介は今なお管に繋がれたままの、実験台の女性たちの方を見た。

 

「あの人達はどうしましょう。……いや、助けたほうがいいのは分かってるんですが」

「……今は厳しいと思う。あの状態じゃ歩けるかも怪しいし、そもそも妊婦だ。激しく動かすとまずい」

「ですよね……」

「それに、俺の予想だが、あんな感じの女性はあの人達だけじゃない。もっと大勢いる」

 

 橘の言葉を聞き、俊介が彼女の方に顔を向ける。

 

「未来革命機関では兵士を作るため、五十人近くに一斉に人格を宿らせる。つまり毎回、その五十人近い宿主となる自我のない人間を作る……いや、()()()()()。……俺達兵士は元は自我のないデザインベイビーで、その五十人近い人数を生む母体がどこかにいるはずだ」

「……流石にそんな人数を一気に助け出すのは、その、厳しいです」

「分かってる。あんたで厳しいなら俺には不可能だ、なのに『やれ』なんて偉そうなことは言えない。……未来革命機関を潰しさえすれば、多分警察が助けてくれるさ」

 

 警察とは言うが、こんな人格犯罪者だらけの船に乗り込んでくるのは確実に人対だ。しかも出てくるのは一番強い牙殻だろう。

 俊介としては出来る限り会いたくない相手だ。

 

 ……どちらにせよ、実験台の彼女達には非常に申し訳ないが、現実的に考えて今は助けることが出来そうにない。赤の他人の彼女たちを助けたいという思いもあるが、俊介はそれ以上に『夜桜さんがこんな目に遭っていないか』と心配で心が埋め尽くしていた。

 

 ヘッズハンターが始末した下級兵士を踏み越える。

 その時ちょうど、別の通路に偵察しに行っていたガスマスクが戻って来た。俊介は橘に一声かけた後、ガスマスクと会話を始める。

 

『警報が鳴ったな。ヘマでも踏んだか?』

「榊浦美優にやられた。そんで逃げられた」

『そうか。まあこの船から逃がさなければ誤差だ。見つけて肉団子にしてやれ』

 

 かなり過激な発言をするガスマスク。『船から逃がさなければ』ってこの船は敵の拠点なんだが。まあわざわざ空に浮上して逃げにくくしてるし、鉄の棺桶みたいなものといえばそうなんだけど。

 

「そっちの道には何があった?」

『橘が言っていた射撃訓練場と、銃火器の倉庫だ。さっきは何人か兵士がいたが、まあ、今はいない』

 

 そう言いつつ、ガスマスクはヘッズハンターが始末した下級兵士の体を足で指し示した。すぐ駆け付けたこいつらは反対側の通路に居た奴らだったのか。

 

『そして面白い物が一つだけあった』

「何?」

『ガラスケースに入った()()()()()()だ。ギリギリ一人が持ち歩けそうな量だが、少し鍛えた兵士が扱えるような代物じゃない。爆発物に相当な専門知識を持った奴じゃないと使えそうにない奴だ』

「……あ、それって」

 

 俊介の頭の中には真っ先に一人の女性の顔が思い浮かんだ。

 それは勿論、バクダンという爆発物の超専門家を宿した『夜桜紗由莉』の顔だった。

 

「一応回収しておくか。夜桜さんに会ったら渡しておきたいし」

『そうだな』

 

 ガスマスクとの会話を終えた俊介は、先ほど来た道を引き返す。

 そして硝煙の匂いがした右側の廊下を進んだ。ガスマスクと、見覚えがあるという橘の案内を受けながら銃火器が保管されている倉庫へと進む。

 

 ……それにしても入口から銃火器の倉庫が近いって割とザルな警備だな。いや、元が船だから、船底に近いこの場所は結構奥の方なのか。空に浮かべて船底から入るなんてのがおかしいだけで。

 それか、ピュアホワイトやその他の上級兵士がいるから、銃火器なんてそう重要視されていないのかもしれない。ピュアホワイトに至っては銃が幾つ奪われたとしても余裕で斬り殺せそうだからな。

 

 倉庫の前に兵士が集まってきていたが、ヘッズハンターが一瞬で始末する。

 ……なんかいつもより動きが速くなってないか? 何時もは高速道路を走る車くらいなのに、今は新幹線くらい速かった気がする。

 

 扉を開けて倉庫の中に入ると、銃口が上に向けられたアサルトライフルが山のように置かれていた。防弾チョッキやアーミーナイフ、そして切れ目を入れたスポンジに挟まれた反重力バリア装置。

 装備が一斉に並べられている様は壮観で、こんな状況だが少しカッコいいと思ってしまった。しかしすぐに思考を振り払い、夜桜さんの為に反重力バリア装置をひとつくすねる。ニンジャがもっとくすねろと言ったのでもっとくすねた。

 

『こっちだ』

 

 ガスマスクに案内され、倉庫の奥に進む。

 電子ロックで施錠された扉があったが、上級兵士のカードキーで開錠。橘も入ったことがないという倉庫の奥には、銃ではなく、剣や鉤爪なんかの特殊な近接武器が置かれていた。

 

「上級兵士の装備……多分予備だな。ここに置かれてたのか」

 

 よく磨かれたそれらを見て橘がそう呟いた。

 ピュアホワイトの剣か鎧でも置いてあればぶっ壊してやろうかと思ったが、生憎一瞥しただけでは見当たらない。奴は幹部と言っていたし、また別の特別な場所にでも置いているのだろう。残念だ。

 

『俊介。あれだ』

 

 ガスマスクが言葉と共に指した方向に顔を向ける。

 そこには確かに、ガラスケースの中に入った大量の爆発物があった。体に掛けやすいようたすきのような革ベルトに爆弾が付けられていたり、手のひらに百個は乗りそうな微細な爆弾がトレーに山盛りに入っている。

 ……夜桜さんって普段からこんなに爆弾持ち歩いてるのか? ちゃんと仕掛ける場所を考えたら、建物一つぶち壊せそうな量あるんだけど。

 

「夜桜さんってもしかして、ちょっと危険な人なのかな……?」

『ようやく気付いたのか?』

「でも天使みたいな性格と見た目とのギャップで更にかわいい……」

『…………』

 

 ガスマスクが無言でこちらを見てくる。何故か目線が冷たい。

 顔に被ってるガスマスク越しでも無の表情を浮かべてるのは分かるんだからな。付き合い長いんだから。

 

 

 ガラスケースを拳で破壊し、中の爆弾を取り出す。全部持とうとするとまあまあ重い。総重量にして十キロ以上は確実にある。

 

「俺が持つよ。両腕は折れてるけど、体に巻き付けたりするなら大丈夫だ」

 

 橘がそう言ったので、俊介は遠慮なく彼女の体に巻き付けた。比較的軽い微細な爆弾は適当な袋に詰めてギプスの上に置く。

 

 用を済ませたので倉庫から出る。廊下には先ほど倒した下級兵士以外は誰もいない。

 ……榊浦美優が警報を鳴らしたにしてはこちらに来る兵士の数がやたらと少ない。何故だろう。

 いや、とにかく今は前進あるのみだ。

 

 

 廊下の突き当たりにあった階段を再び上る。

 船の中だから仕方ないが、再び同じような長い廊下が広がってた。

 相変わらず純白の壁と床が広がっているが、先ほどの階よりも床の足跡の汚れが多い。先ほどの階よりも人の移動量が多いのだろう。

 

 そして階段を上り切り、数歩歩いて、辺りを見渡していた橘が嬉しそうに言った。

 

「……見覚えがある! というか何度も来たことのある場所だ、ここからなら案内できる!」

「そうですか! お願いします!」

 

 何のあてもなく進むより、実際に知っている者の案内に従って進んだ方が効率が良いのは間違いない。

 嬉しそうな俊介を横に、橘は小さく呟く。

 

「やっと役立たずを脱却した……!」

 

 しかし、夜桜関連以外には基本的に耳聡く勘が鋭い俊介の耳にその呟きが聞こえない訳がなかった。ぐるりと頭を方向転換し、橘に向かって言葉を放つ。

 

「役立たずなんて思ってませんよ」

「あ、悪い、聞こえてたか……。いや、戦いじゃ役に立てないんでな。俺なんか元々弱っちい上、両腕も折れてるしさ……」

「戦うのは俺()()の役目です。貴方のことは絶対守るので、案内だけお願いします。頼りにしてます」

「……おう!」

 

 橘は力強く返事をした。

 彼女は反重力バリアを展開したまま、俊介の一歩後ろに着く。バリアを張っているとはいえピュアホワイトが突っ込んで来たら一撃で斬り殺されるからだ。あと前にいられると透明のバリアが普通に邪魔。

 

「前方直進! 夜桜って子がいるとしたらそっちの方向だ!」

「はい!!」

 

 廊下が前方にしか伸びてないから前に進むしかないけどね!

 

 

 橘の未来革命機関拠点ツアーを受けながら前に走る。彼女はなんか走りながら「胸が揺れて痛い」とか小声でこぼしてたが、そう言うのはもっと小声で言うか心の内に留めろ。

 

『俊介は夜桜一筋だが、それはそれとして他の女性にドキッとしたりはするよな』

 

 息一つ漏らさず並走しているヘッズハンターが少し口角を上げながらそう言った。

 みんな俺が17歳の男子高校生だってことを忘れてないか。殺人鬼の人格を13人宿してて、ヤバいテロ組織の拠点内を全力疾走してるけど、一応普通の高校生なんだぞ。

 あと単純に学校でぼっちだから女性に対しての免疫があんまりない。しゃーない。

 

 

 そこそこの広さがある訓練場を数個ほど過ぎたあと、再びあの生臭い香りが漂ってきた。

 それと同時に銃声の音も聞こえてくる。誰かが待ち伏せしているのか、いや、だとしたら銃を撃ってるのはおかしい。

 

 橘と顔を見合わせる。

 銃声は進行方向から聞こえてくる。生臭い臭いもその辺りから漂ってくる。

 

 

『――――あ! 俊介ちゃん!』

 

 と、その時。

 目の前の壁をすり抜けてクッキングが現れた。思わず足を止め、ちょうどクッキングの胸板に顔をぶつけるかと言った所で止まる。

 

「どうしたクッキング!?」

『夜桜ちゃんがいたのよ、この先、廊下を直進!』

「何ッ!? サンキュー!!」

 

 俊介はクッキングの体をすり抜け、残ったスタミナを更に消費して走る速度を強める。橘も必死に後を追いかける。

 そうして突き当りまで進み、電子ロックの扉を開け、勢いよく潜り抜けた。

 

 

 

 ――――ドドドッ!!!

 

 

 

 扉を越えた瞬間、銃声と臭いが強まった。

 

 右側の壁が大きなガラス張りになっており、部屋の中の様子を廊下側から一瞥することができる。

 俊介が少し用心しながらガラスに近づき、部屋の様子を覗くと、予想通り母体となる女性達が大量に確認できた。

 

 先ほどの榊浦美優の研究室では片手で数えるほどの数だったが、この部屋には少なく見積もって五十人近い裸の女性が管に繋がれていた。近々もう一度一斉に人格を宿らせる予定だったのか、殆どの女性が腹を膨らませて妊娠している。

 思わず吐き気が催すような臭いと光景だが、俊介は部屋の中にいる彼女を見て更に目を見張った。

 

「あーもう、変なバリアが鬱陶しい……! 爆弾があれば……!!」

 

 なぜか部屋の中で夜桜が戦っていた。閉じ込められていたんじゃないのか。

 明らかに鎖をぶった切った手錠を手首に付けたまま、遮蔽物に身を隠し、銃を撃ってくる下級兵士相手に苦悶の顔を浮かべている。

 夜桜は女性達に銃弾が当たらない方向に隠れているが、下級兵士達が適当に撃ちまくるせいで、いつ跳弾が命中してもおかしくはない。

 

 ヘッズハンターが右拳を強く握る。

 

『既に脱出してたのかよ、流石だな! 俊介、ガラスぶち破るぞ!』

「おう!」

 

 入口は別の場所にあるが、ガラスをぶち破った方が夜桜さんに近い。

 恐らく防弾ガラスだったそれを右拳のストレートで勢いよくぶち壊した。突然ガラスが割れたことに困惑した下級兵士がこちらに注意を向ける。

 

「橘さん、爆弾貸して!」

「あっ、ああ!」

 

 バリアを解いた彼女の体に手を伸ばし、体に巻いていた爆弾を取る。先ほどくすねた反重力バリア装置を一瞬だけ起動し、万が一撃たれても爆発しないようにする。

 そしてヘッズハンターの膂力でそれをぶん投げ、遮蔽物に隠れている夜桜さんに渡した。

 

「――――ありがとう、日高君!」

 

 右手で爆弾の入ったたすきの革ベルト受け取った彼女は、即座に体に巻き付け、遮蔽物から躍り出た。

 まだ困惑が抜けきらない下級兵士に近づき、ベルトから抜き取った爆弾を手に持ち、反重力バリアに手のひらを押し付ける。

 

「起爆!」

 

 彼女がそう言った瞬間、眩い爆炎と共に反重力バリアが破壊された。

 夜桜は下級兵士のみぞおちに掌底を叩き込んだ後、回転しながら肘で顎を弾いて気絶させる。

 

 仲間がやられて冷静さを取り戻した兵士が彼女に顔を向けるが、即座に体を真横に弾き飛ばされた。

 ヘッズハンターが先ほどくすねていた反重力バリア装置を起動させ、再び投げつけたのだ。バリア同士がぶつかり吹き飛ばされた兵士に夜桜が近づき、先ほどと同じ要領で気絶させる。

 

「なんだよお前ら! バケモンが、クソッ!」

 

 残った兵士が次々と倒される仲間の姿に再びパニックを起こす。

 そして構えた銃の向く先は――――近くにいる夜桜ではなく、俊介達のいる方向だった。

 

 

 銃口という死の香りを放つ物を向けられ、俊介の思考が加速する。

 橘は先ほど爆弾を渡すために反重力バリアを解除した。命中すると致命傷だ。守らなければ。

 そう瞬時に判断した俊介は、橘に思い切り飛び掛かった。

 

「危ない!!」

「きゃっ!」

 

 女性のような高い悲鳴を上げる橘。

 先ほどまで俊介達がいた所に銃弾が当たり、壁に新鮮な銃痕が出来る。

 

「怪我はありませんか……ッ!?」

「あ……」

 

 咄嗟に飛びついて橘と回避するにはこれが最適だった。しかしそう言い訳しても言い逃れが難しいくらい、俊介はガッツリと橘に抱き着いていた。

 至近距離でお互いの顔を見つめ、全身の大半が密着するほど抱き着いているのに気づき、互いに軽く顔を赤らめて素早く離れる。

 

 

 

 ――――銃を撃った兵士を殴り倒し、振り返って、ちょうどその様子を見ていた夜桜。

 

 

 

「……は?」

 

 

 彼女の口から獣のように低い声が漏れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





拠点に入ってからの展開を早く進めすぎて軽くめちゃくちゃになってきてます。
理由は作者が20話くらい待ち続けた展開が目の前まで迫ってて、早くそこまで進めたいからです。
早くピュアホワイトと俊介が戦う所を書きたくてたまらないんです。ヘッズハンターが真昼の宿るピュアホワイトと戦う事に対して苦悩するところを書きたいんです。我慢できない。

そして最近時間がなくて推敲する暇がなく、読者様に誤字や分かりにくい表現多めの稚拙な文章を見せることになって申し訳ございません。
誤字修正をして下さる方、いつも本当に感謝しています。

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