ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 学園モノで追跡は鉄板でしょう。……そうは言われたが、それはラブコメだと思うなぁ。
 2023/05/06・後半部分が丸々抜けてたので、追加。


何処から、そんな言葉を仕入れてくるんだよ。

 

 「話があんまり見えませんが、何があったのでしょうか?」

 

 書類仕事をしていたジョージは、視線だけをミオリネに向け突撃の理由を聞いた。「あんまり」というのは、最近の流れから考えて、デリングとスレッタのどちらが関係していることだろう。

 

 「昨日の夕方にスレッタを口説きに来たのよ。エランのヤツ!」

 

 (そっちか。行動が早いな。アイツ。)

 

 思い出すだけでイライラする!と、憤るミオリネ。その姿を見て、エランの行動の早さに呆れるような、驚くような思考を浮かべたジョージだったが、表情には出さず書類仕事を続ける。

 

 「しかも、スレッタも断ると思ったのに、混乱しながらも嬉しそうに、『デートって、初めて。これで友達も増えます。』って、満更でもないないのが…」

 

 気に食わないのよ!と、ジョージの仕事机を両手で叩いた。重ねられた書類が崩れ、床に散らばった。それでも、ミオリネの苛立ちは落ち着くことはなく、燃え上がっているようだ。

 ポリポリと頭を掻いたジョージは、怒れるお嬢様にたずねることにした。このままだと、落ち着くまで話が進まないという未来が見えたからだ。

 

 「それで?私に…。いや、俺に何をしてほしいんだい?」

 

 「スレッタが悪党に寝取られないように手を貸しなさい。」

 

 何処から、そんな言葉を仕入れてくるんだよ。このお嬢様は。

 

 「はいはい。その辺はミオリネさん次第なので何にもできませんが、見張るぐらいはしときます。」

 

 エランとペイル社を調べるついでに、他人の色恋でも見るかな。軽い気持ちでジョージはミオリネの頼みを引き受けた。

 

 (ミオリネとスレッタ。結婚してる関係ならともかく、形だけの関係ならエランをスレッタを餌にして引き込めるんじゃないかな?)

 

 そんなゲスな考えが浮かんだが、ジョージは首を振って邪念を追い出した。

 ドロドロ、グダグダ、ピリピリと悪い空気が続いていたアスティカシアで年相応の恋話。結果はともかく、何時の時代も他人の色恋は良い娯楽であり、

 

 (清涼剤としても良いかもしれん。それにしても、昨日はエラン、今日はミオリネ。……これ以上、来ないよな。)

 

 ジョージとしても気分転換と仕事の潤滑油として引き受けたのだったが、この時点では呆れと作業感の方が強かったといえる。

 

 (流石にこんな変な流れは、ココで切れるだろう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ジョージ!手を貸せ!」

 

 ……しかし、ミオリネが突撃してきた翌日。謹慎から解かれ、自由になったグエルが突撃してきた。どうやら、先日渡した『差し入れ』は有効だったようだ。

 

 「スレッタ・マーキュリーが、エランに口説かれてると聞いた。だから手を貸せ。」

 

 「もしかして、そのために『差し入れ(アレ)』を使ったんですか?」

 

 ピタリと止まるグエルを見て、ジョージは呆れた。追い返す気も失せるほどに。

 

 「どう使うかは、差し上げた側からは選べない。でも、なぁ。」

 

 大きく、大きくため息を吐いたジョージ。使い道は別に構わないとは思うが、ジョージとしては『スレッタとの再戦。または、決闘での横槍をされない』ために使うと考えて渡した面もあった。

 

 「まさか、女のために謹慎を解くだけに使うとは…」

 

 更に大きなため息を吐くジョージ。ガッツリ嫌味や煽りをくれてやろうか?との思いも、呆れが出てきて、何度も何度もため息がでる。

 

 「それにアナタの女でもないでしょうに。」

 

 「う、うるさい!エランがイキナリ女に興味を持ったなんて信用できるか。何かしらの因縁なり、裏があるはずだ。」

 

 「ア、ハイ。つまり、調べろと?気になる女のことを?」

 

 ピタリとグエルが止まり、顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

 「そ、そんなことあるか!アイツのことなんて気にしたことはない!」

 

 「はいはい。」

 

 ここまで、恋愛ベタな男をやってくれ続けるグエルに、ついにジョージは呆れを突き抜け、思考がとまり、自己防衛のためか。この流れに感心してしまった。

 

 (ついでにやってやるか。なんか色々考えるのが馬鹿らしくなったよ。)

 

 仕方ないなぁ。と、生暖かい笑顔を浮かべてジョージは、赤くなって慌てるグエルの背中を押して、会社から追い出した。

 

 

 

 

 「ジョ、ジョージさん。たたたた、助けてください。」

 

 「次はお前か…。」

 

 父親の助言から『皮』の被り方を考え直したジョージではあったが、こんな流れの四連発に自己防衛のための感心も通り越して、疲れを覚えた。

 

 「助けてくださぁい…。」

 

 「……いや、だから、なんですか?用事は?」

 

 スレッタの突撃に疲れを覚えたジョージではあったが、話を聞かなければ答えや助言を返すこともできない。仕方なく話を聞くことにしたのだが、スレッタは同じことを繰り返して話は全然進まない。

 

 「どうすればいいかわからないんですぅ。」

 

 「はい。お茶。」

 

 これだけ助けを求めると言うなら、重要な事なのかと思い、ジョージはスレッタが話しやすい様にお茶と菓子も出したが、ヤッパリ出る言葉は変わらない。

 

 「ウチはモビルスーツの会社であって、相談所じゃないんだけどなぁ。」

 

 「ご、ごめんなさい。でも……。ち、地球寮の皆さんにも聞いたら、ジョージさんが非常時に頼れるって。」

 

 「なるほど。非常時って言うならシッカリと話を聞こう。」

 

 非常時。という言葉に反応して仕事の端末をしまうと、スレッタと向き合った。

 エラン、ミオリネ、グエルと『微笑ましく(くだらなくて)学生らしい(バカバカしい)相談』が続いていたなかで、その中心であったスレッタから相談に来たので、くだらない内容かと思っていたジョージ。

 真剣な表情でスレッタを見ていると、小さく丸くなってたスレッタが口を開いた。

 

 「じ、じつは、少し前に、デートに誘われまして…。どういう事や、どういう格好で行けばいいか分からなくて。」

 

 「……は?」

 

 間抜けなジョージの声が出たが、スレッタは続ける。

 

 「は、はじめは断ろうかと…思ってたんですけど、友達も出来るって。そう考えると嬉しくなって。それに地球寮の皆さんも勧めてくれて…ね。で、で、でも、何をしていいか分から、分からなくて。」

 

 「……。」

 

 ピクピクと眉が動くジョージ。スレッタは気がついていない。

 

 「はじめはお母さんに相談、しようと思ったんですけど…。こういうのは母親は敏感になるから黙ってたほうが…って。だ、だから、ジョージさん。た、助けてください。」

 

 「ここは、モビルスーツの会社でだよな?」

 

 「は?はい。そ、そうです。」

 

 「俺は男だよな?」

 

 「ち、違うんです?!」

 

 「何時からウチは、探偵や相談室になったんだ?」

 

 「へ?」

 

 「デートの計画や服装なんて、モビルスーツ関係者の男に尋ねるのは、聞く相手は違うんじゃないか?」

 

 「……あ。」

 

 この時点でようやくスレッタは、ピクピクと引きつった顔をしたジョージに気がついた。

 

 「そんなん母親に頼れぇ!!」

 

 「ごごごご、ごめんなさぁい!!」

 

 爆発したジョージはスレッタを自分の会社から叩き出した。

 

 

 

 

 

 




 ドロドロ、グダグダから、明るめな雰囲気を含めた新章になる。ドロドロ、グタ……(略&繰り返し) 
 こういうのは思い込みが大切と、助言をいただきました。ありがとうございます。
 よく横から口を出していたネタ元も鎮圧してもらった。あとは自分の感性と能力次第。余裕があるうちに進めていかねば…。
 

アスティカシア学園の場所は…

  • 地球付近
  • 火星付近
  • 月の裏側の先
  • 金星付近
  • 地球と火星の中間
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