スケルトンの先導(骨先達)で依頼の遺跡を目指す4人。
元々の素材が良かったのか骨先達の腕前は確かだ。
先程から襲いかかってくるモンスターや動物達をパーティーの"4"人目として片付けている。
「骨先達!流石だぜ!」
「頼りになりますね。」
「ふんっ……依頼が終わったら手合わせしてくれ。」
「カタカタカタ♪」
「みなさーん、待ってくださいよー。」
屍剣士ちゃんは役立たずのお荷物だ。
基本的に卑怯戦法からのジャイアントキリングしか期待できない。
通常の戦闘では鈍いので盾にしかならないし、パーティーの進む速度よりも遅いので
置いて行かれる。
友達になった骨先達も呆れ顔だ。
パーティーの5人目が合流したところで、また目的地に向かって歩き始める。
進軍が遅れているのは100%屍剣士ちゃんのせいだ。
屍剣士ちゃんが隊列から遅れること10回、漸くパーティーは目的地の遺跡に到達した。
今日は暗いので突入は明日の朝になってからとなった。
「えー、行きましょうよー。」
「何でこいつ夜が近づくにつれて元気になるんだ?」
「えへへー、夜行性なのでー。」
「じゃあ1人で行けよ!死なないんだろ!」
「たしかにー。行ってきますねー。」
こうして屍剣士ちゃんは夜の遺跡に突入した。
夜の遺跡はゴーストにゾンビ、スケルトンとアンデットの巣だ。
屍剣士ちゃんのホームグラウンドの様なものである。
偶にゴブリン(小鬼)やオーク(豚人)がいるが、アンデットのみんなで袋にする。
朝になれば遺跡は安全になっているだろう。
そうこうしている内に屍剣士ちゃんは遺跡の最奥の手前に辿り着く。
守るは門番のミノタウロス(牛人)。
巨体による怪力とそれなりの知性が武器のモンスターだ。
かなりの苦戦が考えられる。
……日が出ている間であれば。
結果から話すと、数の暴力で牛人はやられた。
その無念から骨牛人となった。
何で骨なのかって?肉は屍剣士ちゃんとゾンビに食べられたからだ。
こうして他のパーティーメンバーが知らぬところで屍剣士ちゃんは遺跡の最奥に辿り着いた。
依頼は遺跡の最奥に何があるか確かめること。
危険であれば"処理"だ。
最奥にいた"モノ"……それは魔族の子だった。
どことなく高貴な気配がする。
身に纏う魔力量も相当なものだ。ただの子ではあるまい。
「こんばんはー、あなたは危険ですかー?」
「だ、誰よあなた!衛兵は?!」
「牛さんですかー、あちらにいますよー。」
「ぎゃあー!骨になってる!」
「危険ですかー?」
魔族の子は考えた。鈍そうに見えるが牛人を倒したこいつは実力者だ。
それにこいつは夜の遺跡を踏破してきた。あの恐ろしいアンデット達の間を抜けて。
ここは嘘をついてでも生き残らなければ。
「き、危険じゃないわ!」
「そうですかー。それでは帰りますねー。」
「え、ええ、お疲れ様。」
「あー、それとー。」
「ひぃっ!何よ?気が変わったの?!」
「いえー、良い子は早く寝ましょうねー。」
「……ええ分かったわ。おやすみなさい。」
「はいー、おやすみなさーい。」
後年、遺跡一帯は新魔王軍のものになる。
町は滅び、屍剣士ちゃんは露頭に迷うことになるがそれはまた、別のお話。