各国名とジョージ・グレンの告白前後まで
前置き 「再構築戦争」
我々の世界が、コズミック・イラ(以降CEとも表記)という新しい元号を使うようになったきっかけであり、人類滅亡の瀬戸際を人々が駆け抜けることになった、所謂第三次世界大戦のことである。
コズミック・イラ前……………西暦時代の末、各地で民族紛争や宗教紛争の激化と石油資源の枯渇や環境汚染の深刻化、それらに連鎖した世界不況が起こり、それをきっかけに世界各国が自国問題の解決のために同時多発的に対外侵略へと走った事が、その戦争のきっかけとなった。
当然の如く核兵器も乱用された訳だが、その戦争が終息を迎え始めようとした頃にカシミール地方において今のところ歴史上核兵器が使用される最後の機会となった「最後の核」事件の年がCE元年、つまりCE一年となった程にその戦争で起きた変化は大きかった。
取り敢えず、それから8年後のC.E.9年にこの戦争が終結したわけだが、この結果戦前は100を超える国々があったのに対し、戦後はいくつかの強国によるブロック化された国家勢力が台頭する世界に再構築されたのだ。
北米圏・イギリス・アイスランド・アイルランドで構成された
「大西洋連邦」
ロシア(極東方面除く)・EU諸国を基にした
「ユーラシア連邦」
中国・韓国・北朝鮮・モンゴル・台湾が合わさった
「東アジア共和国」
ラテンアメリカ諸国の合併により成立した
「南アメリカ合衆国」
北アフリカの国々が連合し成立した
「アフリカ共同体」
アフリカ大陸南部の国々を纏める
「南アフリカ統一機構」
スカンディナヴィア半島に生まれた王国
「スカンジナビア王国」
中東・アラビア半島の国々により生まれた
「汎ムスリム会議」
東南アジア、南アジア地域の国々に依って成立する
「赤道連合」
オセアニア地域で構成された
「大洋州連合」
ソロモン諸島一帯を擁する
「オーブ連合首長国」
開拓された南極大陸に生まれた新国家
「ナーウィシア連邦共和国」
そして、我が国、日本が戦争の影響に伴った国体変更により名を変えた「日本皇国」
そのすぐ近く、旧ロシア極東方面圏を国土として大戦中成立した新国家、「ウィルキア王国」
以上の14の国家が現在の世界を構築する国々である。
さて、今回は再構築戦争期から今に至るまで、この14カ国が紡いたこのコズミック・イラにおける本小説本編までの歴史的道のりを記す。
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CE15年、後に「ファースト・コーディネイター」と呼ばれる事になる宇宙飛行士ジョージ・グレン氏が自身で設計した大型宇宙探査船「ツィオルコフスキー号」で木星へ様々な調査事業の為に旅立つ直前、今までの自らの成功が、自らが遺伝子改造で生まれた者(後にコーディネイターと呼ぶようになる)だから出来た、と言う事と、自分と同じような存在の生み出し方……………俗に言う「コーディネイターの製造方法」を世界中にネットワークを通じて公開し、そのまま木星へ旅立った、後にいう「ジョージ・グレンの告白」である。
しかし、地球各国はいきなり全世界に向けて叩きつけられた爆弾情報と、同時に公開されたコーディネイター製造法、そしてそもそも論としてのコーディネイターの是非を巡り、大混乱に陥る。
【よりにもよってインターネットに一般公開はイカンでしょ!!!】
公開された情報を見た当時の日本皇国総理大臣が叫んだこの一言が、当時の混乱の一端を示す言葉の一つとして教科書に載っている程だ。
で、これに対して大西洋連邦、ユーラシア連邦などで活動する巨大自然環境圧力保護団体「ブルーコスモス」等はコーディネイター技術に関して、アズラエル財閥支援の元で反意を表明、その一方で年中極寒の中、厳しい地下都市生活が前提となるナーウィシア連邦や「国民を強くする」事で大西洋連邦やユーラシア連邦等に国力的に劣っていた南アフリカ共同体等がこれを国力増大の足がかりにせんと目論んでコーディネイター製造………生まれてくる子供に対する遺伝子コーディネイトを推奨し始める等、各国でスタンスが別れる事になる。
その後、翌CE16年には反コーディネイター派に位置づけられたブルーコスモス系の人々を軸に「人類の遺伝子改変に関する議定書」という題目で再構築戦争後再建されていた国連で合法的にコーディネイターを生み出せないように遺伝子コーディネイトを禁止する議定書を採択しようとする。
しかし、国連再建に際して加盟する形となり、南極大陸を開拓し広大な地下都市群を生み出したその優れた技術力で、早くも国内で遺伝子コーディネイトによるコーディネイター誕生が進んでいたナーウィシア、ジョージ・グレンの告白でこの技術がインターネットで公開されてしまってる以上これを禁止にすれば確実に遺伝子コーディネイトが反社会勢力の資金源になると危惧した日本、スカンジナビア、ウィルキアの計4カ国の強硬な反対と、条約批准後のジョージ・グレン含めた既に生まれているコーディネイターの扱いに関する規定の不備を指摘した南アフリカ共同体と大洋州連合の反発により、この動きは頓挫することとなった。
以降、議定書採択頓挫とちょうどこの時期から大きく進展し始めた宇宙開発関連に話題が持っていかれたこともあってコーディネイター及び遺伝子コーディネイトの是非に関しては各国個別にスタンスを構築する形が続くこととなり、反コーディネイター色が強くなっていた大西洋連邦とユーラシア連邦、逆にコーディネイター化を推進していたナーウィシア、南アフリカ共同体以外はコーディネイター及びコーディネイトに対するスタンスの模索が続くことになるのだ。