ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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査問は終わり、魔女は動き、ジョウシキ人も動き出す。

 

 「なに。この状況。」 

 

 ミオリネは目の前の状況を見て、頭を押さえた。 

 

 「あわ、あわわ、わわわ、わ。」

 

 「よせよ。流石に痛いじゃないか。危ないからソレを下ろしなさい。」

 

 目の前では、モビルスーツ調整用のトルクレンチを持ってアタフタするスレッタと、流血する頭を気にもせずにスレッタを優しくなだめていた。見たこともない怪しいぐらい優しい表情をしながら。

 

 「エアリアルは渡しませんよ!」

 

 「待ちなさい。今は破壊も押収もする必要性はないのです。MS用レンチで頭を殴られたら、私以外は大怪我ですよ。」

 

 しかし、スレッタはレンチを振り上げ構えたままでハンガーに封をされて固定されたエアリアルの前から動こうとしない。

 

 「いや、本当になんなのよ。この状況。とにかくスレッタは止まりなさい。エアリアルには手を出さないから。ジョージも頭のケガをどうにかしなさい。アンタって本当に騒ぎを起こすわね。」

 

 ミオリネは二人を止めるために前に出ると、スレッタと向き合い一言。

 

 「アンタのモビルスーツは大丈夫だから落ち着きなさい。」

 

 「エアリアルは大丈夫なんですか!?」

 

 パァ…と安心と喜びを顔いっぱいに表したスレッタは、構えたトルクレンチを手放した。落下したトルクレンチがハンガーに音を響かせ、スレッタが驚く。

 

 「そうよ。ここ数日のエアリアル及びシン・セー社に関わる騒動と、前回の決闘に関わることは無かったことにされたわ。」

 

 スレッタの動きに驚きもせずに、端末を操作してエアリアルの封を外すミオリネ。縛めを解かれたエアリアルに近づこうとするスレッタであったが、後ろえりを掴まれ、首がしまって潰れたカエルの様な声をあげた。

 

 「今日はここまでよ。アンタとエアリアルの開放までは許可されたけど、エアリアルの持ち出しはシン・セー社のプロスペラ代表だけが許可されてるわ。」

 

 「うわーん。エアリアルゥ…。」

 

 「本当はアンタがここに居るのもダメなんだからね。どうやって入ったのよ。」

 

 嘆くスレッタを引きずるようにその場を後にした少女2人を、手を振って見送るジョージ。

 彼がこの場に居たのはエアリアルにも、スレッタにも関係がない。更に言えばミオリネにも関係がなかった。彼が用事があったのは、更にこの先のモビルスーツハンガー。

 

 「アスクレプオス。すまん。」

 

 紫色の蟹。もとい、数日前の私闘でオーバーヒートしたまま接収されたアスクレプオスを回収に来たのだった。

 ジョージは久々に感情を制御できなかった自分のミスを詫びた。もし、この状況を理解する人が居るならば、『え?いつもメチャクチャだろう。』と言うだろう。

 

 『失礼な。いつもはキッチリ方向性を決めて狂ってるよ。』

 

 そして彼は、どれかの皮を被るかはわからないが、普通に、淡々と返すだろう。

 

 「娘が迷惑をかけたようですね。」

 

 モビルスーツに頭を下げていたジョージに、仮面の女が声をかける。プロスペラだ。

 シン・セー社の一党を引き連れてエアリアルを回収に来たのだろう。

 

 「特に迷惑とは思いませんので、お気になさらず。」

 

 「そう言ってくださると助かりますわ。」

 

 と、右手を差し出したプロスペラ。ジョージも迷わず右手を差し出して握手を交わした。

 

 「査問会。いえ、意見会では助かりました。」

 

 「いや、私は頼まれただけですよ。それに聞いていましたが、アナタほどのやり取りなら、あの程度の場面を難なく突破できたでしょう。」

 

 エアリアルとシン・セー社に関わる数日の一件が無かったことにされたため、査問総会は、意見会と名前を変えて記録に残ることになった。

 

 「それでも、データを使って説明をしてくれたことで、我が社への文句や嫌がらせは予想を遥かに下回りました。お礼を言うのは当然です。ああ、申し訳ありません。エアリアルを回収しなければなりませんので。失礼します。」

 

 握手を終え、プロスペラはお礼を述べる。まだ話したいことがあったように見えたが、エアリアルの回収作業の確認をするために接近してきた部下に指示を行うためにジョージから離れた。

 

 「アナタにとって、ガンダムとはなんなのかしらね。」

 

 離れるときに、そう問いかけられた気がしたが、ジョージは気にせずにアスクレプオスに向かう。PXシステムを始めとした機密情報に当たる部分は『破損させた』ために動きは悪いが、学園まで戻るのは問題ない。

 

 「祝福であって、呪いなんだろうな。産まれたときから一緒だから、言葉はいくらでも尽きないが、言葉で示せと言われても、示せないだろうな。ガンダムへの問いかけは。」

 

 アスクレプオスのコクピットで、プロスペラからの問いかけを返すジョージは、アスクレプオスを発進させた。

 

 

 

 翌日。アスティカシア学園内の広報及び、グループ全体へ『先日の騒動』への対処等が伝えられた。細々としたものは多数あれど、概ねまとめると以下の通りとなった。

 

 『意見会の結果、即時対応する問題点や、処分はない』

 

 『シン・セー社とジェターク社の決闘を無効にし、再度行う。決闘日は、両社のモビルスーツが準備完了後から3日後とする。』

 

 『ベネリットグループはシン・セー社の動向を監視しないが、活動報告及び業務報告を義務付ける。』

 

 『スレッタ・マーキュリーへの退校処分申請を取り下げるが、決闘内容によって結論を処分を決める。この際、勝敗は考慮しない。』

 

 『ヴァックストン・ベンチャー・カンパニーのモビルスーツ部門を独立させ、活動を承認する。代わりにグループからの支援を行わない。』

 

 『私闘を行ったジョージ・Y・ヴァックストンを経営戦略科から除籍させ、聴講生扱いとする。』

 

 『同生徒の学園内での生徒としての活動を保証する。学園からの除籍・退校ではない。』

 

 この処分内容に、学園とグループは大きく揺れることとなった。

 




 予定通りには進まない。もう、その辺は考えないようにした。分割でも大きな流れは崩さないようにしていこう。

ジョージさんの最初の餌食は誰だ!

  • いいキャラですね。グエルさん。
  • 強化人間枠だった。エランさん。
  • 腹黒だけど現在理解不明。シャディクさん。
  • FA計画と提携は?!スレッタさん。
  • 次の後継ぎだから、殴る。ラウダさん。
  • 地球?宇宙?強いもん勝ち。チュチュさん。
  • あ、量産機のテストしなきゃ。モブたち!
  • G伝説は初代。モブたち。
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