レミーア「ああ。魔力量120000。魔力強度40000と言うのが、太一。お前の力だ。」
太一「・・・・」
レミーア「凛にしても、魔力量37000。魔力強度5000とは。そして幹也の方は、魔力量80000。魔力強度20000とは。実に驚異的な数字と言わねばならぬ。」
幹也「俺の魔力が80000だと・・・?」
凛「そう・・・なんですか?」
ミューラ「当たり前でしょ。普通人間では魔力量が10000、魔力強度2000を超えれば騎士や宮廷魔術師にだってなれるわ。エリステイン魔法王国 随一の魔術師と呼ばれるレミーアさんですら・・・あ!」
レミーア「私の魔力量は43000、強度は6000。ミューラの魔力量は30500、強度は3800だったか?」
ミューラ「はい・・・」
幹也「2人も結構な数値だな。」
レミーア「これで弟子になる訳が理解出来ただろ?驚異的な力を持ちながらお前達はその使い方をまるで知らん。私から見たら赤子同然だ。」
幹也「赤ちゃんレベル・・・」
ミューラ「魔力を使うには相応の修行が必要よ。それが強ければ尚更ね。魔力をコントロールする術を学ばないと身を滅ぼしかねないわ。」
太一「じゃあもし、俺達が修行して魔力の使い方ってのをマスターしたらどうなるんだ?」
レミーア「そうだな・・・Sランク冒険者所か最高峰の宮廷魔術師・・・いや修行次第では太一、お前は国を相手に1人で戦を仕掛け、しかも滅ぼす事の出来る存在になるだろう。」
太一『え?国を相手に・・・?」
幹也「しかも滅ぼす・・・?」
レミーア「あぁ。一国の王ともなれば金も女も欲しいままに出来るぞ。」
自分の胸を太一に近付けた。
太一「・・・・!?」
横から凛が太一の顔を掴み、幹也が太一の頭をグリグリする。
太一「痛ててててててて!!!!!」
凛「こーら!!!!」
幹也「またお前は!!!!!」
レミーア「これは鍛え甲斐がありそうだな。ミューラ。」
ミューラ「えぇ。」
乗り気じゃないミューラ。
翌朝。レミーアの家のウッドデッキ。
太一「おぉ!美味そう!」
幹也「豪華だなぁ!」
テーブルに豪華な朝食が並べられた。
レミーア「この家で遠慮は無用だ。しっかり食べると良い。」
凛「ありがとうございます!」
太一「んじゃ、頂きまーす!」
幹也「ん〜!美味え!」
レミーア「それでは、まず魔術について説明しよう。ミューラ。」
ミューラ「魔術とは精霊に魔力を支払いその対価として力を得る事で、私達が行使出来る術の事よ。」
太一「精霊?またえらくファンタジーだな・・・」
幹也「いやファンタジーだろ?この世界。」
太一「それもそっか。」
凛「では精霊を介さないと、魔術師は術を発動出来ないって事ですか?」
レミーア「その通りだ。火、水、風、土。精霊にはこの4つの属性がある。つまり魔術にも同じ4つの特性が存在する。」
凛「魔力を支払う精霊の属性によって、魔術の特性が決まるんですね。」
レミーア「うん。凛は飲み込みが早くて助かる。凛はな。」
太一・幹也「うぐっ!?」
朝食に夢中な太一と幹也が手を止めた。
太一「いや聞いてますって!」
幹也「飯に夢中だと思うのは間違いだぞ!」
レミーア「兎も角だ。魔術師自身に属性を選ぶ事は出来ない。何故なら精霊が魔術師を選ぶからだ。」
幹也「その人によって、精霊に選ばれるって訳か。」
レミーア「そうだ。通常1人の魔術師が操れるのは1つの属性。これを
ミューラ「私は火と土属性を操る
レミーア「私は火、水、風の
凛「・・・!」
レミーア「全部だ。」
凛「・・・ぜ、全部!?」
レミーア「あぁ。極めて稀だがな。凛は4つ全ての属性を操る事の出来る
凛「・・・・!」
幹也「そっか。凛が触れた水晶玉に4つの光が飛び交っていたな。あれは
レミーア「そして幹也。お前の属性は特殊だ。」
幹也「特殊?」
レミーア「お前から、蜘蛛の力を感じる。」
幹也「蜘蛛の力?」
レミーア「幹也、何処でその能力を持ったんだ?」
幹也「何処でって・・・あ!」
転移したその日。黒曜馬の火炎放射が何かに防がれた時を思い出した。
幹也「あの時火炎放射を防いだ白い物体・・・あれ蜘蛛の糸だったのか。もしかしたら、小ちゃい蜘蛛に手を噛まれた時かも知れない。」
レミーア「蜘蛛に噛まれた・・・その蜘蛛はマギアスパイダーと言う蜘蛛だ。それに噛まれた者は体内に毒の魔法が巡り、即死してしまう危険な蜘蛛だ。」
幹也「いいっ!?」
凛「じゃあ、何で幹也は今生きているの?」
幹也「分からん・・・」
ミューラ「恐らく、マギアスパイダーは毒と間違えて特殊な力を与えたかも知れないわ。」
幹也「ん?じゃあ。」
右手を突き出すと、手首から蜘蛛の糸が飛び出し、小屋の外に置いてある薪を掴んだ。
幹也「このまま!」
引っ張ると蜘蛛の糸に掴まれた薪が引っ張られ、幹也の手に渡った。
幹也「こりゃあ良い!」
レミーア「差し詰め幹也は、
凛「幹也凄い・・・!」
太一『流石・・・!じゃあ俺は!?俺はどうなんです!?」
レミーア「ふむ。太一 お前の属性は・・・」
太一「属性は・・・!」
レミーア「・・・分からん。」
太一「おい!」
幹也「未知の力!?」
レミーア「太一、お前は魔術師ではなく魔導士だと判明した。」
太一「魔導士・・・?」
レミーア「
凛「それってどう違うんです?」
ミューラ「魔術は精霊の力を借りて行使する。それは話したわよね?。」
凛「はい。」
ミューラ「魔術は適切な呪文を唱える事で精霊から力を借りる。でも魔法にはそれが要らないの。」
太一「どう言う事だ?」
幹也「もしかして、魔導士は力を使わず、精霊そのものの力を使う。と言う事?」
レミーア「そう言う事だ。」
太一「そんな事が可能なのか?」
レミーア「ふむ。だがその為に魔導士は使役する精霊と契約を交わす必要がある。使う者と使われる者。強力な絆が生むその力は我々魔術師とは桁違いだ。たった1人で国を滅ぼす事も出来る力。これで意味が分かっただろう?」
凛「・・・・・」
太一「あーいや・・・国とか権力とかそう言う面倒臭そうなのには関わりたくないって言うか、ぶっちゃけ全然いらないんですけど。」
レミーア「世界最強になれる男のセリフじゃないな。全く宝の持ち腐れだ。」
太一「あははは・・・」
幹也(ここでも宝の持ち腐れだな、此奴。)
太一「で結局、俺の属性って?」
レミーア「残念ながら
彼女から禍々しい魔力が溢れ出た。
特訓開始。レミーアが魔力を溜めた右手で大木を殴り倒した。
レミーア「魔力を右手に具現化。そして殴る。ただそれだけの事だ。」
太一「はぁはぁはぁ・・・」
レミーア「如何に強い魔力を持とうと それを具現化出来なければ何にもならん。基礎の基礎だ。今日中にマスターしろ。」
太一「無茶な!」
謎の声『フフ♪頑張って。』
太一「え?」
あの時の声が彼の耳に聞こえた。
レミーア「何だ?」
太一「え?今何か言いました?」
レミーア「何も言っていないが?」
太一「気のせいか?」
レミーア「ほらさっさと集中しろ。出来なければ夕食は抜きだぞ。」
太一「えぇー!」
湖がある森林。
幹也「まずは射出。」
右手から蜘蛛の糸を射出し、木の枝に絡めた。
幹也「このまま・・・よっと!」
自分が引っ張られるように飛んだ。
幹也「よっ!ほっ!とっ!」
蜘蛛の糸で湖の周りを飛んで移動する。
幹也「ほっほー!こいつは凄えやぁ!・・・よっと!」
宙返りして湖畔に着地した。
幹也「俺の魔力量が80000で魔力強度が20000かぁ。ん?魔力があるって事は、よっ。」
蜘蛛の糸を出して、頭の中で何かをイメージした。すると蜘蛛の糸が激しく動き、剣の形になった。
幹也「成る程ね〜!魔術のイメージで蜘蛛の糸を自在に操れるのか!そうだ、あれも試そう。」
この湖で1番高い木の近付き、ジャンプして手を張り付けると、幹也は落ちずぶら下がってる。
幹也「完全にスパイダーマンだなこりゃ。蜘蛛のように登れるぜ。」
1番高い木をサクサクと登った。
荒野の方では。凛がミューラからの特訓を受けている。
ミューラ「火よ。」
右手から火が出た。
凛「!」
ミューラ「魔術はイメージよ。何故、どうやって火は燃えるのか。イメージをしっかり組み立てる事が大切よ。”火よ”と言う詠唱はそれを精霊に伝える合言葉のようなものなの。慣れてくれば唱える必要も無くなるわ。それじゃあやってみて。」
凛「はい。」
頭の中で火をイメージする。
凛(何故火は燃えるのか。それって理科で言う燃焼のメカニズムって事よね?必要なのは燃えるもの・・・可燃物と酸素、発火する為の温度・・・)
イメージが完成し。
凛「火よ。」
右手から火が出た。
ミューラ「ッ!!驚いたわ。火属性の基本魔術をこんなにすぐマスター出来るなんて・・・」
凛「それは理科の実験で・・・あ!じゃなくてえっと・・・」
ミューラ「凛は本当に飲み込みが早いのね。教え甲斐がある。」
凛「あ・・・」
ミューラ「どうかした?」
凛「ううん。ミューラさんってその・・・もっと厳しい人かと。」
ミューラ「そんな風に見えたかしら?」
凛「ごめんなさい!変な意味じゃ・・・!」
ミューラ「別にいいわ。エルフはそう見られやすいし。後私の事はミューラで良いから。」
凛「え?」
ミューラ「それから凛。今は私が先生だけど、今後あなたとは対等な関係になれたらと思ってる。これは本心よ。」
凛「ミューラ・・・」
ミューラ「さぁ訓練に戻りましょう。」
凛「あ、それなんだけど」
ミューラ「何?」
凛「1つ思いついた事があって。火よ。」
右手から火を出した。
凛「魔術はイメージ。そう教えてくれたでしょ?」
ミューラ「ええ。」
凛「今のイメージは木や油が燃える様子。でも他の物を燃やせばもっと火力が上がるんじゃないかな?例えばガスとか・・・」
ミューラ「ガス?」
ガスと言う言葉に疑問を抱くミューラ。次の瞬間、凛の火が青い炎になって燃え上がった。
ミューラ「っ!?」
凛「出来た!魔術はイメージ!そう言う事なんだ!」
彼女がイメージしたのは、ガスバーナー。それが青い炎に繋がった。
ミューラ(青い炎・・・こんなの魔導書にも載ってない・・・この子・・・)
特訓開始から数時間後。空は夕方。
太一「ハァ・・・ハァ・・・」
レミーアの特訓で太一がバテていると。
凛「たーいち!どう調子は?」
幹也「精進してるか〜?」
特訓を終えた凛と幹也が戻って来た。
太一「最悪・・・全然具現化出来ねぇ・・・凛はどう?」
凛「ふふん!ミューラに褒められちゃった!」
太一「そっか。流石だな。幹也の方は?」
幹也「いやぁ〜、蜘蛛の力って凄えんだなぁ〜!」
右手首から蜘蛛の糸を引っ張った。それを鞭のように振り回す。
幹也「これ凄え便利〜!オマケに壁や天井を軽々歩けるし!」
太一「流石だな。」
凛「こーら!諦めちゃダメ。太一も出来るって。もう一回やってみよ」
幹也「ホラ立てよ。頑張れば出来るって。」
バテてる太一を立たせた。
凛「ほら!」
太一「・・・・・」
謎の声『もう少し。』
またあの声が太一にだけ聞こえた。
凛「太一集中だよ。できるだけ魔力を具体的にイメージするの・・・」
謎の声『魔力は塊・・・』
太一(子供・・・幻聴じゃない・・・確かに聞こえて・・・)
謎の声『体の真ん中・・・』
太一(体の真ん中?)
謎の声『そう、導くの・・・』
凛・幹也「あ!」
太一の右手が光り輝いた。
謎の声『早く会いたい。太一・・・』
凛「太一!」
幹也「おい太一!」
太一「はっ!!」
我に帰った太一が、光り輝く自分の右手を見て驚いた。
凛「これが太一の魔力?」
太一「あ・・・」
凛「凄い!凄いよ!」
幹也「やれば出来るじゃん!」
太一「あ、あぁ・・・うん・・・所でさ、今 子供の・・・いや誰かの声聞こえなかったか?」
凛「ううん。何も聞こえなかったけど?幹也は?」
幹也「いや、聞こえなかったけど?」
太一「だよな。悪い変な事を聞いた。」
凛「声がどうかしたの?」
太一「あぁ・・・何処かから聞こえた声が俺の手助けをしてくれたみたいでさ。」
幹也「もしや幽霊!?」
凛「やだ!」
太一「止せよ。縁起でもない。」
幹也「じゃなかったら、お前の難聴とか?」
太一「いや、耳は正常だぞ?兎に角魔力の具現化は出来たんだ。これで夕飯が食えるぞ。」
夕食の時間。
太一「頂きまーす!」
パスタとパンを頬張る。
凛「太一。お行儀悪い。」
幹也「ゆっくり食えよ。」
レミーア「今日の所は許してやれ。魔力を使えばその分消耗する。腹も減るだろうよ。」
太一「美味いっす!」
レミーア「気持ちの良い食べっぷりだな。」
凛「すみません。遠慮がなくて・・・」
レミーア「気にするな。所で凛。初日から目覚ましい進歩があったとミューラから聞いたぞ。」
凛「え?」
ミューラ「謙遜しなくていいわ 凛。基本魔術をたった1日でマスターするなんて本当に凄い事よ。」
凛「それは先生が・・・ううん ミューラの教え方が上手だったお陰だよ。」
ミューラ「私は普通に教えただけだけど・・・」
レミーア「では明日からも凛の特訓はミューラに任せよう。幹也はそのまま自主特訓だ。さて太一、お前の事だが明日は左手だ。」
太一「えぇ・・・」
レミーア「みっともない声を出すな。全身に宿せるまで続ける。」
太一「俺も魔法とか使ってみたいんですけど・・・」
レミーア「却下する。お前がまず習得すべきなのは、己の魔力で身体機能の強化をする方法だ。」
太一「そんな事が出来るのか?」
レミーア「あぁ。その代わり強化している間は常に魔力を消費する事になるが。12万もあるんだ。少々無駄遣いしても有り余るだろう?」
幹也「確かに。」
レミーア「兎も角。
太一「俺の・・・」
レミーア「詠唱もいらない。ただ強化して殴る。単純でお前向きだろ?」
凛・ミューラ「プッ!」
幹也「ブッ!」
太一「え!?何その反応!?」
凛と幹也とミューラが吹いた。
レミーア「たっぷり食っておけ!明日からはもっとキツくなるぞ!」
馬鹿でかいパスタが出た。
太一「えぇ・・・」
幹也「おぉ。太一の魔力同等の特盛パスタだ。」
太一「何のジョークだよ・・・」
夜。ウッドデッキのリクライニングチェアにレミーアが寝転んでいた。
レミーア「眠れないか?ミューラ。」
ミューラ「はい・・・」
眠れないミューラもそこに居た。
ミューラ「あの3人をどう思います?」
レミーア「どうって?」
ミューラ「あのとてつもない魔力・・・しかもたった1日で具現化してみせるなんて・・・」
レミーア「只者ではないな。」
ミューラ「それでどうするんです?」
レミーア「どうするって?」
ミューラ「レミーアさん、あなたなら何か知っているんじゃないですか?」
レミーア「そうだな。心当たりはあるとだけ言っておこう。近頃はこの辺も物騒だ。王都の厄介事がこんな辺境な地まで波及するとは思えんが・・・」
ミューラ「ギルドマスターも同じような事を言ってました。」
レミーア「ともあれ、あとひと月。いや3週間であの3人を徹底的に鍛えあげる。少なくとも冒険者として独り立ちできる程度にはな。」
ミューラ「たったの3週間で!?」
レミーア「ああ。あの3人は存在そのものが危険だ。あの力が世間に知られれば、いずれ面倒な事になるのは避けられない。それまでに何としてでも生き残る術を叩き込む。もしそれが出来なければ恐らく太一と凛と幹也は・・・」
一方王城では。ローブの女が女神像を崇拝していた。
ローブの女「天地を統べる尊き女神よ・・・ふし願い奉る・・・何卒かの者に祝福を・・・」
そして3週間後。大草原に立つ太一の前に、狼の魔物が現れた。
太一(相手はフェンウルフ。魔力による身体強化レベルは10・・・15もあれば十分か。)
フェンウルフが太一に突進するが、太一がしゃがんで避けた。そして。
太一「ヘッ!おりゃあああ!!!」
身体強化を発動し、フェンウルフを放り投げた。
太一「悪いな。」
倒れたフェンウルフを剣で突き刺して討伐した。
太一「まずは1匹。」
離れた場所では。
幹也「よっと!」
蜘蛛の糸が、ラージバタフライの胴体を絡めた。
幹也「それっと!!!」
そのままジャイアントスイングで回し、周囲のラージバタフライを絡めた。
幹也「はっ!!!」
大ジャンプからの。
幹也「あらよっと!!!!!」
着地と同時に地面に叩き付けた。
幹也「超エキサイティングなアトラクションだな。」
蜘蛛の糸を剣の形になり、ラージバタフライの翅を剥ぎ取る。
幹也「これでOKだ。」
遠くに爆炎が上がっていた。
幹也「お〜お。凛の奴、派手に魔物と遊んでいるみたいだな。」
爆炎地では。
凛「もう、何でこんなにいるのよ。角ウサギは繁殖力が旺盛って聞いてたけど幾ら何でも・・・」
角ウサギが凛を襲うが、凛が魔術で角ウサギを払った。
凛「ウサギなのに草食じゃないし・・・どうしてこの世界の魔物って皆肉食なの?しかも人を襲うとか。」
角ウサギの大群が凛に迫る。
凛『土よ!ストーンバレット!」
ストーンバレットで角ウサギを討伐。
凛「水よ!水砕弾!」
水砕弾で角ウサギを溺れさせた。
凛「風よ。雷神剣!」
雷神剣で、濡れた角ウサギ達を痺れさせた。
太一「うわー。凛さんえげつねぇー。」
幹也「いやぁ〜見事見事。」
凛「そっちは?」
太一「フェンウルフを3頭。」
フェンウルフの角3頭分。
幹也「ラージバタフライ5匹。」
ラージバタフライの翅5羽分。
丘の上からレミーアとミューラが見物してる。
レミーア「ほぅ、中々やるな。」
ミューラ「見事なものです。特に土、水、風の属性を応用した凛の波状攻撃。もはや詠唱も殆ど必要としていません。」
レミーア「珍しいなミューラ。お前がそこまで肩入れするとは。」
ミューラ「別に肩入れなど・・・実際、凛は優れています。教えた事はすぐに吸収するどころか、何時の間にか応用して独自の魔術すら編み出してしまう。寧ろ最近は私の方が学ぶ事も多い位で・・・」
レミーア「ふぅ〜ん。」
ミューラ「ですから!」
レミーア「さて実力の程は見た。そろそろ・・・ん?」
ミューラ「いけない!あれは!」
レミーア「待て。」
2人が目撃した物は・・・
太一・凛・幹也「・・・・・・」
同じく3人も、レミーアとミューラが目撃した物を見た。その正体は・・・
転移直後に遭遇した黒曜馬だった。
太一「うぇぇ・・・マジかよ・・・黒曜馬・・・」
凛「でも、前と違って・・・」
幹也「今の俺達は・・・」
太一「負ける気がしねぇ!!」
凛「カマイタチ!!」
幹也「行くぜぇ!!!」
太一「うおおおおおおお!!!!」
あの時のリベンジを果たす為、黒曜馬に立ち向かった。
その日の晩は、より豪華になった。
レミーア「では太一、凛、幹也。」
ミューラ「卒業試験合格おめでとう!」
太一「うぉぉ!凄ぇご馳走!」
幹也「今日は肉祭りだー!」
レミーア「今日で私の料理はしばらく食べられなくなるからな。」
太一・凛・幹也「え?」
ミューラ「2人には明日アズパイアに発って貰うわ。」
太一「え?」
レミーア「何時までウチでタダ飯を食うつもりだ?さっさと冒険者になれ。」
太一「あ!そうだった・・・」
凛「そもそも最初の目標って冒険者になる事だったよね?」
幹也「やっと本番が来るな!」
レミーア「さらに1つ。お前達に教えておく事がある。」
太一・凛・幹也「?」
レミーア「太一、凛、幹也。すでに察しているかと思うが、お前達は迷い人だ、」
凛「迷い人・・・?」
幹也「どう言う意味なんだ?」
レミーア「私も文献でしか読んだ事がないが、極稀に別の世界からこの世界にやって来る者達が居る。何らかの切っ掛けで時空に穴が開き、こちらに来た者。或いはこちら側の魔導士により異世界から召喚された者がそれだ。」
太一「っ!!」
転移前、足元に魔法陣が現れたのを思い出した。
太一「・・・・」
幹也(あの魔法陣・・・誰かが起こした物か・・・)
レミーア「お前たちは様子から見て後者だと思うが。違うか?」
太一・凛・幹也「あ!!」
太一「レミーアさん、アンタもしかして・・・!」
レミーア「うん。」
幹也「まさか知ってたのか?俺達がこの世界の人間じゃないって!」
レミーア「私を誰だと思っている?尋常ではない魔力、時折漏らす聞きなれない言葉。すぐにピンと来たさ。」
幹也「あ・・・」
ミューラ「3人がこの世界のイレギュラーだからこそ、レミーアさんはここで修行を積むのが最善だと判断したの。」
太一「けど・・・」
凛「誰が何の目的で・・・」
幹也「俺達をこの世界に・・・」
レミーア「・・・それは、お前達を召喚した魔導士本人に会って聞くしかあるまい。だが、召喚魔法は極めてレベルの高い魔法だ。しかもこれが使えるのは時間と空間を操る時空魔導士に限られる。」
ミューラ「元々数が少ない魔導士の中でも特に時空魔導士は少数よ。魔術の盛んなここエリステインでも数人居るかどうか・・・」
凛「そんな・・・」
幹也「ここに居ない可能性もあるのか・・・」
太一「いや!それって寧ろラッキーじゃね?」
凛「え?」
幹也「何がラッキーだ?」
太一「だって数が少ないって事は探しやすいって事だろ?だったらさっさとその魔導士を見付けて、俺達を呼んだ理由を聞き出してさ、それを片付けちまえば凛と幹也ち俺は帰れる!だよな!?」
レミーア「まぁ・・・そう言う事も或いは可能かも知れん。」
太一「よっしゃ!」
凛「・・・」
幹也「少人数だから逆に見付けるの難しくね?」
レミーア「さぁ今夜は祝いだ!鱈腹食って飲むぞ!」
太一「オー!」
夕食後。太一の部屋。太一がベッドで横になり、凛がベッドに座り、幹也は椅子に座ってる。
太一「いよいよ俺達冒険者だな!」
幹也「何かワクワクするな〜!」
凛「うん・・・」
太一「何だよ?自信ないのか?」
凛「そんな事ないけど・・・」
幹也「もしや、緊張し過ぎて怖気ついちゃったとか?」
凛「五月蝿い・・・」
太一「ありがとな凛、幹也。」
凛「え?」
幹也「何だいきなり?」
太一「召喚されたあの時の事。あんな訳分かんない状況なのに2人は・・・もし1人でこの世界に来ていたら多分俺死んでたと思う。」
凛「そんな事・・・」
太一「あるよ。凛と幹也が居たから、カッコつけて黒曜馬にも立ち向かえた。1人にしないで欲しかったのは、寧ろ俺の方だったのかもな。」
凛「太一・・・」
太一「サンキューな凛。幹也。」
幹也「止せよ。照れ臭い。」
太一「兎に角、自分の腕で稼げるようになったんだ。この世界の事情もある程度分かるようになって来たし。」
凛「うん・・・結構面白いかも・・・」
太一「冒険者になって金を稼いで、まずは自活する。で俺達を召喚した魔導士を探して元の世界に帰して貰う。取り敢えずの計画はこれで良いよな?」
凛「って、随分簡単そうに言うけど。」
幹也「ざっくりな計画だな。」
太一「了解?」
凛「りょーかい。」
グータッチを交わす。
太一「幹也も。了解?」
幹也「ああ。了解しましたぜ。」
グータッチを交わした。
夜。太一が光る右手を見る。
太一「一国を滅ぼせる力・・・本当にそんな力が俺にあるのか・・・?」
謎の声『フフ♪太一。』
太一「っ!!誰だ!?何故俺を呼ぶ!!」
謎の声『会える・・・もうすぐ・・・』
太一「会える?どう言う事だ?」
謎の声『楽しみに・・・してて・・・』
太一「おい!何処へ!」
謎の声『うふふっ!あはははっ!』
緑色の光が、太一の部屋から夜空へ飛んで行った。太一にだけ聞こえる声の主の正体は何者なのか。
『END』
キャスト
西村太一:天崎滉平
吾妻凛:高橋李依
雲居幹也:佐藤元
ミューラ:田中美海
レミーア:大原さやか
ローブの女:末柄里恵
謎の声:久保ユリカ
次回・駆け出し冒険者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『
CV・佐藤元
モデル・杢代和人
魔力量・80000
魔力強度・20000
身長・168Cm
性格・ジョーク好き
髪型・赤髪ウルフ
冒険者服・黒い服、白いジャケット、青いジーンズ、赤いミリタリーブーツ
3人目の主人公。
西村太一と吾妻凛の幼馴染みで、2人と共に異世界へ転移した高校生。
転移直後に魔力を持つ蜘蛛のマギアスパイダーに噛まれた事が切っ掛けで、
蜘蛛の糸で相手を束縛・目潰しが可能で、更に壁や天井を歩く事も可能。
頭の中で魔術イメージを働かせ、蜘蛛の糸を凡ゆる武器に形作る事が出来る。
しかしこの力はまだ2分の1だが・・・