親切な薬売りのお陰で街道までの道案内を雇うことが出来た屍剣士ちゃん。
森の中をガサゴソ進軍中です。
「顔色の悪い姉さん、もっと早く歩けないか?」
「えー、精いっぱいですよー。」
「ここ結構強めのモンスターでるから早く抜けてぇんだ。」
「なるほどー、頑張りますー。」
そうは言ったものの相変わらずノロノロと進む屍剣士ちゃん。
能力値以上のものは出せないのが普通だからね。
道案内が出来ることは厄介なモンスターに出会わないように祈りながら進むだけだ。
祈りが通じたのか街道まであと少しというところまでモンスターに会わずに来れた。
あと一息だと道案内が気合を入れたところで歩みを止めた。
屍剣士ちゃんは追い付くのに精いっぱいなのでまだ止まっていない。
「あのー、どうしましたー?」
「しっ!静かに……バジリスクだ。」
「ばじりすくー?」
バジリスクとは大型のヘビ型モンスターだ。
猛毒を持ち、睨まれたものは石化した様に麻痺する上級モンスターだ。
普通は奥深い森におり、街道近くまで出てくることは滅多にない。
簡単に言うとヤバい相手だ。
"パキリ"どっかの間抜け(屍剣士ちゃん)が小枝を踏み抜いた。
その音に道案内に緊張が走る。
「ふしゅるるるるる!」
「やべー気付かれた!後は頼みました!」
「えー、そんなー。」
バジリスク対屍剣士ちゃんの幕が開けた瞬間だった。
◆
バジリスクの石化の視線!屍剣士ちゃんには効果がない。
バジリスクの毒飛ばし!屍剣士ちゃんには効果がない。
「おー、どうやら相性が良いようですねー。」
ドヤる屍剣士ちゃん。油断は禁物だ。
バジリスクの尻尾攻撃!屍剣士ちゃんは吹き飛んだ。
毒等の搦手は効かないが、そもそも生き物としてのステージが違う。
力こそパワーで屍剣士ちゃんはバジリスクに蹂躙された。
いよいよ最後の時だ。
"パクリ"、屍剣士ちゃんはバジリスクに丸呑みされた。
ヘビ型のモンスターは相手を丸呑みすることを好む。
例に漏れず、屍剣士ちゃんも丸呑みされた。
バジリスクは毒の王とも言われ、毒が効かない様に見える。
しかし、屍剣士ちゃんの体内で精製された複合毒は上をいった。
胃酸で溶かされた屍剣士ちゃんの体内から複合毒が流れ出る。
その毒でバジリスクは苦しみだし、やがて絶命した。
◆
バジリスクが絶命してから、暫くして腹を切り裂いて屍剣士ちゃんが這い出て来た。
ドロドロしているが既に再生が始まっている。
体は再生するが、身に纏っていた衣服はボロボロだ。
扇情的?いやいや屍剣士ちゃんは芋娘。全く色気はない。
しかも体液でドロドロだ。絶対に近寄りたくない。
こうして無事にバジリスクを倒した屍剣士ちゃんは街道に出る。
後は道に沿って家に帰るだけだ。