なのだこのキャラはこんなこと言わない!は結構ありそうです。
予めご了承下さい。
帝国
帝都アーウィンタールの城門。
美しき帝都の街並みをスサノオは一瞥もくれること無く歩く。
規則正しく、ナザリックを出てからずっと彼の足並みは乱れていない。
自らの種族的に、食事・睡眠などからなるバッドステータスが存在しないスサノオは、不眠不休で、かつ最速で帝都に辿り着いていた。
門兵に冒険者プレートを見せると少し待つ様に言われて数分。
迎えには騎士の一団がスサノオの前に来ていた。
「よう、アンタがスサノオ様、ね。俺は帝国四騎士の1人、バジウッド・ペシュメルだ。アンタを案内するぜ」
そう言いながら、騎士の先頭に立つ大柄な顎鬚の男性がスサノオの背中をビシバシ叩く。
簡単な挨拶を済ませると馬車に乗り、帝城までの道を走り始めた。
「なぁ」
「・・・何か?」
「別に口調は砕けて良いぜ、俺も生まれは平民なもんでな」
「そうか、でなんだ?」
そう言うと、バジウッドは狙い通りとばかりにニヤリと笑いながら言う。
「いや、想像通りだなと思ってな。神様ってもんはどんなもんかとカミさんと話していたんだが」
「で、お前の眼鏡には叶ったか?」
不敵に言うスサノオに対し、バジウッドは笑いが止まらないと言った風に言う。
「あぁ、これでも戦士に限定するなら屈指の実力はあると自負したたんだがな。勝負にならないとか言うレベルじゃねぇわ」
朗らかに笑うバジウッドの背後に、また何かの影を感じ、スサノオは思わず目を細める。
一瞬、その微かな反応にバジウッドは気が付かなかった。
「なぁ、アンタはどうしてそこまで強くなったんだ?」
「・・・・・・・・・」
それは、バジウッドにとって当然の疑問であり、スサノオにとっては何度も言った言葉であった。
スサノオは、明らかにこの世界の通常から逸脱した強者だ。
ならば気になるのだろう、故に神と崇め、あわよくば手を伸ばすのだろう。
「私のこの力は、元からのものだ」
この力は目の前の努力によって手に入れたものでは無い、たまたま手に入れたものなのだ。
無論、スサノオもゲーム時代は強さを極める為に様々な努力をした。
だが、それはあくまでゲームの話だ。
バジウッドのように、努力や果てなき錬磨によって得た強さに対して、スサノオは昔は尊敬していたものだ。
今は特に何も思ってはいないが。
「あぁ、まぁそうなんだろうな」
バジウッドは、そこまで気にして無さそうに笑う。
彼がそこまでスサノオの強さを気にしていないのは、己よりも強い者が沢山いることを既に知っているからなのだろう。
帝国の周りには、闘技場の武王や、王国のガゼフ・ストロノーフなど強者の情報に事欠かない。
特に帝国にとってガゼフ・ストロノーフは過去帝国四騎士を、つまりバジウッドの同僚を討ち取られているのだ。
流石にスサノオの方が強いだろう、とバジウッドは確信しているが、それでも自分より遥か格上の敵を認められているのには、こういう背景が存在した。
「おっと、長話が過ぎたみてぇだな。ついたぜ」
バジウッドと取り止めの無い話をしていると、帝都アーウィンタールの帝城についたようだ。
馬車からバジウッドとスサノオが降りる、するとそこには大量の騎士と1人の王が待っていた。
「おおバジウッド、戻ったか。お初にお目にかかる、スサノオ殿。バハルス皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスである」
バジウッドが驚いた表情を見せる、帝国史上最強の客人を前に、ジルグニフは不敵に笑うのだった。
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「先ずは、薬草の確認をお願いします」
帝城の応接間へと通されたスサノオがまず行ったのは、依頼の遂行だった。
エ・ランテルのギルドマスターアインザックに土下座され、仕方なく受けた薬草の依頼、その際にたまたま人類の脅威を見つけることが出来たのは世界にとっても、そしてスサノオにとっても行幸と言わざるを得ない。
スサノオから渡された薬草をジルグニフは騎士を介して確認する。
「ふむ、どうだじい?」
「まだ確定ではありませぬが、この光は間違い無く彼の薬草であることは間違い無いかと」
「そうか、ならばこれで依頼は完了だな。レイナース!」
ジルグニフはレイナースを呼ぶと、1人の騎士が彼女の前に進み出る。
「帝国四騎士、レイナース・ロックブルズ。今までの忠勤に報いこの薬草を薬にした後これを渡す。」
「陛下、ありがとうございます。これからも励みますわ」
「と、言うことだスサノオ殿。今回は本当にご苦労だった。」
そう言うジルグニフにスサノオは軽く会釈する。
そんな態度の一方、心の中でジルグニフは上手く行ったとほくそ笑んでいた。
(良心的な部下思いの王、その印象作りは上手く行っただろうか?勧誘の為に打てる手は打っておかないとな)
既にジルグニフの戦略は始まっていた。
来るべき王国と帝国の戦争、その突破口としてジルグニフは強い戦力を求めていた。
帝国は平民でも能力があれば取り立てる、鮮血帝と呼ばれるジルグニフの元で帝国は大きな発展を遂げている。
その1つとして、ジルグニフはスサノオを手に入れようとしていた。
「報酬を用意する間に、依頼の内容などを聞いても良いだろうか?確か依頼主に対する説明義務が冒険者にはあっま筈だと思うが。」
「勿論です」
冒険者として当然の義務、それを出されれば断ることも出来ずスサノオは内容を話し始める。
「魔樹?とはどのようなものなのだ、じい?」
「あくまで噂ですが、、、トブの大森林には世界を滅ぼす力を持った化け物がいると聞きます。後ほど確認はさせますがそれがその魔樹である可能性が最も高そうですな」
そう言いながら、ジルグニフは漸くと言ってもいい、、、、隣に座るフールーダの目がスサノオに釘付けになっているのに気付いていた。
事前に良い含めておいて自制心を最大限まで働かせていたようだが、フールーダはかなりの魔法キチである。
魔術師として最大級の尊敬を受けているフールーダ・パラダインはまさしく人類史上稀に見る傑物ではあるが、今はその物陰すら存在しない。
涎を垂らしスサノオを見つめる姿は待てをされた犬のようにも見えるのだった。
そんなフールーダが、始めてスサノオに対し口を開いていた。
「魔樹を倒す際に魔法は使用されたのでしょうか?」
「はい、自己強化のものを幾つか」
そう言うスサノオに対して、フールーダは欲望を隠す事なく言う。
「参考程度に、私めにその魔法を見せて頂くことは出来ませんでしょうか?」
「構いません」
そう言った瞬間、部屋の重圧が重くなるのを感じる。
そして、フールーダ・パラダインが、咆哮を上げていた。
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