(寝覚めが最悪だ。なんだったんだよ。アレ。)
ジョージは久々に流れてきた『知識と経験』に酔ったのか。体調はとても悪かった。特に今回は何度か経験した『死』より辛いかもしれない。
(ジャック・オー・ランタンの被り物して、黒タイツで踊るなんて、シャトルをジャックしてまでやることか?)
やたらノリの良い曲が流れつつ、踊り続けるカボチャ野郎が延々と増え続ける。意味がわからないモノであり、何かにしろ得るものがあった今までのモノとは違って、ダメージを負うだけ。
そんなものを、現実的な時間で言えば一晩ではあるが、体感的には、感覚が解らなくなるまで見ていたジョージは目覚めてから頭痛と吐き気が収まらない。
「でも、今日だからな。スレッタのデート。」
依頼は依頼。やることはやらねば。気を持ち直し、真っ青な顔をして、ジョージはシャワーと着替えを終えて、会社を出た。
(少しばかり体調が戻ればいいんだが……厳しいか。)
歩いていれば少しはマシになるかと思っていた体調もマシになることはなく、青い顔と据わった目のまま目的地に、到着することになった。
『目的地に到着。これより情報を収集する。』
スレッタも、エランもいなかったが、
……なんだかんだ言いながらも、頼まれ引き受けた事はやる面も、やりたい放題やって、過激な行動をしつつも、好かれ頼られる面なのかもしれない。
「……全然来ない。」
壁に潜みながら、ターゲットである二人を待つジョージではあるが、そのターゲットが来ない。連絡され、自分でも調べた予定時間を過ぎているが、現れる気配は全く無いのだ。
スレッタともかく、エランは遅刻するタイプではない。
『ターゲット現れず。しばらく待機する。なにかあれば連絡を。』
依頼人たちにも連絡を取ったが返信はない。それにしても頼まれ事とはいえ、ゲルマン忍法まで使って、デートの監視とは、
「出歯亀野郎のすることだな。……そういや、少し前に馬に蹴飛ばされて死んだこともあったな。」
あのモビルトレースシステムは再現できてないし、ディマリウム合金に類する素材は見つからないし、『
そんな他愛もない、仕事とは関係のない事を考えていたジョージ。予定時間を30分過ぎてもターゲットは到着しない。依頼人たちも反応しない。
「……んー?」
うーむ?と、回らない頭を捻っていたのだが、今更ながら、ウンともスンともしなかった端末が着信を示した。
「ようやく反応してくれたか……ん?」
グエルかミオリネがメッセージに気づいて連絡してきた。そう考えていた。しかし、通信相手の名前を確認したジョージは頭を掻いた。
「なんでシャディクが?」
今回の
それだけで何故か厄介事だと理解したジョージは、ただでさえ痛かった頭が更に痛くなってきた。
「厄介事だね。間違いない。」
『半分正解だね。タダの決闘。』
数日前に、腹を探り、圧倒された事を気にもせずにシャディクはジョージと会話を開始した。その内容にジョージは、またもや首をひねる。
一応、決闘委員会に在籍しているジョージではあるが、聴講生になってからは表に出て関わることはなかったのに連絡が来たことに驚いたのもあった。
「半分正解?」
『御三家同士の決闘だからね。本当は普通にボクたちが審判をやればいいんだけど、当事者たちがご指名だからね。キミを。』
至急、決闘委員会まで来てくれ。と、シャディクは伝えるだけ伝えて、通信を切る。
「こっちは連絡がつかないままか。……まったく。なんて日だ。」
ジョージは痛みが増してきた頭を抱えつつ、指定された場所に向かった。
「何が一体どうなってんだよ。……説明、頼むわ。」
指定された部屋に入ると、睨み合うエランとグエル。落ち込み俯くスレッタ。エランを睨みつけるミオリネがジョージの目に入る。
「ボクから説明しよう。それでいいかい。」
本当に疲れたような顔をしながら、頭を抱えるシャディクがこうなった事情を説明し始めた。
エランVSスレッタまでは仕事が忙しくなるまでには書き上げたいなぁ。
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