異世界チート三重奏《トリニティ》   作:naogran

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王都での戦争が終結し、太一達はアズパイアの町へ帰って来た。

太一「おお!帰って来たぜアズパイア!」

幹也「いやぁ〜!何か懐かしく感じる!」

凛「王都も素敵な所だったけど、やっぱりこの町が1番落ち着くね〜。」

太一「だな!」

ミューラ「旅の疲れもあるし、今日は町でゆっくりして行きましょう。」

太一「なら、宿はミスリルな!」

レミーア「うん。彼処の料理は中々美味い。」

幹也「何よりスープが絶品だしな。」

レミーア「しばらく滞在して、骨休めと言うのも良いだろう。」




商店街を歩くと、町の皆が飾り付けをしていた。

太一「何だあれ?」

凛「そう言えば・・・」

幹也「何かのお祭りか?」

レミーア「ふむ、早いものだな。もうそんな季節か。」

太一・凛・幹也「ん?」

ミューラ「そう言えば、凛と太一と幹也は初めてだったのね。こんやお祭りがあるの。アズパイアの年中行事の1つよ。」

レミーア「宵星の祭り。1年に1度、死者と生者が交わる特別な夜だ。」

アズパイアの町は今夜、宵星の祭りがあるのだ。


第13話・宵星の祭りと魔術師

レミーア「宵星の祭り。古くからの言い伝えによれば、年に1度この日の夜、死者の国の門が開かれると言う。今宵一夜限り、死者の魂は生前の姿を取り戻し、地上で灯すランタンの灯りを頼りに現世に戻る。生前の暮らしを懐かしみ、嘗て愛した者に会う為に。」

 

太一「つまり、お盆みたいなものって事か。」

 

幹也「確かに。」

 

ミューラ「ん?オボン?」

 

凛「私達の国にも、同じようなお祭りがあるの。迎え火って言って、目印に火を焚いたり。」

 

幹也「不思議なもんだな。世界は違うのに、似た風習がこの世界にもあるなんてな。」

 

レミーア「亡き人を偲び、もう1度会いたいと思う。そう言う気持ちに世界の差は無いのだろう。あ、忘れてた。祭りに参加するのならアレが必要だったなミューラ。」

 

ミューラ「えぇ。確か毎年、この辺りに店を出していたはずです。」

 

太一「アレって?」

 

レミーア「我ら生者が、取り殺されないようにする為のお守りだ。」

 

太一・凛・幹也「え!?」

 

そのお守りを売ってる出店へ向かった。

 

 

 

 

そのお守りと言うのは、仮面の事であった。

 

太一「これがお守り?」

 

幹也「この仮面が?」

 

ミューラ「心配しないで。飽く迄形だけの物だから。祭りの日、死者は生前の姿を取り戻すって言ってたでしょ?」

 

太一「あぁ。」

 

ミューラ「この仮面はその為にあるの。生者と死者は皆仮面を被って姿を隠す。そうすれば、誰が生者で誰が死者か分からない。参加する者は仮面を着ける。それがこのお祭りの決まりなの。」

 

凛「じゃあ、それを破ったら・・・?」

 

ミューラ「素顔を見せた者は・・・死者に連れて行かれるわ。」

 

凛「ヒィッ!!」

 

ミューラ「言い伝えによれば、だけどね。」

 

幹也「けど仮面を被ったら、会いたい人が誰なのか分からないんじゃねえのか?」

 

ミューラ「それは・・・」

 

老夫人「これを頂こうかね。」

 

横で老婦人が、緑色の仮面を手に取った。

 

店主「お目が高い!そちらは工房でも指折りの名人が作った逸品ですよ!」

 

老夫人「あの人は若葉の季節が大好きな人だったからね。」

 

店主「それは、旦那様に?」

 

老夫人「ああ。半年前に逝っちまってね・・・私を置いて行くなんて、薄情な男さ。」

 

店主「では、お包みしましょう。」

 

老夫人「ああ。お願いね。」

 

幹也「成る程、死者が好きだった物を模った仮面で。」

 

店主「あなたに女神の御加護を。宵星の下、巡り会えますように。」

 

老婦人「ありがとう。あなたにも女神の御加護がありますように。」

 

レミーア「宵星の祭りでは、新たに亡くした死者の墓前に、家族が仮面を備える仕来りだ。死者はそれを着けて祭りに向かう。仮面の作りはそれぞれ微妙に違うからな。会いたい者同士はそれが分かるのだ。」

 

幹也「そうか。」

 

 

 

 

 

 

その後、幹也は自分の仮面を買って町中を歩く。買った仮面は、蜘蛛の巣の模様が入った赤い仮面。

 

幹也「中々な作りだな。蜘蛛の巣の模様が入ってるとは。なぁパル、お前にも会いたい人は居るのか?」

 

パル「人じゃないけど、私は人間達に殺された蜘蛛達かな?久し振りに会いたいけど。」

 

幹也「お祭りに蜘蛛の大群が出て来たら、さぞグロいかもな。」

 

パル「幹也は?誰か会いたい人は居ないの?」

 

幹也「俺?元の世界だと親父かな?親父は俺が13歳の頃に亡くなってな。元の世界に帰ったらまた会いたいよ。」

 

パル「そっか。幹也のお父さん、また会えると良いね。」

 

幹也「ああ。」

 

 

 

 

 

 

広場では、多くの出店が並んでいる。

 

ミューラ「まさか・・・これを売るつもり・・・?」

 

その中には、ギルドが出してる店がある。メニューは緑色の汁。

 

ジェラード「うむ。我々ギルドも祭りに貢献しようと思っていてな。今年から店を出す事にしたのだ。」

 

マリエ「ギルドらしい特徴を出そうと思いまして、元気の出るスープを作ってみました!」

 

レミーア「全く食指が動かんな・・・」

 

幹也「どうしたお2人さん。」

 

そこに幹也とパルが合流した。

 

ミューラ「幹也。」

 

幹也「ん?ウッ!何じゃこりゃ・・・」

 

レミーア「元気の出るスープらしいぞ。」

 

幹也「クンクン・・・臭いが強烈・・・」

 

パル「そうかな?美味しそうな匂いがするけど。」

 

幹也「お前の嗅覚ぶっ壊れてんの?」

 

レミーア「一体何を入れたんだ?」

 

マリエ「ヌマイモリの粉末と、高原草を少々。」

 

ミューラ「ヌマイモリに高原草!?でもそれって・・・」

 

レミーア「精力剤だな。服用すれば、夜の精力が絶倫なるとかならんとか。」

 

幹也(何か麻薬みたいで怖い・・・)

 

マリエ「うふふっ。大人のスープです。」

 

お椀に注いでレミーアに飲ませる。

 

レミーア「ん。」

 

ミューラ「って!何飲んでるんですか!!」

 

レミーア「いかんのか?」

 

ミューラ「いかんに決まってるでしょ!」

 

幹也「まぁただでさえ、祭りの夜は男女の距離が近くなるからな。」

 

レミーア「まぁ、酒を呑んで踊ればお互い盛り上がる事もあろう。」

 

ミューラ「だからです!!その上こんな物まで飲んだら・・・その・・・色々と・・・」

 

レミーア「おやぁ?色々と何があるのかな?」

 

ミューラ「ふ、不道徳の事が・・・」

 

幹也「ほほう?愛の不道徳は俺も思わないのだけれど〜?」

 

ミューラ「そ、それは・・・愛があれば別に・・・でも勢いでとかそう言うのは・・・兎に角!ギルドが風紀紊乱に手を貸してどうするんですか!!ダメ!!絶対却下!!」

 

太一「どうしたんだミューラ?」

 

ミューラ「あ・・・!」

 

太一と凛と合流した。

 

 

 

 

その後太一と凛に訳を話した。

 

幹也「かくかくしかじか。」

 

太一「あはは。精力剤入りのスープ・・・流石にそれはダメだろ・・・」

 

幹也「それに祭りには子供達も居るんだろ?そんなの飲ませたらトラウマになる。」

 

マリエ「残念・・・」

 

ジェラード「ふむ、であれば・・・代わりの売り物を用意せねばならんな。」

 

レミーア「だが、今から準備出来る物となると限られるぞ?それに、似たような物はダメだ。競合は避けたい。」

 

全員「ん〜・・・」

 

ミューラ「そう言えば、太一の国にも似たようなお祭りもあるのよね?」

 

太一「ああ。夜店もあったぞ。」

 

ミューラ「そこでは何を売っていたの?」

 

太一「そうだなぁ。焼きそばにたこ焼き、トウモロコシにイカ焼きだろ?」

 

ミューラ「よく分からないのだけれど、やたら焼くのね。」

 

凛「それだけじゃないよ?綿飴にりんご飴。チョコバナナにチュロス。甘いお菓子だってあるんだから。」

 

ミューラ「お菓子!」

 

凛「う、うん。」

 

キラキラした眼差しで凛を見る。

 

凛(か、可愛い・・・)

 

レミーア「菓子かぁ。うん、それなら他の店とも被らんな。」

 

マリエ「ええ!甘い物なら子供達も喜びます!」

 

ジェラード「うむ。良い考えだが、今から仕込むとなると祭りに間に合うのか・・・」

 

幹也「そうだ!」

 

全員「ん?」

 

幹也「太一!アレならどうだ?ヒソヒソヒソヒソ。」

 

閃いた幹也が太一に耳打ちしてあるお菓子を提案した。

 

太一「そうか!ナイスアイデアだ幹也!アレなら簡単な準備さえしちまえば、後はその場で作って出すだけ!」

 

幹也「しかもメインの食材は俺達・・・じゃなくて凛ならタダで用意可能だ!」

 

凛「え?私?」

 

太一「ああ!しかも他でやってない俺達だけに出せる商品だ!凛はメロン。幹也はイチゴ。俺はブルーハワイ。」

 

凛「ああ!」

 

太一「アレで決まりだろ?」

 

凛「うん!!」

 

 

 

 

裏路地。

 

太一「よし、この辺で頼む!」

 

凛「OK!ハアァァァ!!」

 

魔術で氷を生成した。

 

太一「どわあああ!!」

 

しかもデカい氷。

 

太一「凛さん!?」

 

幹也「デカ過ぎやしません!?」

 

凛「ごめんごめん!つい戦闘モードで発動しちゃった。」

 

太一「まぁ、これだけありゃ数百人位は行けるか。」

 

ミューラ「太一。凛。幹也。こっちも準備出来たわよ。」

 

 

 

 

店に3つのフルーツシロップが出来てる。

 

凛「わああ!美味しそう!」

 

マリエ「右から順にライベリー、キヴィート、メリラになります。」

 

レミーア「どうだ凛?これで”かき氷”とやらは作れるか?」

 

凛「はい!バッチリです!」

 

幹也「けどメリラの実を使ったら儲からないんじゃ?」

 

レミーア「今日は祭りだ。細かい事を言うな。さて、次は試食だな。」

 

ミューラ・マリエ・パル「お願いします!」

 

幹也「準備が早い。」

 

太一「お、おお。んじゃ。召喚シルフィード!」

 

精霊シルフィードを召喚。

 

シルフィード「呼んだ?」

 

ジェラード「おおお!」

マリエ「まあ!」

 

まずはデカく切った氷を、穴が空いた台に乗せる。

 

幹也「太一、準備完了だ。」

 

太一「よし。」

 

シルフィード「ふ〜ん。」

 

太一「底に薄い風の刃を当てて氷を削る。俺的にはそう言うイメージなんだが・・・出来るかな?」

 

シルフィード「私が貸した力なら大丈夫!」

 

太一「流石シルフィ!」

 

シルフィード「その代わり。私にも食べさせる事!」

 

氷の下にお椀を置く。そして太一が、小さな風の刃で氷を削る。

 

 

 

 

かき氷の完成。

 

太一「どうよ!」

 

幹也「それじゃあ試食だ!」

 

かき氷を試食。

 

凛「ん〜!美味しい!」

 

幹也「いやぁ〜美味い!」

 

マリエ「甘酸っぱくて冷たくて、こんなの初めてです!」

 

レミーア「うむ。氷をこんな風に食すとは、実に天晴れな発明だな!」

 

パル「凄く美味しいよコレ!かき氷好きになったかも!」

 

幹也「喜んでくれて何よりだ。」

 

シルフィード「た、太一・・・」

 

スプーンを頑張って持つシルフィードが来た。

 

太一「おお。ごめんな。」

 

スプーンでかき氷を掬って、シルフィードに近付ける。

 

太一「サンキュー、シルフィ。」

 

シルフィード「あーん。んん!あ〜幸せ〜!」

 

ミューラ「痛たたた!」

 

太一「ん?」

 

ミューラ「何これ!?頭がキーンとするわ!」

 

凛「あはは。ミューラってば。」

 

幹也「かき氷の食べ過ぎで頭痛がしたか。けど大丈夫。すぐに治るから。」

 

ミューラ「え?・・・あ、治った。」

 

レミーア「ほう。氷を急に摂取すると頭痛を催すのか。ますます興味深い。」

 

太一「んじゃ俺も!頂きまーす!」

 

かき氷を一口。

 

太一「うおおー!キタキター!」

 

幹也「覚えてるか太一?俺が子供の頃、かき氷の食い過ぎで体調崩した事。」

 

太一「あったな。」

 

 

 

 

 

 

夕方。店番は太一と幹也とジェラードとマリエ。

 

レミーア「では、頼んだぞ太一。幹也。やるからには売り上げ1位を目指せ!」

 

幹也「おう!任せんしゃい!って何で俺達が!?」

 

太一「風属性の魔術なら、レミーアさんも凛が出来るだろ!?」

 

レミーア「我々は他の用事で忙しい。」

 

ミューラ「それに祭りの日。私達火属性の魔術師には別の仕事があるの。」

 

太一「別の仕事って?」

 

凛「ナイショ♪楽しみにしてて。」

 

レミーア「ジェラード。遠慮せずコキ使っててくれ。」

 

ジェラード「ああ!任せろ!」

 

太一「ええ・・・」

 

レミーア「まぁそうむくれるな。良い子にしていれば、良いものが見られるかも知れぬぞ?」

 

幹也「良いもの?さぞ俺達を満足させるものかもな。」

 

 

 

 

 

 

夜になり、宵星の祭りが始まった。

 

シルフィード「フフン!」

 

バラダー「ほう。これが噂に聞く風の精霊シルフィード・・・」

 

ラケルタ「何とまぁ・・・」

 

シルフィード「えっへん!」

 

メヒリャ「可愛い・・・」

 

幹也「久し振りだなお3方。」

 

バラダー「それにしても、ちょっと見ない内に随分先に行かれちまったな。」

 

ラケルタ「王都での活躍を聞いたよ?王立軍の顧問なんて大出世じゃないか!」

 

メヒリャ「まさか、召喚術師だったとは。」

 

太一「そりゃあ、たまたまチートって言うか、運が良かっただけで。」

 

ラケルタ「うん。それはある。そもそも、凛ちゃんみたいな美少女を相棒にしている時点でズルい!」

 

幹也「ラケルタは相変わらずだな。」

 

バラダー「っで、どうなんだ?嬢ちゃんとはその後進展あったのか?」

 

太一「え?そ、それは・・・」

 

???「メリラージ!1つ下さい!」

 

太一「あ!はい!」

 

1人の美人客がやって来た。

 

美人客「あれ?気付かない?」

 

幹也「え?あ!君は!」

 

太一「え?」

 

ラケルタ「うわ、鈍感。」

 

メヒリャ「最悪。」

 

バラダー「よく見ろ太一。」

 

幹也「お前も知ってるだろ?」

 

太一「・・・あ!アルメダ!?」

 

アルメダ「えへへ。」

 

太一「今日は随分大人っぽいな・・・」

 

幹也「可愛くなって!」

 

アルメダ「そ、そうかな?」

 

 

 

 

レミーア「どうだ太一?幹也?キビキビ働いているか?」

 

 

 

 

太一「レミーアさん!?」

 

幹也「ミューラ!」

 

太一「凛・・・!」

 

ドレス姿の3人がやって来た。

 

全員「おおぉ!」

 

パル「あらあら麗しくなって!」

 

レミーア「ご感想は?」

 

幹也「見違える程綺麗になって!」

 

太一「あ、えっと・・・その・・・」

 

レミーア「やれやれ。太一には別の修行が必要だな。」

 

ラケルタ「おお!まさに深海に眠る黒真珠!人魚も嫉妬する美しさよ!」

 

幹也「あれ?ラケルタ?」

 

ラケルタ「金の剣士。二つ名に恥じぬこの輝き、夜空の星々もあなたの前では霞んで見えましょう!」

 

ミューラ「あ、あの・・・」

 

太一「あはは・・・」

 

シルフィード「ほ〜。」

 

パル「ラケルタ、2人をエスコートしてるね。」

 

幹也「相変わらずだな〜本当に。」

 

太一「お?」

 

ドレス姿の凛。

 

幹也「綺麗になったな凛。」

 

凛「レ、レミーアさんに見立てて貰ったんだけど・・・ちょっと派手だったかな?」

 

太一「そ、そんな事ない!よく・・・似合うよ・・・!」

 

凛「あ・・・!うん・・・ありがとう・・・」

 

幹也「おいおい太一。もっと素直に気持ち伝えろよ〜。」

 

太一「う、五月蝿えよ・・・」

 

マリエ「甘酸っぱいわ〜。」

 

ジェラード「青春の味だな〜。」

 

 

 

 

祭りが続き、賑やかさが増えたその時。

 

”ゴロゴロゴロゴロ!”

 

突然の雷鳴と共に雨が降り始めた。

 

ジェラード「ん!?これはいかんな!」

 

レミーア「季節外れの嵐か・・・」

 

マリエ「どうしましょう・・・」

 

”ゴロゴロゴロゴロ!!!!”

 

幹也「うへぇ〜・・・折角の祭りに招かれざる客がやって来やがったぜ。」

 

太一「・・・・」

 

ジェラード「残念だが、祭りは中止だな。」

 

シルフィード「ええ!?そんな!!」

 

マリエ「安全が第一ですから。」

 

凛「でも・・・」

 

ミューラ「1年に1度、亡き人に会えると祭りを楽しんでいる人も居るわ。もう少し様子を見てから・・・」

 

太一「なぁ。嵐ってさ、低気圧。要するにデカい雨雲って事だよな?」

 

凛「え?うん、まぁ。」

 

太一「なら、その雨雲ごと消しちまえば嵐も収まるって事だよな?」

 

凛「それはそうだけど・・・」

 

幹也「おい太一。お前まさか!」

 

太一「おう!そのまさかだ!嵐より強い風の力で、雨雲を吹き飛ばしてやれば!」

 

ミューラ「太一!幾ら何でもそれは・・・」

 

レミーア「やってみろ。」

 

凛・ミューラ「え?」

 

レミーア「本来、人の力で嵐を駆逐しようなど無謀の極みだが。今日は祭りだ!私が許す!やれ太一!」

 

太一「よっしゃ!行くぞシルフィ!」

 

シルフィード「了解!」

 

上昇したシルフィードが等身大に巨大化した。

 

太一「んじゃ!!」

 

右手に風の力を吸収する。

 

太一「うおおおおおおお!!!」

 

吸収した風の力を嵐に向かってぶっ放した。風の力が嵐を一瞬で消し飛び、空の星々が姿を現した。。

 

パル「おぉ!もう晴れたね!」

 

幹也「んじゃ俺達は。」

 

蜘蛛の糸を上に展開し、温風を起こして町全体を乾かした。

 

幹也「よし、乾燥完了!」

 

太一「じゃ、嵐も吹き飛ばしたし祭りを楽しもうぜ!」

 

凛「うん!」

 

レミーア「では、我が花を添えよう!」

 

指輪の力で、夜空に花火を咲かせた。

 

太一「そっか!花火か!」

 

幹也「良いね!花火は風流!」

 

メヒリャ「うん。」

 

他の魔術師達も花火を打ち上げた。

 

ミューラ「ねぇ凛。本当にそれだけで良いの?」

 

凛「うん!炎色反応って言うんだけど、土属性の魔術を使って、微細な金属を取り出して炎に混ぜれば、出来るはず!」

 

ミューラ「炎色反応・・・そう言えば、初めて魔術の練習をした時も、凛は青い炎を出したわよね?」

 

凛「あ、うん。あれはガスって言う気体を燃やしたんだけど。」

 

ミューラ「あの時は、心底驚いたわ。この子何者なのって。」

 

凛「あ・・・」

 

ミューラ「分かった。やりましょう!感じるの。凛と一緒なら、どんな事も出来るって。」

 

凛「ミューラ・・・うん!」

 

2人が炎と土の魔術を打ち上げて混ぜ合わせた。夜空に多彩の花火が咲いた。

 

レミーア「おい今の・・・どうやったんだ!?」

 

 

 

 

 

 

広場は大賑わい。かき氷店では。

 

女性客「メリラージ3つね!」

 

男性客「こっちはライベリーとキヴィート2つ頼む!」

 

太一「はい、ただいま!」

 

氷が徐々に少なくなっている。

 

太一「ふぅ・・・商売繁盛嬉しいけど・・・」

 

シルフィード「大丈夫?太一。」

 

休憩する太一の顔をタオルで拭いてあげた。

 

ミューラ「お疲れ様。店番代わるわ。」

 

レミーア「また魔力が枯渇して、ぶっ倒れるといかんからな。」

 

太一「おお、悪いな。」

 

レミーア「その代わり太一、お前に1つ課題を与えてる。凛を踊りに誘え。」

 

太一「え!?俺が!?」

 

レミーア「他に誰が居る?そら。ボヤボヤしていると、幹也とずっと踊る事になるぞ?」

 

幹也と凛が踊ってる。

 

ミューラ「そうよ。凛は可愛いんだから。」

 

太一「あ・・・」

 

 

 

 

踊り終えた幹也と凛。

 

幹也「どうだった凛?俺とのダンス。」

 

凛「うん、良かったわ幹也。」

 

幹也「何か、お前と俺が2人きりになるの珍しいな。」

 

凛「何時もは太一と一緒だったからね。」

 

太一「凛!」

 

凛「あ!太一!」

 

幹也「よう。店番交代か?」

 

太一「あ、あのさ・・・」

 

仮面を着けて、勇気を出して凛を誘う。

 

太一「俺と・・・踊って下さい!」

 

幹也「フフッ。凛。」

 

凛「・・・うん。」

 

誘ってくれる太一の手を握った。

 

太一「っ!」

 

凛「喜んで!」

 

 

 

 

2人が踊る。太一は凛を見て少々照れてる。

 

 

 

 

ミューラ「太一ったら、凛の足を踏んだりしないのかしら?」

 

レミーア「ふっ。修行の項目が増えたな。」

 

幹也「今日からレディーに関する課題を与えてやるか。ん?」

 

ある人物を見付けた幹也が、その人物へ向かった。

 

 

 

 

凛「ふぅ。ダンスって結構疲れるんだね。」

 

太一「あ、うん。」

 

楽団長「さて!祭りの夜も更けて来ました!次は最後の曲となります!紳士諸君、意中のお相手に申し込むなら今ですぞ!」

 

太一「・・・・」

 

幹也「太一!」

 

太一「ん?幹也どうしたんだ?」

 

幹也「お前にお客さんだ。」

 

太一「え?」

 

幹也の後ろから、仮面を着けたアナスタシアが出て来た。

 

太一「あ・・・!」

 

アナスタシア「太一君、凛ちゃん。久し振りだね。」

 

楽団長「さっ!準備は宜しいか?」

 

太一「アナ・・・・」

 

凛「・・・太一。私、ちょっと疲れちゃった。だから、アナさんと踊ってくれない?」

 

太一「凛・・・?」

 

凛「ね?お願い。」

 

太一「けど・・・」

 

幹也「折角再会したんだ。誘わずにどうするよ。」

 

太一「幹也・・・」

 

凛「じゃ、後でね!」

 

幹也「お2人さん、楽しんで来いよ!」

 

2人は太一とアナスタシアと別れた。

 

太一「あ・・・その・・・俺と踊ってくれますか?」

 

アナスタシア「あ・・・はい。」

 

 

 

 

ミューラ「良いの?」

 

凛「うん、良いの。」

 

幹也「アナスタシアは、俺達の大切な仲間だからな。」

 

ミューラ「踊ろう?凛。」

 

凛「え?」

 

ミューラ「私じゃご不満?」

 

凛「・・・そんな事。ありがとうミューラ!」

 

2人は踊りに行った。

 

幹也「青春だね〜。パル。」

 

パル「ん?何?」

 

幹也「俺と、一緒に踊りませんか?」

 

パル「・・・喜んで!」

 

幹也とパルも踊りに行った。

 

 

 

 

今日は宵星の祭り。

 

1年に1度、生者と死者が出会う夜。

 

仮面の奥に素顔を隠して、大切な人と渡る夜。

 

そんな不思議もあって良いと思う。ここは異世界なのだから。

 

『THE END』




         キャスト

      西村太一:天崎滉平
       吾妻凛:高橋李依
      雲居幹也:佐藤元
      ミューラ:田中美海
      レミーア:大原さやか
    シルフィード:久保ユリカ
        パル:伊藤美来
    アナスタシア:真野あゆみ

     ジェラード:魚建
       マリエ:鎌倉有那
      アルメダ:杉村ちか子
      バラダー:紀ノ貴紀
      ラケルタ:田丸篤志
      メヒリャ:七瀬彩夏
     仮面屋店主:八木岳
       楽団長:藤原侑聖
       老婦人:西村野歩子
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