コイツはオリジムシですか?いいや尾晶蠍です   作:ゲルゲルググ

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プロローグ

 オリジニウム。漢字で書くと源石と表現され、この大地に生きる人々にとって無くてはならないエネルギー源であり、それと同時に忌むべき災いの象徴でもある。

 文明技術が数年で飛躍的に発展する程のエネルギー効率に加え様々な事へ使用出来る汎用性、そしてアーツ技術と呼ばれる日常生活から戦争にも使われる超常現象。そんな人々への祝福の対価がもたらす、鉱石病と呼ばれる呪い。源石が生物へと感染し、内側から侵食。徐々に侵食して身体機能の阻害を行い、その結果で死んだ肉体を苗床とし、新たに増殖する。

 

 そんな源石はこの大地の至る所に群生している。そしてその移動方法は、巨大に成長しきった源石が破裂し粒子程の大きさとなって空へ舞い上がり、風に乗って移動しながら粒子同士がぶつかり、徐々に大きくなった源石が天災と呼ばれる隕石となって、大地へと降り注ぐ。

 この大地と生ける人々を襲う、れっきとした生物災害だ。

 

 

 さて、そんな源石の塊が真夜中の荒野に1つ。鋭い棘が球体状に生え、濁った様な青紫の光沢も一周回って幻想的で、まるで大きな結晶の花を想起させる。

 そしてその石の花の周りには、大量のオリジムシが纏わりついていた。

 

 オリジムシは、この大地に存在する虫である。雑食性故に下水道などの汚れた場所によく生息するので不衛生な虫として見られてたりする。

 だが驚くなかれ、雑食性故に勿論源石も食べちゃう訳だが、何と源石の侵食を体表を覆う甲殻へ誘導させるという源石侵食耐性を持っているので、安全にエネルギーだけを摂取しているのだ。源石に強くて可愛いね。

 

 今回も源石への捕食行動なのだが……何かおかしい。まるで誘われるかの様に周囲のオリジムシが集まって―――

 

 

 次の瞬間、捕食されていた源石結晶が勢い良く持ち上がり、そのまま張り付いているオリジムシごと地面へ勢い良く叩きつけられた。

 地面を砕き、小さくクレーターを作る程の衝撃が大地へ伝わる。残ったのは、先程までオリジムシの形をしていた肉の絨毯と体液の水溜り。

 

 結晶の下に繋がれた黒く長い何かは、源石結晶にこびりついた肉と体液を振り払うかの様に何回か地面を叩きつけると、漸く地面へ姿を消す。

 

 

 そしてその変わりに現れたのは、巨大な生物だった。

 

 

 体は全体的に平べったいが大きな事に変わりは無く、全身は黒い甲殻に包まれている。そんな体を支える筋肉質な4本の脚と、鋭い2本の鋏。

 その鋏と、4つの紫色の目を持つ頭部にそれぞれ青紫の源石結晶が鎧の様に張り付いており、オリジムシの大群を叩き潰した尻尾の先端には、一際大きな源石結晶が存在する。この源石結晶のおかげで漸くこの生物がオリジムシの一種であるとわかるだろう。

 

 その巨大な生物は目の前の体液溜まりに鋭い牙を持った口をつけると、瞬く間に体液を吸い尽くし、潰れた肉を残さず平らげる。

 

『キィィィィィィイ!!!!!』

 

 天に向かって咆哮する様は正しく、この生態系の頂点だと主張するかの如く。

 

 

 荒野を走る運び屋…トランスポーター達の間で、最近この様な噂が囁かれている。大地に咲いた青く光る源石結晶に近づいてはならない。1度でも近づいては最早逃げる事は出来ず、為す術も無くその煌煌たる尾に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、それまだ続く感じ?」

【えぇ?!まだ続くどころかコレからなんだけど?!】

 

 打って変わって太陽がジリジリ照りつける真昼の荒野にて。荷台に様々な物が詰め込まれた四輪駆動車に背を預け、ペットボトルに入った飲み物を飲む堕天使と、荷台の上で何かシャカシャカと忙しなく身振り手振り動かしている小さな源石生物が一匹。

 外見は紛れもなくさっき説明された巨大な生物と一致しているが、凄くちんまい。

 

「本当に君、自分の身の上話が好きなんだね?」

【いやだってほら、ワイはこの世界に霆「逕してからずっとオリジムシ界の頂点だし?こうやって話し相手もいるし?自慢したくなるってもんでしょうよ!】

「ねぇ君さ、私と出会ってからその話何回したと思う?」

【………沢山?】

「そう沢山。つまり聞き飽きたんだよね」

【ま、マジかぁ……じゃあワイが感染者を率いる炎の暴君をぶん殴って正気を目覚めさせた話は――】

「それももう50回は聞いたかな」

【ぬおぉぉぉぉぉ……!!じゃ、じゃあ――】

「いや、多分君の頭の引き出しにある話題は余すこと無く何十回は聞いたと思うよ」

【じゃあ何が聞きたいんだよぅ!アンタとワイが出会うまでの話はコレくらいしかねぇんだけど?!】

「私が今知りたい事と言ったら、どうして君とこうして同調して話す事が出来るのかとか。後は…君がそうなる前(・・・・・)の話とかかな?」

【あぁ、ワイが霆「逕する前の事?マジ?】

「君が何をしたのかだけが聞こえないけど…まぁそうだね。うん、知りたいよ。君は未知の話を退屈だと思って余り話さないみたいだけど、私はそれが凄く気になるんだ」

【う〜ん、ワイも生きてきた時間長いから、そんな憶えてないんよな〜。すぐ会話尽きそう。】

「でも、何百回と聞いた君の身の上話よりか楽しいよ」

【……なんか遠回しにディスられた気がする。まぁいいか。よし、ちょっと待ってろよ!今記憶を捻り出して……】

「……ん、そろそろ休憩は終わりかな」

【いや唐突ゥ?!】

「時間は守らないと、トランスポーターはやっていけないからね」

 

 そう言いながら、堕天使は片手でペットボトルを潰し……生物へ差し出す。

 

「食べる?」

【食べんわ!】

 

 フフッ、とさっきまで浮かべていた薄ら笑いとは別の、少々妖艶な笑みを浮かべた堕天使は、そのまま運転席へと向かう。

 

「ちゃんと荷物に捕まったかい?悪いけど、落ちちゃっても止まれないからね、おチビさん」

【チビじゃねぇよ!ワイの名前はァァァァァァ?!!?!】

 

 セリフ途中でもお構いなしと言わんばかりの急発車に、生物は吹き飛ばされかけた。荷物を括り付けている紐を斬らない程度に挟んでいなければ吹き飛ばされていた所だろう。

 堕天使のクスクスとした笑い声が聞こえる。

 

【モスティマお前ェ!!怒るぞワレェ!】

「ハハッ…龍門についたら君の話をちゃんと聞くから、それで許しておくれよ、おチビさん」

【だからチビじゃねぇって!ワイの名はなァ―――】

 

 

 

 

 

 アクラ・ヴァシム

 

 数年前までは目撃情報がトランスポーターの証言のみだった事により、長らくの間存在を確認されていなかったが、チェルノボーグで起こったとある事変をきっかけにその存在が公に確認された、突然変異の巨大源石生物である。




午前中アクナイまとめを読み漁る→テラに転生とかの記事を見る→偶然シエスタイベントの時くらいに書いて一定の人気あったけど消したこの小説の事を書いてた感想を見つける→あぁ書いた書いた懐かしガハハ!→イマココ


まぁどうせ誰も憶えて無かろうし、1話だけ投稿してもバレへんだろ
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