ですが別にエロのチキンレースをしたいわけではなくてですね、カリナの
1. 【自己再誕】の
天哉くんを陰ながら護衛するために保須に向かった被身子。
恐ろしいことに“ヒーロー殺し”と会敵し、これを撃退し、ついでに不用意な発言で炎上もしてるけれど──私と被身子には他にもっと差し迫った問題が起きていた。
『リナちゃん……わたし……』
「被身子? 被身子!?」
『ごめんなさい……』
保須からの電話で今にも消えて行きそうな泣き声を聞いて、私は大急ぎで駅へ向かった。
何があったの。あの戦闘の後も怪我はなさそうだったのに。体調が悪い? それとも炎上のこと気にして……これは無いな。たぶん本人はまだ知りもしないし。
ともかく事態を聞き出せたのは、
♡♡
正確には合流した翌朝と言うべきだけど、まぁそれはさておき。
「アレが使えなくなった?」
「はい。……使えますね?」
「使えてるねぇ。元々の【変身】もダメだったの?」
「いえ、それはずっと」
私が〔身体変造〕を使えるようになって、被身子の【変身】は“進化した”……うーんと、名前がないと不便なので〔
私と離れてる間にアレが使えなくなった、と。
そして合流していつものごとくシたら今朝は使えている、と。
──因子切れ、なのかなぁ。
これまでこんなに間を空けることはほとんど無かったから気が付かなかったと考えれば筋は通る。何日か空いたとしても〔変創〕をたくさん使わなければ発覚しなかったんだろうし*1 。
「私の因子が被身子の体内でも消費されてる……?」
「だったらちょっと嬉しいです!」
「そう?……ごめん、なんかこれ
何が琴線に触れたのか分からない内に襲われていた。
被身子に言わせると『リナちゃんから誘ってきた』らしい。そうだったのか。
♡♡
えー、被身子は事情聴取や現場検証の関係で天哉くんより一日遅れて戻るはめになってたんだけど、何故かもう一日遅れることになったらしい。不思議。
警察との約束をすっぽかして連絡も取れない状態だったってマジ?(一緒に平謝りした。流石に本当のことは言えなかったけど)
謝る以外のことは手伝えないから、被身子のことを心配している百たちに連絡をしておく。〔変創〕が使えなくなって──私や百との繋がりを失った気がして──落ち込んでいたこと。ヤることヤったら戻ったこと。
その辺りを伝えたら、百の中の何か──知的好奇心か、あるいは──に火を点けてしまったらしい。やけにアツい返事が返ってきた。
『検証を、いたしましょう』
■検証一日目
百が確かめたいことっていうのは分かるんだよ。はっきりさせないとリスクもある(かも知れない)から有意義でもある。
ただこう、どうしても明け透けというか赤裸々な感じになるのがちょっと。抵抗が。
「リナちゃんて案外こういうの照れますよね?」
「未だにツボが分かりませんわ」
「うーるーさーいー。本題を整理するよ」
これから探るのは、被身子の〔変創〕や百の〔
経路は大きく四つ考えられる。
(私がみんなの因子を受け取る場合、『上から下』または『下から下』のどちらかでしか成功しない。因子を溜め込むのは子宮だからだ)
つまり実験の流れはこう。
まず百が〔造身〕を使い続けて因子切れを起こす。これは想定通りに使えなくなった。
次に『何度も濃厚に舌を絡めるだけでそれ以外の粘膜接触は全くせずに』一晩を過ごす。
♡♡(♡)
■検証二日目
翌朝、百の〔造身〕は──復活していなかった。
「
「…………」
「百ちゃん楽しそうですねぇ」
「はい、恥ずかしながら浮かれております」
言葉の通り、百はなんだかぽわぽわしている。少し寝不足でハイなだけかも知れないけど。
私は逆にしょんぼり気味だ。やっぱりこれ私側の因子が偏る(百のだけ足りなくなる)のでは?
「リナちゃんしんどそうですけど、実験続けます?」
「んー、やるやる。今夜補充してもらえるなら明日も頑張るよ」
その日の晩は百に
♡♡(♡)
■検証三日目
翌朝。私の気分は持ち直していたけれど、〔造身〕は復活していなかった。
「
「…………」
「今度は百ちゃんがつらそうですねえ」
百のそれは純粋に欲求不満である。
被身子に相手してもらおうにも、この子はほとんど常に──もちろん夜限定の話──私の体液がついてるから、迂闊に触れ合うと実験結果を曲げかねないし。
その晩は百にたっっっぷりご奉仕させてもらった。どんだけ啼いて悦んでも吸い付くのをやめない。
もうお互いがお互いへの欲求不満を溜め込み過ぎてギリギリである。これ翌朝って何時頃確かめたらいいんだろう?
♡♡(♡)
■検証四日目
「本当に学校行くんですかぁ?」
「私たちがサボったら被身子もサボりそうだからダメ」
「そういう問題ではございませんわ。平日に当たり前するのは登校です」*3
「強がりますねえ二人とも」
「強がってなんかないよ、ねえ百?」
「ええ! 強がってなんかないよです」*4
──ごめん嘘ついた。登校はしてみたものの、これは無理だわ。
でも流石に学校の中はね。特にここはどんな“個性”持ちがいてもおかしくない雄英だから。
そんなわけで二人して早退直帰。体調がおかしいのも事実ではあるし。
「ただい──」
ま、も言えない内に百がむしゃぶりついて来る。
♡♡
♡♡
♡♡
♡♡♡*5
♡♡♡
「お腹空きました!」
「そうですわね」
た、助かっ、た……。
「ごめん腰痛い……」
「カリナさんはどうぞそのまま。夕食はお任せくださいまし」
なんで百はそんなにツヤツヤプリプリしてるの……五時間以上ぶっ続けだよ……?
「ありがと、よろしく……」
「できたら呼びに来ますねぇー」
「被身子さんは先にシャワーを浴びますか?」
「まだスるんですか?」
「わたくしは夕食の支度ですったら!」
賑やかに寝室を出ていく二人をベッドに突っ伏したまま見送る。
…………いやいや夕食の支度が無かったらまだスるんですかぃ百さんや。
彼女は昔から時折、こうやって自身への焦らしプレイみたいなのを愉しむ癖があって。大体その反動で私の腰や喉が大ダメージを受ける。楽しそうだから良いんだけども。
今回のことだって検証十割じゃなくて、何割かはプレイ目的だった可能性が高い。あの『検証をいたしましょう』のテンションから言って。
…………それにしても。
下から下のみ、か。
そうであって欲しくない結果が出てしまった。
これを踏まえると私は…………知らぬ内に大きな罪を犯していた、ということ。
大切な恋人たちにとんでもない不利益を負わせていた──とは限らないけれど──可能性がある。しかもその不利益は有っても無くても区別できない。今さら分からない。
言うなれば『毒かも知れないし薬かも知れないモノ』をそうとは教えずに飲ませていたようなもの。仮にそれが無害な薬だと後から判明しても、『だったら無罪だ』なんて言えるわけがない*6 。
判らないなら飲ませるべきではないし、判らないまま飲ませるならせめて説明して了解と覚悟を得るべきだ。なのに私は……説明責任どころか確かめる義務からさえ逃げてきた。
私は──私は。
明日は丁度土曜日で、透もお茶子も来ることになっている。
そこで土下座してでも全部聞いてもらって……後は、彼女たちの裁きに任せよう。それを神妙に受け入れよう。
たとえどんな判決であっても──それが望まれるならば。
※重要な補足
tribadismと貝合わせは厳密にはイコールではありません。前者は身体の
ということ。
強調しておきたいのは、tribadismは女性同士の行為に限定されていることです。言語レベルで百合の間に挟まる男を許さない英単語、素晴らしいですね。
次話の前半は少しだけ時間が戻って、検証二日目の日中を軽ーく。救急車炎上事件の後始末的な。
後半からは検証終了後の続き。