「ジョージが襲撃された?」
「まだ調査の途中ではあるが、な。事故の可能性はまず無いとな。」
『新会社の設立』に対する説明会。いや、規模は大きくなっただけの口喧嘩の場とも取れる会が開催される予定であったベネリットグループ本部。その中の一室で、シャディクとサリウスが声を潜めて会話をしていた。
本来なら各企業代表の面々と顔を合わせて、説明会を行っている時間ではあるが、時間になってもジョージが到着せず、連絡も取れないために参加者たちは現在、各部屋に留められることになっていた。…とは言っても、軟禁されているわけでもないので、動ける面々はすでに動いている。
「あの小僧も見つかってない。殺しても蘇りそうな生意気な小僧であったが、呆気なくか。」
「死体が見つかってないのでしたら何とも言えないでしょう。」
複雑な表情でジョージの死を確信していたサリウスであったが、シャディクは一言。なにせ『あのジョージ』だ。サリウスの言うように、殺しても蘇りそうなヤツだ。死体が見つかるまでは、
「どーも!」
などと、ヒョッコリと何もなかったと言わんばかりに現れかねない。事が事なので、この一件の調査は総裁直属の面々が調べているので下手に嗅ぎ回れない。
(襲撃が本当だとしても、グラスレーは関与していない。何もしてない腹を探られても……)
入ってくる情報の少なさにヤキモキしているグラスレー社の養父子ではあったが、何かして疑われて、周囲の有象無象や動きの見えないヴァックストン本社に突かれるのも面倒だ。
「ジェタークか。ペイルか。それとも……。いや……。」
サリウスが言葉を飲んだ。別にドコが犯人でも構いやしない。
ジェターク・ペイルの決闘での一件で他の御三家と『繋がり』を持つことになったグラスレーではあるが、それで仲良し小好しのお友達になったのではない。
(利益にならないのなら切るまで。)
『繋がり』を持ったのも、『利益』のため。別にヴィム・ジェタークが声高らかに話す今までの『秩序』とやらには興味はない。そもそもヴァックストン家をどうこう言う面々も、『悪い事』をしているのだから。
「ともかく、備えて待つしかありませんね。」
シャディクの言葉に頷くサリウス。往年の辣腕やシャディクのような若い活力は失っていても年齢相応に潜ってきた場数が違う。サリウスは次に備えるための行動に取り掛かった。その取り掛かった準備はギリギリではあるが間に合うことになる。
『て、敵襲です!海賊によって船団が…』
ジョージが生死不明。もとい、宇宙漂流開始から半日ちょっと。グラスレーの準備開始から8時間後に届く非常連絡にグラスレーは対応することが出来たのだった。
『海賊です!我が社の物資を!!』
一方で、ジョージが来ないことで怒りや疑問のぶつけ所を失っていたヴィムは、グラスレーと同種の。しかし、別件の報告を聞いていた。
(逃げたか?それとも本当に死んだか?)
と、苛立ちつつも、死んでいたのなら少しは気が晴れるなどと考えていたヴィムはその報告を聞いて大爆発。観葉植物を破壊し、デスクを蹴り飛ばした。
ギリギリで間に合い、対処することが出来たグラスレーとは違い、来るか来ないかわからない目の前のジョージという敵に執着していたヴィムをはじめとしたジェターク社は海賊からの襲撃に対応できなかった。
目にいれることもない何時もの海賊程度であるなら、対応できただろうが…
『確認しただけで戦闘母艦2隻。製造元不明のモビルスーツ10機以上が…』
「なんだと!」
海賊とは思えない規模の襲撃に対処できるほどのモノはなかった。対処できたグラスレーとは違い、ジェターク社の輸送船団は壊滅。物資は破壊。または強奪されることになってしまった。
御三家で新しい輸送部門を作ると決めたときから、今までの輸送担当から距離をとったことも被害が増えた一因。まぁ、細かい事は別として、ジェターク社は更に苦境に陥ることになる。
「他所は騒がしいわね。」
御三家最後のペイル社。その共同CEOの一人であるニューゲンは珍しく単独で報告書を確認していた。他の御三家と違って、騒がしい報告はない。しかしながら、デスクに並べられた報告書の中身は何処よりも『黒い』内容だった。
そんな内容を眉1つ動かさず読み終えたニューゲンは、少し冷えた紅茶を飲み終えると、
「四号の花道を作るべきかしら?処分でなければ、彼女も異論はないでしょう。データも必要になるでしょうし。」
つぶやき、席から立ち上がり部屋を出ていった。
「この一件。仕込みではなかろうな?」
『『ない。それはない。』』
鉄面皮のままデリングは総裁室でエイジとフランクに連絡を取っていた。やりかねない面々であるジョージの身内は首を横に振って、疑惑を否定する。否定する証拠もないが、一人しか居ない跡継ぎを切り捨てるような行動をしたのを立証するものもない。
『そもそもやるなら、疑惑を作るわけなかろうに。』
『あー…。たしかに。』
エイジが、もっと上手くやると言ったのを、フランクは納得したように頷く。その様子を見て、デリングも頷く。この爺なら、疑惑も作らせないはずだ。その辺の悪辣さには世話になっているから、よく理解している。
『うちの孫は簡単に死ぬタマでない。放っておけばヒョッコリ戻るじゃろうて。とりあえず、ウチも調査するわ。』
『あー…。たしかに。ドロン!って出てきそう。…でもホントに何もしてないですよね?父さん?』
『流石にないわ。』
『ですよねー。』
跡継ぎであり、唯一の孫、息子が行方不明であるのにブレもしない態度に対してもデリングは身じろぎもせずに『調査許可』を認めて二人との通信を切った。
「荒れるな。」
と、デリングはこの先を見据えて一言だけこぼした。
ボブさんの初陣戦果(6/4 昼12時まで)
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5機(さすがの元・王者)
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8機(吹っ切れ初めた天才)
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10機(ヤダ。敵弱すぎ?)
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12機(待って?学園大丈夫?)
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15機(ガンダム+エース+才能!)
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18機(愚連隊多い!次世代不味い!?)
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20機(ヤダ。キモイ…)