「何時から、アスティカシアは企業政治の場になったのかな?……初めからかな?」
ジョージは自分の城にやってきたシャディクと、サビーナに茶を出しつつ、皮肉を述べる。他のシャディクのオマケたちは別室で普通の歓待をしている。
「それをジョージ。やりたい放題のキミが言う?」
「単なる皮肉。まさか袖にされるとは、思いもしなかったよ。まぁ、直接文句を言うなら相手がデリング総裁になるから、ボヤキで済ませる事にするよ。」
御三家で均衡を取っていた方が、やりやすいし、企業間の争いに気が付かないほどデリングは阿呆でもない。ジョージとしてはデリングの方より、エイジがデリングの考えに気づいて悪巧みしてるのか。それとも、デリングがエイジを使って悪巧みしているのか。そっちの方が気になってる。
「それがいいよ。いくら身内でも、ね。」
アクビをしていたジョージだったが、ピタリと止まると口を閉じて頭を掻いた。
「よくご存知で。別にそこまで隠してたわけじゃありませんが、それがなにか?」
「それがミオリネに気を使う理由?」
「別にそういうわけじゃないですがね。さっきも言った通り従兄妹だというのは、そこまで隠してないですし、シッカリと調べればわかる事ですよ。」
ジョージは頭を掻いていた指を下ろすと、
「身内を自分のついでに守ってはイケないという事はないでしょう?他に理由は必要ですかね?」
腕を後ろに回して、シャディクに答えた。ジョージは別に威圧したつもりも、怒りを覚えたわけでもないのだが、眼の前にいるシャディクとサビーナは暑くもないのに汗が浮かんでいた。
「虎の尾を踏むところだったよ。危ない危ない。」
ゲンコツじゃすまなかったかも。と、シャディクは浮き出てくる冷や汗を拭き取った。
いつも通りの対応ではあったが、ジョージの圧力があそこまで凄まじかったのは、それなりに長い付き合いではあるが、知ってる限りでは初めてだろう。
「ミオリネが、なんだかんだで頼りにするわけか。」
「シャディク?」
「いや、なんでもない。」
一瞬ではあるが、サビーナにはシャディクが悲しそうな目をしていたように見えた。
「でも、これで約束は果たせたわけだ。いやぁ、実を言うと怖くて、怖くて。」
誤魔化すように茶化すシャディクを見て、サビーナは先程見えた一瞬が気のせいでないと分かり、大きな不安を覚えるのだった。
「やっちまった…。」
一方、ジョージもバツが悪そうに、頭をボリボリと掻きながら椅子に座った。本当にジョージとしてはミオリネとの関係を指摘されても困ることもなかった。データを隠していたわけでもないので、それなりに知識がある人間が調べれば分かることだった。
「本当に最近。『皮』が被り方緩いな。」
ここ数日で、本当に何度目かの反省。いや、後悔をするジョージ。シャディクに対しても軽く流すつもりではあったのだが、探るような、利用しようとするような言い方に無意識的に圧力が漏れ出てたようだ。
『お守り』として、常に持っていたサイコフレームが悪かったとも言える。隠そうとしていた感情が増幅されて溢れ出て、シャディクたちにプレッシャーを与えていた事をジョージが認識したのはシャディクたちが帰ったすぐのことだった。
「……調子は悪くないんだけどなぁ。どうしたんだろうか。」
またも苛立ちながら、頭を掻いたジョージは珍しく弱音を父親に送るのだった。
書いてる途中で、寝てしまった。ジョージの人間味?と、ミオリネとの関係を明言した回となりましたが…しっくりこない。お気に入り登録300件ありがとうございます。
あと、一話やりたいなぁ。
アスティカシア学園の場所は…
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