『コチラから話すことはなにもない。』
『申し訳ございまさん。今回に関して、グラスレーとして。いえ、シャディクとしても話せることは何もないとしか。』
『話すことはなにもない!あんな欠陥品を使わせおって!あの小僧は我が社。いや、我が家の疫病神だ!そう伝えろ!』
「……以上が各社からの返答になります。いやぁ、取り付く暇もないっすね。若。グラスレーの若社長も御学友なのに、通信にすら代理人でしたわ。嫌われてるっすね!」
ジョージからの連絡にうんともすんとも反応しない面々に、代理として連絡した部下がニヤニヤとしながら伝えてくる。しかし、そんな様子でもジョージは気分を害した様子はほとんどない。
ポリポリと頭を掻いたジョージは、数枚にまとめたメモを確認した。各社の反応はちょっと取り付く島も無さすぎた以外は予想通りといえたからだろう。
「それで若はどの程度分かったので?時間稼ぎと目眩ましはしときましたぜ。」
「六時間じゃ、ある程度かな。」
部下がしつこく連絡をしてくれたおかげで、ジョージからの視線がずれたようで
「とりあえずウチの技術を使ってるのは分かった。あー…。もー…。」
「こんな技術あったんすか?ペイルのデカブツは似たようなもんは見たことはありますよ。若の倉庫で設計図だけですが。やっぱマズかったすか?」
「別に。」
別にあの程度のツギハギ機体。ジョージの記憶と経験の中にあるモビルアーマーと比べたら大したことはない。ジョージが問題と考えてるのは、中身だ。
(データは消してるようだけど、あのエランの変わりよう。ありゃ、ただ事じゃない。……確実に変なインターフェースかシステム。)
流石にサイコミュはガッチガチに防護で固めてるのでないとは思うし、ペイル社がなら作りかねない感じはする。……が、アレはウチの技術を使ってると確信できる。なぜなら、そんな肉体じゃなくて精神にキくシステムは、アドステラでも、ジョージ以外は手を出してないからだ。胸を張って言えることではないが、間違いない。
GUNDでも、ヤイヤイ言うこのアド・ステラ。そんなヤベーシステム積んでたら結果は言わずもがな。
ルール内で好き勝手やってるのはそういう自重もしているからであるのだろう。広まっても困るが。
(どこから流れたか。……は、あとにして。そうなるとジェタークもペイルもチョイとウチの技術込みでやり合ってたのか。)
御三家から更に一歩置かれたことに少しばかりムッとしていたジョージであるが、ジョージの技術を使ってテッペン取りに行ってると考えると少し吹き出しそうになる。
回収された『
「いや、そうじゃない。」
思考があっち行ったり、こっち行ったりしていたのをジョージは自分の頭を小突き、中身の余計なものをふっとばした。
水星関係者を助けたり、ミオリネのワガママに付き合ったり、決闘に巻き込んだり、巻き込まれたりしてたせいだろうか。どうにも頭の中身がまとまらなかったが、まずやることを決めなければ。
「敵対するかはともかく。御三家からは更に距離を置かれたな。」
「ジェタークの旦那は明らかに敵視してるっすよ?」
「本音を言えばブチのめしたいわー。あのオヤジ。ラウダはともかく、グエルに対しては足しか引っ張らんしな。」
「直接殴ると大騒ぎになるっすからね?」
「分かっとるわ。だから、殴りに言ってないだろうが。」
パシン!と、ジョージの拳が音を立てて空を切る。一級品のガンダムファイターの能力を持つ彼の拳ならザクロやスイカのように弾ける威力がある。それを把握してない部下からしても、人が当たればタダでは済まないとは理解できるので、少し青ざめた。
「それで若。どうします?いや、何をします?」
「グエルか。御三家か。ウチの技術漏洩か。シン・セーとの関係か。学園の現状か。」
「いや、意外と選択肢が多いですね。こうバシーン!と、決めれないっすか?」
「そうはいうがなぁ。」
らしくないっすよ?と、部下が一言いれる。たしかにらしくないんだが、どれを選んでも角が立つ。しかも、御三家全部と関わって事を構える可能性が高い。騒ぎになれば祖父や父は喜んで参加するだろうが……。
珍しくジョージは迷っていた。何度目かになるが、どうにも頭の回りがスッキリしないのだ。
「どれを選んでも、何かしらの争いのゴングが鳴るな。ハンマーを俺が振るか。振られるか。」
あーもー。と、我ながら複雑な感情でありながらも、結論が出ないことに悶々としてしまっているジョージはデスクを蹴り上げてしまった。
「……こりゃ重症っすね。」
力任せにひん曲がったデスクが天井に当たり、床に叩きつけられた事を見て部下は頭を掻いた。
ゴングを鳴らす取っ掛かりが、自分でもスッキリしない。
騒ぎのきっかけは?5/10まで募集
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ジェタークに介入(グエル)
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御三家と事を構える(ミオリネ)
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シン・セーとの関係(スレッタ)
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何言ってんの?全部よ。