とある高校生のデザグラ体験記   作:@蛇足

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第2ゲーム/ふらっぐでぃふぇんす 参

 

 

 

旗を奪わんとすべく仮面ライダーたちに襲ってくる山賊ジャマト。

全メンバー16名で4箇所ある旗を守るにあたり、参加者たちは1チーム4名の少数精鋭で防衛することとなった。

相手が束になってやってくるのに対して仮面ライダーは1エリアにたった4人だけ。

その中の1チーム、西エリアを守るのはムース、ジャーコ、シース、ダパーンの4人。

相当な数が襲ってくると予想される中、戦況は厳しくなるかと思われていたが…。

 

 

ゾンビブレイカー『ZOMBIE BREAKER』

 

ムース「…。」

 

ゾンビブレイカー (『テリブルチェーン』が回転し、切りつける音)

 

複数の山賊ジャマト「ジャー!」

 

 

 

 

ジャーコ「えい!」

 

(レイズダガーで切り付ける音)

 

山賊ジャマト「ジャー!」

 

ジャーコ「やった!当たった!」

 

 

 

 

シース「くらえ!特大水鉄砲!」

 

レイズウォーター (チョロチョロチョロ…)

 

山賊ジャマト「ジャ…?」

 

シース「え………?。へ!騙されたな!本命はこっちだよ!」

 

(レイズウォーターで殴る音)

 

山賊ジャマト「ジャー!!」

 

シース「あ、あぶねー…!」

 

 

 

戦闘経験があるムースが善戦するなか、素人であるジャーコやシースもヒヤヒヤする場面に見舞われつつも、なんとか山賊ジャマト相手に食らいついていた。

彼らに負けじとダパーンもシールドレイズバックルの力を惜しみなく発揮し『レイズシールド』で攻撃を防ぎつつ、縁の部分で殴りつけていた。

 

 

シース「おりゃ!てぇや!良いぞ…。思ったより動けてる。けど…この武器弱ぇ!」

 

ジャーコ「ハア…ハア…。ヤッ!」

 

ムース「ほう…思ったより動ける奴らだな。そのなかでも特に…』

 

 

ムースは多数の山賊ジャマトを相手にしながら、万が一彼らが突破され旗が取られそうになった時のために、背後で戦う3人の様子を見ていた。

しかしムースの心配は杞憂に終わる。

ムースが気にかけることも必要のないくらい、戦闘経験があるはずない3人の動きが、時間が経つにつれみるみるうちに洗練されていくのだ。

そのなかでもムースが一目おいたのが、3人の中で1番山賊ジャマトを仕留めている仮面ライダーダパーンだった。

使っているバックルもそうだが、3人の中で頭ひとつ抜けて身のこなしがいい。

まだぎこちなく荒削りな部分が目立つが、それでもその潜在能力の高さが垣間見える。

 

 

ムース「レイズバックルの相性か。それともセンスか。あの高校生…後々厄介にならないといいが」

 

 

四方に構えて戦う仮面ライダーのうち、北方面を守るは原島裕司こと仮面ライダームース。

使用バックル『ゾンビレイズバックル』を、ホップアップアッセンブルの右側に装填して戦っている。

『ゾンビフォーム』となってその手に持つのは拡張武器である『ゾンビブレイカー』。

チェーンソー型の大剣であるゾンビブレイカーを振るい、群がってくる山賊ジャマトを一網打尽にする。

 

 

山賊ジャマト「イズト…オガ」

 

ムース「うるさい」

 

ゾンビブレイカー『POISN CHARGE. TACTICAL BRAKE』

 

 

 

その右隣、3時の方向。

東方面を守るのは牧野陽介こと仮面ライダーシース。『ウォーターレイズバックル』をポップアップアッセンブル右側に装填し、『アームドウォーター』という形態で戦っていた。

 

 

シース「はぁ…!はぁ…!くらえ水攻撃!…。くそ!やっぱ全然出ねぇ!」

 

 

見た目さながら、犬のようにハアハア言いながら戦うシース。

アームドウォーターの拡張武装、『レイズウォーター』をバットのようにスイングして、迫り来る山賊ジャマトを殴打で迎え打っている。

 

 

シース「しんど…。これ、ほんとにゲームだよな…?」

 

 

応戦できているものの身体裁きは素人に毛が生えた程度のもの。

ただただ無闇に『レイズウォーター』を振り回してジャマトを相手にしている。

 

 

 

 

そして。

そのさらに3時の方向。

南側を守る石崎日梨こと仮面ライダージャーコはというと。

 

 

ジャーコ「はあ…はあ…。やあ!」

 

 

紫色の小型バックル、ダガーレイズバックルを右側のホップアップアッセンブルに装填している。

その形態名は『KAMEN RIDER JA-CO / ARMED DAGGER』。

紫色の短剣『レイズダガー』を携え、旗を奪わんとすべく湧き出る山賊ジャマトを斬り付ける。

試合運びはというと…かなり不安な場面が多い。

レイズダガーを振るう石崎の身体運びは鈍く、隙が多い。

だが、かと言って結果を残せていないわけでは無かった。

少ない手数で的確に仕留め、山賊ジャマトをみるみる戦闘不能にしていた。

 

 

そして最後。

4人目。

エリア西方面から襲い来る山賊ジャマトから旗を守るのは、パンダの顔を模した仮面ライダーダパーン。

青色の小型レイズバックル『シールドレイズバックル』をホップアップアッセンブルの右側に装填し、『アームドシールド』となり戦っている。

装備された武器は盾だが攻撃を受け止めるだけでなく、表面で打ちつけて反撃も試みる。

 

 

山賊ジャマト「ジャー!」

 

 

慣れた手つき。

無駄のない動き。

初めて握る武器を難なく扱っている3人。

既に頭に叩き込んだのか。

それとも過去に触ったことがあるのか。

いや違う。

例外なく平等に。

戦いを知らない人間でも。

身体能力の低い人間でも。

何かに突き動かされるように。

個人の持つポテンシャルを最大限に引き出して。

最適解な動きで戦闘を行う。

これが。

デザイアグランプリにおけるデザイアドライバーの。

仮面ライダーのシステム。

 

 

デザイアドライバー(ダパーン)『SHIELD STRIKE』

 

山賊ジャマト「ジャー!」

 

 

ダパーンの放ったレイズシールドが山賊ジャマトたちの群れに向けて飛んでいく。

生い茂る木々の間を計算された弾道で投擲されたレイズシールドが縦横無尽に跳ね返りジャマトの身体に命中した。

タコ殴りにされ、致命傷を負った山賊ジャマトたちは、堪えきれずに倒れると、そのまま大きく爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

大きな爆発を起こしてジャマトたちが消し飛ぶ。

目の前に広がる爆炎の熱さを仮面越しに感じながら、僕は次に襲いくるかもしれないジャマトに備え、戻ってきたレイズシールドを装備して構えた。

目から入ってくる情報はさながら戦闘機のレーダーのよう。

その他耳、鼻、運動量等、普段の勝手とは段違いの感覚だ。

これがライダーシステムによる性能なのか。

それらの性能を駆使して見まわしたところ、ジャマトの気配は感知されなかった。

問題ない。

クリア。

 

たが、周りにもうジャマトがいないことが確認できたのも束の間。

右手側から石崎さんの悲鳴が聞こえてきた。

 

 

ジャーコ「きゃあああ!」

 

ムース「…!」

 

シース「日梨さん⁉︎」

 

 

まずい!

石崎さんが山賊ジャマトに集られている。

反撃の手段を失い地面に倒れ込んだ石崎さんに、更なるジャマトが襲いかかる。

その結果、南方面から迫り来るジャマトはガーディアンとして立ち塞がっていた石崎さんを突破して、その後方から新たなジャマトが旗に向かって侵攻してきてしまった。

このままじゃ…。

 

 

ムース「チィッ…!」

 

 

原島さんとほぼ同時に僕も動いだす。

けど、原島さんは石崎さんに集るジャマトを振り払うため駆け出した…のではなく、旗を取られるようにと迫り来る山賊ジャマトを迎え討つためだった。

侵攻してくるジャマトの前に立ち塞がり、相手をする原島さんのすぐ横を通り過ぎて、僕は石崎さんに元へ駆け寄った。

そしてその勢いのまま集るジャマトへ思いっきり殴りつけた。

 

 

山賊ジャマト「ジャー!」

 

ムース「おい!持ち場を離れるな!もしそこからジャマトが湧き出たら…くそ!」

 

シース「待ってろ…もうすぐ行くぞ」

 

 

石崎さんに集っていたジャマト3体を無我夢中で引き剥がし、蹴り飛ばす。

伸びているジャマトを尻目にすぐさま石崎さんの様子を確認すると、彼女はとても衰弱していた。

 

 

ジャーコ「ううっ……はぁはぁ…。……き…くん…」

 

 

致命傷となる傷はなさそうだ。

でも戦闘による体力の消耗に加え、さっきの襲撃がかなり効いてる様子。

このままだと石崎さんの命にまで危険が及ぶかもしれない。

 

 

シース「おいパンダ!後ろ!」

 

 

牧野さんの声でとっさ振り返ると、山賊ジャマトの持つ棍棒が目の前に迫っていた。

しまった。

いつのまに。

敵に対してあまりにも背中を無防備にしすぎた。

身体が動かず反応出来ない。

ここで終わりか…。

 

結果を悟り、その身を委ねるだけとなっていると、無意識に右腕が動いていた。

 

 

山賊ジャマト「ジャ?」

 

 

ガチーンとレイズシールドで棍棒を受け止める音が轟く。

そしてそのまま受け止めた棍棒を払い退けると、盾の縁で勢いよく正拳突きをお見舞いした。

1発。2発。

1体。2体。

拳に合わせ、レイズシールドて確実にダメージを負わせて仕留めていく。

時間がかかったが2体倒れた。

あと1体。

周りに他のジャマトの姿はない。

こいつを倒せば終わる。

でも…。

ぐっ……。

そんな…。

足が動かない。

足だけじゃない。

身体のすべてが悲鳴をあげている。

息も苦しい。

ここにきて自由が効かなくなった。

僕も…限界みたいだ…。

 

 

ムース「フッ!!」

 

ゾンビブレイカー『POISN CHARGE』

 

 

1ミリも体を動かせない深刻さのなか、先攻していたジャマトを仕留め終えた原島さんが現れた。

それも後方から僕の頭上を飛び越えてきて。

そしてそのまま落下してくると勢いのまま逆手持ちにしたチェンソーの武器を山賊ジャマトに向けると、刃を回転させながら身体に思い切り突き立てた。

 

 

ゾンビブレイカー『TACTICAL BRAKE』

 

 

原島さんの足元に横たわるジャマトが深傷を追って爆散した。

僕は膝から崩れ落ちながら、地面に武器を突き立て動かない原島さんの背中を視界にとらえて、地面に突っ伏した。

 

 

 

 

 

 

 





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