さて、前回最後に記した通り、まずはこの世界における各国と「プラント」について触れようと思う。
1.「大西洋連邦」
地理的には旧北米圏・イギリス・アイスランド・アイルランドで構成された白人主体の大国、この先の話においてユーラシア連邦、日本、ナーウィシア、プラントと併せ何かと話に出てくる5カ国のうちの一つである。
明確に反コーディネイターを掲げる環境団体「ブルーコスモス」の本拠地と言ってもいい国だ。
「プラント」建造に出資した「プラント理事国」の一つであり、出資額は理事国中最大、言うところの筆頭株主と言ったところか、ブルーコスモスの本拠地とあって自国民外国人関係なくコーディネイターに厳しいが、プラント関連でその辺に問題を抱えてるのも特徴だ。
対外的にもユーラシア、日本とはあまり仲が良くないし、ナーウィシアに至ってはほぼ明確に敵対的な関係になってるなど、お世辞にも外交状態はいいとは言えない。
2.「ユーラシア連邦」
極東方面を除いた旧ロシア・EU諸国を基にしたユーラシア連邦は純粋な国土だけで言えば世界最大を誇る国家にあたる…………が連邦構成国家がそれぞれ余り仲が良くなく、内部での主導権争いやらなんやらで纏まりに欠けている部分がある。
こちらも大西洋連邦と似てブルーコスモスの大規模な活動拠点が幾つもあるが、大西洋連邦と比べればコーディネイターへの風当たりは比較的マシな所と言った具合、因みにプラント理事国の一つ。
が、こちらは大西洋連邦と違い、外交的には日本、ウィルキア、東アジア共和国と仲が非常に悪く、特に東アジアとウィルキアとでは領土問題を抱えてるなど、外交面に喫緊の爆弾が多い形となっている。
3.「東アジア共和国」
地理的には中国・韓国・北朝鮮・モンゴル・台湾が合わさったアジア圏国家
旧中国が構成下にあるからか、赤道連合に並んでトップクラスの総人口を誇る。
こちらもプラント理事国ではあるが、出資額は理事国中最低、よって恩恵も少ない。
総軍数は全国家中最大だが、数にモノを言わせる仕様のため単体だと弱いのと技術レベルが比較的低いのが問題。
外交面でも日本、ウィルキア、ユーラシアと仲が悪く、特にユーラシア、ウィルキアとは領土で揉めていつ暴発するかわからない状態。危険域
「スカンジナビア王国」
「南アメリカ合衆国」
「アフリカ共同体」
「南アフリカ統一機構」
「汎ムスリム会議」
「赤道連合」
上記5カ国は本編での出番の都合上省略。
必要に応じ都度説明が入る予定。
4.「大洋州連合」
旧オセアニア圏で構成される国家。
「親プラント国家」の一つであり、特に勢力下のカーペンタリア湾は本戦争における重要地点の一つとなる。
とある理由からプラント理事国と総じて仲が悪く、プラント、及びナーウィシアとの関係が強い。
5.「オーブ連合首長国」
旧ソロモン諸島を領土とする諸島国家。
本作において、大西洋連邦、日本、ナーウィシア、に並ぶ超重要国家の一つ。
本世界では再構築戦争で日本がギリギリ生き残った為、事前に本地域に避難し、そのまま現地民と共に土着した日本人の血筋が国家成立に大きく関わったという形。
本編期においても中立政策を取るが果たして……
因みに外交状態は大西洋連邦、ユーラシア連邦以外とは悪くない形。
6.「ナーウィシア連邦共和国」
再構築戦争中にありとあらゆる余波で生まれた多数の難民とそこに混じった多数の技術者たちが長い道のりを経て戦乱の影響が一番薄いとされた南極に逃れ、とある技術で分厚い氷を溶かし、大地を掘削して長い年月をかけることで巨大な地下都市群を構築することで成立した連邦制の共和国。
この世界の国家の中でも群を抜いた厳しい環境下にあるが、突出してると言ってよいほどの技術力を有しており、それを持ってして南極という極寒の地にロケット基地を建設する等、宇宙開発にも力を入れており、この他自国の工業、農業コロニーや果てには宇宙要塞を有するなど南極にあるとは思えないほどの強大な戦力を有している。
工業、鉱業、漁業を主産業としているが、その他開拓において氷を溶かす事が多い都合上、月面と本土とを結ぶ多数の往還ロケットで宇宙コロニーや各国の月面基地へと膨大な量の水を運搬しており、コロニーにおける水の大半がナーウィシア産というほどの圧倒的シェアを獲得している。
外交面に於いては、本土開拓に役立てるためにコーディネイター化を推奨していた事もあり基本的に反コーディネイターである大西洋連邦、ユーラシア連邦とは仲が悪く、そうでない日本、ウィルキア、オーブと仲が良い、特に日本とは軍事面の一部で技術提携をしてたりする。
首都は南極点ほど近くの巨大地下都市「アムンゼン・ポリス」
7.「ウィルキア王国」
再構築戦争中頃、ユーラシア連邦旧ロシア側の核兵器自国内使用による自爆戦術等に異を唱えた極東ユーラシア軍と、アムール側流域に古くから住んでいた少数民族「ヴィルク族」が協調してユーラシア連邦に反旗を翻し、ユーラシア連邦と東アジア共和国を同時に相手取って青息吐息の日本と組んで両国軍を撃破、同時期に成立したナーウィシアの支援も合わさり、再構築戦争を生き延びて独立国として成立した国家。
軍事力や経済力は全体の中でも下位だが、安定した国内統治とアムール川河口近くの首都シュヴァンブルグ、軍事的用地でもあるシェルドハーフェン(旧ウラジオストク)での漁業、造船、船舶輸送業を主産業とし、日本海側に敷設された潮力発電システムやオルツァーツク(旧樺太)方面での広大な自然資源を基にしたバイオマス産業等で、自国内の発電における原子力の依存度が比較的低いのが特徴である。
外交としては日本、ナーウィシアと仲が良く、反面東アジアやユーラシアと仲が非常に悪い。
日本とは対ユーラシア、東アジアを軸に軍事同盟を締結している。
8,「日本皇国」
再構築戦争にてウィルキア独立とナーウィシア独立→ウィルキア支援の流れで危うく東アジア共和国に飲まれかけたところを間一髪棚ぼた的に生き延びた。
国土的には大体史実日本、帰属係争地であった千島列島と日本海側の島々がウィルキア独立等の影響で正式に日本領として確定しており、そういった意味では気楽だが、外交的には近場がウィルキアとオーブと以外仲が良くない状態。
産業的には第三次産業がだいぶ減り、第一次産業がその分大きく伸びていった形。
原子力水力風力地熱太陽光バイオマスその他諸々化石燃料枯渇に伴いありとあらゆる手段で電力を四苦八苦して確保してたが、CE65年、ナーウィシアとの共同開発で「地上の太陽」が完成、現在では海底ケーブルを中継してウィルキアやユーラシア、東アジアに売電するほどになった。
9.「プラント」
L5宙域に建造された研究用コロニーを前身としたL5宙域全体に広がる工業コロニー郡、ナーウィシアに負けず劣らずのとんでもない技術力を有したコーディネイター達による技術都市群と言っても良いほどの場所なのだが、その活動は建造出資者であるプラント理事国の影響下であり、食料系の生産を完全に禁止されるなど住んでいるのがコーディネイターである事を理由に理事国側が横暴を働いた上に、それが極まって「プラント理事国によるコーディネイター棄民」とナーウィシアから批判されるほどの状況に至った為、本編の時期についに暴発することとなる。
外交的には大洋州連合等の親プラント国家とナーウィシアと仲が良く、プラント理事国とは最悪、それ以外とは付かず離れずな関係となっている。
…さて、紹介も終えたところで話を再開しよう。
CE50年、「パトリック・ザラ」、「シーゲル・クライン」らのプラントのL5コロニーにて建設や工業製品の製造などに従事してきたコーディネイターの有志達によって、プラントにて自治権、貿易自主権を求める政治結社「黄道同盟」が結党される。食料生産制限撤廃と自衛権獲得を求める地下活動も開始されることとなった。
こうなった理由は先のプラント説明でナーウィシアが表現した「プラント理事国によるコーディネイター棄民」と言う実態に集約されている。
プラント理事国は国内のコーディネイター達を迫害し、プラントに移住するように仕向け、プラントにいる人=コーディネイターの図式を完成させることで自国内からコーディネイターを排除した上でこの頃テロに及ぶようになっていたブルーコスモス系テロ組織の標的を理事国内のコーディネイターからプラントに集まるコーディネイター達へと逸し、更にプラントに集まったコーディネイター達を国家武力で黙らせて馬車馬の如く利用することで、コーディネイター達を使い潰そうとしている、と言う認識がプラントのコーディネイター達の間で完成していたためである。
これは、理事国出身のコーディネイター達がナーウィシアやオーブ等に移住しようとするのを阻止するかのように理事国側が法律で分厚い壁を作り、反面プラントへの移住がそれに比して余りにもあっけなく手続きが進んだり、理事国からナーウィシアに移住しようとしたコーディネイター達が多数乗る飛行機の便が他の乗客を巻き添えにブルーコスモス系のテロで爆破されたり等のプラント移住と他国移住との間にあった大きな差が一つ。
プラント説明の際にも出た食料の生産完全禁止、テロ被害で工場が稼働できない状態が続いても、工場が稼働している前提の生産ノルマをプラントに課す等の横暴が過ぎた、というのがまた一つであった。
流石に見かねたナーウィシアや日本がプラント理事国側に対してプラントの扱いを改善するべきだと幾度となく通告したものの、理事国側は内政干渉に当たるぞとこれを強く拒否、キレたナーウィシア側が理事国からナーウィシアへの移住支援を開始したりしたが、これに対して理事国がコーディネイターの移住を更に強く制限したりするなど、排斥を強めた事からのプラント側の一つの回答だったわけである。
そしてこれらは後々に続く大きな火種となっていった訳だ。