ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 よく考えなくても、重モビルスーツと呼ばれるディランザの倍近い体積で、それより軽く、バルバトスに殴られても戦えるほど丈夫で、ビーム兵器に対応してるって、水星の魔女世界では(でも?)反則すぎるのでは?ハシュマルって。
 しかも、アプサラス以外はI・フィールド装備してるやん・・・。稼働時間でビグ・ザム以外は逃げ勝ちも難しいな。


MS以外はダメとは明記されてないですし・・。

 

 「なに…あれ…?」

 

 「鉄の鳥?モビルスーツか?」

 

 「先輩。ルールって知ってます?」

 

 眼の前で、ジェターク社製の重モビルスーツでさえ小さく見える人型ではない機動兵器が、怪鳥の叫びのような起動音を響かせながら立ち上がった。

 その姿を見て、決闘委員会は呆れ返る。ちなみに、上から開いた口が塞がらないロウジ、珍しく冷や汗をかくエラン、呆れるセセリア。取締役のシャディクは頭を抱え、グエルは喜んで良いのか?と、複雑な顔をしていた。

 

 『モビルスーツじゃないだろ!ルール違反だ!』

 

 「決闘のルールには違反してないから問題ない。」

 

 鳥に見える機動兵器。他の世界ではモビルアーマー・ハシュマルと呼ばれる機体を再現し、乗り込んでいたジョージは目の下に大きなクマを作り、少し重い身体を使いながらも、哀れな雑魚たちに向かう。

 雑魚からすれば、運ばれたコンテナの中身が、こんなもん。とは、思ってもみないだろう。

 この惨状の原因はこの決闘が起こる半日ほど前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 朝食を隠れながら食べたジョージは祖父・エイジに連絡を取り、これからの予定と一部株式の譲渡を願い出た。

 

 『いいぞ。』

 

 交渉するために条件や材料を用意していたのだが、呆気なくヴァックストン社全体の株式の一部。それも経営に参加できるほどの量をもらえることに逆にジョージが驚いた。

 少しうまく進みすぎて祖父ではあるが、心配になったジョージ。そんな心配や裏など気にしない無感情の端末に、伝えられた株式と資産が譲渡された事が通知されたことで珍しく、ため息以外の大きな息を吐いた。

 

 『ただし、できる限りで良いがな…』

 

 エイジは3つ、条件を出した。

 

 「……え?はっ?いいの?一年ごとに科を変えるのは、面白かったけど、上からの頼みだっただろ?」

 

 『かまわん。風通しをよくしないとなぁ。地位と立場に胡座をかく老人共は腰が重い。そんな面々は拳を振り上げて、危機感をもってもらうのが一番よ。』

 

 報酬を受け取ったあとに出された条件ではあったが、断る理由もないのでジョージは引き受けた。しかし、前提条件で一つ難しいことがあるのに気づいた。

 

 「受けといていまさらだけど、オレ。聴講生扱いなんだけど?」

 

 『なぁに。スタート地点に立たせるのも上役の仕事よ。御三家も自社株が大事じゃからな。お前の処分後に公表した株には、ワシらが買っていた他社株もあるからのぉ。』

 

 ヒャヒャヒャ。と、悪い顔をして笑う祖父に引き気味のジョージ。跡継ぎに指名されたとき活動費と公表した株のことだろうけど。

 多分、このジジイ。公表と言いつつ、他社株をベネリットグループ内部のライバル企業や、他企業に売りつけると脅しをかけてるのだろう。我が祖父ながら恐ろしい。殴り合いなら負ける気は全く無いが、悪知恵では勝てる気がしない。

  

 『まぁ、良いから良いから。』

 

 高笑いをやめて、本当に悪い、凶悪な含み笑いをしつつ通話が終わった。

 

 (いくら理事会でも金とモノを積めば、なんとか施設建築は出来た。でも、処分を取り消すか?)

 

 少し、ほんの少しだけ不安があったのだが、祖父が見せた『まさに悪党の親玉』と言える顔を思い出すと、不安はなくなった。

 疲れと祖父の勢いに『皮』を被ることも忘れて、一番に会話が楽なグエルとセセリアに連絡をすることにした。

 あの二人相手に楽。と、言う分、素もジョージは図太いのかもしれない。

 

  

 

 「呆気なさ過ぎるだろうが。」

 

 ジョージは疲労した脳が、更に疲れた気がした。連絡をするや否や、別室に案内され、聴講生扱いながら、パイロット科の面々と同じ扱いにされた。

 もちろんタダ。無条件ではなく…

 

 『ジョージ・ヴァックストン・インダストリー社(以下GVI社)は、ヴァックストン社の一族の持つ株式の一部を決闘内容ではありますが公表します。同様に、我がGVI社は社長であるジョージ氏の保有する自社株の販売も行います。ジョージ氏が使うのは、自社製のモノに限ります。』

  

 …早い話が交換条件として、『決闘に参加して負ければ、お前の持つ株の一部を渡せ。ついでにヴァックストン本家の資本や機材を使うな。自分で作ったやつで対応しろ。』と、言うわけだ。 

 ファルネオ社みたいに、『助けてくれたと思ったら、実は経営権と資産を握られてた。』みたいな事は、勘弁してほしいのだろう。

 

 「ジョージに勝てば、一攫千金。勝ち取った株や資産が大当たりなら御三家並の企業に這い上がれる。」

 

 そんなチャンスが転がっていると分かれば、1年前までグエルに勝ち越してたり、先日、アスクレプオスで大暴れしていたことも欲に目がくらみ忘れてしまう面々が出てくる、

 それの第一波が、冒頭でハシュマルと向き合うことになった雑魚たちである。

 

 

 

 「テストと、目覚まし代わりに一発いくかぁ。」

 

 決闘の口上を述べると、ジョージは頭部にあるビーム砲を多数いる敵に撃ち込むのだった。

 




 今回のザコたちは、アンケートとは関係ありません。気がつけばお気に入りが160件突破しました。この様な色々な意味で読みにくい作品ですが、大変ありがたいことです。
 ジョージのプロフィールや、人物相関。出てきた再現モビルスーツなどを、別枠で書き出したほうが良いのかもしれない。
 2023/01/29の夜まで仕事が重なっているので、投稿が遅れます。
 次回は、ハシュマルが大暴れします。ようやくか……。

・追記
  昨日夜(1月29日)、唐突に『プロローグより21年後』『プロスペラの目的は復讐』『だけどデリングとは繋がってて、実はいい親父してるダブスタクソ親父。逆に…』とか半端にネタバレされて、モヤモヤしてます。ついでにハシュマルの詳細も変えないといけなくなったです。2月頭までには投稿します。
 本編を見て、知りたかった。

ジョージさんの最初の餌食は誰だ!

  • いいキャラですね。グエルさん。
  • 強化人間枠だった。エランさん。
  • 腹黒だけど現在理解不明。シャディクさん。
  • FA計画と提携は?!スレッタさん。
  • 次の後継ぎだから、殴る。ラウダさん。
  • 地球?宇宙?強いもん勝ち。チュチュさん。
  • あ、量産機のテストしなきゃ。モブたち!
  • G伝説は初代。モブたち。
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