ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 本編一話目ですが、もう少しこの世界では一話のままです。ようやく戦闘ですわぁ…。
 


ジョージとグエルは大きく苛立った

 

 「若ぁ!流石にモビルスーツで学園に突入するのはマズイですよ!」

 

 ヴァックストン社のプライベートエリアでも最奥にある『特別事態専用』と書かれたモビルスーツ格納庫で『二足歩行の紫蟹』と説明すれば良いのか。その様な見た目をしたモビルスーツ稼働準備を終えようとしていた。

 マニピュレーター部分が大型の爪であり、首もなく頭部と胴体が一体化している異形のモビルスーツに乗り込んでいたジョージは眉間にシワを作り、飄々さに見える外面も、勤勉さを表す外面も吹き飛び、苛立ちと不機嫌を隠そうとしない。

 いくら『他世界の知識』があっても、『他世界の擬似経験』があっても、根っこにあるジョージ自身は18歳の青年。血気に逸ることも十分ある。

 

 「コッチがガンダムで悩んでるっての好き勝手やりやがって。」

 

 『ガンダム=騒動』と心配しているところに、友人兼監視・護衛・支援対象(ミオリネ・レンブラン)が先日は脱走を企て、今回はモビルスーツ。しかも、ガンダムっぽいやつに乗り込み、勝手に戦闘を行おうとしている。 

 それだけではなく、決闘委員会のヤツラも想定外の事態を止めるでもなく、

 

 『決闘委員会に名前があるんですから。』

 

 と、使うくせに今回は連絡すらない。別に予定通りグエルとスレッタ某がやるなら別にいい。違うなら連絡ぐらいよこせ。

 ………などと、細かいことや、理由とか除いてハッキリとジョージの本音を言うなら、

 

 『八つ当たり』

 

 が一番近い。とりあえず全員一発ずつ殴る。そう決心したジョージは搭乗するモビルスーツの炉が安定したことを確認するとペダルを少しずつ踏み込んだ。

 

 「若?聞いてます?」

 

 「アスクレプオス。出すぞ!全員どけ!」

 

 ブースターが燃料を飲み、機体を空に飛ばすために甲高い音を立て始めた。

 

 「全然、話を聞いてねぇ!?総員退避!待避ぃ!」

 

 「誰だよ!ウチの若様をキレさせたの!」

 

 「ここ数日、悩んでらしたご様子。一度発散してもらうべきでしょう。」

 

 「そんな簡単に言うなよ。ああ……、後始末できるのかな。」

 

 「……その辺は大丈夫でしょうよ。多分。」

 

 「そこの二人!落ち着いてないで!さっさとコッチに!」

 

 慄く人間が3割、呆れる人間が3割、心配する人間が3割、大丈夫とノンビリする人間が1割と、上手くキレイに分かれたヴァックストン家若様付きの面々は急いで、アスクレプオス格納庫から安全地域に移動するのと、ほぼ同時に天井が開き、ジョージが駆るアスクレプオスは発進した。

 

 

 

 

 

 「トロフィーはトロフィーらしく、大人しくしてろってんだよ!モビルスーツに乗ったところで、素人が俺と勝負になるか!」

 

 決闘を行っていたグエルは過去有数の苛立ちを覚え、手加減など遥か彼方にすっ飛ばし、眼の前のモビルスーツをいたぶるように攻撃を加えていた。

 彼はミオリネのことを『トロフィー』だとは思っていないが、心の底から気に食わない女だとは思っている。しかし、今日ばかりは心の底からブチのめしたいと思った。

 

 「俺たちの居場所に土足で踏み込んで!何様のつもりなんだ!」

 

 『自分の運命は……自分で決めるのよ!』

 

 「なら、そのやり方をぶっ潰してやるよ!そのハンドメイドモビルスーツごとな!」

 

 ミオリネの言葉に、ついにグエルは激高。ディランザの特性を活かした戦闘法でミオリネのモビルスーツへの攻撃は残虐さを帯びてきた。

 明らかにパイロットとしては格下で、動くのも精一杯といったミオリネのブレードアンテナをへし折れる場面でも、手足、胴体の端などの勝敗には関係なく、モビルスーツを破壊することもない部分を執拗に攻撃した。

 

 (決闘出力のせいか?思ったより硬いぞ。コイツは。)

 

 しかし、装甲が優れているのか。それとも当て所が悪いのか。命中はしているが破損しない。遠距離では有効なダメージが与えられないと判断したグエルは、ミオリネに肉薄するためにブースターによる急接近を行った。

 

 (やっと撃ってきたが、この程度で。)

 

 ミオリネのモビルスーツがビールライフルで抵抗らしい抵抗を、ようやく行うが威嚇にもならない。

 

 『当たれ!』

 

 ミオリネが撃つビームライフルは当たりもしない。しかし、ビームパルチザンの有効範囲に入ったグエルが斬りかかろうと振りかぶったタイミングで、ミオリネはビームライフルを投げつけた。

 

 「当たるかよ!うぉ……」

 

 ヤケクソ気味に投げつけられたビームライフルは当たるわけもなく、簡単に避けられる。しかし、避けきったと考えていたグエルが正面を向くと、ディランザのモニターには体当たりを行うミオリネのモビルスーツが映され、思わず声が漏れ、同時に衝撃がディランザとグエルを襲う。

 

 「なりふり構わずとはいえ、当てたのは褒めてやるよ!でもな、その程度でディランザが止まるか!」

 

 ぶつかり合う2体のモビルスーツではあったが、ディランザが体勢を整え、ブースターを全開にして相手を押し返し、いや、吹き飛ばし。

 ミオリネの悲鳴が通信で響き、モビルスーツが転がる衝撃と振動が決闘現場を揺らす。

 

 「ここまでだな。」

 

 改めてビームパルチザンを振りかぶる。振り下ろせば終わり。しかし、ディランザのセンサーが『注意』を示す。

 その『注意』の元は、本来の決闘相手。水星女などと呼ばれていたスレッタ・マーキュリーが決闘地域に入り込んでいた。

 モビルスーツがぶつかり合い、決闘の出力とは言えども当たれば確実に死ぬビーム兵器が飛び交う場所にスレッタが飛び込んだことを理解するまで、誰もがかなりの時間が必要であった。

 

 「エアリアルを返してください!」

 

 しかも、スレッタが突入したであろう理由が聞こえた面々は、正気に戻ったばかりでありながら、またもや理解に時間がかかることになった。

 呆然としている間にスレッタはエアリアルと呼んだハンドメイドモビルスーツによじ登るとコクピットに飛び込んだ。

 

 『ワタシとエアリアルが相手です!』

 

 呆然としていたグエルの耳に、水星女の宣言が聞こえたことによって、全体は正気に戻り、

 

 「お前も、この俺を甘く見る気かぁ!」

 

 グエルは再び激高し、決闘はルールなどが有耶無耶にされて再開されることになった。

 




 本日中に修正と添削が終われば、あと一話投稿できるかもしれません。またお気に入り登録70件突破しました。ありがとうございます。
 追記・間に合いませんでした。申し訳ない。

ヴァックストンの暗躍・活動の第一候補は?

  • エアリアルをフルアーマー化(企業協力)
  • グエルに協力(再決闘時のAI等)
  • 武力とインパクト(MA・ビクザム)
  •   〃     (MA・アプサラス)
  •   〃     (MA・サイコガンダム)
  •   〃     (MA・ハシュマル)
  •   〃     (MA・シャンブロ)
  • いや、表に出ない方がいい。(戦闘以外)
  • ジョージ『パイロット科にも顔出すかな。』
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