悲報 私の脚、折れた模様
やっべえぞ……何がやべえって、骨折が思ったよりも軽くはないことだ。
全治5ヶ月。
今は2月だから……桜花賞どころかオークスには間に合わない。
悔しい。いや命があるだけ、まだ走れるだけマシなのか。
何で折れたかって?
虫に驚いて思わず柵を蹴ったらポッキリと。
無茶苦茶痛かったもうしません。泣きました。
治ったあとはローズSから秋華賞へ行くらしい。
申し訳ない。
牝馬三冠馬になれるって皆期待してくれたのに。私のせいで台無しにして。
「はあ……早く治らないかな」
走れないのって、きつい。
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ようやく治って、ローズS。
身体が鈍っていたからか出遅れて追い込みしちゃった……。
ハナ差で勝ったけど。
本当にヒヤヒヤしたわ。写真判定だったし。
そして本番、私にとって真の復帰戦と言ってもいい牝馬三冠路線の最終関門である秋華賞。
秋華賞
2011年 10月16日
芝 2000メートル (稍重)
「二番人気やで、前走がギリギリだったからか二着のホエールキャプチャが一番人気やな。」
のんびりと首を撫でる武井さん。
二番人気か……。でも復帰後だしあんなにギリギリで勝ったのに二番人気とは思ったよりも高いかな。
期待、されてるよね?
「ローズSは準備運動や。秋華賞こそ本番にして、復活した自分を見せる舞台……お前もそう思ってるんやろ?」
やだ……私をよくわかってる……。
だって、折角なら大舞台で復活したいじゃん?
「大丈夫、お前ならできる。」
うん、私もそう思ってるよ。
久しぶり……というかG1の舞台に立つのは二回目。
流石に観客も多いし注目してる。
ベテランの武井さんに重賞のローズSを準備運動と呼ばせるんだから、相応のパフォーマンスを見せないとね?
「見たことあるわ」
「久しぶり見た顔ね」
「わかるわあの娘、前に私を負かした娘よ」
同じ牝馬の目線をものともせず、私はゲートに入る。
臆しては、いけない。
負けては、いけない。
武井さんはスタートをきるのが上手い人らしい。
その人乗せて出遅れかました私よ。
あの時は鈍ってたし、それに武井さんは強い追込馬に乗ったことがあるって聞いたし?
まあいいじゃん。過ぎたことよ。
「よし、行くぞ!」
ゲートが開き私はすぐに飛び出した。
他の馬が遅れてると錯覚するほどに。
「二番手三番手あたりを保つ……ペースは今のところは合わせてあげる」
あんまり遅すぎたら先頭に立ってリードしちゃうけど。
スピード狂とか言ったやつでてこい。
様子見は、ここまで。
「……そろそろ頃合い、ですよね?」
武井さんの合図に合わせて先頭に立つ。
普通の先行馬にしては早すぎる先頭。
きっと他のひとは驚いてるだろう。
「あまりにタイミングが早すぎる」と。
「復活の青い蝶を魅せてあげる」
ちょっと気障な台詞を吐いて、私はぐんぐん差を広げる。
危機感を覚えた他の馬が迫るが、捕まえられない。
青い翅を広げる。
かの馬は翼を広げると表現されたらしいが……私は名前的にも翅と言ったほうがいいだろう。
やはり、駆けるというより舞う、という言葉が合う。
その馬は復活の青い蝶。
瑠璃の翅を広げ舞うオオルリアゲハ。
翅が折れても舞うことを止めない不屈の馬。
最後の冠、秋華のティアラを戴く馬。
圧倒の7馬身差。
その名も
「ブルーモルフォ!!完全復活の青い蝶が秋の華を制しました!!全てを圧倒した7馬身差!」
感想お待ちしております。
完成復活したブルーモルフォ(挫折したっけ)