ブルーモルフォ「懐かしいわね。幼稚園に通ってた頃のシヴナなんだけど、幼稚園で作ってきた鬼のお面をハーツ先輩につけたら怖かったのか泣いちゃって……あ、ホームビデオもあるわよ。今はアイちゃんに貸してるけど」
シヴナ「あ゛ー!!!!というかアイ!!!」
ブルーモルフォ「小学生になったらバズーカで豆まきしたいとか言い出したわ、可愛いわね」
ステラディーヴァ「えぇ、意外……」
わたしに、お父さんはいない。
わたしがお母さんのお腹のなかにいるときに亡くなってしまったらしい。
わたしと同い年の子でお父さんの子供はおらず、どんなときも注目の的であった。
後にそれだけではなかったことがわかるけれど。
写真の、映像のなかでしか見たことがない父親。
2020年生まれの、わたししかいない子供。
大種牡バ、キングカメハメハのラストクロップ。
お父さんは何を思って、レイアロハと名付けたのだろうか。
美しい我が子……か。
お父さん、お父さん。
わたしは、あなたの最後の子供として、相応しい活躍をします。
だから、空から見ていてください。
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阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞を制して、NHKマイル。
お父さんが勝ったレース。
そのあとは、オークスに行って変則三冠、秋華賞を勝って四冠。
史上初のクラシック四勝。
まだ、まだ足りないの。
竜王にも、赤い鳥にも、二冠馬にも届かない。
だから、だからね。
ティアラ限定G1を、全部制覇してみせる。
星の歌姫……ステラディーヴァも倒す。
そして、混合G1でも勝って、証明するの。
空にいるお父さんに、わたしが最強だって、女王なんだって高らかに謳ってみせる。
インタビューで、お父さんに会ったら何をしてもらいたいですかって聞かれたことがある。
「自慢の娘だねって、誉めてほしいですね。もしできるなら撫でて欲しい」
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馬鹿な弟だった。
愚直な弟は、よく笑ってた。
弟は、走るのが好きだった。周りの人間も好きだった。
頑張り屋だった。
だからお前は……頑張りすぎたんだな。
兄や姉たちが全員G1タイトルをとっている脅威の血統。
全戦レコードという天才。
のしかかる期待。
俺のレコードをあっさりと二歳ながら更新した化け物。
お前が生きていたら、どんなやつになっていたんだろうな。
マイル路線に進んだ俺と違って、王道のクラシックを走るのだろうか。
無敗の三冠馬として、伝説になっていたのだろうか。
お前のことは、一生皆は忘れることなどできるまい。
だから、だからこそだ。
俺は兄として、お前を越える。
49日には間に合わないが、許して欲しい。
2025年 安田記念。
鎮魂の世界レコード。
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恵まれた環境で、育ったとは思う。
だからそのぶん、僕は期待に応えないといけない。
アフティビトス兄さんは、「そんなのクソくらえ」なんて毒づいてたけど。
そういうわけにはいかないだろう?
走るのは昔から好きだったし、誉められるのも大好き。
天職だなって思ったんだよ。
でも、まさか
「さよならも言えずに終わるなんて、思わなかったなあ……」
ユリシス「アメリカでは男性から女性にプレゼントを贈るんだぜ。義理チョコの概念はないが友チョコならある。ほとんどはお菓子やぬいぐるみなどのプレゼントを贈るんだな。」
コントレイル「さすがアメリカハーレム王」
ユリシス「やめろよ照れるだろ。」