太一「おお!帰って来たぜアズパイア!」
幹也「いやぁ〜!何か懐かしく感じる!」
凛「王都も素敵な所だったけど、やっぱりこの町が1番落ち着くね〜。」
太一「だな!」
ミューラ「旅の疲れもあるし、今日は町でゆっくりして行きましょう。」
太一「なら、宿はミスリルな!」
レミーア「うん。彼処の料理は中々美味い。」
幹也「何よりスープが絶品だしな。」
レミーア「しばらく滞在して、骨休めと言うのも良いだろう。」
商店街を歩くと、町の皆が飾り付けをしていた。
太一「何だあれ?」
凛「そう言えば・・・」
幹也「何かのお祭りか?」
レミーア「ふむ、早いものだな。もうそんな季節か。」
太一・凛・幹也「ん?」
ミューラ「そう言えば、凛と太一と幹也は初めてだったのね。こんやお祭りがあるの。アズパイアの年中行事の1つよ。」
レミーア「宵星の祭り。1年に1度、死者と生者が交わる特別な夜だ。」
アズパイアの町は今夜、宵星の祭りがあるのだ。
レミーア「宵星の祭り。古くからの言い伝えによれば、年に1度この日の夜、死者の国の門が開かれると言う。今宵一夜限り、死者の魂は生前の姿を取り戻し、地上で灯すランタンの灯りを頼りに現世に戻る。生前の暮らしを懐かしみ、嘗て愛した者に会う為に。」
太一「つまり、お盆みたいなものって事か。」
幹也「確かに。」
ミューラ「ん?オボン?」
凛「私達の国にも、同じようなお祭りがあるの。迎え火って言って、目印に火を焚いたり。」
幹也「不思議なもんだな。世界は違うのに、似た風習がこの世界にもあるなんてな。」
レミーア「亡き人を偲び、もう1度会いたいと思う。そう言う気持ちに世界の差は無いのだろう。あ、忘れてた。祭りに参加するのならアレが必要だったなミューラ。」
ミューラ「えぇ。確か毎年、この辺りに店を出していたはずです。」
太一「アレって?」
レミーア「我ら生者が、取り殺されないようにする為のお守りだ。」
太一・凛・幹也「え!?」
そのお守りを売ってる出店へ向かった。
そのお守りと言うのは、仮面の事であった。
太一「これがお守り?」
幹也「この仮面が?」
ミューラ「心配しないで。飽く迄形だけの物だから。祭りの日、死者は生前の姿を取り戻すって言ってたでしょ?」
太一「あぁ。」
ミューラ「この仮面はその為にあるの。生者と死者は皆仮面を被って姿を隠す。そうすれば、誰が生者で誰が死者か分からない。参加する者は仮面を着ける。それがこのお祭りの決まりなの。」
凛「じゃあ、それを破ったら・・・?」
ミューラ「素顔を見せた者は・・・死者に連れて行かれるわ。」
凛「ヒィッ!!」
ミューラ「言い伝えによれば、だけどね。」
幹也「けど仮面を被ったら、会いたい人が誰なのか分からないんじゃねえのか?」
ミューラ「それは・・・」
老夫人「これを頂こうかね。」
横で老婦人が、緑色の仮面を手に取った。
店主「お目が高い!そちらは工房でも指折りの名人が作った逸品ですよ!」
老夫人「あの人は若葉の季節が大好きな人だったからね。」
店主「それは、旦那様に?」
老夫人「ああ。半年前に逝っちまってね・・・私を置いて行くなんて、薄情な男さ。」
店主「では、お包みしましょう。」
老夫人「ああ。お願いね。」
幹也「成る程、死者が好きだった物を模った仮面で。」
店主「あなたに女神の御加護を。宵星の下、巡り会えますように。」
老婦人「ありがとう。あなたにも女神の御加護がありますように。」
レミーア「宵星の祭りでは、新たに亡くした死者の墓前に、家族が仮面を備える仕来りだ。死者はそれを着けて祭りに向かう。仮面の作りはそれぞれ微妙に違うからな。会いたい者同士はそれが分かるのだ。」
幹也「そうか。」
その後、幹也は自分の仮面を買って町中を歩く。買った仮面は、蜘蛛の巣の模様が入った赤い仮面。
幹也「中々な作りだな。蜘蛛の巣の模様が入ってるとは。なぁパル、お前にも会いたい人は居るのか?」
パル「人じゃないけど、私は人間達に殺された蜘蛛達かな?久し振りに会いたいけど。」
幹也「お祭りに蜘蛛の大群が出て来たら、さぞグロいかもな。」
パル「幹也は?誰か会いたい人は居ないの?」
幹也「俺?元の世界だと親父かな?親父は俺が13歳の頃に亡くなってな。元の世界に帰ったらまた会いたいよ。」
パル「そっか。幹也のお父さん、また会えると良いね。」
幹也「ああ。」
広場では、多くの出店が並んでいる。
ミューラ「まさか・・・これを売るつもり・・・?」
その中には、ギルドが出してる店がある。メニューは緑色の汁。
ジェラード「うむ。我々ギルドも祭りに貢献しようと思っていてな。今年から店を出す事にしたのだ。」
マリエ「ギルドらしい特徴を出そうと思いまして、元気の出るスープを作ってみました!」
レミーア「全く食指が動かんな・・・」
幹也「どうしたお2人さん。」
そこに幹也とパルが合流した。
ミューラ「幹也。」
幹也「ん?ウッ!何じゃこりゃ・・・」
レミーア「元気の出るスープらしいぞ。」
幹也「クンクン・・・臭いが強烈・・・」
パル「そうかな?美味しそうな匂いがするけど。」
幹也「お前の嗅覚ぶっ壊れてんの?」
レミーア「一体何を入れたんだ?」
マリエ「ヌマイモリの粉末と、高原草を少々。」
ミューラ「ヌマイモリに高原草!?でもそれって・・・」
レミーア「精力剤だな。服用すれば、夜の精力が絶倫なるとかならんとか。」
幹也(何か麻薬みたいで怖い・・・)
マリエ「うふふっ。大人のスープです。」
お椀に注いでレミーアに飲ませる。
レミーア「ん。」
ミューラ「って!何飲んでるんですか!!」
レミーア「いかんのか?」
ミューラ「いかんに決まってるでしょ!」
幹也「まぁただでさえ、祭りの夜は男女の距離が近くなるからな。」
レミーア「まぁ、酒を呑んで踊ればお互い盛り上がる事もあろう。」
ミューラ「だからです!!その上こんな物まで飲んだら・・・その・・・色々と・・・」
レミーア「おやぁ?色々と何があるのかな?」
ミューラ「ふ、不道徳の事が・・・」
幹也「ほほう?愛の不道徳は俺も思わないのだけれど〜?」
ミューラ「そ、それは・・・愛があれば別に・・・でも勢いでとかそう言うのは・・・兎に角!ギルドが風紀紊乱に手を貸してどうするんですか!!ダメ!!絶対却下!!」
太一「どうしたんだミューラ?」
ミューラ「あ・・・!」
太一と凛と合流した。
その後太一と凛に訳を話した。
幹也「かくかくしかじか。」
太一「あはは。精力剤入りのスープ・・・流石にそれはダメだろ・・・」
幹也「それに祭りには子供達も居るんだろ?そんなの飲ませたらトラウマになる。」
マリエ「残念・・・」
ジェラード「ふむ、であれば・・・代わりの売り物を用意せねばならんな。」
レミーア「だが、今から準備出来る物となると限られるぞ?それに、似たような物はダメだ。競合は避けたい。」
全員「ん〜・・・」
ミューラ「そう言えば、太一の国にも似たようなお祭りもあるのよね?」
太一「ああ。夜店もあったぞ。」
ミューラ「そこでは何を売っていたの?」
太一「そうだなぁ。焼きそばにたこ焼き、トウモロコシにイカ焼きだろ?」
ミューラ「よく分からないのだけれど、やたら焼くのね。」
凛「それだけじゃないよ?綿飴にりんご飴。チョコバナナにチュロス。甘いお菓子だってあるんだから。」
ミューラ「お菓子!」
凛「う、うん。」
キラキラした眼差しで凛を見る。
凛(か、可愛い・・・)
レミーア「菓子かぁ。うん、それなら他の店とも被らんな。」
マリエ「ええ!甘い物なら子供達も喜びます!」
ジェラード「うむ。良い考えだが、今から仕込むとなると祭りに間に合うのか・・・」
幹也「そうだ!」
全員「ん?」
幹也「太一!アレならどうだ?ヒソヒソヒソヒソ。」
閃いた幹也が太一に耳打ちしてあるお菓子を提案した。
太一「そうか!ナイスアイデアだ幹也!アレなら簡単な準備さえしちまえば、後はその場で作って出すだけ!」
幹也「しかもメインの食材は俺達・・・じゃなくて凛ならタダで用意可能だ!」
凛「え?私?」
太一「ああ!しかも他でやってない俺達だけに出せる商品だ!凛はメロン。幹也はイチゴ。俺はブルーハワイ。」
凛「ああ!」
太一「アレで決まりだろ?」
凛「うん!!」
裏路地。
太一「よし、この辺で頼む!」
凛「OK!ハアァァァ!!」
魔術で氷を生成した。
太一「どわあああ!!」
しかもデカい氷。
太一「凛さん!?」
幹也「デカ過ぎやしません!?」
凛「ごめんごめん!つい戦闘モードで発動しちゃった。」
太一「まぁ、これだけありゃ数百人位は行けるか。」
ミューラ「太一。凛。幹也。こっちも準備出来たわよ。」
店に3つのフルーツシロップが出来てる。
凛「わああ!美味しそう!」
マリエ「右から順にライベリー、キヴィート、メリラになります。」
レミーア「どうだ凛?これで”かき氷”とやらは作れるか?」
凛「はい!バッチリです!」
幹也「けどメリラの実を使ったら儲からないんじゃ?」
レミーア「今日は祭りだ。細かい事を言うな。さて、次は試食だな。」
ミューラ・マリエ・パル「お願いします!」
幹也「準備が早い。」
太一「お、おお。んじゃ。召喚シルフィード!」
精霊シルフィードを召喚。
シルフィード「呼んだ?」
ジェラード「おおお!」
マリエ「まあ!」
まずはデカく切った氷を、穴が空いた台に乗せる。
幹也「太一、準備完了だ。」
太一「よし。」
シルフィード「ふ〜ん。」
太一「底に薄い風の刃を当てて氷を削る。俺的にはそう言うイメージなんだが・・・出来るかな?」
シルフィード「私が貸した力なら大丈夫!」
太一「流石シルフィ!」
シルフィード「その代わり。私にも食べさせる事!」
氷の下にお椀を置く。そして太一が、小さな風の刃で氷を削る。
かき氷の完成。
太一「どうよ!」
幹也「それじゃあ試食だ!」
かき氷を試食。
凛「ん〜!美味しい!」
幹也「いやぁ〜美味い!」
マリエ「甘酸っぱくて冷たくて、こんなの初めてです!」
レミーア「うむ。氷をこんな風に食すとは、実に天晴れな発明だな!」
パル「凄く美味しいよコレ!かき氷好きになったかも!」
幹也「喜んでくれて何よりだ。」
シルフィード「た、太一・・・」
スプーンを頑張って持つシルフィードが来た。
太一「おお。ごめんな。」
スプーンでかき氷を掬って、シルフィードに近付ける。
太一「サンキュー、シルフィ。」
シルフィード「あーん。んん!あ〜幸せ〜!」
ミューラ「痛たたた!」
太一「ん?」
ミューラ「何これ!?頭がキーンとするわ!」
凛「あはは。ミューラってば。」
幹也「かき氷の食べ過ぎで頭痛がしたか。けど大丈夫。すぐに治るから。」
ミューラ「え?・・・あ、治った。」
レミーア「ほう。氷を急に摂取すると頭痛を催すのか。ますます興味深い。」
太一「んじゃ俺も!頂きまーす!」
かき氷を一口。
太一「うおおー!キタキター!」
幹也「覚えてるか太一?俺が子供の頃、かき氷の食い過ぎで体調崩した事。」
太一「あったな。」
夕方。店番は太一と幹也とジェラードとマリエ。
レミーア「では、頼んだぞ太一。幹也。やるからには売り上げ1位を目指せ!」
幹也「おう!任せんしゃい!って何で俺達が!?」
太一「風属性の魔術なら、レミーアさんも凛が出来るだろ!?」
レミーア「我々は他の用事で忙しい。」
ミューラ「それに祭りの日。私達火属性の魔術師には別の仕事があるの。」
太一「別の仕事って?」
凛「ナイショ♪楽しみにしてて。」
レミーア「ジェラード。遠慮せずコキ使っててくれ。」
ジェラード「ああ!任せろ!」
太一「ええ・・・」
レミーア「まぁそうむくれるな。良い子にしていれば、良いものが見られるかも知れぬぞ?」
幹也「良いもの?さぞ俺達を満足させるものかもな。」
夜になり、宵星の祭りが始まった。
シルフィード「フフン!」
バラダー「ほう。これが噂に聞く風の精霊シルフィード・・・」
ラケルタ「何とまぁ・・・」
シルフィード「えっへん!」
メヒリャ「可愛い・・・」
幹也「久し振りだなお3方。」
バラダー「それにしても、ちょっと見ない内に随分先に行かれちまったな。」
ラケルタ「王都での活躍を聞いたよ?王立軍の顧問なんて大出世じゃないか!」
メヒリャ「まさか、召喚術師だったとは。」
太一「そりゃあ、たまたまチートって言うか、運が良かっただけで。」
ラケルタ「うん。それはある。そもそも、凛ちゃんみたいな美少女を相棒にしている時点でズルい!」
幹也「ラケルタは相変わらずだな。」
バラダー「っで、どうなんだ?嬢ちゃんとはその後進展あったのか?」
太一「え?そ、それは・・・」
???「メリラージ!1つ下さい!」
太一「あ!はい!」
1人の美人客がやって来た。
美人客「あれ?気付かない?」
幹也「え?あ!君は!」
太一「え?」
ラケルタ「うわ、鈍感。」
メヒリャ「最悪。」
バラダー「よく見ろ太一。」
幹也「お前も知ってるだろ?」
太一「・・・あ!アルメダ!?」
アルメダ「えへへ。」
太一「今日は随分大人っぽいな・・・」
幹也「可愛くなって!」
アルメダ「そ、そうかな?」
レミーア「どうだ太一?幹也?キビキビ働いているか?」
太一「レミーアさん!?」
幹也「ミューラ!」
太一「凛・・・!」
ドレス姿の3人がやって来た。
全員「おおぉ!」
パル「あらあら麗しくなって!」
レミーア「ご感想は?」
幹也「見違える程綺麗になって!」
太一「あ、えっと・・・その・・・」
レミーア「やれやれ。太一には別の修行が必要だな。」
ラケルタ「おお!まさに深海に眠る黒真珠!人魚も嫉妬する美しさよ!」
幹也「あれ?ラケルタ?」
ラケルタ「金の剣士。二つ名に恥じぬこの輝き、夜空の星々もあなたの前では霞んで見えましょう!」
ミューラ「あ、あの・・・」
太一「あはは・・・」
シルフィード「ほ〜。」
パル「ラケルタ、2人をエスコートしてるね。」
幹也「相変わらずだな〜本当に。」
太一「お?」
ドレス姿の凛。
幹也「綺麗になったな凛。」
凛「レ、レミーアさんに見立てて貰ったんだけど・・・ちょっと派手だったかな?」
太一「そ、そんな事ない!よく・・・似合うよ・・・!」
凛「あ・・・!うん・・・ありがとう・・・」
幹也「おいおい太一。もっと素直に気持ち伝えろよ〜。」
太一「う、五月蝿えよ・・・」
マリエ「甘酸っぱいわ〜。」
ジェラード「青春の味だな〜。」
祭りが続き、賑やかさが増えたその時。
”ゴロゴロゴロゴロ!”
突然の雷鳴と共に雨が降り始めた。
ジェラード「ん!?これはいかんな!」
レミーア「季節外れの嵐か・・・」
マリエ「どうしましょう・・・」
”ゴロゴロゴロゴロ!!!!”
幹也「うへぇ〜・・・折角の祭りに招かれざる客がやって来やがったぜ。」
太一「・・・・」
ジェラード「残念だが、祭りは中止だな。」
シルフィード「ええ!?そんな!!」
マリエ「安全が第一ですから。」
凛「でも・・・」
ミューラ「1年に1度、亡き人に会えると祭りを楽しんでいる人も居るわ。もう少し様子を見てから・・・」
太一「なぁ。嵐ってさ、低気圧。要するにデカい雨雲って事だよな?」
凛「え?うん、まぁ。」
太一「なら、その雨雲ごと消しちまえば嵐も収まるって事だよな?」
凛「それはそうだけど・・・」
幹也「おい太一。お前まさか!」
太一「おう!そのまさかだ!嵐より強い風の力で、雨雲を吹き飛ばしてやれば!」
ミューラ「太一!幾ら何でもそれは・・・」
レミーア「やってみろ。」
凛・ミューラ「え?」
レミーア「本来、人の力で嵐を駆逐しようなど無謀の極みだが。今日は祭りだ!私が許す!やれ太一!」
太一「よっしゃ!行くぞシルフィ!」
シルフィード「了解!」
上昇したシルフィードが等身大に巨大化した。
太一「んじゃ!!」
右手に風の力を吸収する。
太一「うおおおおおおお!!!」
吸収した風の力を嵐に向かってぶっ放した。風の力が嵐を一瞬で消し飛び、空の星々が姿を現した。。
パル「おぉ!もう晴れたね!」
幹也「んじゃ俺達は。」
蜘蛛の糸を上に展開し、温風を起こして町全体を乾かした。
幹也「よし、乾燥完了!」
太一「じゃ、嵐も吹き飛ばしたし祭りを楽しもうぜ!」
凛「うん!」
レミーア「では、我が花を添えよう!」
指輪の力で、夜空に花火を咲かせた。
太一「そっか!花火か!」
幹也「良いね!花火は風流!」
メヒリャ「うん。」
他の魔術師達も花火を打ち上げた。
ミューラ「ねぇ凛。本当にそれだけで良いの?」
凛「うん!炎色反応って言うんだけど、土属性の魔術を使って、微細な金属を取り出して炎に混ぜれば、出来るはず!」
ミューラ「炎色反応・・・そう言えば、初めて魔術の練習をした時も、凛は青い炎を出したわよね?」
凛「あ、うん。あれはガスって言う気体を燃やしたんだけど。」
ミューラ「あの時は、心底驚いたわ。この子何者なのって。」
凛「あ・・・」
ミューラ「分かった。やりましょう!感じるの。凛と一緒なら、どんな事も出来るって。」
凛「ミューラ・・・うん!」
2人が炎と土の魔術を打ち上げて混ぜ合わせた。夜空に多彩の花火が咲いた。
レミーア「おい今の・・・どうやったんだ!?」
広場は大賑わい。かき氷店では。
女性客「メリラージ3つね!」
男性客「こっちはライベリーとキヴィート2つ頼む!」
太一「はい、ただいま!」
氷が徐々に少なくなっている。
太一「ふぅ・・・商売繁盛嬉しいけど・・・」
シルフィード「大丈夫?太一。」
休憩する太一の顔をタオルで拭いてあげた。
ミューラ「お疲れ様。店番代わるわ。」
レミーア「また魔力が枯渇して、ぶっ倒れるといかんからな。」
太一「おお、悪いな。」
レミーア「その代わり太一、お前に1つ課題を与えてる。凛を踊りに誘え。」
太一「え!?俺が!?」
レミーア「他に誰が居る?そら。ボヤボヤしていると、幹也とずっと踊る事になるぞ?」
幹也と凛が踊ってる。
ミューラ「そうよ。凛は可愛いんだから。」
太一「あ・・・」
踊り終えた幹也と凛。
幹也「どうだった凛?俺とのダンス。」
凛「うん、良かったわ幹也。」
幹也「何か、お前と俺が2人きりになるの珍しいな。」
凛「何時もは太一と一緒だったからね。」
太一「凛!」
凛「あ!太一!」
幹也「よう。店番交代か?」
太一「あ、あのさ・・・」
仮面を着けて、勇気を出して凛を誘う。
太一「俺と・・・踊って下さい!」
幹也「フフッ。凛。」
凛「・・・うん。」
誘ってくれる太一の手を握った。
太一「っ!」
凛「喜んで!」
2人が踊る。太一は凛を見て少々照れてる。
ミューラ「太一ったら、凛の足を踏んだりしないのかしら?」
レミーア「ふっ。修行の項目が増えたな。」
幹也「今日からレディーに関する課題を与えてやるか。ん?」
ある人物を見付けた幹也が、その人物へ向かった。
凛「ふぅ。ダンスって結構疲れるんだね。」
太一「あ、うん。」
楽団長「さて!祭りの夜も更けて来ました!次は最後の曲となります!紳士諸君、意中のお相手に申し込むなら今ですぞ!」
太一「・・・・」
幹也「太一!」
太一「ん?幹也どうしたんだ?」
幹也「お前にお客さんだ。」
太一「え?」
幹也の後ろから、仮面を着けたアナスタシアが出て来た。
太一「あ・・・!」
アナスタシア「太一君、凛ちゃん。久し振りだね。」
楽団長「さっ!準備は宜しいか?」
太一「アナ・・・・」
凛「・・・太一。私、ちょっと疲れちゃった。だから、アナさんと踊ってくれない?」
太一「凛・・・?」
凛「ね?お願い。」
太一「けど・・・」
幹也「折角再会したんだ。誘わずにどうするよ。」
太一「幹也・・・」
凛「じゃ、後でね!」
幹也「お2人さん、楽しんで来いよ!」
2人は太一とアナスタシアと別れた。
太一「あ・・・その・・・俺と踊ってくれますか?」
アナスタシア「あ・・・はい。」
ミューラ「良いの?」
凛「うん、良いの。」
幹也「アナスタシアは、俺達の大切な仲間だからな。」
ミューラ「踊ろう?凛。」
凛「え?」
ミューラ「私じゃご不満?」
凛「・・・そんな事。ありがとうミューラ!」
2人は踊りに行った。
幹也「青春だね〜。パル。」
パル「ん?何?」
幹也「俺と、一緒に踊りませんか?」
パル「・・・喜んで!」
幹也とパルも踊りに行った。
今日は宵星の祭り。
1年に1度、生者と死者が出会う夜。
仮面の奥に素顔を隠して、大切な人と渡る夜。
そんな不思議もあって良いと思う。ここは異世界なのだから。
『THE END』
キャスト
西村太一:天崎滉平
吾妻凛:高橋李依
雲居幹也:佐藤元
ミューラ:田中美海
レミーア:大原さやか
シルフィード:久保ユリカ
パル:伊藤美来
アナスタシア:真野あゆみ
ジェラード:魚建
マリエ:鎌倉有那
アルメダ:杉村ちか子
バラダー:紀ノ貴紀
ラケルタ:田丸篤志
メヒリャ:七瀬彩夏
仮面屋店主:八木岳
楽団長:藤原侑聖
老婦人:西村野歩子