「若ぁ。こりゃ、なんつーか。一昔前のGUND-ARMっすよ。コレ。駆動系とかはそれなりに手は加えてありますけど、ハイザックと比べても同じ程度。よく見てもマシ。ってやつッスよ。」
「あ、うん。わかってた。すまんな。」
プロスペラとの会談の2日が経った。ジョージはMS保管庫のハンガーでシン・セー社から送られたガンダム・ドヴェルグの中身を側近と確認したのだが予想通りのヒドイ物だった。スレッタが破壊してしまったHWSの代金。いや、代償としては大損であったろう。
「どうにも、ズレたな。」
ジョージは反省と後悔をしつつも、自分がプロスペラと話し合うときに『皮』を被りきれなかったこともあったと一言こぼしてドヴェルグの収納されたハンガーを後にした。
「予想が当たって良かったのやら。悪かったのやら。」
「若ぁ。なんか。客?っつーか、押し入り調査?が来てますけど?」
「なんじゃそりゃ?どこの許可をもらって?」
「許可がないんですけど、御三家の顔役とかが来てるんです。どうします?」
ノックも無しに入ってきた部下の無作法には突っ込まず、ジョージは困ったように頭を掻く部下の様子を見た。ジョージとしては御三家の面々や関係者と会う約束はない。しかし、部下の様子を見ると押し留めているのも難しいと判断して、『皮』を被って部下を困らせる原因と会うことにした。
「面会室。・・いや、会議室にお通ししなさい。丁寧に、丁重に。」
部下に指示を行うと、カフェテリアに行くために着ていた制服を脱いでスーツに着替えるのだった。
「コレは、コレは、御大層な面々がお越しで。・・・・何用ですかな?」
30人ほどが入れる会議室にスーツに着替え、ニヤけ顔のジョージが茶化しながら皮肉を込めて話しながら入った。
会議室には武装した各企業の警備部門の面々を数名ずつ引き連れた御三家の顔役。と、言っても見知った顔ばかり。
ペイル社からはエラン・ケレス。
グラスレ―社からはシャディク・ゼネリ
ジェターク社からはラウダ・ニール
そして、監査機関・カテドラルの重役であるラジャン・ザヒがコーヒーを飲みつつ待っていた。
茶化すジョージに対して、会議室にいる客人たちは鋭い目つきで睨みつけてくる。と言っても一人だけだが。もちろん、それにジョージは怯む事もないが。
「茶菓子も遠慮なく食べてください。結構な一品ですよ?失礼。」
コーヒーだけを飲む面々に菓子を勧めつつ、ジョージは笑顔で菓子を食べた。その様子に睨みつける一人であるラウダ・ニールは更に視線を鋭く、強くした。
「単刀直入に聞こう。ジョージ・Y・ヴァックストン。君は、公表していないモビルスーツを製造しているかね?」
今にも噛みつこうとしているラウダを手で制しつつ、ラジャンが尋ねる。
「もちろん。多数ありますが?」
その質問に、シレっと答えるジョージ。何の裏があるかは知らないが、嘘を言う必要もない。もちろん、詳しく話す必要はないが。
「戦艦をはじめとした戦闘艦は??」
「作ってない。製造に関しては公表しているだけです。・・・・質問の意図が見えませんが?」
作ってはいない。設計はしてるけどな。こっちも嘘はついてない。
「グラスレー社が護衛する定期輸送船団が正体不明の部隊に攻撃され、壊滅した。生き残っていたのは脱出艇に残った数名だけ。」
「つまり。謎の部隊にモビルスーツを提供したのは私。もしくは、我が家の面々だと?」
「そこまでの疑いは持ってはいない。ただ、多数のモビルスーツや巨大兵器を作った君を擁するヴァックストン社なら、なんとでもなるのでは?・・・・と、グループ内部で話が出ているのだよ。」
僅か2日で広まったのには作為的なモノを感じるがね。と、後につける言葉は飲み込んだラジャンではあったが、ジョージはその飲み込んだ言葉も理解した。
「知りませんね。ですが、何か分かれば連絡しましょう。」
「そうか。分かった。面倒をかけたな。コーヒーは中々美味かった。」
ラジャンは立ち上がり、ジョージにメモを一枚渡すと会議室を後にした。時間にして15分も経たない話し合いが終わったことに、ラウダだけは戸惑っているが、
「僕は失礼するよ。上から頼まれたことだから来ただけだから。」
残りの御三家であるエランは、いつもの鉄面皮のままで最低限の事だけを告げると、ラジャンに続いて会議室を後にした。
「君たちじゃないのかい?犯人でも、犯人でなくても、場を掻き乱すよ。君は。」
シャディクはドコかトゲのある態度を少しだけ見せると、いつもの笑みを浮かべながら会議室を後にした。最後に残ったラウダだけが、会議室から出ずにジョージの正面に座った。しかし、ラウダは睨みつけるだけで、何か話そうとはする動きだけをしては止める。
ジョージはその動きに少しばかり助け舟を出した。
「なにか?コチラも忙しくてね。話がないなら失礼するよ。」
両手を上げてウンザリしたようなため息を吐いて、席を立つ。
「待て!」
そんなジョージのスーツをラウダは掴む。スーツを掴まれたことで、ジョージの部下は身構え、ジェターク社の面々も身構える。
「なんでお前は、あの水星女の味方をするんだ!アイツのせいで兄さんが!!」
スーツを掴む力が強くなるラウダであったが、その態度でジョージは何となくグエル。いや、ジェターク社の状況がわかった気がした。・・・そして、ちょっとばかりイラっとした。
「グエルの腕前を信じようとしなかったお前たちが悪い。自動操縦なんてモノさえ用意しなけりゃ、勝てた可能性は高かったのにな。」
「は・・・。なん・・だと・・?」
「アレだけ一緒に居たのに、その程度の事も理解してないのか。ガッカリだよ。」
ジョージは唖然とするラウダの腕を叩き、スーツから手を外すと会議室を出ようと出入口に向かう。
「それに私はグループの味方ですよ。・・・いや、オレとしては、まだグループの味方という方が正しいかな。」
「・・・・・お、お前は一体全体、何がしたいんだよ!トリックスターやフィクサーでも気取るつもりか!」
「まさか。・・・・失礼するよ。」
最後に喚くラウダに少しばかりの『素』を出したジョージは、すぐに『皮』を被りなおすと会議室を後にするのだった。
ボヤキが多くて申し訳ない。とりあえず、ヒロイン候補を決めるつもりだったんですけど、ミオリネさんがブッチギリなんで、このまま決めてもいいかなぁ。
アスティカシア学園の場所は…
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