異世界チート三重奏《トリニティ》   作:naogran

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王弟軍を撃退した翌朝。

太一「zzz・・・」

凛「太一。」

まだ寝ている太一に、凛と幹也が起こす。

幹也「おい太一。そろそろ起きろ。もう朝だぞ。」

太一「・・・ん・・・?」

凛「おはよう太一。」

太一「凛・・・凄く・・・き・・・」

凛「え?」

幹也「ん?」

凛「き?」

太一「・・・うっ!!き、気持ち悪い・・・!!」


第10話・ひとつの決着

起きた太一が水を2杯飲み干した。

 

凛「もう。人の顔見て気持ち悪いだなんて本当に失礼しちゃう。」

 

太一「それは本当にごめん。たまたま偶然凛が居たからで決して凛に言った訳じゃ・・・」

 

凛「はいはい分かってますよ。」

 

幹也「朝からお熱いお目覚めです事。」

 

太一「熱いのは俺の頬だよ・・・」

 

幹也「ってか、昨日調子に乗って食い過ぎたからだろ。」

 

太一「うぅ・・・胃薬あるかなぁ・・・」

 

凛「もうしゃっきりしてよ。」

 

幹也「病気持ちの勇者なんて誰も喜ばねぇぞ?」

 

”コンコン”

 

凛「はーい。」

 

ドアを開けて、ミューラとレミーアを招いた。

 

ミューラ「おはよう太一。」

 

レミーア「用意は出来たか?随分と爽やかな目覚めのようだな、太一よ。」

 

太一「お陰様で・・・」

 

パル「でも朝から具合崩してるっぽいよ?昨日の爆食で。」

 

レミーア「そうか。」

 

太一「所で皆揃ってどうしたんですか?」

 

ミューラ「ジルマール国王から呼び出しがあったの。」

 

太一「王様から?」

 

 

 

 

 

 

玉座の間。

 

兵士「あれが昨日・・・」

 

兵士「大地を割ったって言う・・・」

 

ジルマール「先日の働き、誠に大儀であった。娘が其方らの働きに報いたいと申してな。」

 

太一「はぁ・・・」

 

ジルマール「シャルロット。」

 

シャルロット「はい、お父様。こちらへ。」

 

家臣達が、剣や杖などと言った武器を運んで来た。

 

太一「これって・・・」

 

レミーア「結構な代物だな。」

 

ジルマール「我が王家が所蔵する逸品揃いだ。それぞれ好きな物を選ぶがいい。」

 

太一「いいのかな・・・?」

 

レミーア「では好意に甘えさせて貰うとしようか。」

 

凛「わぁー!」

 

 

 

 

ミスリルの短剣をミューラが授かった。

 

ミューラ「いい感じ。ミスリルだけあって手に馴染むわね。」

 

杖を凛が授かった。

 

凛「うん。これが一番しっくり来るかも。」

 

指輪をレミーアが授かった。

 

レミーア「こいつは珍しい。」

 

幹也「ん?このグローブは?」

 

赤いグローブを嵌めると、グローブに蜘蛛の巣の模様が入った。

 

幹也「おお!パル、このグローブは何だ?」

 

パル「これは・・・そのグローブに適合した者が嵌めると契約完了し、更なる力が身に付くアイテムだね。」

 

幹也「俺は今、パルとアイテムとの契約を結んでるって訳か。」

 

太一「っ!」

 

そんな中、太一はある武器が目に留まった。

 

凛「太一は決まった?」

 

太一「あれ・・・」

 

凛「ん?」

 

太一「日本刀だ。」

 

本物の日本刀もあった。

 

シャルロット「そちらは東の島国で鍛えられた一振りです。」

 

太一「東の?」

 

シャルロット「はい。我が国の職人では素材や鍛造方法が分からなかった物です。武器としての質は高いとの事ですが・・・」

 

ミューラ「随分と刀身が細いのね。」

 

シャルロット「その為、頼りなさそうだと兵達も申しておりました。」

 

太一「確かに大剣が主流のここじゃそう言われてもしょうがないよな。でもなぁ、刀は男のロマンだからな。よし決めた!」

 

太一は日本刀を授かった。

 

凛「ふふっ。」

 

幹也「この異世界に日本刀って事は・・・俺達以外の迷い人も居るって事になるな。」

 

 

 

 

 

 

闘技場。

 

スミェーラ「待っていたぞ太一!!」

 

太一「スミェーラ将軍!?何で!?」

 

スミェーラ「陛下から賜った武器を早速試すと見越してここで待ち構えておったのだ。さぁ太一!将来の伴侶たる私と再び剣を交えようぞ!構わんだろ?レミーア殿!」

 

レミーア「あぁ。よかろう。」

 

太一・凛・幹也「え!?」

 

レミーア「私もこれの威力を見てみたかった所だ。」

 

すると指輪が光り、周囲に電撃が走った。

 

レミーア「ふむ、成る程。」

 

太一「凄ぇ・・・」

 

幹也「流石王家の武器だな・・・」

 

ミューラ「凛、私達も早速始めましょう。」

 

凛「うん!」

 

 

 

 

シンシア「幹也、私達と手合わせ願うよ!」

 

ミリアム「あの時のリベンジ、果たさせて貰うよ!」

 

クララ「全力で行くよ!」

 

幹也「良いだろう。王家のグローブのウォーミングアップに丁度良いぜ。」

 

 

 

 

スミェーラ「太一!私達も始めるぞ!」

 

太一「どわっ!!」

 

またしてもマウントポジションを取られた。

 

スミェーラ「何を遠慮しておる!!」

 

スミェーラ「「先日の勢いはどうした?新しい武器の威力、将来の伴侶たる私に熱き叫びを存分に吐き出すがいい!」

 

太一「ちょっと待って!食べ過ぎで今日は・・・がっ・・・」

 

全員「あ・・・」

 

 

 

 

 

 

王都。太一がポーションを飲む。

 

太一「ハァー!効くー!」

 

エアリアル「ようやくスッキリしたみたいね。」

 

幹也「めっちゃ痛そうだったな。」

 

太一「スミェーラ将軍に迫られた時はどうなる事かと思ったよ。薬買うからってどうにか逃げ出して来られたけど。」

 

幹也「いやぁ〜にしても、このグローブは凄えな。今までの力が倍増しているぜ。」

 

エアリアル「この後どうする?」

 

太一「そうだな、折角下町まで来た事だし・・・」

 

幹也「ん?おい太一。」

 

太一「どうした幹也?ん?」

 

王都民達が太一達を見てる。

 

幹也「精霊が珍しいのかな?」

 

太一「エアリィ、何かめちゃくちゃ見られてるぞ。いいのか?」

 

エアリアル「あれ?今は太一と幹也にしか見えないようにしてるんだけど・・・」

 

幹也「じゃあ見られてるのは、俺達?」

 

王都民「なぁ、あの黒髪と赤髪の兄ちゃん。」

 

王都民「あぁ、昨日この町を守ったって言う。」

 

王都民「王様が呼んだ凄い魔術師らしいわよ。」

 

太一「俺達?」

 

子供「お兄ちゃん達!ねぇお兄ちゃん達って強いんでしょ!?」

 

子供「強い兄ちゃん握手して!」

 

子供「私も!」

 

子供「僕もー!」

 

太一「け、喧嘩しちゃダメだって。順番順番。」

 

幹也「一列に並んでね〜。」

 

 

 

 

子供達との握手が終わった。

 

子供「強いお兄ちゃん達またねー!」

 

太一「おう!またなー!」

 

幹也「気を付けて帰るんだぞー!」

 

 

 

 

2人が商店街を歩く。

 

太一「さてと。幹也。」

 

幹也「ん。おい、隠れてないで出て来い。恥ずかしがらずにさ。」

 

建物の陰からカシムが現れた。

 

カシム「王弟軍を退けた勇者様が、私のような者の相手をして下さるんですか?」

 

幹也「ようカシム。ご健勝か?」

 

カシム「ええ。相変わらず。」

 

太一「っ!カシム、お前その腕・・・」

 

カシム「何を今更。あなたが吹っ飛ばしてくれたんでしょう?」

 

太一「俺が?」

 

幹也「覚えてないのか?エアリアルと仮契約して力を出した時を。」

 

太一「あ、あの時・・・!」

 

カシム「ようやく思い出してくれましたか。滑稽なものですね。やられた方はこんなにも悔しくてたまらないのに、やった方は知りもしないなんて。」

 

太一「カシム・・・」

 

幹也「それで、俺達に会いに来た理由は・・・」

 

カシム「殺す。絶対に殺す。必ず平伏させる。私にはその権利がある。」

 

太一「戦う気なら場所を変えたい。ここじゃ他の人を巻き込んじまう。」

 

幹也「罪の無い一般人を殺すのは俺達見過ごせないぞ。」

 

カシム「自分達の心配より周りの心配ですか。すっかり英雄気取りですね。」

 

太一「戦わなくて済むのならそっちの方がいいんだけどな。」

 

カシム「あなた達には拒否権はありません。あなた達が私の申し出を断った場合、王都の各所にある井戸に毒が撒かれる手筈となっています。」

 

太一「井戸に毒!?」

 

エアリアル「どうしよう太一!幹也!」

 

カシム「付いて来てくれますね?」

 

太一「くっ・・・!」

 

幹也「・・・分かった。出来るだけ静かに読書が出来る場所が良いな。」

 

 

 

 

 

 

闘技場。

 

パル「おりゃりゃりゃ!」

 

ミリアム「フッ!ハッ!とりゃあ!!」

 

パルの蜘蛛の糸のバリアを張るが、ミリアムが拳で破壊した。

 

クララ「隙あり!!」

 

パル「おわっ!!」

 

足元を掬われ、パルが転んだ。

 

シンシア「ーーーーーーー♪」

 

パル「うっ!?」

 

シンシアの歌と同時に、パルの全身が灰色に染まった。

 

パル「成る程・・・!相手の重力を重くする歌だね・・・でも、まだだよ!!」

 

蜘蛛の糸が地面を這ってシンシアに迫る。

 

シンシア「っ!!」

 

蜘蛛の糸に気付いたシンシアが後ろへ下がった。

 

パル「あ〜、身体が自由になった〜。じゃあ、まだまだ行くよ!!」

 

 

 

 

闘技場の端では、凛とミューラが模擬戦を繰り広げていた。

 

ミューラ「やるわね!凛!」

 

凛「そっちこそ!」

 

ミューラ「ありがとう。手加減しないでくれて。」

 

凛「当たり前でしょ。相手はミューラだもの。」

 

ミューラ「そう言う所が本当に好き!」

 

凛「私もミューラに会えて良かった!」

 

 

 

 

レミーア「よい将軍になったな スミェーラ。この試合、少しでも兵士達の不安を和らげようと計らったものなのだろう?」

 

スミェーラ「・・・落葉の魔術師には敵わないな。ドルトエスハイム公を中心とする軍勢が6割近く編成を終えているとの一報が入った。」

 

レミーア「もはや戦は避けられぬか。」

 

スミェーラ「今夜にでも出撃命令が下るだろう。ここに居る兵の内、どれだけが無事王都に戻って来られるか。」

 

レミーア「辛い勤めだな・・・」

 

スミェーラ「ああ・・・」

 

 

 

 

 

 

一方太一と幹也は、カシムに付いて行き、裏路地の空き地に着いた。

 

太一「ここでやるのか?」

 

カシム「えぇ。ですが流石にこのままでは勝ち目がありませんからね。あなたの力を制限させて頂きます。」

 

彼は、あの小道具を出した。

 

太一「何だそれは?」

 

幹也「随分変わったオモチャだな。」

 

カシム「これはあなたと私の魔力を同程度にする呪具です。」

 

太一「呪具?そんな物が?」

 

カシム「これを使えばあなたは私と互角になる。そうでなければ勝負になりませんからね。」

 

太一「あれすっごく嫌な感じがする!絶対危ないよ太一!」

 

カシム「やっとこの時が来た。力の差が無いならば私が負ける道理はない。」

 

太一「どうしてそう言い切れる?力が同じなら勝敗がつかないんじゃないか?」

 

カシム「バカめ。力が同じならそこに差を付けるのは努力だ。残念ながらお前のような天才にはない能力だがな。」

 

太一「俺が努力してないって?」

 

カシム「当然だ。私がどれだけの努力を重ねて来たと思っている。貴様程度の努力と一緒にするなよ。費やした時間が違うのだ。」

 

太一「・・・分かった。」

 

エアリアル「太一ダメだよ!魔力が戻らなかったらどうするの!?」

 

太一「やろうぜ。チートに頼らないガチの勝負って奴を!」

 

幹也「エアリィ。これは太一とカシムの喧嘩だ。俺達は抜けるぞ。」

 

カシム「その言葉、直に後悔する事になりますよ。」

 

 

 

 

太一とカシムの戦い。カシムが呪具で太一の能力を塞いだ。

 

太一「力を制限するって言うのはどうやら本当らしいな。」

 

カシム(感謝します猊下。やっと恨みを晴らせる時が来た。)

 

呪具を後ろの木箱の上に置いた。

 

カシム「さぁ、これであなたの力は抑えられました。」

 

太一「手加減無しでいくぞ!」

 

カシム「待っていましたよ少年。絶望の淵に叩き込んでやる!」

 

 

 

 

幹也「負けるんじゃねえぞ太一。」

 

エアリアル「太一・・・」

 

 

 

 

太一「・・・・」

 

右手を掲げて風を起こした。

 

太一「はぁっ!!」

 

地面に叩き付け、風がカシムに急接近するが、カシムがジャンプで避けた。

 

カシム「はあぁぁぁ!!!」

 

太一「っ!!」

 

日本刀を抜いて、カシムのナイフと鍔迫り合う。

 

太一「やるな・・・!そんなナイフで受け止められんのか?」

 

カシム「ふっ、軽口を言ってられるのも今の内ですよ!」

 

力で太一を押し返した。

 

太一「くっ!!」

 

風の弾丸を発射。

 

カシム「っ!!」

 

しかしカシムがそれをジャンプで避けた。

 

太一「チッ!乗って来なかったか!」

 

カシム「軽い男じゃないんでね!はぁっ!!」

 

光の弾丸を連射。太一が飛翔して避けた。

 

カシム「水砕弾!!」

 

水砕弾が、飛翔した太一をふらつかせて落とした。

 

太一「だあっ!!!」

 

着地してカシムに接近し、カシムのナイフを蹴り上げた。

 

太一「っ!!」

 

ダブルキックでカシムにダメージを与えた。

 

カシム「チッ!ハァッ!!」

 

水砕弾を連射した。

 

太一「くっ!!」

 

 

 

 

エアリアル「太一!」

 

幹也「カシム、何時もより怒りが激しいな。」

 

 

 

 

物陰から戦いを覗いてるグラミの姿もあった。

 

グラミ「バカな事を・・・」

 

 

 

 

戦いは殴り合いに発展した。

 

カシム「あなたもしぶといですね・・・」

 

太一「お互いボロボロだな・・・」

 

カシム「ここまでやられたのはあの時以来ですよ・・・!」

 

太一「どうする?まだ続けるか?」

 

カシム「そうですね。次で終わりにするとしましょうか。」

 

左手で水を生成する。

 

太一「って事は、そいつをどうにかできたら俺の勝ちって事か。・・・」

 

自分の足を見る。左足の傷から流血してる。

 

太一(やっぱり力が足りねぇ・・・このままじゃ・・・考えろ。今の力でアイツに打ち勝つ方法。思い出せ!俺は何を学んで来たのか!)

 

 

 

 

凛『太一集中だよ。出来るだけ魔力を具体的にイメージするの。』

 

 

 

 

あの時凛がアドバイスしてくれた事を思い出した。

 

太一(魔力はイメージ!)

 

カシム「はああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

水の塊を飛ばした。

 

太一「うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

日本刀から光の刃を発動し、水の塊を切断した。

 

カシム「なっ!?ぐあああ!!」

 

光の刃がカシムを直撃し、壁に激突させた。

 

太一「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・どうよ?俺の努力もまあまあやるもんだろ。」

 

カシム「仕方ありませんね・・・認めましょう・・・私の負けです・・・」

 

太一「まぁ、俺は腕1本分有利だったかも知れないけど。」

 

カシム「そんなもの理由になりませんよ。戦いは常に手持ちの札で何とかするものです。」

 

幹也「決着が付いたか。」

 

太一「ああ。」

 

エアリアル「もう!早く太一の力返してよね!」

 

カシム「解呪の方法ですね。簡単です。あの呪具を壊せばいい。」

 

太一「随分素直だな。」

 

カシム「決闘を申し込んで負けたんです。これで渋ったら惨めじゃありませんか。」

 

幹也「んじゃ、あれを壊して太一の力を返品して貰いますか。」

 

エアリアル「太一!幹也!あれ何か変!」

 

太一・幹也「え?」

 

カシム「なっ!?」

 

呪具から黒い精霊が出現した。

 

太一「何だありゃ!?」

 

風の刃で黒い精霊を切断した。。だが、黒い精霊はすぐ元通りになった。

 

太一「2回戦なんて聞いてねぇぞ!」

 

幹也「おいカシム!お前騙しやがったのか!?なっ!!」

 

黒い精霊が弾丸を連射する。

 

幹也「させるか!!!」

 

蜘蛛の糸でバリアを張り、弾丸を防いだ。

 

カシム「これは一体・・・!?」

 

黒い精霊が太一と幹也を掴もうとする。

 

エアリアル「太一!!幹也!!」

 

 

 

 

グラミ「くっ!!!」

 

 

 

 

駆け付けたグラミが黒い精霊を両断した。

 

幹也「グラミ!?」

 

カシム「グラミ!居たのですか!?」

 

グラミ「チッ!」

 

黒い精霊がまた復活した。

 

カシム「呪具を壊せ!」

 

グラミ「あぁ?」

 

カシム「本体はそっちだ!早く!!」

 

グラミ「っ!!」

 

投げた剣が、呪具を破壊した。破壊された呪具から魔力が溢れ、太一の方へ戻って行った。

 

太一「・・・なっ!?」

 

呪具を破壊されたのだが、黒い精霊は消滅せず巨大化し続ける。

 

カシム「何故こんな・・・!?(まさか・・・全部分かった上で猊下はこれを・・・!?)」

 

太一「本体を壊しても消えない!?」

 

グラミ「どうする!?」

 

幹也「一気にぶっ飛ばす!それしか方法はなさそうだ!なぁ太一!!」

 

太一「ああ!それしかない!」

 

グラミ「んな事出来んのかよ!」

 

太一「あぁ!ここからはチートもありだ!」

 

幹也「俺も手伝うぞ!」

 

両手にグローブを嵌める。

 

太一「エアリィ!周りの空気を圧縮してくれ!」

 

幹也「圧縮した空気を俺達に!」

 

エアリアル「合点!」

 

周囲の空気を圧縮させて落雷を起こした。その落雷が、太一の日本刀と幹也のグローブに集中した。

 

幹也「キタキタキターーー!!!」

 

落雷を纏った蜘蛛の糸で精霊を束縛して、落雷の電撃を流し込む。

 

幹也「俺からの特上マッサージだ!!」

 

太一「終わりだ!完全に消えちまえ!」

 

落雷の刃が精霊を切断した。精霊は跡形も無く完全に消滅した。

 

太一「・・・戻ってるよな?」

 

エアリアル「うん元通り。一時はどうなるかと思ったよ。」

 

太一「そっか。ギリギリで助かったぜ。」

 

グラミ「ふん。」

 

幹也「ふぅ。ったく、物騒なオモチャだったな。取扱説明書くらい付けて欲しいわ。」

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

太一「使えよ。」

 

回復のポーションをカシムに渡そうとする。

 

グラミ「おい坊主、これ以上いじめてやるなよ。」

 

太一「何でだよ?寧ろ助けて・・・」

 

グラミ「プライドがズタズタだって話だ。」

 

幹也「そっち?」

 

グラミ「あの野郎はな、後悔してんのさ。」

 

太一「後悔?」

 

グラミ「アイツはお前に負けた。つまりお前の努力の量はともかく質は本物だってこった』。だけどアイツは実力の差の原因は才能だと決めて掛かってお前の努力を認めなかった。そこを後悔してんのさ。」

 

カシム「余計な事を。」

 

グラミ「余計な事ついでにもう1つ言うと、アイツは努力する事の難しさを知ってるからな。好きみたいだぜ 努力するヤツは。」

 

カシム「グラミ!」

 

幹也「素直じゃないんだな、お前。」

 

カシム「余計なお世話です。」

 

太一「努力か。うちは教えてくれた人がとことん厳しかったからな。」

 

グラミ「気持ち良い位の完敗だな、カシム。」

 

カシム「煩い。」

 

 

 

 

その後、グラミに肩を貸してカシムが去ろうとする。

 

カシム「・・・良い師を持ちましたね。」

 

太一「え?」

 

カシムは2人に笑顔を見せた。

 

太一「・・・ふっ。」

 

幹也「案外、良い奴なのかもな。」

 

 

 

 

”ゴーンゴーンゴーン!”

 

 

 

 

太一・幹也・カシム・グラミ「っ!?」

 

 

 

 

突然王都全土に鐘が鳴り響いた。

 

幹也「どうしたんだこれは?」

 

太一「皆逃げ惑ってる・・・」

 

パル「幹也ーーー!!太一ーーー!!」

 

そこにパルが慌てた様子で駆け込んだ。

 

太一「パル!?」

 

幹也「パルどうした!?そんなに慌てて!」

 

パル「反乱軍が宣戦布告を始めたんだよ!戦争が始まっちゃう!」

 

幹也「何!?」

 

太一「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

夜。王都にある大広間。

 

陰の女「呪具の魔神を雷で真っ二つか。それにしても君も人が悪いな。」

 

ロドラ「はい。」

 

陰の女「それにしても君は悪いな。」

 

ロドラ「何の事でしょう?」

 

陰の女「まさかこうなる事を予見していなかった訳じゃないだろう?」

 

ロドラ「さぁ?私はただ壊れるままに呪具を渡してやっただけの事。」

 

陰の女「壊れるまま、か。」

 

ロドラ「可愛い部下の頼みを断るのは難しい。そうお思いになりませんか?」

 

陰の女「そうだねぇ。それが本懐だと言うのなら、例えどんな結末が待っていようと止める事は難しい。」

 

ロドラ「ん?」

 

後ろに1人の男が現れた。

 

ロドラ「導きの手筈は整えております。後は・・・」

 

陰の女「あぁ。君達の本懐を全うしてくれたまえ。」

 

 

 

 

 

 

王城では、全兵士の整列が完了している。

 

 

 

 

会議室では、ジルマールとスミェーラとベラ、兵士達が地図で作戦会議をしていた。

 

 

 

 

一方太一と凛と幹也は、部屋のベランダに居た。

 

太一「いよいよだな。」

 

凛「うん。」

 

幹也「遂にお祭りが始まるのか。」

 

太一「凛、何があっても守るから。」

 

幹也「俺もお前を守る。何があっても。」

 

凛「太一、幹也。それじゃダメ。私だって戦う。私も太一と幹也の事守ってみせる。」

 

太一「凛・・・」

 

幹也「そうだったな。」

 

太一「今、俺達に出来る最大限の事をしよう。」

 

凛「うん!」

 

幹也「必ず勝って、生きて帰る事。忘れるなよ?」

 

凛「勿論!」

 

3人がグータッチを交わした。

 

 

 

 

 

 

翌日。戦争の日が訪れた。

 

幕僚「準備整いました。何時でも進軍開始出来ます。」

 

ドルトエスハイム「うむ。」

 

マルケーゼ「ドルトエスハイム公。」

 

ドルトエスハイム「マルケーゼ公爵。」

 

マルケーゼ「どうしてもお願いしたき議が。あの異国から来た少年と少女。そして落葉の魔術師の件はどうか私めにお任せ下さいませんか?その為の用意はしてございます。ニルガン公爵のような無様な失敗は致しません。必ずや我が手で不届きな魔術師の首をあげてみせましょう。」

 

ドルトエスハイム「・・・・」

 

『END』




         キャスト

      西村太一:天崎滉平
       吾妻凛:高橋李依
      雲居幹也:佐藤元
      ミューラ:田中美海
      レミーア:大原さやか
     エアリアル:久保ユリカ
        パル:伊藤美来

    シャルロット:末柄里恵
     ジルマール:家中宏
       カシム:下野紘
       グラミ:日笠陽子
      シンシア:佐藤利奈
      ミリアム:照井春佳
       クララ:菱川花菜

     スミェーラ:井上麻里奈
  ドルトエスハイム:斉藤次郎
     マルケーゼ:渡辺拓海
        幕僚:藤原侑聖

       ロドラ:平川大輔
       影の女:生天目仁美

次回・マーウォルトの会戦
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