異世界チート三重奏《トリニティ》   作:naogran

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”血みどろのラプソディ”。 嘗てそう呼ばれた戦があった。時は200年前、ガルゲン帝国とシカトリス皇国の国境線で行われた小競り合い。それが発端だった。

すぐに収束すると思われたその戦いは、しかし時をおかずして両国を震え上がらせる事になった。

突如兵士達が制御不能状態に陥り、敵はおろか同士討ち、ひいては民間人の虐殺。狂乱の暴徒と化し暴れ始めた。

史上最悪の戦闘。殺戮の嵐がようやく止んだ時、犠牲者の数は両国合わせて70万を超えたと言う。






その血みどろのラプソディの再来が再び起きてしまった。

レミーア「当時 戦士の凶暴化した理由は不明とされていたが、原因は精神操作だったようだな。」

ミューラ「精神操作!?でもそれって・・・」

パル「精神操作は如何なる属性魔術に当てはまらないんだよ。」

レミーア「つまりこれの原因は妖術。闇の存在が司る力によるものだ。」

ミューラ「では・・・」

パル「そう。これを発動してる親玉を叩かない限り術の解除は不可能。」

レミーア「それまで奴らは感情もなく痛みもなく、あるのはただ血に飢えた殺戮の衝動のみ。ここで我らが阻止せねば奴らは王都ウェネーフィクス、更にその先へと進軍し、何十何百万の命が犠牲になるだろう。」






黒い空間。

影の女「ふっ。さぁ、楽しみだね。」

果たして、この戦いに終止符は打たれるのか。


第12話・異世界チート三重奏(トリニティ)

スソラ「うおおおおおお!!!」

 

斧を振り回して狂戦士を倒すが、何度も蘇るばかり。

 

スソラ「しつけぇんだよ!そっちはどうよ!?」

 

凛「聞くまでもないでしょ。倒しても倒してもキリがない!」

 

ミリアム「何度も蘇るから厄介だよ!」

 

スソラ「殺さねぇとかヌルい事やってるからだろ。」

 

凛「そ、それは・・・!(そんなこと分かってる。だけど私はこの力を人を救う為に使いたい!)」

 

風の魔術で狂戦士達を吹き飛ばした。

 

スソラ「ふっ、甘いね。」

 

凛「スソラ、あなた雇われたって言ってたよね?」

 

スソラ「あぁ。」

 

凛「なら、私達に雇い直されない?」

 

スソラ「はい?」

 

凛「依頼は私と共に戦う事。達成条件は3人で生き残る事。」

 

ミリアム「報酬はそうだねぇ・・・それ相応の金貨を払うよ。」

 

凛「どう?悪くないでしょ?」

 

スソラ「・・・ふっ。良いね受けよう。報酬は私の命で手を打つよ。」

 

凛「交渉成立ね。」

 

ミリアム「生き残った後の報酬を期待してね。」

 

スソラ「ああ。で、どうする?」

 

凛「そうね、まずは・・・仲間と合流とごうしましょ!」

 

スソラ「あ。」

 

 

 

 

 

 

駐屯地。

 

幹也「ホラホラホラホラ!!!」

 

蜘蛛の糸の弾丸を連射して、狂戦士達に付着させた。

 

幹也「食い尽くせ!!」

 

蜘蛛の糸から蜘蛛が生まれ、狂戦士の体内を食い荒らす。だが妖術の影響で蜘蛛が死滅した。

 

エアリアル「見て来たよ太一!」

 

太一「どうだった?」

 

エアリアル「ダメ、押されてる。術に掛かった兵士達が強過ぎるよ!」

 

太一「だよな。アイツら怪我しようがお構いなしだ。こっちの分が悪すぎる。」

 

幹也「まさにゾンビだなこりゃ。」

 

ドルトエスハイム「何を迷っている!あの惨劇だけは二度と繰り返してはならぬ!惨い事だが避けられぬ。イニミークスのあの術、本来ならば人間の扱えるものではない。」

 

 

 

 

イニミークス「私の主はただお1人!あの御方の他におりません!この世界全てを見そなわす至高の御方!」

 

 

 

 

太一「つまりあの御方ってのが力を貸してると?」

 

ドルトエスハイム「そうとしか考えられん。太一、幹也、其方を窮地に立たせ追い詰める。その為にこの戦を起こしたのだ。」

 

太一「そんな事の為に・・・」

 

幹也「派手な余興で俺達を楽しませやがって。」

 

ドルトエスハイム「皮肉なものだな。私にはジルマールが今何を考えているか手に取るように分かる。兄・・・いや王はこう命じているはずだ。”全軍刺し違える覚悟で食い止めろ”と。例えエリステインの民全てを犠牲にしても。国を守ろうとしてそれを滅ぼすとは。私はいかなる汚名を残すのだろうな・・・」

 

太一「・・・なら、ここで止めれば良い。」

 

ドルトエスハイム「ん?」

 

すると太一の全身にオーラが纏った。

 

エアリアル「太一?」

 

太一(もし俺の力がチートで与えられたもんだってんなら、俺はそれを守る為に使いたい。俺の大切な人を。仲間を守る為に。一国を滅ぼす力があるのなら。)

 

幹也「太一。」

 

太一「力のある物は時として大きな犠牲を払っても、成さねばならぬ事がある。

 

ドルトエスハイム「其方は・・・!」

 

太一「だったよな?やってやる。」

 

エアリアル「太一?」

 

幹也「おい太一?」

 

太一「なぁエアリィ。人を超えた力、それを受け入れる事の意味がやっと分かったよ。ごめんな凛。幹也。俺・・・お前達を守る為なら・・・うおおおおおおお!!!」

 

周囲の狂戦士を倒そうとした時。

 

 

 

 

エアリアル「ダメえぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

周囲の時が止まり、太一と幹也とエアリアルのみ動ける。エアリアルが太一の前に立ち塞ぐ。

 

太一「どいてくれエアリィ。この状況を引き起こしたのは俺が原因だ。だとしたら・・・」

 

エアリアル「ダメどけない。悪いのは太一じゃない。私だから。」

 

太一「え?」

 

幹也「エアリアル?」

 

エアリアル「本当にごめんなさい。」

 

太一「何でエアリィが謝る?」

 

エアリアル「ごめんね太一。私、太一に嘘吐いてた。」

 

太一「嘘?」

 

エアリアル「私のこの姿は仮初めのもの。本当の私じゃない。太一の力が凄いから・・・凄過ぎるから怖くなったの。もし本当の私が力を貸したらどうなっちゃうのって。」

 

幹也「・・・まさか、制御出来ず太一を殺してしまう事を恐れてるのか?」

 

エアリアル「・・・うん・・・」

 

太一「エアリィ・・・じゃあお前一体・・・」

 

エアリアル「だからお別れだよ太一。エアリィの私とはもうさよなら。」

 

太一「さよならって・・・」

 

エアリアル「そんな顔しないで。だって分かったんだもの。大切なものを守りたい。太一の強い気持ち、覚悟は本物。太一は私の全てを受け入れてくれた。だから私も・・・」

 

太一「・・・・・」

 

エアリアル「心配しないで。私は本当の私になるだけ。」

 

そしてエアリアルが眩しく光った。

 

エアリアル「ありがとね太一。ありがと・・・」

 

太一「エアリィ!」

 

エアリアル「私を呼んで。マイマスター。私の本当の名前は・・・」

 

彼女は跡形もなく消滅し、周囲の時が動いた。

 

太一・幹也「・・・・・」

 

凛「太一!幹也!」

 

太一「凛!」

 

幹也「無事だったか!」

 

凛「2人共良かった・・・無事で・・・」

 

彼女の左足に火傷が。

 

太一「あ!!」

 

火傷を負った凛を抱き締めた。

 

凛「えっ、ちょっ・・・何?」

 

太一「ごめんな。俺がモタついたせいで凛に怪我させちまった。脚痛くないか?」

 

凛「えっ・・・あ、これ?大丈夫。大した事ない。」

 

太一は凛を強く抱き締めた。

 

凛「・・・!」

 

太一「それでもだ。どんな事をしても、この戦争を終わらせる。終わらせて大切な者を、皆を守るから。」

 

凛「・・・・」

 

スソラ「ふっ。」

 

クララ「太一。」

 

太一「これで人間卒業だ。」

 

凛「え?」

 

太一「契約に従い、我が声に応えよ!召喚!エレメンタル・シルフィード!」

 

彼の右手から光線が放たれ、上空の魔法陣を浄化させた。

 

 

 

 

兵士「何だ?」

 

兵士「あれ?俺何やって・・・」

 

 

 

 

狂戦士と化してしまった兵士達が一瞬で浄化され、元の人間の姿に戻った。

 

パル「狂戦士が浄化された!」

 

レミーア「驚いた。長年生きて来たが、こんな物を見るのは初めてだ。」

 

ミューラ「一体何が・・・」

 

レミーア「よく見ておけミューラ、パル。これが真の召喚術士が生まれた瞬間だ。」

 

 

 

 

黒い魔法陣の消滅と同時に、精霊が舞い降りた。

 

スソラ「こりゃあ驚いたね・・・」

 

その精霊シルフィードは、エアリアルと酷似している。

 

シルフィード「この姿で会うのは初めてね、太一。」

 

太一「えっと・・・エアリィ・・・あぁいや・・・今はシルフィードなんだよな。」

 

シルフィード「今後はシルフィとお呼び下さい。マイマスター。」

 

凛「エアリィがシルフィード?」

 

スソラ「っておい・・・シルフィードつったら精霊の女王、四大精霊の内の1つだぞ!?」

 

太一「エアリィは・・・アイツは消えちまったのか?」

 

シルフィード「いいえ。エアリィだった頃の記憶や思いは確かにここに。」

 

太一「じゃあ・・・」

 

シルフィード「そうだよ太一。エアリィの私も私だって事は変わんないよ。」

 

幹也「じゃあ、俺の事も分かるか?」

 

シルフィード「勿論だよ幹也。覚えてるよ。」

 

太一「そうか・・・凛。色々聞きたいだろうが、此奴は後で説明する。」

 

凛「うん。」

 

幹也「にしてもありがたい事だ。シルフィードのお陰で狂戦士達のイヤイヤ期が峠を超えたな。」

 

凛「シルフィードの力で?」

 

太一「ああ。でもこれで終わった訳じゃない。こんな巫山戯た術を掛けた本人をぶっ飛ばしてやるまでこの戦は終われねぇ。」

 

幹也「それじゃ、さっさと宴会の主催者様にお駄賃を払いますか。」

 

 

 

 

イニミークス「あぁ感じる・・・あの御方の偉大なる愛・・・このイニミークスめにくだされた至高の愛を・・・!」

 

 

 

 

太一「なぁ凛、幹也。何があっても俺の味方でいてくれるか?」

 

幹也「今更何だよ。今でもそうだろ?」

 

凛「当たり前でしょ。私は太一の味方。何時何処に居ても。」

 

太一「うん。サンキュー。」

 

3人がグータッチを交わした。

 

スソラ「なぁイチャつくんなら、あの化け物を倒してからにしてくんない?」

 

 

 

 

テントから、悪魔の姿へ変貌したイニミークスが現れた。

 

 

 

 

幹也「おーお。凄えパーティー衣装だなありゃ。」

 

スソラ「その後でなら、キスしようがここで押し倒そうが構わないからさ。」

 

凛「そ、それじゃあ・・・」

 

太一『お、おう・・・任せとけ・・・」

 

 

 

 

イニミークスが翼を羽ばたいて飛翔した。

 

 

 

 

シルフィード「幹也。」

 

風の球体を生成し、幹也の前に置いた。

 

幹也「サンキュー。」

 

風の球体に幹也が乗る。

 

太一「シルフィ行くぞ。」

 

シルフィード「了解。」

 

太一が飛翔し、幹也が風の球体の力で飛翔した。

 

 

 

 

上空。

 

幹也「こんちはー。」

 

太一「へぇ、やるなあイニミークス。アンタも人間卒業した口か?」

 

イニミークス「見事だ。それでこそあの御方のご期待に添うと言うもの。素晴らしい、素晴らしいぞ少年!」

 

幹也「なぁ教えてくれよ。お前の目的と、あの御方の正体を。」

 

イニミークス「この世界全てを知ろしめす慈悲深き御方。」

 

先にイニミークスが接近し太一に攻撃する。太一は両腕でイニミークスの拳を防いだ。

 

太一「だからそれは・・・どう言う事だって聞いてんだよ!」

 

力でイニミークスを弾いた。

 

イニミークス「愚かな。己が何者であるかまだ気付いておらぬのか、生まれながらに精霊の声を聞く少年よ。なぜ貴様らがこの世界に召喚されたと思う?」

 

太一「それは・・・」

 

イニミークス「あの御方に選ばれたからだ!」

 

幹也「ほう?」

 

イニミークス「貴様がここに至る道筋は全てあの御方が引いたもの。貴様を召喚したあの王女はその為の駒に過ぎぬ。まもなく大いなる戦が起き世界が裏返る。その時、光と闇は反転し救世主としてあの御方が降臨する。」

 

太一「・・・」

 

イニミークス「貴様はその為に選ばれた。この世界、アルティアがアルティアとして存在し続ける為に必要な究極の武器として、あの方の盾と剣になるべくこの世界に呼ばれたのだ。」

 

太一「・・・でその御方ってのは結局何者なんだ?」

 

イニミークス「今はまだ恐れ多きその名を知る時ではない。」

 

太一「究極の武器だって?巫山戯るな・・・人を何だと思ってやがる・・・!」

 

イニミークス「何を言う。最高の栄誉ではないか。」

 

太一「うおおおおお!!」

 

イニミークス「うおっ!?」

 

超高速でイニミークスの顔面にパンチした。

 

太一「そんなの認めねぇ!!」

 

幹也「この世界がオセロになるだなんて面白くねえな!」

 

 

 

 

地上。上空でイニミークスと戦う太一と幹也を凛達が見守っている。

 

凛「太一・・・幹也・・・」

 

 

 

 

太一「何が救世主だ!!」

 

イニミークス「おぉ・・・!我らが期待した通り!」

 

太一「勝手な事抜かしやがって!」

 

幹也「命を弄ぶお前はぶっ壊れたおもちゃだ!!」

 

背中に幹也が周り、高速キックでイニミークスに大ダメージを与えた。

 

太一「うおおおおおおおお!!!」

 

連続ラッシュでイニミークスを攻撃。

 

太一「何の痛みもなく平気で人の命を奪っておいて、そんなクソ野郎に救えるものなんてねぇ!世界がなんだ!そんなもの知るか!俺は俺の大切な人を!言葉を交わし毎日を共にする仲間を!どうって事無い小さな幸せを願う人を!そう言う人達を!俺は!!守りてえんだああああああ!!!!!」

 

最後の一撃がイニミークスを地面に叩き落とした。

 

 

 

 

地上。イニミークスが吐血した。目の前に太一と幹也が着地した。

 

幹也「余興もこれでお開きだな。」

 

イニミークス「全くもって実に・・・ありがたい・・・これで私の務めを果たす事が・・・後もう少し・・・さぁ少年・・・私にトドメを刺したまえ・・・」

 

太一・幹也「・・・・・」

 

イニミークス「やはり貴様に人は殺せない・・・それが最後の弱さだな・・・」

 

幹也「今まではそうだ。」

 

イニミークス「・・・!?」

 

太一「力には代償が必要”それが魔術の、この世界の理だったよな?ドラゴンに言われたよ。大切な者を守りたければ強くなれと。決めたんだ。誰の為でもない。俺は俺の為に強くなると。悪ぃな。俺もさっき人間卒業しちまったんだ。」

 

巨大な竜巻を起こした。

 

幹也「地獄への切符だ。受け取れ。」

 

蜘蛛の糸でイニミークスを縛り、全身を燃やした。

 

イニミークス「あぁ・・・シェイド様・・・遂にやりましたぞ・・・このイニミークス・・・見事役目を・・・」

 

その言葉を最後に、イニミークスは幹也の炎で燃えながら、太一の電撃を喰らって消滅した。

 

太一「・・・・」

 

幹也「・・・・」

 

 

 

 

 

 

終戦後、王都ウェネーフィクスに平穏が訪れた。兵士達は全員帰還を果たし、それぞれの家族の元へ帰って来た。

 

 

 

 

王城の方では。

 

凛「太一。幹也。」

 

ミューラ「気が付いた?」

 

パル「具合はどう?」

 

2つのベッドで眠っていた太一と幹也が目を覚ました。

 

太一「あれ?えっと・・・」

 

幹也「あれ?俺何してたんだ?」

 

レミーア「戦は終わったぞ。太一、幹也、お前達のお陰でな。」

 

太一「じゃあ、俺また寝てたのか?」

 

幹也「魔力の酷使で寝ちまったか。」

 

太一「そう言や凛、脚の怪我は?」

 

凛「大丈夫。レミーアさんに治療魔術を掛けて貰ったし、痕も残らないって。」

 

太一「そうか。ありがとうレミーアさん。」

 

レミーア「可愛い弟子を傷物には出来ぬからな。」

 

 

 

 

シャルロット「太一さん!幹也さん!」

 

アルセナ「殿下!許可も無しに無作法ですよ!」

 

 

 

 

部屋にシャルロットが慌てて駆け込んだ。

 

シャルロット「良かった。お目覚めになったのですね。」

 

太一「あぁ、はい。」

 

幹也「すっかり元気。」

 

レミーア「魔力の枯渇だからと心配要らぬと言ったのだが、毎日のように見舞いに来てな。戦場から意識不明でお前達が戻ってきた時など・・・」

 

シャルロット「レミーア様どうかそれは・・・」

 

レミーア「凛とミューラとパルにしてもそうだ。ほっとけば治るものをあれこれと世話を焼いて。」

 

凛・ミューラ「・・・・・」

 

パル「えへへ〜。」

 

レミーア「羨ましいな。勇者殿。」

 

太一「・・・・」

 

幹也「俺ら、ハーレムになったな・・・」

 

”グゥー”

 

幹也「ありゃ。」

 

凛「もう。」

 

全員「あはは。」

 

 

 

 

 

 

マーウォルト平原で繰り広げられた戦は、両軍多くの犠牲を出しながらもジルマール王の勝利で終息。

 

町には嘗ての活気が戻り、王都ウェネーフィクスはその本来の姿を取り戻しつつある。

 

そして契約通り太一達は十分な褒賞を受け取り、更には王立軍の顧問、王国に危機が迫った時にのみ招集される特別な戦力として王立軍に籍を置く事になった。

 

こうしてエリステイン魔法王国に再び平和が訪れた。しかし・・・

 

 

 

 

 

 

地下牢。ドルトエスハイムが処刑される時。

 

ジルマール「最後に言い残す言葉はあるか?我が弟よ。」

 

ドルトエスハイム「成すべき事を成したまで。悔いはない。」

 

ロドラ「では最後の祈りを。」

 

ドルトエスハイム「必要ない。我が祖国よ!永遠なれ!」

 

こうしてドルトエスハイム公爵は、絞首刑に処された。

 

 

 

 

 

 

後日。太一が部屋のバルコニーから朝日を眺めている。。

 

レミーア「どうした?」

 

太一「いや・・・」

 

レミーア「まさか、もっと上手くやれたはずだなどと思ってはおらぬだろうな?」

 

太一「それは・・・」

 

レミーア「甘ったれるなよ小僧。人間は完璧ではない。しかし人並み外れた力を持つ者は時として厳しい選択を迫られる事がある。その時、何を選ぶか選んだか。無論失敗もあるだろう。だがそれはお前が引き受けなければならぬ痛みだ。」

 

太一「痛み?」

 

レミーア「あぁ。それを失わぬ限り、お前は如何なる力を持とうと人間だ。己の心に正直になれ。太一、迷い悩み葛藤しろ。それこそが若者の特権だ。」

 

太一「・・・・」

 

レミーア「さぁモタモタするな。アズパイアに帰るぞ。」

 

凛「太一。」

 

ミューラ「行くわよ。」

 

幹也「置いてくぞ。」

 

太一「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

王都の門。

 

アルセナ「どうぞよい旅を。」

 

太一「うん。わざわざありがとな。」

 

シャルロット「太一さん、凛さん、幹也さん。お約束します。何時か必ず3人を元の世界にお戻しすると。」

 

太一「うん、頼むな。」

 

凛「でも、あんまり無理しないで下さいね。」

 

幹也「少しずつでも良い。頑張れよ。」

 

太一「そうそう。ここでの暮らしも結構気に入ってるし。」

 

凛「大事な仲間も出来たしね。」

 

幹也「まだまだ遊び足りないしな。」

 

シャルロット「はい。ありがとうございます。」

 

 

 

 

馬車に乗り、太一達がアズパイアの町へ帰って行く。

 

アルセナ「異世界の勇者が国を救う。まさかあの伝説が現実になるとは。」

 

シャルロット「えぇ。だとしても私がした事は許される事ではありません。ですが今はただこの出会いに感謝を。」

 

 

 

 

 

 

馬車の中。

 

凛「へぇー!シルフィでもちっちゃくなれるんだー!」

 

シルフィード「うん。どっちかと言うとこの姿の方が便利だし。気に入ってる。」

 

パル「あーあ。まだまだ王都で遊びたかったけどなー。」

 

幹也「何ならお前だけ王都に残るか?」

 

パル「嫌!幹也達と一緒が良い!」

 

ミューラ「それにしても、いきなり四大精霊を従えるなんて。」

 

凛「ほんと太一ったらチート過ぎ。」

 

幹也「全くだな。」

 

太一「あははは・・・」

 

ミューラ「所で凛、前から気になってたんだけどその”チート”ってどんな意味なの?」

 

凛「あ、そっか。」

 

幹也「ミューラ。チートって言うのは・・・」

 

 

 

 

内戦の危機は去った。だが正直不安が消えた訳じゃない。

 

あの御方とは何者なのか。大いなる戦、世界が裏返るとはどう言う事なのか。

 

今はまだ分からない。それでも太一は1つだけハッキリ分かる事がある。

 

彼ははこの力を使って大切な人を守る。それがチートだろうが構わない。

 

この世界で太一は凛と幹也と一緒には何としてでも生きていく。

 

それが、彼の思い。

 

『THE END』




         キャスト

      西村太一:天崎滉平
       吾妻凛:高橋李依
      雲居幹也:佐藤元
      ミューラ:田中美海
      レミーア:大原さやか
    シルフィード:久保ユリカ
        パル:伊藤美来

    シャルロット:末柄里恵
     ジルマール:家中宏
      アルセナ:大西沙織

  ドルトエスハイム:斉藤次郎
    イニミークス:日野聡
     マルケーゼ:渡辺拓海
       スソラ:藤原夏海
        兵士:真木駿一
           八木岳

       ロドラ:平川大輔
  影の女・シェイド:生天目仁美

次回・星宵の祭りと魔術師
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