ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 グエル。いや、ボブさんらしさが難しい。


ジョージの居ないアスティカシア

 

 ジョージが宇宙漂流。いや、公的には『事故による行方不明』になってから丸二日が経過した。

 未だにジョージからの連絡はなく、見つかることもなかった。また、調査や業務のために御三家のシャディク、ラウダはグループ本部から学園に戻れず、エランも病欠。グエルも所在不明。良くも悪くも重しになっていた決闘委員会。そして実力行使をする面々が不在になっていることにより、アスティカシア学園は『鬼の居ぬ間に洗濯』と言わんばかりの状態になっていた。

 地位向上・下剋上。そして利益のため。決闘、決闘、決闘の連続になっていた。しかも、ルール場は問題はないのだが、一対一の華のある決闘ではない。一対多数、多対多数の形式が何故か一気に増えたのである。

 

 「集団戦は企業力と規模が顕著に現れるからな。だから、決闘委員会としてはハンデ戦や変則戦で認めてたんだ。……よく、こんな部屋で食事ができるな。」

 

 転入生のボブ・バルダー(グエル)が訳知り顔でミオリネに理事長室というなのミオリネの汚部屋で呆れつつ説明をしていた。

 

 「転入生のクセに、よく知ってるわね。勉強家なのかしら?」

 

 「呼びつけた相手にする態度か?それは。」

 

 ハンバーガーを食べながら、嫌味を返すミオリネ。機嫌が悪いのかムスッとしたまま説明を求めたはずのボブに対応していた。もしも擬音を当てはめるとしたら『ガルルルル』と、大型のネコ科が唸っているような音だろう。

 

 「こんな状況じゃ無ければ、アンタなんかに頼らなかったわよ!」

 

 「ッチ。オレだって。……いや、なんでもない。それで?オレを呼びつけたのは世間話をするためじゃないだろう?」

 

 ミオリネの態度に、怒りを覚えたボブではあったが、すぐさま怒りを飲み込んで、話を続けるように促した。

 

 「スレッタが多対多の寮対寮の決闘を挑まれたのよ。ホルダーは挑まれた決闘は断らない。そうは言っても、スレッタは多数戦の経験は無い。」

 

 アンタが暗黙の了解にしたからね!と、ミオリネはボブを睨みつけた。

 

 「そして、地球寮には型遅れのデミ・トレーナーが一機だけ。実質2対多数になるわ。」

 

 「待て。ジョージがモビルスーツを地球寮に渡さなかったか?いや、渡したはずだ。」

 

 記憶違いかと思ったボブが端末を調べると、間違いがないことを確信して指摘した。

 

 「アップモントのバカが申請してなかったのよ!変に遠慮して!」

 

 (たしかに、地球寮は周りからの当たりが強い。数機のモビルスーツの申請しても、難しかったろうな。)

 

 地球寮の寮長の遠慮に爆発したミオリネとは逆に、ボブはなんとなく理解した。 

 

 「そこで、腕に覚えのあるオレに仕事ってわけか。」

 

 「本当に気に食わないけどね!アンタに頼むのが一番角が立たないのよ!」

 

 バンバンバンバンとデスクを叩くミオリネに呆れつつも、頼みを引き受けることにした。今までのボブなら噛みつき返していただろうが、背負うものがなくなったのか。張り合う意味もなくなったのか。ドコか余裕があった。

 

 「時期が決まったら連絡してくれ。」

 

 荒れるミオリネを放りだして、ボブは視線と目元を隠すためのサングラスをかけて部屋をあとにした。そのまま、できる限り人の目を避けて、ジョージの拠点であるヴァックストン・インダストリーのMSハンガーに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 「ウップ……」

 

 「大丈夫ですか?」

 

 ミオリネと分かれて、数時間後。ボブは青い顔をしてMSハンガー併設のシミュレーションからフラフラと出てきた。イーサンがタオルと水分をボブに渡した。

 

 「恐ろしいモビルスーツを作りやがって…」

 

 (そのモビルスーツを実質1日で対応出来る才能のほうが恐ろしいですよ。)

 

 できるだけボブに合わせて調整した『新型機』とはいえ、カリッカリに改造した機体に単時間で対応したことをイーサンは驚き、そんな馬鹿げた事ができる人間が自分の主以外にポンと出てきたことに冷や汗かいている。

 多分、ジョージがこの場に居たとしたら、なんと言えない唖然とした間抜けヅラをしていただろう。

 何せ積み重ね、体験・学習したジョージが1から作っている機体に対応しているのに、ボブは『乗っただけで対応』したのだから、『天賦の才能』としか言いようがない。

 

 『負けはしないけどねー!くそー!』

 

 と、地力の対応力に関して、珍しい負け惜しみなのか。事実なのか分かりにくい一言もオマケにつけるかもしれない。ともかく、恐ろしい才能だ。

 

 「ジョージが言ってた『Gタイプ』ってヤツを舐めてたよ。…ウプッ!」

 

 暴れる内臓と震える筋肉に負けそうになるボブであったが、負けん気を持って抑え込む。若干、足元がフラついているのは御愛嬌。

 

 「コイツなら、余計なこと横槍も、口出しもない。オレの全力をアイツラに見せてやる。」

 

 拳を握るボブは、ダリルバルデよりも2周り大きい『Gタイプ』を見上げて、獣のように口角を上げた。

 そして、このボブと『G』。いや、ジョージが見てきたガンダムタイプの相手と時期が決まったとミオリネから連絡が来たことにより、ボブは体は武者震いに震えるのだった。

 

 

 

 

 

 「……なんだよ。……それ。」

 

 (単なる初見殺しの奇襲と、マグレ続きでホルダーになった水星女を倒すだけだったのに。)

 

 決闘が開始されて数分。開けた決闘の場で数の上での有利を持っていたはずなのに、目の前に転がっているのは自チームのハイザックが2機。まさに瞬殺という速度で撃破されたソレを見て各寮のはぐれ者たちは唖然とし、予想と違いすぎる状況に思考が追いつかない。

 

 『大したことがな……ありませんね。モビルスーツの性能も使いこなせてないようですし。今なら降参も許しますが?』

 

 目先の欲と、徒党を組んだ集団の安心感に酔っていた『各寮連合軍』。いや、半端者や親の地位による勘違いをしている『愚連隊』の面々は、無駄に高いプライドと面子によって負けを認めず、転入生であるボブの言葉を振り払い、降伏を選ばないで戦闘続行を望んだ。

 

 『一斉にやるぞ!』

 

 

 

 

 

 

 

 「ホントに続けるの?勝てる未来が全く見えませ〜ん。」

 

 仮にも中立である現在の決闘委員会代表代行・セセリアも戦闘続行という愚行に呆れていた。あのボブという男は、どう考えても転入生というか。新人の動きの動きに見えない。

 

 (それにしても、ゴツゴツね。ジェタークのディランザが小さく見えるわ。)

 

 しかも、スレッタに続いて、持ち込みのモビルスーツ勢。詳細な性能は不明であるが、手元に送られたスペック表だけでもジェターク社の重モビルスーツを上回るモノだった。そんな相手に、中古の半端ハイザック。しかも、パイロットも半端者達では、どうやっても勝ち目がない。

 

 (最初の一斉射撃を防いでるってことは、ハイザック程度の攻撃じゃ貫けない装甲か装備があるのに、ソレも気づいてないのかしら?)

 

 エリートや実力を評価されて集められたアスティカシアでも、そんな事を理解できないヤツラいるのに呆れ果てる。とりあえず認めるだけ認めた決闘ではあるが、会社の繋がりや家柄を使って押し付けるような流れになったことにセセリアとしては不満タラタラであった。

 

 (グエル先輩たちって、意外と偉大だったのね。知ってたけど。)

 

 防波堤となっていた先輩方に感謝しつつも、面倒事増やして居なくなりやがって。と、ムカムカしたセセリアは、バカどもの好きにさせて痛い目にあわせることにしたのだった。

 

 

 

 




 筆が進むと「これでいいのか。」と、心配になり、筆が進まないと「なんで進まない」と、心配になる(x回目)。蹴躓いたので、意見募集ぅ!!(アンケートも。)

ボブさんの初陣戦果(6/4 昼12時まで)

  • 5機(さすがの元・王者)
  • 8機(吹っ切れ初めた天才)
  • 10機(ヤダ。敵弱すぎ?)
  • 12機(待って?学園大丈夫?)
  • 15機(ガンダム+エース+才能!)
  • 18機(愚連隊多い!次世代不味い!?)
  • 20機(ヤダ。キモイ…)
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