ハーツ「あ゛????」
「全治五ヶ月です」
「……え?」
衝撃のあまり、令嬢らしからぬ顔をしてしまった。
デビュー戦、ファンタジーS、阪神ジュベナイルフィリーズを勝利して、ティアラ路線に殴り込もうとしたときに……。
デビュー戦ではオルフェーヴルと戦った。
まだ荒削りだが将来を感じさせる、恐ろしい才能を持ったウマ娘だった。
このぶんだとクラシック終わりくらいに有馬記念で戦えるだろう……。
オルフェはクラシック三冠をとるって、私はトリプルティアラをとるって、約束したのに……。
「……」
「恐らく秋華賞の前哨戦、ローズSには間に合うでしょう。ですが、夏までは安静にしていないといけません。」
「………私は、もとの走りに戻れるでしょうか」
「それはわかりません。なにぶん復帰して引退するウマ娘も、活躍するウマ娘もいますので……」
活躍したウマ娘……だとオグリキャップ先輩やトウカイテイオーさんだろうか。
もし、治っても、前よりひどい走りになるかも……
そんなこと、耐えられない。
家族も、チームのみんなも、友達も……オルフェも、皆失望してしまう。
そんなの、嫌だ……なんで、なんでこんな、大事な時期に……!!
黙ったままの私を気遣って、トレーナーさんが「外で休んできな」と言った。
不自由な脚、それを床につけないように歩く。杖を使う日が来るなんて、思わなかった。
「はあ……秋華賞か」
病み上がりですぐに勝利をあげられるウマ娘は少ない。
しかも格が高いG1ならなおさら。
不安だ……。
確かに私には才能があって、それを育てる環境があった。恵まれていた。
でも、怪我をしたなら別だ。
もしも、成績がふるわなかったら……オルフェとの対決で負けたら……駄目だ想像したくない。
「大丈夫か。…………いや、すまない。大丈夫じゃないだろうな」
病院の長椅子に座っていた私の隣にハーツ先輩が来る。
「モルフォの両親に連絡したら、とても心配していた……明日来るそうだ。」
「そう、ですか……」
あれだけ期待してくれた両親だ。失望もすごいだろう。
あぁ、明日が怖いなあ……。
「モルフォ……」
「せんぱい、せんぱいっ……」
先輩に抱きしめられ、私はその安心感で涙が零れた。
オルフェはきっと、三冠をとる。
私はそれを確信している。
だって私のライバルで、すごい子なんだ。
自慢の友達なんだ。
でも、私は怪我でトリプルティアラがとれない。
オルフェが、手の届かないところへ行ってしまう。
そんなの、嫌だ。
私は決めたのだ。
あの子のライバルになりたい。
あの子を生涯凌駕し続けたい、と。
だから、立ち止まってはいけない。
いけない、のに……!!
「先輩、私諦めません。トリプルティアラはとれないけど、秋華賞は絶対勝って、シニアG1も勝ちます。オルフェーヴルを、今度は私が追いかける番だ……!」
「……そうか。モルフォがそうしたいのなら、私は精一杯のサポートをするまでだよ」
ちなみにオルフェーヴルとブルーモルフォは引退式も一緒に行った
ファン「結婚式(違う)したからオルフェ×モルフォが正解だろ」
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