【完結】愛慾のヒーローもどき   作:土屋 四方

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※お願い※
 作者も良く分かっていないので、この“技能”についての難しいツッコミはどうかご容赦ください。……シテ……ユルシテ……。


浮重(フロート)力系(フレーム)

 キッチンでお茶子がフライパンを揺すっている。山盛りで今にも(こぼ)れそうだけど、それはまだ生野菜だからだ。火が通ればしんなりして、五人分には丁度いい──普通の女子高生よりは多いにせよ、ちゃんと栄養を計算した──量の野菜炒めになる。

 

 コンロで加熱を始めてから、約五分。

 

「……もうちょっとかな?」

「普段お野菜ってどれくらい炒めてたっけ?」

「“しんなりするまで”ですよねぇ」

「お茶子さん、じっくり観察しても見た目では判りませんわよ」

「せやなぁ、まだまだ生っぽいわ」

 

 かきまぜるのも少し苦労する山盛り野菜。

 火の点け忘れとかそんなオチではない。加熱はされているし、フライパンに触れば火傷するはずだ。

 

 ──加熱開始から約七分。

 お野菜は少しばかり(かさ)を減らしているが、まだまだ野菜炒めにはなっていない。

 

「なんかやり過ぎな気がしてきたわ。リリースすんで?」

「どうぞ」

 

 ストップウォッチを手にした百に一声かけてから、お茶子は使っていた“技能”を解除した。

 

 ──途中経過は目に見えない。そこには結果だけがあった。

 まるでお料理番組で『七分炒めたものがコチラです』と取り換えたように。

 

「焦げてもうたぁーっ!!」

「あやー、一番下なんか炭だよコレ?」

「上下まざってなかったんですねぇ」

「まぁまぁ、次からはきっと上手くいくよ。落ち込まないでお茶子?」

「食べ物……ごめんなさい……」

 

 どーんよりしているお茶子を宥めつつ、フライパンの野菜を一旦ボウルに移す。

 あまりに焦げ過ぎなものだけ取り除いて、丁度良いのや半生(はんなま)なのは……んー、ものすごい野菜マシマシになっちゃうけど、まとめてポトフの大鍋に放り込んでしまおう。煮込めば解決。

 

 で、炭化しかかってるやつはどうしようかな。流石にちょっと身体に悪い。

 そんな私の悩みを被身子は先取りする。

 

「ねぇ百ちゃん。未だによく分からないんですけど、早送りと一時停止はできるのに巻き戻しはできないんですか?」

 

 あー、確かにそれが出来ればこのお野菜も復活できて解決だね。

 でも、できない。霙理ちゃんとは違って。

 これは多分お茶子の熟練度の問題ではなく、【無重力(ゼログラビティ)】に端を発する“技能”の本質として、できないと思われる。

 

「お茶子さんが干渉できるのは、四つの力のうち重力相互作用だけと思われます。これには電磁相互作用と違って斥力がありませんから、力が負の値を取ることはありま──」*1

「アッハイ、おっけーでーす」

 

 物理が苦手な被身子と透は最後まで聞かずに逃げていった。正確にはお茶子も逃げようとしたけど、それは私が阻止した。

 

「お茶子は聞かなきゃダメでしょ?」

「百ちゃんの授業難しくてアホになった気がする〜!」

「百のせいみたいに言わないの。誰が説明したって難しいよあんなの」

 

 高校物理の範囲を飛び越えてるとはいえ、お茶子が駄々っ子みたいに勉強を嫌がるのは珍しいことだ。

 でもそういう“技能”ができてしまった以上、『難しいから練習もしない』なんてもったいない。

 

 結局、炭になったお野菜はお茶子の説得材料として活用した。目の前でゴミ箱に放り込んだら悲愴な覚悟を決めてくれたのだ──条件つきだけど。

 

「助けてぇ……カリナちゃんも一緒に授業受けてくれへん……?」

「分かった、いいよ」

「ぇ、ええの? カリナちゃんには関係ないのに?」

「お茶子の頼みだもん、関係あるって」

 

 


 

 

 期末試験の直前に発現したお茶子の“技能”。

 ものすごーく単純化すれば、“時間操作”……なのかな? 巻き戻しは例外だけど。

 

 百は言った。

 

「言われてみれば……元々【無重力】は、重力を消しているにしては負荷のかかり方が不可解でした*2 が……逆に重力ポテンシャルを引き上げているとすれば、加速するのは当然とも考えられますわね」

「なんて??」

 

 なるほどなるほど。分かんない。

 

「えっ、と。とりあえず百の中で、加速させる理屈は通ったってこと、なのかな」

 

 かなり苦労して相槌を絞り出した。深く考えずに言葉尻を捕まえただけ。分かった振りともいう。

 だから続く言葉で余計に分からなくなった。

 

「減速の方は【透明化】の影響──と呼べるのかは相変わらず不明ですが。あくまで仮説と前置きするなら、光や重力を透かしているわけではないでしょう。

 一時停止、あるいは【先物代謝】に似た変化の保留。あの現象から逆算する限り……対象を基準系からズラして、本来ありえない、時間をも俯瞰する仮想の絶対基準系から、宇宙を透かし見るかのように(中略)ご存知の通り慣性力は見た目の力ですから、(中略)基準系を自在に行き来できるというだけでも(略)

 

 ??? 百が緑谷くんみたいになっちゃった。

 や、多分ちゃんとこっちに分かるよう頑張ってくれてるし、もちろんこっちも理解しようとしてるけど、内容が難解すぎて遠い世界の音みたいに感じてしまう。

 これが……宇宙……!?

 

 困ったな、これは頑張っても無理かも知れない。一つ質問したら分からないことが三つ増えそうな勢いだ。

 SF映画の話かな?

 

 ……なんて、現実逃避もしていられない。

 百の説明が合ってるかは別として、お茶子は現に時間を速めたり停めたり──少なくともそう見える現象を起こせるのだ。

 

 こっちからはそう見えるってだけで、お茶子が自分に使っても息は出来るし光も見えるという。速さだけが変わって感じるそうだ。

 全く超常ってやつは理不尽としか言えない──まぁ、窒息とか心停止とかの問題は無さそうで一安心だけど。

 

 ともかく、現状で一番分かってそうな百に先生役をお願いすることになる。

 

 

「そうですわね、言うなれば──浮重(フロート)力系(フレーム)、でしょうか」

 

 

 名前くらい本人が決めた方が良いような──と思ったけど〔変創(メタメイト)〕も〔造身(クリエフォース)〕も私が勝手に付けたんだった。

 お茶子はイヤじゃないらしいから、じゃあそういうことで。

 

 


 

 

 アパートの二階、一応は被身子のものとして割り振られている部屋は、なんとなく図書室を兼ねた勉強部屋みたいな扱いになっている。

 五人全員でやるなら下のリビングを使うけど、今日のこれは……ぶっちゃけて言えば、お茶子だけが分かってれば良い話だ。内容もやたら難しいので、被身子と透は景気よく放り出した。

 

 ──いやぁ、正直私もギブアップしたい気持ちはあるけど。百先生が噛み砕いてくれてもまだまだややこしい話だから。

 でもお茶子の“技能”のことだし、本人から助けてって言われたらね。一緒にお勉強くらいは喜んで引き受けますとも。

 

「いえ、そこまで構えずとも……一般相対性理論の話をするつもりはありませんわよ? 〔浮重力系〕が“どうやって時間に干渉しているか”はわたくしの想像に過ぎませんし」

「超常だしねー」

「仰る通りです。お茶子さんにご理解頂きたいのは“どう作用するか”。これをお分かりでないと“どう使うか”も判断しにくいでしょうから」

「う、うん。頑張る」

 

 丁度いいことに、お茶子には小さな失敗談がある。

 合宿二日目の夜、お風呂でのことだ。

 

 クラスメイトに縄の痕を見られて嬉し鳴きを漏らしそうになり、でも壁の向こうの男子には聴かせたくない。

 そこで咄嗟に〔浮重力系〕を使った──なお、声を我慢すれば良いなんて正論は言うだけ無駄である。

 

「あの時お茶子がやったのは、〔自分()加速〕だったよね」

 

 だから声帯の震えがぎゅっと短時間に圧縮されて、可聴域ぎりぎりの超音波みたいになった。

 まぁおかげで男子に聴かれて困る要素はなくなったけど。

 

「えーと、あん時はね? 自分の出す声が、聴こえない位の速さで遠くへ飛んでってまえー!ってつもりで。そうしたかった……んやけど」

「あ〜」

 

 なるほど、そういう結果を期待してたのか。

 それは……どうだろう?

 

「〔浮重力系〕ではちょっと無理な気がする。どうかな百」

「そうですわね、発想は面白いですが音の性質を勘違いしておられます」

 

 音は音波、空気の振動。

 つまり音の速さとは波の伝わる速さで、それは振動を伝える──振動()()()()、かな──物質=媒質(ばいしつ)次第だ。

 

 空中より水中の方がずっと速く伝わるし、空中でも温度や気圧によって変わってくる。

 逆に言うと、そういった条件が同じ空気中であれば、虫の鳴き声も和太鼓の重低音も飛行機のジェット音も、伝わる速さは等しい*3

 

 だからお茶子の発想は実現できないだろう。『広範囲の空気の粘度を変える個性』とかでもない限り。

 

「確か、カリナちゃんは『自分じゃなく周りに』って言いよったよね? 百ちゃんは……ごめん、なんやっけ」

「申し訳ございません、あの時はわたくし夢現で……」

「寝落ち寸前で、どうにか“音波は縦波なので”って言い残してたよ」

「縦波? タ・テ……」

 

 お茶子は参考書の索引から『縦波』を引いて読み始めた。

 これについては私は分かってる(つもりでいる)ので、ついでにあの晩の百をいじっておこう。

 

「そんで私の胸吸ってたよね」

「まぁ! お恥ずかしいですわ」

 

 あれ、想定と違う反応──あ、百め。私の冗談だと思ってるんだな?

 

「事実だよ、じーじーつ。A組みんなの前で私のおっぱいちゅっちゅしてたのー」

「そんなわけがないではありませんか?」

 

 ほほーぅ自信満々じゃないか。

 私だって梅雨ちゃんから『まさか()()()わよね?』とか訊かれて恥ずかしかったんだぞ。百も道連れにしてやる大切な思い出を共有できないなんて寂しくて泣いちゃうな私。

 

「じゃあ誰かにメールでもしてみなよ」

 

 

 

 

 百が羞恥心で壊れかけたせいで、すっかり話が逸れちゃったじゃないか。

 私たちが元の話を忘れそうになっている間、お茶子は真面目に物理の教科書と向き合っていた。

 

「音は縦波だから……うーんと……あ、じゃあ〔空間✕減速〕なら音も打ち消せる?」

「えぇ! そう考えられます」

「試してみたら? こういうの、やらなきゃ覚えにくいし」

 

 純粋な善意からの提案である。

 だというのにお茶子はちょっと頬を染めた。別に今のはえっちなお誘いでは……や、結果的にそうなるのかな?

 

 お茶子は顔の前にお椀型の『減速』空間を作り──(よこなみ)にも影響はあるので妙な色として目に見える──、大きく息を吸って、何事かを叫ぶ。

 

カリナちゃんのえっち!!

「えぇ……」

 

 口の横や上下から、僅かに漏れてきた声はあったけれど。でも確かに、口から発せられた(たてなみ)が真っすぐこちらへ伝わってくることはなかった。

 

「解くで? 平気よね?」

「はい、心配いりませんわ」

「えいっ!……ほ、良かったぁ」

 

 〔浮重力系〕を解いても、さっきの言葉や超音波などが発生することもない*4

 それは事前の目論見通り。良いことだ。

 これで合宿の時の失敗は乗り越えられたわけだしね。

 

 

 ──ところでお茶子、顔がとろけてるし目にハート浮かんでるよ。落差が激しいし変化が速い。

 

「アカン、やっぱり因子きれてもた……ッ」

「燃費は課題だねぇ。試してみてって言ったのはこんなつもりじゃなかったんだけど」

 

 どうも〔浮重力系〕は私の因子を大量に使ってしまうらしいのだ。まだ供給量が足りないのかも知れないけど。

 だから『試してみたら?』と促したのが『補充いっとく?』みたいなニュアンスを伴っていたのは、まぁ納得してもいい。

 

 そこまでは、ね。

 

「被身子も百も透も、私の因子が切れたからって発情なんかしないんだけどね?」

「そもそもお茶子さん、期末試験の前まではずっと因子ゼロだったはずですわよね」

 

 はっきり言ってしまえば、『因子が切れたから身体が火照る』ってのはお茶子の嘘なんだろう。

 私からの──お茶子が起きててもできる──因子補充のやり方が気持ちよくて、気に入っちゃっただけでしょうに。

 

「それはその、知らんかったから我慢できてたんやー、みたいな?」

「みたいなじゃないよ。お茶子? こういうことで誤魔化しはやめとこう」

「バレバレなんですから白状なさいまし」

 

 百からの当たりが微妙に強い。やっぱりアレかな、お茶子に“常識人枠”を期待してた反動かな。

 それでも淡々とお茶子を脱がせて固定してあげてるの面白すぎる。半分お子様扱いしてるようにも見えるけど……そこは欲望に忠実すぎるお茶子の自業自得なわけで。

 

 

「カリナちゃんの“種”が欲しいですぅ……♡」

 

 

 すっかり裸に剥かれ、局部を高くして両膝で自分の顔を挟むようなキツい姿勢に固定された、情愛を乞う淫らなケモノ。

 私はぱちんと頭のスイッチを切り替えて、さも憂鬱そうに溜め息をこぼす。

 

「お茶子さぁ……何度も言ったよね、これは種なんかじゃないって」

「でもっ、だって、こんな姿勢させられたらっ」

 

 言わんとすることは分からなくもない。でも今は共感を隠し、冷酷さで応える。

 ぺちぺちとお尻を叩いてあげながら──、

 

「ちょっとは自分で我慢とかできないわけ?」

「あ♡ あ♡ あ♡」

 

──とびきり繊細な〔身体変造〕を実行した。

 お茶子が泣いて喜ぶお気に入り、特製の自在操(マニピュ)作肢(レータ)、被身子のお尻にも大好評だった細長い指だ。

 

「返事しないとやめちゃうぞー」

「ごめんなさい、我慢できなくてごめんなさい!」

 

 触覚はばっちりあるし、関節の可動範囲も広いし、もちろん中を傷つけかねない爪とかは徹底して丸く滑らかにして。

 それが左右で十本*5 。これがあればこんなこともできる。

 

 ──ぐぱっと開いて。ぴたんと閉じて。

 ──外からは見えない内部に、ずちゅると隙間を作って。それを奥へ奥へ、ぐっぽぐっぽと。

 

「イヤやぁ、聴かせんでぇ!」

「すっごいイヤらしい音。まだろくに触ってもいないのに」

 

 つまりこの指を半分入れた状態でお茶子に跨り、高まってきたらその花びらを左右に割り拡げ、私が……その、お茶子曰くの“種付け(スクヮート)”をして*6 。後は因子が目的地(しきゅう)まで染み渡るよう、物理的に隙間を作っていく。

 

 こうすればお茶子の、溺れるほどの愛液にも負けない。

 ──傷をつけるようなことはないけれど、圧迫感とか凄そうなんだけどね……まぁお茶子は明らかに喜んでるので。私も指先の圧迫感とかぷりぷりさとか堪んない。

 

 二人とも気持ちよくて因子も渡せるんだよ? これ、拒む理由は無いと思うんだけど。

 

「さ、正直に答えようか。お茶子は私の因子が欲しいの? 気持ち良くして欲しいの?」

「ぇ、ぅ、ぅう〜〜!!」

 

 今さら何を恥ずかしがるんだ、なんてことは思っても言わない。恥じらいは恥じらいで大切だ。

 でも何度も言ってる通り、“個性”に関する誤魔化しは良くない。私が言うのもなんだけど、危ないかも知れないんだから。

 

 だから、素直に色欲を訴えれば求める通りに──

 

「……因子(たね)やもん……♡」

 

──するつもり、だったのに。

 

 だったのになぁ。強情な。

 

「ホントに? こんなにとろっとろにして、私の因子なんかお断りって言ってないかな」

「そんなわけ、そんなわけ!」

「あるかもよー? だって因子補充が終わらなければずっとこの指を楽しんでられるもんね」

あ、それええかも……

 

 良いわけあるかい。

 

「百、お茶子は寝かしつけて二人で楽しもっか」

「お待ちしておりました!」

 

 お茶子が悦ぶような意味でのサド嗜好をほとんど持っていない百は、てきぱきと拘束を済ませたら手早くシャワーを浴びて身支度を整えていたのだった。

 

 ひゃっほぅ、バスローブの下はいつかのえっち下着じゃないか!!

 

 

 当然雌豚おちゃこは悲鳴をあげて哀願してくるけれど、最近ちょっと甘い顔しすぎた気がするし、どうせこれはこれで楽しむんだから今回は放置かな。

 起きたらまた〔浮重力系〕の練習できるように、因子だけは挿入(いれ)とくからさ。

 

 

♡♡

♡♡

♡♡*7

 

*1
四つの力:基本相互作用。粒子同士の間に働く物理的な力を大別したもの。

*2
仮に『重力を消している』のなら、対象物の質量が大きかろうが小さかろうが無関係なはずでは?という。

*3
異なる媒質への伝わりやすさには差があるが、速さは同じ。

*4
後書き参照

*5
足の指も練習中である。プルスウルトラ!!

*6
squirt:(液状の何かを)強く噴射すること。検索するとアダルト動画がヒットすることがあるので要注意。

*7
この日は最後まで慈悲は無かった。




■読者さま向け・要点のみ
 この“技能”は『燃費激悪で非常に強力』です。
 ・【世界】(ザ・ワールド)モドキ
 ・万能防御壁
 実戦ではこの二つを使います。

■読者さま向け・もうちょい詳しく
(以下、読まなくても問題はありません)

〔浮重力系〕
 『自分または指定の空間』を『加速または減速』する。
 燃費がひどく悪く、使い続けることは難しい。

〔自分✕加速〕
 お茶子の主観では周囲が減速する。この状態で叫ぶと周りからは超高音に聴こえる(または可聴域外となる)。
 加速の幅を大きくすれば【世界】(ザ・ワールド)モドキになるが、そこまで速めると体感一秒も保たない。

〔自分✕減速〕
 お茶子以外が相対的に加速するので、実用性は薄い。
 夜の使い道は分かりきっているが、後が怖いので禁止令が出された。

〔空間✕加速〕
 有機物が腐ったり金属が錆びたりを速めることはできた。
 しかし怪我の自然治癒を速めるようなことはできない。指定できる空間がかなり狭く、自分以外の人間は全身を包めないため。
(部分的に包むと、空間の内外で血流などが遮られるので治癒どころか害することになる)

〔空間✕減速〕
 任意の空間に遮蔽物となる壁を作れる。範囲は限られるし出しっぱなしにもできないが、防御性能は非常に高い(※)。
 〔不透膜(インパーミー)〕は『光だけ』『音だけ』のような遮蔽だが、〔浮重力系〕にそういった選択透過は不可能。

※あくまで減速であって、減殺などではない。
 本来は↓1.のように、遅らせるだけなのだが……

1.
空間内にあった生野菜は、変化は留められていたものの加熱は受け続けていた。だから能力を解くとその分の変化が一気に訪れた。

2.
音などの縦波が、通常空間から減速空間の端に到達した際、波がそこに留まっている間に後ろの波が追いついてくるため、そこで(減速された)波同士が相殺を起こす。その結果、効果を解いても音は解放されない。
光などの横波では相殺は起こらないが干渉は起こる。
実は銃弾のような物体でも、先端が減速空間に突入すると後端の前進力は激しい抵抗を受けることとなり、また前後でねじれ回転の速度が変わることが弾体に強い剪断力をかけ──ともかく結論だけいえば、弾は殺傷能力を大きく減じる。
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