ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 OS破損したのか。SSDが吹っ飛んだのか。うんともすんとも言わねぇ。


どうしてそう(こう)なった!?

 

 「どうしてこうなったんだろうか?」

 

 宇宙にフヨフヨと浮かんでいるジョージがつぶやく。周囲には粉々になった宇宙船の残骸も漂っていおり、ジョージの生死確認のためか。他の目的かは知らないが見覚えのあるモビルスーツが何を探すように飛び回っている。

 ……見覚えがあるというか。どっからどう見ても、ジェターク社製の主力製品のディランザです。しかも、学園仕様でなく実戦仕様のタイプ。

 

 「やりすぎたか、なぁ。」

 

 直接、掻けはしないが頭を掻くようにジョージは、宇宙服の上から手を動かす。直接的に命を殺りにくるとは思わなかった。いや、実家やグループ内のゴタゴタを考えれば、この様な状況がないとは言い切れる訳でもなかった。むしろジョージは直接的には関わってないとはいえども、祖父・エイジが色々とやっているのに、ノコノコとシャトルなんぞに乗り込んだのは油断が過ぎるというものだろう。

 

 (まさかのまさか。……でも、無いかな。会社規模から見たら喧嘩売ったのはこっちだしなぁ。)

 

 しかも、少なからずジェターク家。いや、ジェターク社関係者には襲撃されかねない事をしておいて護衛もなく、だ。狙ってくださいと言わんばかりだろう。ジョージ本人としては、まさかベネリットグループの専用航路で襲うほど馬鹿ではないと考えていたのだか、しつこいようだが祖父も殺っているし、油断が過ぎるというものだ。

 最悪、宇宙漂流しかねない状況ではあるが、そんな事を考えていたジョージの周りではディランザが探索を継続している。しかし、いまだに見つけることができないようで、見当違いの場所を探している。

 

 (これで、グエルには悪いが、事を構える状況になったな。)

 

 プカプカと宇宙を流されつつ、ジョージは浮かんでいる瓦礫を掴んで分隊から離れているディランザ1機に投げつけるのだった。

 

 

 

 

 「ジェターク寮の後見人。……と、言うか、万が一の際の対応をする事を引き受けます。ですが、コチラも1つ聞いてほしいお願いがあります。」

 

 時はさかのぼり、宇宙漂流状態から二日前。自社の一室にてジョージはグエルに提案を受けたが、ある交換条件を出すことにした。しかし、ニッコリとしながら丁寧に話すジョージにグエル

 

 「ならいい。お前は頼りになるが、そうやって話すときにロクなことがない。」

 

 話を切り上げ、席から立ち上がり、部屋を出ようとする。グエルとしては『ろくなことが有ったことがほとんどない。』と言えるジョージのこの態度に対する態度としては、相手にしないことが正解と少なからず理解していた。

 

 「まぁ、待ってくれ。」

 

 普段なら引き止める事のないジョージがグエルに声をかけた。いや、今までも止めるときもあったが、何かしらの『含み』をもたせた一言を加えて無理矢理にでも止める事が大半で、ただの言葉だけで引き止めることはなかった。 

 しかしながら、グエルは気になってしまい、ここで足を止めてしまい、話を聞き始めたことが良くも、いや、グループ内部の秩序としては大変に悪い方向に向かうことになる。

 

 「………聞くだけ聞いてやる。」

 

 椅子に座り直したグエル。不貞腐れたような、偉ぶるような態度ではあるが、グエルとしては悪い悪い顔をしているジョージは自身が逆らえず、立ち向かうことも出来ない父・ヴィムからの圧力からジェターク寮の面々(仲間たち)を守れる数少ない頼れる人間である。

 

 「話は最後まで聞いてもタダだよ。それか昨日の飯代ぐらいで。」

 

 「だから、聞いてやるだけ聞いてやるよ!」

 

 しかし、それでも、ハイ、ソウデスネ。スバラシイ。と、そんな風に聞けるほど気心のしれた仲でも性格でもないグエルはツンツンした態度を変えることはなかった。

 

 「会社をやらない?もちろん、資金も施設も用意するよ。あ、経営に関しては口は出さないよ。」

 

 「は?」

 

 「まぁ、まぁ、話は最後まで、な。」

 

 ニカー。と、花が咲くような顔を浮かべて、予想外の提案にアホ面になっていたグエルにお構いなく話を続けた。しかし、ジョージの目だけを見れば、何か波動が出ている様に見えるだろう。……いや、絶対に体や脳に対して悪い悪い影響が出る電波が出ているに違いない。

 

 「一足遅い反抗期と、一足早い会社経営ってことで。」

 

 「ま、まてまて。」

 

 「ままままま。話は最後まで。」

 

 脳の働きが戻りかけ、アホ面から戻ろう静止したグエルに言葉を畳み掛けるように続けた。

 呆けて、相手が話に追いつけないトコロに押して押して押し抜く。それで了承させてしまえば勝ちだ。やってることが詐欺師や押し売りの手口だって?

 

 

 『結果的に得してりゃ、勝ちじゃい。』『それでも勝ちは勝ちだよ。』

 

 

 偉大なる先輩たち(祖父や父)の教えを持って、今回はコスプレも、悪ふざけもない押し売りで、グエルを巻き込み、あのワンマン親父たちをギャフンと言わせるつもりで押し続ける事にしたジョージ。まぁ、少しばかり道化染みているのはしかたないだろう。

 

 「ヴァックストン本社は関係なく、俺の手に乗ってくれ。グエル。」

 

 「おいおいおいおいおい。だから、待…」

 

 「いや、俺を利用するつもりで、な!このまま、親の言いなりで人生従い続けて、これからどうする?立派な男になるためには自立心。つまり、謀反気や負けん気がいるだろ!なぁ!」

 

 相変わらずの毒電波を垂れ流しつつ、身振り手振りで熱の籠もった話を続けるジョージに、少しずつグエルも乗り気になってくる。

 グエルの家族愛や父に対する忠誠・従属心が理性を持って、ジョージの言葉に反論しようとするのだが、そんな瞬間すら与えるはずはないジョージは言葉を続ける。そのことによって、乗り気になってきたグエルの目が回り始めているようにも見える。

 

 「さぁ!グエル!俺と一緒に、ベネリットグループに誇れる。いや、次世代の長になる様な男になるんだ!負け続けの現状をひっくり返すのだ!」

 

 「う……う〜……ん?そ、そうかもぉ。」

 

 乗せられきったグエルは、グルグルと回り始めた目をしながらジョージの掲げる手に続くように手を振り上げた。

 はい。どう見ても弱って、感情的になってきている少年を洗脳している詐欺師や、大衆を洗脳する独裁者の姿です。本当に悪党にしか見えません。

 この瞬間、ベネリットグループに新たな企業が生まれることになった。

 

 

 

 「どうしてこうなった!?」

 

 洗脳。いや、説得の翌日(ジョージの宇宙漂流状態開始前日)に目覚めたグエルは頭を抱えて叫び、

 

 「どうしてそうになった!?」

 

 同時刻には、目覚めたヴィムがジョージの根回しによって、企業話が耳に入ったことによって、頭を抱えて叫ぶのだった。

 

 

 ジェターク分裂。コレにより、ベネリットグループは下から上への大騒ぎとなった。グエルの敗戦。新ホルダーの誕生。ジョージの半独立。ペイル社の新兵器。御三家たちの共闘。そして、グエルの独立。

 こんな大騒ぎが重なり、ベネリットグループ内部は揺れるだけではなく、ある変化が起きることになってくるのだが、ソレは近いうちではあるが、後々。




 次回は、日曜までには投稿できるかと。マジで仕事も忙しいけど、私生活が鬱陶しい状況です。

分かりやすい技術の変革と言えば?

  • 見た目で分かる可変機
  • 大火力。ジェネレータ直結武器
  • そりゃムーバブル・フレーム
  • 基本の基本。ミノフスキー粒子
  • 悪魔の兵器・ガンダムよ。(ボッシュ風
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