ジョージは自称・常識的な凡人さん。   作:強力イソジン

8 / 78
 ちょっと書き方と、区切り方を変えてみました。しばらくは3000字前後でまとめられるように、頑張ってみます。
 これで1万字超えたので、3話目が見れます。なんか、この作品の企画を立ててくれた友人たち曰く、『最序盤で一番燃えて、面白い』とのことなんで、楽しみです。

 


ジョージ・Y・ヴァックストンの朝は早く、仕事は多い。

 

 ピピピ… ピピピ…

 

 「おはよう!」

 

 ジョージの朝は早い。短い睡眠の終わりを告げるアラームがなるのと同時に、布団から起き上がり腹のそこから声を出す。二度寝など論外と言わんばかりに。

 洗面などをいつもどおりに済ませると、ヴァックストン社の経営陣でもあり、当主代行でもあり、MS部門の担当でもあるジョージは各報告の決済と、業務処理を終える。

 

 「今日は20kmぐらいかな。」

 

 一日の企業の基本業務を終えると同時に、アスティカシア高等専門学園を要するフロント73区では、夜が明ける。

 そこからは肉体練成を行うのが日課でもあり、アスティカシア学園では学園を駆け巡るジョージは日常風景にもなっていた。

 

 「おはよう!」

 

 もちろん道行く人に挨拶をするのは忘れない。挨拶は人間関係の基礎であるから。常識であり、模範であろう。

 

 「今日のブツは…」

 

 汗を流したあとは、アスティカシア学園に運ばれてくる物資と、各企業の流通情報を確認。え?ハッキング?企業人としては必要な行為です。

 

 『セキュリティ部門からボスに報告書を…』

 

 「わかった。うーん……。イメージ通りとはいかなかったか。バッテリー稼働のモビルスーツは戦闘時間が怖いな。」

 

 部下から選りすぐった新設の私兵…ゴホン。保安部隊に任せた新型MSのテスト内容を受け取る。

 う、宇宙海賊や他の企業妨害からの防衛処置です。

 

 『ジュターク社からの苦情が…』

 

 「後々対処する。これから、その苦情先が原因の謝罪に行く。ほっとけ。」

 

 そこは真摯に対応しないのか?自称・常識人。

 地の文にもツッコミを受けたジョージはモビルスーツを載せたトラックを引き連れて地球寮に向かった。

 

  

 

 

 

 「今回の決闘。管理不足で申し訳なかった。危険を感じたらすぐに中止するべきだった。」

 

 深々と頭を下げるジョージ。相手は地球寮の面々。謝るジョージより、謝られた地球寮の寮長・マルタンの方がアタフタしている。事前に連絡は受けていたが、布で隠されたデカいナニカが地球寮の前にあり、不気味な存在感を放つ。その為に何時もよりアタフタ度が高い気がする。

 ジョージがココに来たのは、決闘委員会のケツを拭くため。いや、謝罪のだった。

 本来なら監視役のシャディクなり、エランなりが来るはずだったのだが、ベネリットグループのお偉方や、その関係者は『アーシアンのくせに…』と、地球出身者に頭を下げるは論外と考え、謝罪するのも嫌がるヤツがいたり、論外レベルのヤツでは罪悪感も覚えない。そんな面々をぶっ飛ばしたり、〆ていたら、地球寮に関わることは、いつの間にかジョージの役割になっていた。

 シャディクたちも内心の詳細までは分からないが、彼らの後ろ盾はとても強く、『嫌悪感・忌避感』をジョージは感じられた。

 

 「医療区画の自由使用と、医療にかかった費用、時間と成績に関しては保証させてもらう。それでも足りなければ、ヴァックストン社のモビルスーツも用意しよう。」

 

 と、数枚の書類と、地球寮前に止められたトラックを差し出した。

 

 「ジョ、ジョージさん。頭をあげてください。そこまでされると、逆に疑いを持ちますから。いえ、ボ、ボクは疑ってるんけじゃないので。」

 

 ペコペコするジョージに、マルタンが戸惑いながらも頭を上げるように頼む。アーシアンの生まれである自分たちに頭を下げてくれることに戸惑っているのもあるのだが、

 

 『ほう?生まれで好き勝手していいなら、君たちにも同じ態度をしようか?』

 

 と、マルタンたちからすれば、昔助けられ……たのか、それとも、気に食わなかったからなのか。自分たちを馬鹿にしてたスペーシアンを公私ともに叩き潰した記憶があるので、素直に受け取るべきか。それとも、別のスペーシアンとの問題を起こさないように辞退するか。

 

 (生まれで見下したり、差別はしないけど、御三家だろうが、自分の筋が通らないと殴るから。どうしよう。アーシアンでも、スペーシアンでも、評価がかなり分かれるからなぁ。どうしよう…。)

 

 

 どうすれば良いのか?と、迷っていたのが戸惑いの最大の理由だった。なにせ、評価がかなり分かれる人間が相手だ。

 地球寮にも、反スペーシアンと言えばいいのか。アーシアン舐めんな!という考えを持つ面々も少なからず存在しており、

 

 『ヴァックストン社製のモビルスーツゥ?そんなの信用できるの?』

 

 『テスト目的とか?』

 

 『でも、コレでチュチュ以外も決闘できるし、スペーシアンに一泡吹かせること出来るね!』

 

 『デミから乗り換えようか。』

 

 もらったらマズい気もするけど、貰わなくてもマズイ。悩みに、悩んだでも答えが出なかったマルタンだったが、ジョージを放っていくわけにもいかずに、

 

 「モ、モビルスーツや、その他保証は必要になったら受け取ります。今回は医療の保証だけでお願いします。」

 

 中途半端な保証にはなったが、マルタンたち地球寮としても、地球寮に因縁をつけるスペーシアンたちも大きく角が立たないギリギリの妥協案で解決するのだった。

 

 

 

 

 

 

 「何やってのよ。アンタは。」

 

 「正直、すまんかった。」

 

 地球寮での謝罪を終え、本日の学業ノルマも終えたジョージは昼食を終え、軍手を装着した野良仕事をする格好で学園の一角にある温室にいた。

 そこで儚げに見える外見とは、真逆の刺々しい雰囲気をまとった後輩兼上司の娘であるミオリネ・レンブランに、深々と頭を下げていた。

 頭を下げるジョージと、温室の主・ミオリネの近くには、グエルの取り巻きたちがヘタリ込み、見たことがない小柄な赤髪の女性が、腰砕けで真っ青になっていた。

 

 「いや、昨日グエルをぶっ飛ばしたから、八つ当たりにでも来たのかと。」

 

 早とちりして、一喝したジョージはグエルの取り巻き女性二人に謝ったが、取り巻きこと、ペトラとフェルシーは、当たらずとも遠からずの理由で乗り込んだので、そそくさと帰っていった。

 

 「え、えええ、えぅっと、こ、こここ、この人は?」

 

 「ウチのクソ親父の犬。……の、息子。狂犬だから近づくと噛まれるわよ。頼りにはなるけど。」

 

 あんまりな言い方ではあるが、間違ってもいない説明を受けた赤髪。スレッタは、

 

 「ぴぃ!?」

 

 と、声を上げたが逃げる様子はなく、ミオリネの触るトマトを見ていた。まぁ、足は震えていたが。

 

 「地球行きの約束をした運び屋も、来なかったし。待ち合わせをしていた場所に居たら、この子に救助者と間違えられるし。ここ数日はついてないわね。」

 

 (この様子だと、運び屋を穏便に処理した事には気づかれてないか。)

 

 イライラするミオリネが愚痴なのか。文句なのか話す。小声ではなく、多分温室の外まで聞こえる声量。どうやら機嫌は最悪のようだ。

 もし、ジョージが手を回したことに気が付かれてたのなら、どうなってたのやら。

 

 「でも、グエルの惨めな姿を見れてから、スッとしたわ。」

 

 訂正、最低の一歩手前の様だった。これなら数日は変なことはしないだろう。

 ジョージはもう一度、二人に頭を下げると温室を後にしようと、野良仕事の道具を置いた。

 

 「ジョージ。アンタはモビルスーツにもう乗らないの?アンタならグエルたちよりは、マシなんだけど。」

 

 ジョージの背中に声をかけ、ニヤニヤするミオリネはイタズラしてるのか。本気なのかわからない。

 

 「よっぽどの事がないと乗らない…かな?これから仕事なんで、失礼しますよ。」

 

 ジョージは振り向きもせずに、温室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『グエル・ジェターク VS スレッタ・マーキュリー』

 

 温室を後にし、ヴァックストン社の役員と関連する企業と臨時会議をしていたジョージの情報端末に、学園広報と決闘委員会より、上記の一文が届けられたジョージは気にすることはなかった。

 

 『おい。お姫様が乗ってるぞ。』

 

 と、ミオリネが、数日前に見たガンダムと似た機体に乗っている。

 そんな続報が来るまでではあったが。

 

 「どうしてそうなったんだよ…」

 

 ジョージは少しイラッとするのだった。




 次回は明日の夜か。明後日の朝までには書き上げたいと思います。
 難しく、未熟な作品ですが5点ついたぞ。やった!(それでいいのか?)
 次回は、パイロット科時代か。メカニック科時代のオマケを書いて、ジョージの設定とイメージを安定させるようにしようかな。(遠い目)

 追記・少し体調を崩していたので、投稿は月曜日か火曜日から行っていきます。
 3話目見ましたが、グエルがいいですね。事前情報や聞いた話からするといいキャラ。いいヤツキャラタイプだとは思いましたが、プロポーズするとは…。

ヴァックストン社のモビルスーツ工房は…

  • ひたすらに隠密に、秘密裏に。(出番なし)
  • 衛星を改装してますよ。(ルナツー系)
  • 小惑星を改装してますよ(アクシズ系)
  • ゼロから作りました。(リーブラ要塞系)
  • 分散してMS隊が警護(基地よりMS系)
  • 見た目は普通。中身は異常(木星帝国系)
  • 好き勝手は力が必要(要塞+部隊)
  • 自重?何それ美味しいの?(宇宙要塞混合)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。