とある高校生のデザグラ体験記   作:@蛇足

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RESULT

 

 

瞼を貫通するほどの眩しさを覚え、意識がはっきりしてくる。

目が覚めるとなぜか神殿にいた。

いつの間に眠ってたんだろうか。

先程までハタトリゲームをしていたはずなのに………。

 

そうだ。ハタトリゲーム。

結果はどうなった?

クリア出来たのか出来なかったのか。

ここにいることはどういう意味を指すんだ。

 

 

少しずつ脳が覚醒して行く中で、思考がクリアになっていくと、目の前にこちらの顔を覗き込む人物の顔がはっきりと映る。

 

 

 

 

石崎「あ。目、覚めた?起き上がれる?」

 

 

 

 

ここは天国か。

いや現実か。

こちらを心配そうに見ている石崎さん。

綺麗になったその顔には大きな絆創膏が貼られている。

 

どうやらまた、石崎さんに膝の上でお世話になってしまったようだ。

僕は慌てて上体を起こし、石崎さんに礼を言う。

わがままを言えばこのまま天国気分を味わいたかったけど…。

 

いてて。

 

これまでの奮闘の反動か身体の節々から痛みが湧いて出てくる。

いやでも現実を思い知らされる痛みだ。

 

 

 

ツムリ「結果発表〜!」

 

 

 

この声もまたある種現実に引き戻される要素か。

離れた所からのツムリの高らかに張り上げた声が聞こえてくる。

僕は石崎さんに支えられながら立ち上がると、彼女と共にツムリが見える位置まで移動した。

 

ツムリの周りには僕たちの他に青いジャケットを着た参加者が何人かいた。

1,2,3,4……。

全部18人。

 

最初に見た時より明らかに少ない人数だ。

他の人たちはどこに?

 

…エリアにいたジャマトの姿(邪な存在)が脳裏によぎる。

 

 

 

 

ツムリ「皆さん大変お疲れ様でした!ペアを組み、旗を手にするまでの皆さんの奮闘はとても見応えあるものでした!ナビゲーターである私が我を忘れ、思わず手に汗握ってしまうくらいに!ふふっ。さて!そんな余談はさておき、皆さんには結果をお知らせ致しましょう!」

 

 

 

 

白熱した実況をしていたツムリの姿を想像していると、ツムリが後方へ腕を振り上げた。

そのモーションから上から降り注ぐように現れたランキング表。

スクリーンも機材もなく映し出された映像はまるで媒体を使わないプロジェクションマッピングのようだ。

 

前進的な技術に反してランキング表は極めてシンプルなものだった。

自分たちがクリアしたのか否か。

ランキング表は以下のような結果が載っていた。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

ハタトリゲーム クリアランキング表 結果

 

第1位『ヘックホース&オクタス』

第2位『ギンペン&ヒーポッポ』

第3位『エルク&ニッポ』

第4位『ラゼブ&ゴルゴラ』

第5位『メレオ&ムース』

第6位『ゴージュン&デュロン』

第7位『クローチ&ピコック』

第8位『シース&モンガー』

第9位『ダパーン&ジャーコ』

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

ツムリ「以上!ここにいる18名の皆様が晴れてゲームをクリアしたプレイヤーとなります!これにより。正真正銘、皆様はジャマトと戦う仮面ライダーに選ばれました!おめでとう!」

 

 

 

 

 

ゲームクリア?

僕らが?

嘘だろ。

 

 

 

 

石崎「あの…何度かタイミングを伺おうとしてたんだけど、なかなか言えなくて今になっちゃった…ごめん。君のおかげでクリア出来た。ほんとに…ほんとにありがとう!」

 

 

 

 

あの状況でどうやって旗をゲットできたんだ?

ランキングを何度も確認する。

第9位。

そこには間違いなく僕と石崎さんのペアの名前が記されていた。

 

 

 

 

石崎「あの…聞こえてる?」

 

 

ツムリ「クリアした皆さんには報酬としてレイズバックルが贈呈されます!この報酬はランキング順にてお渡ししていきますので、あちらのスタッフから渡されるまでお待ちください!…最後にダパーン」

 

 

 

 

どうやって旗を手にしたのか。

全く覚えていない。

圧倒的な差をつけられて、ジャマトの群れにあわや巻き込まれるところまで来ていた。

瀕死の石崎さん抱き抱えた後走り出して…。

それから…。

 

 

………。

 

 

ダメだ。

そこからが…どうしてもそこから思い出せない。

 

 

 

 

ツムリ「……。」

 

 

石崎「……くん。ねえ!ねえってば」

 

 

 

 

え?

自分の名前が呼ばれてる?

そばには石崎さんは心配そうな顔がこちらを覗き込んでいた。

 

 

 

 

石崎「ちょっとさっきからどうしたの。ずっとツムリちゃん呼んでるよ?」

 

 

 

前の方を指さす先には、ツムリの他何人からの参加者から視線を注がれていた。

報酬を受け取る人もいる中、注目を浴び、恥ずかしい思いを抱きながらその中をつっきる。

そしてずっとこちらを据えた目で見るツムリのもとへ俯いた状態で近づいた。

 

 

 

 

ツムリ「ずいぶんと思い詰めた顔をしていましたが、何か考え事でも?」

 

 

 

 

そうだ。

ツムリに聞いてみてはどうか。

彼女はこのゲームのナビゲーター。

実況してまで白熱して見てた彼女ならどうやって僕らがクリアしたか知ってるはずだ。

 

 

 

 

ツムリ「…まあいいです。さて、お呼び出しした要件ですが、ダパーン。まずは先にあなたのデザイアドライバーをこちらに渡してもらえますか?」

 

 

 

あ…。

まあいいや。

この件はあとで聞くことにしよう。

 

 

 

 

ツムリ「……。」

 

 

 

 

手を伸ばし待っているツムリにドライバーを手渡す。

彼女は受け取るとそれを黙って見回していた。

何をしてるのだろう。

わざわざ呼び出してするようなことなのだろうか。

 

 

 

 

ツムリ「一応これは次回のデザイアグランプリまで預かっておきます。ゲーム…ミッションが開始する前には返却するのでご安心を」

 

 

 

 

人の命がかかった戦いをゲームだなんて…。

それだけ言うとツムリはこれ以上話すつもりはないのか報酬を持って待っているスタッフを一瞥して離れて行った。

さっきまでの興奮はどこへやら。

冷めた様子のツムリに煮え切らない思いを抱きながらも僕と石崎さんは箱を持って待つ男の方へと向かった。

 

 

 

 

???「お待ちしておりましたよお二人とも。ゲームクリアおめでとうございます」

 

 

 

 

うわ…。

これでもかと上がった口角に引っ張られ、大きなパッチリとした二重の目が糸のように線になって消える。

この少し過剰とも言える笑顔で男は僕たちを歓迎してくれた。

 

 

 

 

クラム「私はクラム。このデザイアグランプリでナビゲーターの補佐をしています。9位でクリアしたダパーン様とジャーコ様にはこちらの報酬が贈られます」

 

 

 

 

手渡されたのは黄色い箱。

蓋を開けてみる。

そこには見たことないアイテムが入っていた。

石崎さんが受け取った箱にも、同様に小さいアイテムが。

石崎さんのは紫色の、僕の箱の中には藍色のアイテムがそれぞれ入っていた。

 

 

 

 

石崎「これは…」

 

 

クラム「それはレイズバックル。皆さんが巻いてるデザイアドライバーに装填することでその効果を発揮します。ジャーコ様にはダガーレイズバックル。ダパーン様のはシールドレイズバックルですね」

 

 

石崎「ダガー…か」

 

 

 

レイズバックル。

ドライバーに装填すればって話だけど、生憎今は渡しちゃったばっかりだしな。

どんな使い方をするのか、それは次回のデザイアグランプリまでお預けってことか。

……。

次回の、か。

またあんなことを強いられるのか。

ジャマトが人を襲っていた場面がフラッシュバックする。

もしかしたら、次は自分があんな目に合うかもしれない…。

 

 

 

 

クラム「いやーしかしあなた様の活躍、拝見していましたよ。実に素晴らしかったですね。特に最後の追い込みはとてもよかった!劣勢の中姫君を抱えて戦禍の中を突き進む。その様はまるで魔王に囚われた美しい娘を救う王子のよう…といえば大袈裟でしょうか!」

 

 

 

 

うお!

なんだよこいつ!

距離が…近い!

人の顔をいきなり覗き込んできたぞ!

 

 

 

 

石崎「ちょっと!いきなり何するんです!」

 

 

クラム「そしてあなたがペアを組んでいたジャーコ様!」

 

 

石坂「ひゃっ!」

 

 

クラム「近くで見てもとても美しいお方だ。貴女のゲームに臨む並々ならぬ覚悟はカメラを通して拝見しました。凄腕のプレイヤーたち相手に非力な貴女が立ち向かうのは決して易しいものではございません。ですが、勝負は何も拳だけで決まるものではない。ぜひ勝ち残って貴女の理想の世界が叶うことを期待しております」

 

 

石崎「……!ち、近いです…!」

 

 

 

 

な、なんなんだコイツ。

さっきまでの紳士的な振る舞いはどこいった。

このニコニコ男、人と人との距離感無さすぎでしょ…。

 

 

 

ツムリ「ゔゔん!」

 

 

クラム「おっと…」

 

 

 

 

ツムリの大袈裟な咳払いがクラムの奇行を止めてくれた。

助かった。

なんなんだよもう。

 

 

 

 

ツムリ「ではお気をつけてお帰りください!次回のデザイアグランプリの開催は追ってお知らせいたします!それではごきげんよう!」

 

 

 

 

先ほどまで考えてたことがあっという間に飛んでいってしまった。

石崎さんと目を合わせこの気味の悪さを訴える。

石崎さんも歪んだ顔をしてこちらを見ていた。

互いが同じ思いでいると判断し頷いた。

2人の屈託のない笑顔に見送られ、僕らは逃げるように神殿を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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