ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

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 とりあえず。そんな言い方は悪いですが、文字数が多くなってきたので、現在投稿出来る分と次作で3分割して投稿します。ペイル社ファンの方は噛ませのようになってすいません。もう少ししたら活躍します。
 ※2024/07/03 7万ユニークアクセスありがとうございます。


大人たち。動く。(中)

 

 「想定外。想定外が続くわね。全く。」

 

 珍しく苛立ちを表すニューゲン。少し前まで他所の騒がしさから離れ、表舞台にも出てこなかったのもあって余裕を持った態度をしていたのが嘘のようにニューゲン。いや、ペイル社がピリピリしていた。

 

 「四号の件。新型。グラスレーとの密約に、ジェタークの利用。ここまでは上手く行っていたのに。」

 

 「まさか、ヴァックストン本社が調査を開始した上に、ヴァックストンの跡取りは生存。足止めは無理でも時間稼ぎは出来るはずと雇った傭兵たちは呆気なく。」

 

 「本当に、まさか。よ。新型艦や改修されたモビルスーツがポンポンと出てくるとは…。」

 

 いつもの余裕のある。もしくは、計算高いとも取れる表情を崩して頭を抱えるペイル社CEOたち。全てが首尾良く進むと考えるほど楽観的な考えはしていなかったが、

 

      『謀ったつもりが謀られた!!』

 

 と、言えるほど御三家に対する働きかけや社内の活動などの『内側への工作』と呼べるモノは全て良い方向に向かっていたのに対し、大中小と標的を定めた『外側への工作』と呼べるモノは、大標的は土産話と武力を携えて本部に接近し、中標的は所在も掴めない。小目標は上手く行ったと思っていたら生存しており、帰還中。全て見事に失敗していた。

 

 

        『『『ゲヘヘへへへ…』』』

 

 

 なんだか、狂人3代の悪い笑い声が聞こえた気がして、顔色まで悪くなるペイル社CEOたち。補足しておくがこんな笑い方はジョージ達はしない。それにそんな工作が存在したこともジョージは把握していない。

 彼女たちには悪いが、私兵どころか軍事会社。いや、私設軍レベルの軍事力を持ち、地球を経済を回しつつ資源開発を行い、新技術をポンポコ出している奴らを『単なる同規模企業』と考えたのが間違いだろう。

 

 

 ――そもそも、宇宙要塞には見えない様に偽装と隠蔽を重ねたとはいえ、自給自足が可能な規模の生産・駐留可能な拠点がいくつもある相手に、半端な戦力で喧嘩を売っているという点は、狂人だ何だと警戒しているつもりでも、ドコかに甘く見ている面があったのは確かと言えるのかもしれない――

 

 

 「幸い我々には目は向いていない。重装・重量級の機体を生産しているのを見れば、ジェタークを矢面に立たせるのは成功している。」

 

 「それにしても、どんな金策や商売をすればあんな無茶苦茶なバラマキや新製品の開発ができるのか。」

 

 「ベネリットグループの維持と繁栄。そして、トップに立たないと言うことは本当なのでしょう。それでも、何を考えているのかわからない。あんな能力的には万能と言える人間が何で、何度も生まれるのかしら…。」

 

 自分たちの裏工作が看破されていない事だけは安心できるペイル社のトップ達ではあったのだが、ヴァックストンの面々が何を見ているか理解できない事だけを離開してしまって、再び沈黙と頭痛が場を支配するのだった。

 

 (変に噛みつき、悪いことをするからだろう?)

 

 若い1人だけが、裏工作を重ね続ける年長者を嘲笑いつつも、従順なフリをして場をやり過ごした。

 

 

 

 

 

 

 「あはははははははは!!!」

 

 バンバンとデスクを叩き、腹を抱えて笑うフランク。目には涙まで出ており、抱腹絶倒とはこの事を言うのだろう。そんな笑い方をしていたフランクは通信相手であるモニター先の姪っ子を見て、なんとか笑いを止めた。

 

 「ぶっ…。失礼。」

 

 止めたのだが、押さえきれないフランクとは逆に、不機嫌を絵に書いた様な姪であるミオリネ。何で笑われたのか理解できない事で更に機嫌を損ねたのだろう。

 

 『何かおかしい事を話しましたか?』

 

 睨みつけるように。いや、モニター越しでも射殺すような視線でフランクを見据えたミオリネであったが、その態度も何か引っかかったのか。心底面白そうに笑っていたのを変えて、微笑ましく優しい笑顔をフランクは浮かべた。

 

 「いやいや、笑ったことは悪かったよ。年相応の悩みを相談してくれた事もありがたいとは思ってるよ。」

 

 部下から差し出されたタオルで顔を拭って、居住まいを直すとニコリと柔和な笑みを浮かべた。まぁ、うん。それでも個性的で迫力がある顔(悪党面)のヴァックストン家の性質(さが)なのか。父・エイジの極悪面や、息子・ジョージの険しい顔と比べると、フランクの顔は柔らかく、口角も緩い。その分、悪く見れば詐欺師のような顔とも言えるかもしれない。

 

 「それでなんだっけ?ジョージが何でもできているように見えるとか……。だったかな?」

 

 と言っても、ミオリネも可愛い身内。話はきちんと聞いており、ニコニコしながら尋ねた返した。その言葉にミオリネは頷く。

 その姿を見て、珍しさに緩くなった表情筋が決壊しそうになるフランクであったが、なんとか耐えて質問に答えた。

 

 「そんなわけないよ。ジョージも、そして父さんもね。」

 

 まぁ、僕もダメダメだよ。と、笑うフランクにミオリネは不満を隠そうともせずに顔に出す。

 

 ――地球の経済を回し、ベネリットグループでは常に4位に位置づけ、赤字の会社に金を出して立て直し、単独で多数の施設を運用して、モビルスーツ産業以外にも多角的に手を出して利益を出している――

 

 そんなベネリットグループに何で所属しているのか理解できない複合企業。いや、財閥とも呼べる組織を操る辣腕一族がダメダメとは信じられないのだろう。

 そんな年齢相応に可愛い姪っ子を見ながら微笑むフランク。

 

 「その顔だと、ヴァックストンは常に黒字。常に最先端。常に有能。そう思ってるね。…だから、そうじゃないよ。」

 

 社外秘だから、喋らないでね?と一応の釘を差して言葉を続ける。

 

 「実はジョージか生まれてから、数年前まで赤字だったんだよ。しかも、ジョージが開発に関わってからは真っ赤っ赤。」

 

 『え?』

 

 「ご先祖様たちが蓄えてなかったら、危なかったんだよ?なにせ多数の支社や支部を改築や増築して、宇宙要塞・生産拠点(ちゅうけいしょ)を新造したからね。」

 

 『は?』

 

 「ご先祖様たちに感謝、感謝。他の支部達が支えようとしても無理だったからね。今は投資になってたけど、当時は爺バカ、親バカだったよ。」

 

 『ちょっと?!』 

 

 赤字だったのを黒字に見せてた?それは粉飾じゃないの?と、ミオリネは思いもしない言葉に不満顔からアホ面になってしまった。そんなミオリネを尻目にフランクは暴露を続けるのだった。




 次回。ヴァックストン家の欠点とベネリットグループに所属する理由が明らかに!?……なると思う。もし、文字数が多くなったら次々回になるかも。
 追伸・また公私ともに慌ただしくなってしまい、次回は26日以降になると思います。申し訳ありません

ヴァックストン社初のフラッグシップ機(ガンダム面)は?

  • 調整したガンダムMk2
  • 調整した初期GAT-Xシリーズ
  • 調整した後期GAT-Xシリーズ
  • 調整したZシリーズ
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