屍剣士ちゃんが墓場に帰ると、うず高く積まれた死体が見えた。
ネズミに鳥、狼に小鬼、豚人……。様々な死体が。
普通の少女であればこれだけで悲鳴を上げるだろう。
しかし屍剣士ちゃんは普通ではない。
まだ食べられそうな死体を焼いては食べている。
食事は必要ないが食べる事は出来る。
そうして夜になった頃には死体は美味しく処理されていた。
「お腹いっぱーい。寝ましょうかー。」
その場で横になる屍剣士ちゃん。
瘴気を浴びた死体(骨)はアンデットとして蘇り、墓場を徘徊し始める。
屍剣士ちゃんは無視だ。路傍の石の様な扱いである。
一応家主?なのだが、墓場のアンデット達のヒエラルキーの中では下の方だ。
可愛い子分みたいなものらしい。(アンデット談)
そして夜が更け、朝となる。
その日珍しく屍剣士ちゃんは朝に起きた。
それは冒険者の勘なのか、たまたまなのか誰にも分からない。
「かしらぁ!あいつぶっ倒れてますぜ!」
「苦労して死体集めた甲斐があったな!」
「よくやったお前ら!」
屍剣士ちゃんに近づく破落戸と坊主。
破落戸の腹に刺さる剣。
起き上がる屍剣士ちゃん、倒れる破落戸。
「おはよーございまーす。」
「ひいい!何で生きてやがる!」
「死んでますよー。」
また、破落戸に剣が刺さった。残るは坊主だけだ。
坊主は顔面蒼白で屍剣士ちゃんより顔色が悪い。
何か喚いているが屍剣士ちゃんの耳には届かない。
彼女は朝が弱いのだ。
坊主の声が聞こえなくなり、静かになった墓場で"ザクザク"と穴を掘る音が聞こえる。
証拠隠滅は必要ないが墓場の地面に死体は似合わない。
土の下にあってこその死体だ。
何ヶ月か振りに墓守っぽいことをした屍剣士ちゃんは、満足げな表情を浮かべ
木の陰で横になった。
仕事をしたから今日はおしまいらしい。
─夜が来て、瘴気が満ちた死体が蘇る。
破落戸と坊主も知能なきアンデットとして蘇った。
前世の柵は露知らず、屍剣士ちゃんと他のアンデットと一緒に墓場で踊りだした。
一件落着、皆にも12神様の御加護を。
───12柱紹介──────
1柱:死の神デス
死を司る神様。人が最後にお世話になる神様。
あまり好かれてはいない。
2柱:火の神フアイア
火を司る神様。炊事、鍛冶に関係する人に崇められている。
ドワーフの主神。
3柱:水の神ウオータ
水を司る神様。漁師、船乗りに崇められている。
4柱:土の神アアス
土を司る神様。土木関係者に崇められている。
5柱:木の神ウツド
木を司る神様。建築関係者に崇められている。
エルフの主神。
6柱:光の神ライト
光を司る神様。教会関係者に崇められている。
7柱:闇の神ダアク
闇を司る神様。夜の神とも。吸血鬼に崇められている。
8柱:法の神ロウ
法を司る神様。王族や貴族に崇められている。
9柱:旅の神トリプ
旅を司る神様。旅人に崇められている。
10柱:魔の神マジカ
魔力を司る神様。魔法使いに崇められている。
11柱:金の神ゴルド
金を司る神様。商人に崇められている。
12柱:生の神ライフ
生を司る神様。生と死は表裏一体。
死の神デスの兄弟神である。
一番人気がある神様。