ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 原作本編の一話あたりで10000字で作品を作るというのは、思った以上に難しい…。


グエル・ジェタークは諦めきれない

 

 「……クソったれが。」

 

 ジョージが去ったカフェテリアで、グエルは忌々しげに絞り出すように一言つぶやいた。

 

 (お前も本心ではモビルスーツに乗りたいはずだ。会社や家の(しがらみ)なんて上手く境界線をひけるだろうが、お前は!)

 

 そもそも、代々『変わり者で流れ者』が生まれるヴァックストン家に、そんな面倒なモノがあるのか?とは、グエルは考えたが、一年ごとに転科させられる決まりを守っているジョージを見ると、

 

 (やつの家だけでなく、デカい力が動いてるのか?)

 

 そうと考え、思わねば納得できなかった。そしてそれだけの圧力をかけれるのは自分の実家か。他の御三家か。

 

 (それか…。)

 

 グエルが頭が上がらない父親が、逆らえないあの怪物(・・・・)が頭に浮かぶ。そして大きくため息をついて、手で顔を覆った。

 

 (親にも逆らえないオレが、何をやってるんだ…。)

 

 椅子に身体を預け、もう一度ため息を吐き、机を力の限り叩きカフェテリアを後にした。

 苛立ちは収まらずピリピリとした雰囲気は溢れ出て、道行く人は遠巻きに見るだけであり、グエルが向かう先にいる人間は道を開けた。

 

 「兄さん!」

 

 近づくのはジョージが『オマケ』と話した面々だけだった。慕われて悪気はしないが、ジョージに見透かされた様な気がして、またしても苛立つ。邪険にするわけにも行かず、今日何度目かわからないため息を吐いたグエルは平静を装いつつ返事をした。

 

 「どうした。ラウダ?そんなに慌てて。」

 

 「探してたんだよ。兄さんを。端末にも連絡しても出ないし。」

 

 肩で息をする異母弟・ラウダの話では、聞いたこともない企業から推薦を受けた雑魚がグエルに決闘を挑んできた。決闘委員会からの承認も受けたがグエルに連絡はつかず、不戦勝になってもマズイ。学園中を探す勢いで捜索してようやく見つけた。

 と、言う訳らしい。ラウダの話を聞いたグエルは、この苛立ちをぶつける相手を見つけた。と、言わんばかりに嫌な笑みを浮かべた。

 

 (ちょうどいい。この苛立ちをぶちまけてやるよ。ついでに、アイツにも見せつけてやる。)

 

 ラウダを引っ張るように、残りの取り巻きたちを引き連れて移動した。

 

 

 

 

 

 

 「ワタシ。実習中だったんですけども?」

 

 外行きの皮をかぶったジョージが、ウンザリしたような顔をしながら通信を受けた。通話相手を確認したときに無視すればよかったが、これでも一応はヴァックストン社の決済権を持つ身。もしも、業務だったら被害が出てしまえば目も当てられない。

 

 「決闘委員会の委員に名を連ねているんですから、職務怠慢は困りますよ。それにジョージさんが居る実習現場の近くですから現場で審査してくれれば助かるんですよ。」

 

 「わかった。職務怠慢と言われるのは嫌だしな。それで?誰と誰だ?」

 

 「助かります。カードはモブ・デバンホシーと、グエル…「見る必要ないだろう。そのカード。どうあがいてもデバンホシー工業の資金力と技術力じゃ、グエル腕前もあるが、改造や改良技術以前にハンマーフィート社じゃ、ジェターク社のモビルスーツに勝てないよ。」

 

 通話相手のシャディク・ゼネリは、「そうですよね。」と、ジョージと同じ反応だった。

 

 「ですが、決闘は承認され、見届け人が居れば誰でも、何処でも行うのが決まりですので。」

 

 シャディクとしても、決まりだから仕方ない。そう顔に書いてあった。デバンホシー社からすれば失礼極まりないし、戦いでは何があるかわからない…のだが、

 

 「もう一度言っとくけどカペル・クゥじゃ、グエルのカスタムディランザにダメージを与える事ができんよ。でも、見に行くよ。決まりなんだし。現場は見てくるから高みの見物はよろし く頼みますね。」

 

 ジョージは現場に向かうと告げ、通話を切った。

 

 

 

 

 「先輩って、相変わらず自由人〜。御三家の皆様もヴァックストン家には変なことできませんよねぇ。数ヶ月前に目の周りに青タンメイクでキメてましたし。」

 

 決闘委員会が集まった決闘審査室とも言える部屋で、経営戦略科2年生のセセリア・ドートが通話が切られ憮然としていたシャディクを嘲る様な、からかう様な態度を示す。

 

 「オレも、エランも、グエルもジョージに数度殴られてるからな。それに殴られたあとは男振りも上がった。と、女性に言い寄られる事も多くなったよ。」

 

 シャディクも殴られた事実を認めつつ、軽くセセリアの言葉を返した。軽く返されたことに不満を覚えたのか。セセリアは、横にいた後輩のロウジをいじって、話から逃げようとする。

 

 「ヴァックストン家は不気味な家で、ヴァックストン社も不気味なのさ。あれだけの自由人や流れ者が多いのに、常にベネリットグループで4位に残っている。先々代はモビルスーツ。先代は食品。当代は市場開拓。これだけやりたい放題してるのにね。どんなときでもその位置から動かない。」

 

 そんなセセリアを責めるわけでもなく、話を続けるシャディク。心底、不思議に思っている様で端正な顔立ちを、正の感情でも、負の感情でもない。捉えようのない感情で歪めていた。

 

 「ペイル社としては、彼とは関わりたくないという方向性で一致してる。」

 

 一言も喋らなかったエラン・ケレスがつぶやいた。セセリアが喋ったことに驚き、話を続けようと突いたが、その後は一言も話すことはなかった。

 

 「よ、よく、御三家の御曹司たちを殴って無事ですね。」

 

 「殴られた僕たちに非があったしね。殴られたことによって相手側も納得したからかなぁ。」

 

 それだけじゃないとは思うけど。と、シャディクは言葉を飲み込み、ココまでの言葉で、ロウジの疑問の答えとした。

 

 

 




 ※ヴァックストン社の説明は4話に移動しました。
 

ジョージはGUND-ARMやパーメットについては…

  • 禁止だ!禁止!(グループの一員寄り)
  • 使えるもんはつかうだろ?(魔女たち寄り)
  • そんなことより歴代ガンダムを作ってるぜ!
  • その程度?(歴代ガンダムの知識と経験)
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