「ぎゃあああ!助けてくれ!」
「狩人さん!くそお!炎の呪……」
「やめろ。森の中だ。」
冒険者4人、危険な探索依頼、何も起こらないはずがなく……。
探索を始めて3日、森の中はデンジャーだらけ。
1日目に毒を持った生き物に襲われ、2日目には道に迷い、3日目には巨大な蛇に襲われて……。
初めに屍剣士ちゃんが蛇に食べられて、今まさに狩人が口の中に入れられようとしていた。
口の中からは不気味な声が聞こえる。
狩人がもう駄目だと諦めたその時、変化が起きた。
蛇が突然苦しみ始め、狩人を放り出したのだ。
「いてて、一体何だって言うんだ!」
「わ、分かりませんが……」
「チャンスだな。攻勢に出るぞ。」
"ウオオ"と3人が蛇に攻撃を仕掛けようとしたところ、蛇はのたうち回り、絶命した。
静まり返る3人。暫くすると蛇の腹を破って剣が突き出る。
その剣が丁度人が1人通れるサイズに腹を切り裂いた後に、"ヨイショー"と間抜けな声がして、
腹から屍剣士ちゃんが這い出て来た。唖然とする3人。
「ふうー、びっくりしましたー。」
「吃驚したのはこっちだよ!」
「な、な、何で生きてるんですか!?」
「……本当に人か?」
屍剣士ちゃんは3人の方を向きニコニコしながら言う。
「わたくし、屍(グール)ですがー、言ってませんでしたー?」
「聞いてねえよ!何で屍なのに理性があるんだ!」
「ひええええ!悪霊退散!悪霊退散!」
「なるほど、帰還率100%の合点がいった。」
3人の反応は様々だ。驚愕する者、恐怖する者、納得する者。
何で蛇に飲み込まれても生きてるかって?
弱点で攻撃されてないからである。
屍剣士ちゃんの弱点は聖なる攻撃くらいで後は一般的な人間種と同じだ。
勘違いされがちだか火で焼かれれば大体の人間は死ぬ。
誰でも弱点だから、特段屍剣士ちゃんが火に弱い訳ではない。
また死んでいるので毒が効かないどころか、何度も毒殺未遂をされたり、
毒虫に噛まれたりしているので、屍剣士ちゃん自体がポイゾナスだ。
ついでに再生能力も凄い。
これだけ並べると強そうだが全体的に鈍いし、エンジンが掛かるのが遅いのですぐやられる。
疲れ知らずの死なずの体なので今まで何とかなってきたのだ。
「しかしよお、ギルドも悪辣だな。」
「そ、そうですね。明らかに最低ランク4の仕事ではありません。」
「……ふむ。撤退するか?」
「えー、行きましょうよー。」
「うるせえ!不死身女!お前と一緒にするな!」
「無理です。無理!」
「……勝算はあるのか?」
「はいー、さっきお腹の中でスケルトンさんとお友達になりましてー。」
「「「は?」」」
「道案内ー、してくれるそうですー。」
「カタカタカタ。」
「「「……ぎゃあー!」」」
森の中で冒険者の叫び声が聞こえる。
犠牲者0で依頼を達成することは出来るのか?
それはまだ誰にも分からない。