「「「「………」」」」
スレッタ・マーキュリーとエアリアルの想定外の戦闘力によって、学園全体。いや、ベネリットグループを含めても
地面に伏し、破壊されているはずのエアリアルは軽微な破損で終わり、勝利しているはずであるグエルのディランザは四肢と頭部を破壊され、無残に地面に四散していた。
エアリアルにスレッタが乗り込んだときや、グエルに戦いを挑んだとき以上の衝撃が決闘を確認していた面々に襲いかかり、本日最大の呆然状態に学園のほぼ全体が陥っていた。
誰もが一言もこぼすことができない中ではあったが、
「か、勝ちました……よ。」
「そうみたいね。ちょっと目の前であったことが信じられないけど。」
エアリアルに乗っていたスレッタとミオリネが話し始めると、時間が動き出した。各生徒の端末に、
『勝者 スレッタ・マーキュリー』
と、システム化され、公平であるがゆえに無慈悲に、勝利条件を満たした人間の名前を送った。
『御三家であり、現・学園最強のグエルが負けた。』
この事実を学園とベネリットグループが知ることになり、映像を見れば、『完封勝利』という内容も知ることになる。
「わ、わ、わぁ。」
「おめでとう。スレッタ・マーキュリー。あなたは決闘に勝った。これであなたは学園の最優秀決闘勝者『ホルダー』よ。」
スレッタにミオリネが、かざした端末によってスレッタのパイロットスーツ白く変更される。
「そして、あなたは…」
勝ち名乗りと、勝者へのお礼。そして自分の立場を告げるべくミオリネがスレッタを見据えた。そこで言葉は止まった。
『その決闘。異議あり!審議である!』
ズドンと、『紫色のカニ』と見える異形のモビルスーツが落下する勢いで着地した衝撃と、土煙。そして、この学園で自分を見下しも、バカにも、勝利の景品として見ない男であるジョージが自分とグエルに銃口を突きつけている事が信じられない。と、いうショックで。
(サイコミュへの反応がほとんどない?どんな兵器なんだ?)
到着次第、全員に一撃加えるつもりだったジョージの怒りは、グエルのディランザをダルマにした
この怒りや不満の沈静化によって彼自身も助けられていた。なにせ、決闘出力に調整してないモビルスーツで飛び入りまではルール違反にならないが、武器使用したら規則違反になる。
いくら裏工作を行い、色々と備えているとはいえ、実戦可能な調整のままでの武器使用では、学則や決闘規則ではなく、もっと大きな問題。法律が適応される事態になっていたかもしれない。
グループ内部で誤魔化せたとしても、それなりの罰則を受けたことだろう。
「この決闘。規則違反や不備が多数見受けられる。審議とさせてもらおう。」
アスクレプオスの両爪に仕込まれたビームマシンガンをエアリアルと、バラバラになったディランザ向け、決闘委員会に問いかける。
『ジョージ!アンタ。いきなりやってきて仕切るんじゃないわよ!』
『放っておかれたからって、モビルスーツまで出して八つ当たりするんじゃねぇよ!』
ショックから立ち直ったミオリネと、グエルがジョージに吠えるがジョージは無視。ダルマになったディランザは驚異にならないし、
(あの程度なら、大したことはない。)
想定不能のシステムや、潜在能力まではわからないが、あのファンネルモドキ以外に武器がビームサーベルしかないのなら『対応の仕方』はそれなりにある。
ところが、エアリアルを見るとジョージは違和感を感じた。忍び込んで見たシン・セー社のガンダムタイプだと思っていたが、どこか違う。
「新型?2号機?何か新しい?」
ジョージは違和感を考えるが、前見たガンダムタイプと比べると、決闘でいたぶるように攻撃され汚れているにも関わらず、キレイに見えた。
なんといえばいいのか。ジョージがよく知る『ガンダム』らしくない。
『返事ぐらいしなさい!アンタ。この勝負にケチつけて無効にするつもり?』
いや。ちがう?おかしいな。…など、つぶやいていたジョージに改めてミオリネが噛み付く。
「ケチをつけるわけではない。この決闘、不備だらけだから飛び込んだんだよ。」
もともと八つ当たりにきた人間の言葉とは思えない、正論っぽく話すジョージ。
シン・セー社でガンダムタイプを見たとこで、大きな騒動や被害が出ると不安に思っていた彼ではあったが、目の前にあるガンダムに似たエアリアルを見ても、不安や圧力はない。
もう一度言うが、『ガンダム』らしさがない。彼の主観であって感覚的であり説明は出来ないモノではある。
「他人の端末を使用して、勝手にモビルスーツを使用。対戦相手が違うのに両者の合意として決闘を続行。決闘地域への第三者の侵入と安全管理不足。それと…」
『待って。』『待った。』『待ってくれ。』
不備事項をつつき、上げていくとミオリネ、グエル、シャディクと呻きをあげた。続けて指摘を行おうとしているジョージを三者とも異口同音で止めた。指摘していくうちにジョージがヒートアップしても困る。
モビルスーツで乗り込んでくるジョージがキレて一撃でも加えられたらタダでは済まない。なにせグループ内部の序列が上だろうが殴る相手だ。
『少し考えさせてくれ。数分でいい。』
シャディクとしては無効にしたい。決闘委員会の不備を認めるのもマズイが、それ以上にグエルが負けたことによって『現在の学園秩序』が崩れるのもマズイ。
『負けは負けだろう。何も言わん。』
グエルとしては、ジェターク家の嫡男として負けを認めたくない気持ちと、事実、地面に転がり、負けたという事実を認める気持ちがあった。しかし、『この状況はどうやっても負け以外ない。』と、理解して審判を任せることにした。
『スレッタ!この正論風気分屋自由人をぶっ飛ばしなさい!』
そんな中で、ミオリネはキレた。なにせ今までの流れと自分の運命を大きく変えた一件を『ルール違反なんでナシ!』と言われた事が我慢できなかったのかもしれない。それを言ったのがジョージだったことも火に油を注ぐ注ぐ状況だったのだろうか。
それにしても正論風気分屋自由人とはよく言ったものだ。
『ちょ、ちょっと、し、審判さんなんですよね?!』
『私が許す!』
慌てながらも、エアリアルを立ち上げるスレッタ。どうやら口や態度はともかく戦う気はあるらしい。案外、血の気が多いのかもしれない。
『ジョージ!いくらアンタでも、グエルを完封した武器には対応できないでしょ!』
「それ、負ける側のセリフだろうに。」
なんと言うか三下のセリフを吐くミオリネに呆れつつ、内心のどこかで望んでいた『この世界で見るガンダムタイプ』の性能を体験したい欲求と、八つ当たりの相手がやってきたことでグエルのディランザを蹴っ飛ばして足元の安全を確保すると、
「見せてもらいましょうか。悪魔なのか。神話なのか。それとも、タダの似ているだけの見た目なのか。」
正当防衛ですからね。と、ビームマシンガンに安全装置をかけると、パイソンクローを稼働させた。
「決闘委員会の面子は形無しだね。コレは。」
「止めようとは言わないですね。先輩は。」
決闘委員会は始まった『私闘』を止めることが出来なかった。しかし、生徒である彼らが止めれないだけであり、シャディクは通信機を取ると、
「トラブルが発生しました。対処を行うために手を貸してほしいのですが。」
自分の養父に連絡をとり、援軍を送ってもらうことにするのだった。
戦わせる気はまったくなかったし、なぜそちらの方面に向かったのだろうとは思うし、身勝手がすぎるのはわかるけど、進んでしまったのはしかたない(強言)
狂気と憧憬を混ぜ合わせた感情表現がうまくできない。
ヴァックストンの暗躍・活動の第一候補は?
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エアリアルをフルアーマー化(企業協力)
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グエルに協力(再決闘時のAI等)
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武力とインパクト(MA・ビクザム)
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〃 (MA・アプサラス)
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〃 (MA・サイコガンダム)
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〃 (MA・ハシュマル)
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〃 (MA・シャンブロ)
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いや、表に出ない方がいい。(戦闘以外)
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ジョージ『パイロット科にも顔出すかな。』