戦姫絶唱シンフォギア 白い椿が舞い降りる時 作:フィルツェン
設定投稿だいぶ空いていたなんて……ごめんなさい。ほんとに。
なるべく早めにあげたいなぁ……(願望)
前半はとりあえず1話の前に色々と顔合わせさせてます。
ほんの少し書きやすくしている為何にも関係ないんです、はい。
あれから2年後、ノイズによる襲撃はあった。
だが毎回圧勝できていたわけでもない。沢山の犠牲者が出でいる
2年の月日が経っても元の世界に帰れる手がかりがなかった。それでも時間は進んでいく。
こちらにきて歳をとっても姿が変わるわけでもない、あの時から何も変わらなかった。白椿にも聞いてはみたが原因は不明
ノイズの襲撃以外動くことがほぼないためほとんど『特異災害対策機動部二課』で待機している
食堂で珈琲を飲みながら学校に行かずここで過ごすことがほぼ毎日だ。
弦十郎の手回しで高校に行けるようにはなってるがうまく馴染めず最近は行けずにいる。
「カレン君、また学校に行かないの?」
「……櫻井さん。おはようございます。」
後ろから話しかけてきたのは櫻井了子。特異災害対策機動部二課の研究者であり、『シンフォギア』をはじめとする『聖遺物』を動作させることができる櫻井理論を提唱する天才研究者でもある。本部や防衛システムの管理や適合者のメディカルチェックなど主要技術を1人で担当している。
「いくら馴染めないからって行かないのはもったいないぞ?」
「……わかってはいるんですけどね。」
「…やっぱりだめ?」
「俺は、IS学園の生徒ですから。元の世界への戻り方がまだわかってない中、切り替えることなんか出来ないんです」
「それでも楽しまなきゃ損よ?」
「……何にも変わらない化け物じみた俺のいる場所はここしかありませんから」
これ以上話ていても意味がない。
櫻井さんから逃げる形で食堂から出ることにした
まだ朝早いため本部に来ているスタッフは少ない、はずだ。
自動販売機で後々飲むものを選んでいたら視界が暗くなる。誰かに目隠しされたと予測できるがこんなことをする人はアイツしかいない。
「だーれだ」
「毎回されると誰だかわかる。奏。」
「残念。アタシじゃないんだよな」
「は?」
目隠しが外れたため後ろを振り向くとそこには翼がいて近くに奏が立っていた。
翼がこんなことをすることが無かったため驚いていてしまった。少しだけ翼は笑っていた
その笑顔は男子全員落とせてしまうぞ、辞めたまえ。
風鳴翼はこの2年間で少しだけ明るくなっていた。いい変化ではあるが奏の悪いとこまで似なくていいんだぞ…
「……風鳴。あまり奏に合わせなくていいんだぞ。」
「ご、ごめん。いつも楽しそうだったから……」
少しだけ翼が落ち込んでしまう。なんだかこっちが悪者になった気分だ
「……たまになら、許す。だから落ち込むな。」
「カレンって翼には甘いよなぁ…でも翼可愛いから甘くしちゃうのもわかるんだよな」
「な、何言ってるの奏。私なんか…」
名物の翼いじりが朝から見れた。本部では名物になっているのだが和んでしまって逆に作業が捗る謎があるが助かるから問題はない。
そんな2人を眺めていたが『ガチャン』と音が鳴り響く。
何事かと周りを見回しているとなんだか腕が重く感じたので見てみると手錠がついていた。
「なんか俺悪いことしたかな」
「えぇ、高校に行かないから私が連行します。」
横を見ると緒川さんが立っていた。
緒川慎次、この特異災害対策機動部二課のエージェントでありツヴァイウィングのマネージャーでもあるすごい人だ。
この人は身体能力がものすごく、現代アレンジも加えながら動ける忍者みたいなことまでやってしまう。
「学校に居づらいのはわかります。せっかく学年が変わって新しい環境になるんですから」
「……初日だけは行けと?」
「単位が切れないようにしましょう。それで後期苦労したの忘れましたか?」
「言葉が痛い。普段優しい緒川さんの言葉が痛い」
「司令にもお願いされましたから」
余計なことをする人だ。
そう、俺がこの世界にいる間は弦十郎が親と勝手にされていたため名前を出されたりすると申し訳なく思わさる。
1つ、相談してくれてもよかったのに……なかったから。
「今日は入学式だけで終わるのでしょう?」
「まぁ、そうですけど」
「生徒会のあなたがいなきゃできない役割もあるんですから……」
「……できるだけ行きたくはないけど緒川さんが怖いからいきます。帰り頼めますか?IS使えないし」
「わかりました。では、そのまま私の手伝いをしてもらいましょう。」
「簡単なことしかできませんよ」
「その簡単なことが1番助かりますから」
仕方なくISの粒子格納庫から学校に行くためのものを取り出しゆっくり出入り口に向かう。
「あ、カレンさん。今さっき櫻井さんからカレンさん専用カタパルトの完成したとのことです。試しも兼ねて空から行ってみては?」
「…………なんか言われたら櫻井さんの責任でいいですか?」
なんと?
今ものすごくいいことを聞けた。ちょっと気分が良くなってきた。
今まで本部の上に出てから白椿を使っていたため、1年前から弦十郎に頼んでいた
「もちろん」
「どこから?」
「カレンさんのIDなら直接行けますよ」
「行くので手錠外してください」
手錠を外してもらう時苦笑いされたがさすがに反応早すぎただろうか……?
俺は駆け足でエレベータに向かう。
明るいからあまり飛ばせないが楽しみである。
「白椿。行けるか?」
『問題ないよ。全システムオンライン。どこも悪くないよ。カレンが毎日整備してくれるから』
「そうか。カタパルトからは2年ぶりだ、正直できるなんて思わなかった。」
『そうだね。明るいしなんもないからステルスで』
「わかってる。どれぐらいの速度で解けるんだっけ」
『大体300かな。まだこの世界の環境に慣れないから』
2年という月日が経っても白椿にはここの環境に慣れないらしい。
白椿曰く『なんだか特殊』らしい。
白椿と話していたら『ナイトヘーレ』ブロックについた。
「ナイトヘーレ。ここからか。」
『位置的に本部から操作しやすいように25メートル後ろに作ったんだね。に、してもいつの間に横移動したの?』
「さぁな、変態が作ったんだろうよ。まず櫻井さんがいるからな、可能なんだろ。さ、行くぞ白椿。」
俺は白椿を纏い、カタパルトに接続する。
真上のハッチが次々に開いていく。開くたびに懐かしい感覚になっていく。
『はぁいカレン君!1年も待たせてしまってごめんなさいね。やーっとできたから試しにね』
「櫻井さん。あなたが担当するんですか?」
いきなり通信回線が開いたので驚きはするが顔には出さないようにした。
『今回だけね。私がいない時は他の人ね。データも欲しいからフルスロットルでお願い!』
「だ、そうだ。いいか?」
『問題ないよ。ステルス使う時は速度落としてね。』
「わかった」
▁システムオンライン、カタパルトに白椿の接続確認▁
機械音声が鳴り響く。うん?どこかで聞いたことのある機械音声だ。
▁ハッチオープン。進路上に問題なし▁
あ、これはおそらく白椿の趣味だな。
どことなく聞いたことのあるアナウンスだなと思ったらお前の仕業か。いつの間にこんなのを櫻井さんに渡したの?
困惑はするが興奮が勝ってしまう。
『白椿、カレン君!思いっきり行っちゃって!』
「白椿、いきます!」
真上に、空を求め全スラスターを使い飛ぶ。
それなりに長い1本の通路を10秒もかからない速度で飛んでいたら青い空にいた。
『カレン、いつもみてる空がなんだか』
「あぁ、輝いてるな。白椿、あまり時間はないが楽しみながら行こうか」
『うん!』
ステルス機能を使いながら学校へと向かう。
その中でIS学園で初めて誰かと飛んでいた時のことを思い出していた。
一夏、セシリア、シャルロット、鈴……みんなは生きているのだろうか
「カレン君ったら、本当にフルスロットルで行っちゃった。でもいいデータが取れたわ。」
了子は了子で目の前のデータに夢中らしい。ものすごい笑顔で本部のみんなが怖がったそうな。
時間はほんの少し経ち、お昼前。
カレンの通う高校の入学式が終わり、生徒会室で新入生のことを話し合っていた。
「さぁさぁ!後輩が入ってきたからしばらくの間。我らが活躍しなきゃいけないのだが……」
今喋っているのは生徒会長の斉藤。少し馬鹿だがその馬鹿さで人気をとりながら生徒会の中で頭の回転が1番速い。行事の度に驚かされる。
「カレン、なんかいい案ない?」
「いきなり俺にふるな馬鹿。」
「ひどい!?馬鹿って言わないでよぉ!」
「いきなりふるのが悪い」
「副会長なんだからさぁ!学校の歴史が書かれた資料ばっか読まないでこっちにきて座って話そうよ!」
「……初めてのことなんだから読んだっていいだろ。それに」
「それに?」
「馬鹿が感染る。」
「ひどい!馬鹿はうつらないヨォ!?」
こんな感じで少しめんどくさい斉藤だが生徒会をまとめてくれるいい会長だ。
他のメンバーは苦笑いしているが各々作業をしている。
生徒会室にはホワイトボードがあるのだがその近くに立っている書記、見村。
今後の部費などの計算をしている会計、霧島。
生徒会は4人で一応全員だ。
「うるさい。そんなんだからカレンに馬鹿扱いされんだよ。事実だけど。」
「霧島!?」
「まぁまぁ、こんなのでも生徒会が成り立っているんですからそこらへんで……」
「みっちゃん……」
見村が座ってる斉藤に綺麗な右ストレートをお見舞いして聞こえてはいけない音と一緒に斉藤が吹き飛んでいった。
毎回思うが死なない斉藤はどこか一夏みを感じさせる。
「みっちゃん呼びはやめてねぇ」
「アイ……すんません……」
そんなやりとりを見ながら霧島がこちらを向いて何か言いたげな顔をしていた
「……どうした、霧島」
「カレン君、体調はいいんですか?」
「まぁ、それなりにはな。だから今日来たんだろ」
「元気ならいいんです。これから毎日来てくださいね。」
「それは無理だな。」
「あなたが休む度に小言がこちらに来るんです。」
「そうか」
「………………あなたのことなんですからね!?」
「まずい、霧島の説教が始まる」
こんな感じで毎回生徒会は騒がしい。だが心地のいい空間だ。
平和な空間がずっと続けばいいなとは思う、ずっとなんて無理だってことがわかっていても。
雑談もしながら会議は進んでいったが肝心のことが1つだけ決まらず時間が過ぎていきお昼前。緒川さんからの連絡がきた。
カレンさんの高校にもう少しで着きますので校門前にいてくださいね。
まずい、もうそんな時間なのか。
急いで筆箱などをしまう
「すまん、今日これから用事が」
「あ、そうなの?じゃあここまでだな!」
「毎回思うが斉藤、俺が帰るからって会議やめなくても」
「お前がいなきゃ始まらんこともある。それに今日のイベントは終わったし会議も大分進んだ。本当なら来週やらなきゃいけないことを終わりかけまで持っていけたらな。」
「斉藤、すまん。合わせてもらって。」
「いいって。カレンにはかなり頼ってるからそんぐらいはな…今日の挨拶の時にも助けられたからな。」
「斉藤くん、カレンの用事が」
「おっと」
多分緒川さんもう来てると思われるため急いで準備をする。多分こんな生徒会はここだけだろう。
直接言うことはないだろうが、ありがとう。
「お先!」
「おう、明日なー」
「またね〜」
「気をつけて」
生徒会室を出て靴を履き替えて外に出るともう緒川さんが到着していた。
小走りで向かうとこちらに気づいたのか車の後ろにいる誰かに話しかけた後、奏が降りてきた
「馬鹿!お前がなんで出てくるんだ!」
「馬鹿って言わなくてもいいだろ。緒川さんが『仲のいい奏さん、頼みまたよ』って」
「………………なんかすまん」
「まぁ時間もないしな。さ、乗ろうぜ」
「どこに行くんだ?」
朝から若干気にはなっていた。
緒川さんから頼まれることといえば奏達のボディーガードとかだろうが
そして奏がにやけている。どうしてだ
「リディアンの中だよ。翼の迎えにな」
「俺は入れないだろ」
「お前、今は弦十郎の旦那の息子だろ?なら無関係じゃないし入れるぞ」
「……そう、なのか?」
謎が大きいがそんなことは後々はれるだろうから車に乗り込みリディアンな向かう。
まではよかった。
「ここどこ……?」
『ごめん、私もわかんない。データ貰えばよかったね。』
絶賛迷子中だ。
周りには女子ばっかで道を聞こうにも話しかけれない。
どうしよう、早く行かなきゃ翼にしばかれる。オロオロしていたら2人の女子生徒が近づいてきた。
黒髪ショートで大きな白いリボンでハーフアップの子と襟足が広がったボブカットで揉み上げのこめかみあたりの左右に髪留めをつけている子だ。
なんだろうか、ボブカットの方は見たことがある気がする
「ここの人じゃないよね、どうしたの?」
「…迷ったんだ」
「どこにいきたいの?」
「職員室だ。場所知っていたら案内を頼みたい」
「休み時間中だしいいよ。っても私たちも今日入学したばっかだけどね」
3人で少し迷いながらも職員室にたどり着くことができた。
「すまない、助かった」
「困った時はなんとやらってね」
「私たちも再確認できたからよかったね」
「だねぇ。私たち次の授業があるから戻るけど帰りは大丈夫?」
「あぁ。どこかで会えたら礼をさせてもらうよ。名前聞いてもいいか?」
聞こうとしたらチャイムがなってしまった。
そういえばリディアンは普通に授業あるんだったな……
「悪い、時間を取らせた。できるだけ早めに戻ってくれ。あとは自分でできるから」
道を教えてもらった2人は走っていく。
怪我をしないといいが。
「今度どこかで会えたら名前教えますねぇ!」
走り去っていく2人を見ていたが、1人はおそらく陸上部だったのだろう。速かった
あとボブカットの子、本当に一度見たことがある。どこだったかな…
気にはなるが時間がない為職員室に入っていく。
「失礼します、風鳴さんいます?」
「あなたがお迎えね?入れ違いになっちゃったわね……ほんの数分前にここに来てどこか行っちゃったのよね。」
「そうでしたか。」
多分迷ってたから入れ違いになったのだろう。
そうなると恐らく翼はもう奏と会っていると思われる為職員室から早めに出ないとな。
「これ、渡し忘れたから風鳴さんに渡しといてくれるかしら。年間行事予定表なのよね。」
「わかりました。風鳴さんに渡しておきます。では……」
先生から紙束を受け取り職員室から出る。
リディアンの学校行事は多いんだな。他の学校とは比べ物にならないぐらい書き込まれている。
外に出るまでに10分かかってしまったのはここだけの話だ。
緒川さん達と合流後、ツヴァイウィングの護衛をしていたらあっという間に数時間経っている。日が落ちてきていた。
『いっつも思うんだけどさ、彼女達と居たら時間が早く感じるよね』
「……だなぁ。こんなのはIS学園にいる時ぐらいしか感じること無かったのにな」
関係者以外立入り禁止区域の為、俺は車内で待機していた。
いくら緒川さんからのお手伝いとしても中まで入ることはしたくないし、本格的なことをしているわけでも任されている訳でもないため中に入らなかった。
『……早く戻りたいよね、カレンは。』
「まぁ、そりゃな。銀の福音も止めれてない状態で1人平和に暮らしてる場合じゃないのは分かってんだけど戻る方法が分からないなら焦っても仕方ない。俺に今出来んのは…みんなの安全をここから願うだけだ。」
周りに人がいないと分かってはいるがこう見ると独り言が酷く、頭のおかしい人だと思われても仕方ない。
それにしても打ち合わせが長引いているな、トラブルでもあっただろうか?毎回打ち合わせが上手くいくとも限らなさそうなので気長に待つこと更に1時間。
ものすごく疲れた顔をしている奏と疲れている奏からちょっとダル絡みされている翼……緒川さんは辞めるように奏に言っているようだが辞める気配がない。
いつもよりはゆっくりだが3人が車に乗り込む。
「カレンさん、長時間お待たせしてしまいすいません。車からは1度か降りました?」
「…降りたように見えます?」
「…………いつもの事でしたね……でも正直ここまで誰かが入ってくることも稀ですし出歩いてもいいのですよ?」
「そうする理由がないので……」
緒川さんが苦笑いした。
やっぱりおかしいのだろうか……?外を眺め蒼空を見るだけでも今の俺にとっては楽しくあり、懐かしくもある。織斑達と飛んだ蒼空ではないが飛んだ気になるのだから。
「カ〜レ〜ン〜元気になるような事言ってくれよ〜」
「……お疲れ様。」
「いつもより冷たい感じすんだけど気の所為?」
「気の所為」
疲れた奏はちょっと無茶振りをしてくるが慣れたものだ。おそらく冷たく感じるであろうが疲れた時の奏にダル絡みされないよう回避しているだけだ。
「さ、今日はちょっと長引いたので外食にしましょうか。司令には連絡を入れてあるので多少遅れても大丈夫です」
そうきいて奏のテンションと気分が戻った気がする。もう顔を見なくてもわかる…
「ほんとかよ!じゃあアタシ食いたいもんあるんだよな〜!」
「ふふっ、今日は奏の食べたいものでいいんだ?こんな日はいつもカレンの手作り食べてるのに?」
「それは戻った後に軽く作ってもらうし!」
「……はぁ。仕方ない奴……緒川さん、多分いつものなのでお願いします。」
「はい、分かりました。にしても…カレンさん料理、1度は食べてみたいものですね」
「緒川さん?」
そんな他愛もない話をしながら緒川さんは車を運転し始める。
その日はノイズも現れず、外食をし本部に戻った
こんなふうに日常が続けばいいんだけれど、そう簡単に叶わないものだ。
数日後、新学期が始まりそこそこたった。
今日も今日とて本部で珈琲を飲みながらサボる予定……だったのだが
「カレンさん?」
緒川さんに見つかり仕方なく行く事にした。
緒川さんの威圧とも言える雰囲気を感じてしまったら行くしかないのだ……何故だろうな、その時の緒川さんは織斑先生みたいな…これ以上影で言うのはやめよう。あの人なら時空を超えて出席簿で頭を叩かれそうだ。
そんなこんなで高校に着いた。
いつもの如く誰にも気づかれないよう教室に行こうとしたが……
「お!今日は来たな!」
「…おはようございます、森永先生。」
「おうおはよう!お前のことだ、やっぱり来づらいか?」
「……まぁ。はい。」
森永先生。
この高校で俺の素性を知る数少ない教師だ。
弦十郎が良かれと思い担任と校長には知らせているらしく、よく気にかけてくれている。そのことに関しては感謝している
「俺と少し話してから教室行くか?」
「…その方が、ありがたいかも知れません。お願いしてもいいですか?」
「おう。じゃあ上靴に履き替えてから職員室前に来てくれ。数日分のプリントと一緒に教科書も渡すから。」
そういって先生は職員室に戻っていく。
おそらくそんなにないであろう、この高校は1階に下駄箱がある訳ではなく、地下みたいなところにあるのだ。
地下に行き自分の下駄箱の前に立ち、外靴を脱ぎながら上靴を取り出し履き替え外靴を入れる。そんなに時間もかかっていないはずなのだが先生は紙袋を持っておりこちらを見て静かに歩き近寄ってきた
「保健室が空いてる。許可はとってあるからそこで話すか」
「はい。分かりました」
少し移動をし保健室に先生と一緒に入る。いつもの如く保健室にある看板は使用中、教師は離席中の看板に立て替え鍵を閉める。
先生は椅子にすわる。俺は俺で保健室の窓に近づき蒼空を見る
「どうだ、本部の方は。」
「……変わらず、だとは思います。確か3日前は出動でした。この高校での被害者は出てないので一安心ですけど。それでも……」
「…ニュースを見たからな。いつも大変……だな。俺とか他の人にも出来ないことをお前はやってんだから」
「……できることをしてる、だけですから。僕の使うISがノイズに対抗出来る手段とあれば、使いたいんです。」
一応先生には全てを伝えてある。
この保健室には盗聴器など設置できないよう本部の人が毎日夜遅くに確認、見つけ次第処分してもらっている。それでも不安なため、使う時は白椿に確認してもらっている。
「そうか、それが口癖だったなお前。何回聞いたかなぁ」
「……今年で3年目だと思いますよ。」
「そうか、もう3年か。お前ももう少しで卒業だなぁ」
「もう少し、というかまだ1年ありますよ……」
「そんなことないぞ?すぐだぞ〜高校3年生の1年なんてよ」
「……初めてなので……分かりませんよ、そんなこと。」
「はっはっ!なんか飲むか?保健室の先生には許可取ってあるからさ」
「……そうですね、珈琲を頼みます。」
「ほんと好きだな〜」
笑いながらも先生は2つ分のコップを取り出しお湯の準備をし始める。
あまりにもここを使うものだから朝の時間の2時間だけ使用を許され、マグカップを2個だけ置くのまでの事を先生に任せっきりでいた。
「なぁ、夜桜」
「なんですか?」
珈琲を準備しながら唐突に呼ばれる。
こんなことは初めてで驚きはした……
「お前さん、なんかやりたいこととかないのか?将来とかさ」
「いきなり、ですね。いつもそんなこと聞いてこないじゃないですか。」
「3年もお前とタイマンで話していたら気になるもんさ。それで、なんかあんのか?」
少しの間考えることにした。その間無言の空間が生まれる
したいこと、なんて考えたこともなかった。この世界に来てから織斑達のことをずっと考えていたし、IS学園にいた時もそんなことを考える余裕もなかったから。
「そう、ですね……ひとつだけすぐ出てきたものがあります」
「お!良ければ聞かせてくれないか?お前の事だからすんげぇ気になるんだよ」
「笑わないでくださいね…」
「笑わねぇって。やりたいことなんだからな。」
そう言っていつの間にか準備の終わっていた珈琲を渡されたので受け取り、1口飲む。
ほんとにこの人の入れる珈琲は美味く感じる。
「……ISに関わってから、これだけは変わらなかった気がします。本来のISに戻すこと。そのISで蒼空の向こう、宇宙に行く」
「宇宙…か?」
「はい。それが、やりたいこと。」
「理由を聞いても…いいか?」
「えぇ。」
正直ここまで話す気はなかったが信頼出来る先生のため、話すことにした
「本来ISは宇宙空間での活動をするために生まれたのも、なんですよね。」
「そのISに関してはなんも知らんけどよ、凄いものなんだよな。お前がノイズに使ってるからな」
「えぇ。ISにはシールドエネルギーというものがあってそれのおかげで宇宙空間での活動ができるようになる画期的なものでした。でも、それを開発した篠ノ之束博士の話をただの夢物語だと大人達は聞きもしなかったんです。」
「……」
先生は何も言わず、気になるところも聞かないで黙って聞いてくれた。
「ISの事を凄いものだと、夢物語の産物では無いことを証明しようとしたところまでは良かったんです。その証明の仕方が悪かっただけで。」
マグカップを机に置くため近づき置いた。持ちっぱなしもちょっと熱い。
その他にも理由はあった。
「…とある日、日本に向けてものすごい数のミサイルが何者かによって飛ばされた事件があったんです。」
先生も馬鹿では無いはず。
ここまでの話を真剣に聞いてくれていた先生もまさかと言う顔をしてこちらに問いかけた
「話の流れからしてまさか…そのISでミサイルを?」
「……はい。」
ひと言だけ、短く返し話を続けることにした。
「たった1機のISだけで全てのミサイルを落としたところまでは良かったんです。その後から、悲劇に変わったんです。ミサイルを落としたISを日本は確保しようと戦闘機や軍艦までを使ってきた。」
「まて、そのISはミサイルをおとしたんだよな?どうしてだ?」
「……鹵獲する為、だと思います。それか危険な物だと判断したのでしょう。先生はどちらが勝ったと思います?」
先生は少し考えたあと恐る恐る答えを声に出した
「IS、か?」
「えぇ。ISが全て使用不可まで追い込んだとのことです。その時の死者、行方不明者はいないとされています。」
「まじかよ……」
「戦闘機やミサイルなどを全て落としそのISは光学迷彩、分かりやすく言えば透明感みたいなものを使い姿を消した……『白騎士事件』と語り継がれるまでになった。その後から篠ノ之束博士にはISを動かす心臓、コアの制作方法を問い合せたと言います。でも、答えず全世界にコアをばら撒き篠ノ之束博士は姿をくらませました。多分そこから、ISが兵器みたいに使われ始めた、とおもいます。」
多分、こんなことを話されても先生は少ししか理解できていないだろう。それでも俺は先生にだけは話してもいいかなと思った。
「……兵器として使われるISを本来の姿に戻す事をお前はやりたいんだな夜桜。」
「えぇ。そのISで宇宙を飛ぶ……それがやりたいことなのかもしれません。その道が長く険しいと言われても。」
「お前ならやれると思うぞ。他の人が無理だと言っても俺ができるって何度でも言ってやるよ!」
「…ありがとうございます。先生。」
そんなことを言われたのは初めてだ。
嬉しかったが顔には出さず、いつも通り真顔で…お礼を言う。そのタイミングでチャイムがなる
「おっと、もうそんな時間か…よし夜桜、今日から出来るだけ頑張ろうな!」
「………ガンバリマス。」
僕と先生は保健室を出てそれぞれ向かう場所に足を運ぶ。
……霧島には小言を沢山言われた……
時は少し動き放課後。16時ぐらいと言ったところだろうか?少し蒼空が赤くなってきていた
今日は生徒会の会議日なので各々用事が終わったあと生徒会室に集まる事になっている
今いるのは俺と霧島だけだった
「斉藤がいないのは珍しいな。」
「まぁそんな日もありますよ。斉藤君、結構人気ありますしどこかで逃げれない会話に捕まってるのでしょう。見村さんは2年生ですから……まぁ少しは大目にって事で」
「そうだな、見村には生徒会会長になってもらって俺らの卒業後もこの学校の行事を盛り上げてもらいたいからな」
「ま、彼女次第ですけどね」
「だな。すぐ会議できるように準備しておくか」
ホワイトボードを動かし、今回の会議の内容を分かりやすく書いていた時に制服の内側にあるポケットに入っていた携帯が3度、震えた。
「……やっぱり、毎日が平和ってのは高望みか……霧島。」
声をかけられた霧島はすぐに察してくれたらしく、短く頷いてくれた。
実は去年霧島に問い詰められ……と、言うか誘導尋問をされた事があり……バレた。弦十郎には話を通してあり監視をつけない方向でまとめてくれた。勿論霧島には絶対に話さないようにと約束してもらった上だ。
「仕方ありませんよ、そればっかりは。気をつけてくださいね、斉藤君達には上手くいっておきます」
「明日も来る。何か奢らせてくれ」
「なら駅前のケーキを」
「分かった。すまない!」
生徒会室から出て走りながら屋上へと向かう。
この時のためだけ特別に使用を許可取っている
「白椿、出撃だ。いけるな?」
『勿論!いつでも!』
俺は白椿をまとい、本部へと通信を繋げ武器を取り出す
『そこから数km先のところでノイズの出現波長を感知しています。座標を送るので急行して下さい。』
「了解、司令には?」
『既に白椿使用許可をとってあります』
「いつも助かります、白椿出撃します!」
座標が送られてきたので急いで向かう。被害が広がるまえに出来る限り抑え翼達が来るまで耐えるのが俺の役目だ。
数分と経たないうちに着いたが被害は必ず出ている。建物の中に炭化して間もない跡がある。
「白椿、半径8km設定、スキャン後随時更新…できるか?」
『出来るよ。ただコア・ネットワークがないから信用はしないでね?』
「…なに、お前からの情報はいつも頼りにさせてもらっている。今更だ。」
『そうだったね。これよりスキャンを開始。これで5割な為あなたに全て委ねます。』
「了解」
白椿が周囲を調べ、その情報が次々頭の中へと入ってくる。
この区域の3Dマップや重要区域などを簡潔にまとめてくれているため負担はかからない。
スキャンをした後すぐに大量の赤点が青点を追いかけていることが分かる。
『カレン、300m先に生存者2名。ノイズに追っかけられてる』
「……急ぐか。アサルトカノンを使う。恐らく道幅が狭いだろうからカスタムウィング仕舞うよ。脚部にランドスピナー展開、その後は」
『フルブーストね。ランドスピナーぐらいなら大丈夫だよ』
展開されているカスタムウィングを量子格納庫に収納後、右手にアサルトカノンを呼び出し脚部にはランドスピナーと言う地上での高速移動を主軸としたホイールが展開される。
白椿は『試作第4世代型IS』とはいえカレンと束による魔改造という名のカスタムがされている
本来ならば第4世代型には追加武装や機能を不要とするものであるがカレンの要望により量子格納庫の容量が許す限り入っており、瞬時に換装をすませられるようになっていた。
ランドスピナーで高速移動をしてなるべく最短で一直線に生存者の元へと向かう。
「お姉ちゃん、怖いよぉ……!」
「大丈夫、絶対に助かる方法はあるから……!」
私は今、特異災害ノイズに追われていた。逃げている途中、小さな女の子がノイズに追われていたからとりあえずその女の子を抱き上げ逃げていた。
周りは入り組んでいてなおかつ高い建物しかない。無駄な事だとはわかっているけど一直線に逃げることはせず左へ右へと、できるだけ追われにくい逃げ方をしているけどノイズにはあまり意味をなさない。
「はぁ…はぁ…!どうにかこの子だけでも安全な場所に……!」
がむしゃらに逃げていたら十字路に出た。
横からも、前からもノイズが来ており完全に囲まれてしまった
「ひっ…!お姉ちゃん!」
「大丈夫……!」
と、言っても無駄なのは馬鹿な私でもわかるしこの子にもわかっていることだろう。でも大丈夫だと言い聞かせながらこの状況をどうにかしたいと思っても囲まれてはムリ……!
徐々にノイズ達が近づいてくる。
考えろ私、考えろ立花響!どうにかこの子だけでも助かる方法を……!
ゆっくり、ゆっくりと近づいてくるノイズ達。
その中でも聞こえてくる音が耳に入ってくる…高い駆動音が徐々に近づいてきている。
ノイズたち横にある壁から機械を四肢につけている子がものすごいスピードで壁を走っている。
「2歩後ろに下がれ!」
「えっ!?」
その子が大声で言ってはくれるが、女の子の事もありすぐには動けなかった。
「生き残りたいなら下がれ!僕がどうにかするから!」
「ッ……!」
ノイズ達が近づいてきている中、私は2歩後ろに下がる。
するとその後すぐに轟音が鳴り響く。耳を塞ぎたいが私は女の子を抱き上げていることもあり塞げなかったが右横のノイズ達が15体ぐらい炭へと変わり果てる。
その間空間に機械を纏った子が着地。右手を見ると人間では持てないとひと目でわかるでかさの銃を持っていた。
空いている左手を差し出してきた。この子は一体……?
「来い!ここから離脱する!」
「えっ、あ、はい!」
女の子と共に機械を纏った子に近づくと2人とも落ちないよう抱き上げてくれた。
「振り落とされるなよ…?あと出来るだけ喋らないようにしてくれ。舌を噛む」
「は、はい!」
私はとりあえずこの子に従うことしか出来ない。今ノイズに何か出来るのはこの子しかいないから。女の子が泣きながら機械を纏った子をみる
「お兄ちゃん……助けてくれるの?」
「あぁ、兄ちゃんの言葉を信じてくれるか?」
「うん。」
「よし、いい子だ…白椿、この2人の聴覚保護頼む」
『了解。あとこの子達からしたら独り言よ?』
「いい。今ぐらいはな!」
右手に持った銃をノイズに撃ち始める。
さっきとは違ってそこまで大きな音がしなくなっていたことに驚いたがこの子は機械に喋りかけてた…のかな?
「よし……!今なら!しっかり掴まれ2人とも!」
ノイズの数が減ったことを確認したのか車みたいな、速い速度で前進し始めたと思いきや速度を利用した跳躍をし壁を走り始めた。
「えっ!?えぇ〜〜!?な、なにこれ!?」
「きゃー!!」
「喋んな!舌噛む!」
ノイズの包囲網を抜け十分な距離を撮ったことを確認したあと壁走行じゃなく地面を走り始めた。
細道を抜けた先は工場区らしい場所に出た。
「……安心は出来ないけど、一応名前言わないとね?僕はカレン。特異災害対策機動部特殊隊だ。」
「わ、私は立花響……です。」
「よく頑張った。小さい子と一緒にあそこまで逃げていてくれたから、諦めないでいてくれたから助けられた。とりあえず高い場所に飛ぶ。」
「え?飛ぶ?」
足に着いていたホイールみたいなのが消え、背中の方に機械の翼みたいなのが何処と無く現れた
「えっ!?つ、翼が……!」
「……白椿、守れそう?」
『…うーん、とりあえず6時方向にある屋上。そこに飛んでちょっとした壁があるからそこに2人を置いて前に立つようにしないといけないかな』
「了解」
カレン、と名乗ってくれた子はまた機械に喋りかけていた。会話が終わると本当に空を飛びはじめ驚く。私達はカレンに抱き抱えられたままビルの屋上に飛んできた。私と女の子を壁側にゆっくり降ろしたあとデカい盾をまたなんにもないところから2つ取り出した後私達を守るように置いた
「…時間稼ぎにしかならないけど、増援が来るまで君たちを守るから。だから、生きるのを絶対に諦めないで」
「…!」
あの時、2年前…ツヴァイウィングのライブ会場で聞いたことのある言葉がカレンから出てきた。私は女の子を抱き寄せる形で盾の後ろに隠れた。
その後すぐにノイズの大群がこの屋上に現れる。カレンは銃を左手にも銃を持ちノイズに撃ち始める。その時の表情は分からなかったけど背中から感じられる『守る』と言う気持ちは感じ取れた。
ノイズは銃撃を受け形が崩れていくが次々に新しいのが現れる。更にビルよりもでかいノイズも3体現れ、カレンに泥みたいなのを勢い良く吹き付ける。泥みたいなのをカレンは銃を投げ捨て槍を持ち、回転させることで泥を弾いていた。が、徐々にカレンが押されている
それを見た女の子が制服を掴んでいる手に力がさらに入る。不安そうな顔をしてこちらを見ていた。
「お姉ちゃん…私達…」
「大丈夫…!だから、生きるのを諦めないで!」
なぜか私は無意識に歌を、歌っていた。
その後すぐに私の体は光り始めると同時にカレンの前にいたノイズ達を吹き飛ばしていた。
「な、なんだ!?」
『カレン…!後ろ、多分さっきの子からとてつもないエネルギーが……!』
「後ろから…?まさか立花ってやつが!?」
カレンが後ろを向いているがそれどころでは無い。
心の底から来る黒くて見えない何かが込み上げてくる。身体が作り替えられていく感覚の後とてつもない痛みが私の体を襲う
「この波形…まさか!白椿この波形と櫻井さんからもらったデータを!」
『今やってる!だけどこれは確定だよ…!シンフォギアだ……!』
本部の方でもこの異常さには気づいている頃だろう。
この場で見ている僕ですら、信じられない
立花響から出ているアウフヴァッヘン波形と呼ばれるものはシンフォギアの適合者ということを示しており、聖遺物を所持していることを示している。だがその聖遺物は…本来の持ち主の所にあるはずなのだ。
その名は
「『ガングニール…!』」
この日から何かが狂い始めていた。いや、もっと前から…
色々と詰め込みすぎた感はあります。悔いは無い。
ランドスピナー関係は一応他作品の武装あり、とタグに入れていたはずなので入れてますし用水路に飛び込むのはさすがに可哀想だなと思って……後多分あの通路飛ぶの無理じゃね?あっあっあっどうしよみたいになったところにランドスピナーあるやん!コードギアスありがとう!ってなって入れました。立体機動書くの難しいね……でも登場回数はそこそこ多くなりそうなんですよね…ランドスピナー……ウッ……
あと出来るだけ早めに書き上げることを誓います。はい。今回長すぎたから反動で詰め込みすぎたし本来1話でやる内容を1度分割、オリジナル話を入れたことによりカレンの身柄をハッキリさせた上で書かないと俺が納得できないってのもありました。ゆるして……おにいさん(おねえさん)許して……
あと二次創作でもなんでもいいんですが、作者である自分が満足するなら書き上げる気でいます。着いて来れなかったら見なくても大丈夫です。そうこれ、ただの自己満で書いてるだけだからね……
次回!
『戦うということは。』
運命を受けいれ蒼空を飛べ、白椿。