『ギャラリーを飽きさせるのも悪いから、早々に退場願うよ。』
『調子に乗るなよ。エラン!』
ジョージたちが見据える決闘では、再び動きが起こり始めた。上昇するファラクトに対してビームキャノンを連射するが、主を守るようにダチュラユニットが盾になるように立ちふさがる。開いた上半身は閉じ、連結部が格納されたに多脚の下半身部分が動きはじめた。
「ウゥ……アレダメ。ワタシ。」
機械的外見ながらも、おぞましさを更に感じる動きにセセリアは顔を歪めて、表情と鳥肌を隠すためにロウジを引き寄せた。シャディクガールズたちもサビーナを除いてシャディクに身を寄せた。
「うーん…」
身を寄せられたシャディクも、少し離れたサビーナもあまり良い顔ではない。
「ジョージが持ってきたモビルアーマーとやらと比べると、同じ巨大兵器でも気持ちが悪く感じるね。」
多少の苦笑いを浮かべつつ、シャディクがジョージに声をかけるがジョージは腕を組んでモニターを睨みつけるようにしたままで身じろぎもしない。その様子にシャディクは苦笑いを消して、同じ様にモニターの先で行われている戦いに目を向けた。
『壁に手こずってる暇はないよ。』
ファラクトは、ビームアルケビュースによる射撃を開始。グエルも距離を取らせないために妨害を行うがダチュラユニットが徹底的に邪魔をしていたためにエランは順調に予定地点に到着してしまった。
『今の僕らには
射撃を続けるファラクトが、ディランザを釘付けにすると、盾の役割であったダチュラユニットが小型ビーム砲でグエルを牽制しつつ飛翔。背面装甲を展開し、コンテナを射出した。
『止めないと危ないかもよ。』
『ええい。邪魔だ!』
グエルも射出されたコンテナに危うさを感じたのか撃墜するため行動を行おうするが、ダチュラユニットの妨害によってコンテナは空中で展開。『棒状の装置』がファラクト本体を中心に円状で一定間隔バラまかれた。
何らかの効果があるのか?と、警戒するグエルであったが、そういった動きはみられない。
『何も…ない?』
『そう見えたなら助かるよ。』
十分に距離を取ったグエルが首をひねりつつもビームキャノンを放ち、対するエランも皮肉げに言葉を返しつつ、再びビームアルケビュースによる射撃を開始した。
『芸のない!』
『どうかな。』
身を隠し、ビームを回避したグエル。……いや、回避したつもりだった。放たれた棒状の物体の影響によって、大きく軌道を変化させたビームはディランザの左肩に命中した。
『なんだと!?』
回避したはずのビーム兵器が命中したことに驚きつつも追撃を受けないように動きを変えるグエル。ディスプレイにはディランザの左肩が著しく機能が低下したことが報告されていたことに彼は舌打ちをした。
「軽量高速を誇るペイル社らしからぬ異色の技術のオンパレード。………とでも言えばいいかな?」
シャディクの言葉に耳を貸す人間もほとんどおらず、モニターを見る決闘委員会の面々は、嗜好その他の感情に関わらず決闘から目を離せない。……ロウジの後ろに隠れているセセリアは別だが。
(あの水星からの転入生が来てから物事が大きく変わった気がする。決闘にしろ、他のことにしろ。)
良くも悪くも変わっていく状況を考え、シャディクは少し生まれた苛立ちを隠すように髪を整えた。
エランが自ら決闘を行い、グエルが翻弄され、ミオリネが表立ってデリングに反発する。こんな状況は誰が予想できたであろうか?
シャディクは横で腕を組み、苦々しくしているジョージを見る。
(この男でも、少しずつ変わっている。)
グエルより傲岸不遜、エランより裏が見えない、自分より多才で、ミオリネよりも頭脳明晰なこの男も、スレッタが来たことによって変わり始めた。
ときより見える。いや、今までも隠れ見えていた『本性』とも『素』とも言えるモノが、化けの皮が剥がれるようにハッキリ見える事が増えた。
(それすらも偽物に見えるのが、厄介だよ。それに、何より何をしたいんだろうか?君は?)
ヴァックストン家の跡取り放蕩息子を見つつ、思考に雑念が入ってきたシャディクはモニターに目を戻した。
難しく考えいるシャディクではあるが、
『この世界で、初めてのガンダムを見て、危機感と焦燥感、高揚感で変になって、素が出てる。』
と、言うジョージ自身もあまり認識できてない状態を、シャディクたちが知る由もない。
ジョージの一言シリーズも暫しお待ちを。復旧中です。
やられ量産機と言えば…?
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